2021年09月18日 20:12
「プロレス・新日本」(18日、エディオンアリーナ大阪) 20選手がAとBの2ブロックに別れて争うシングルリーグ戦「G1クライマックス」が開幕。グレート‐O‐カーンがタンガ・ロアとの初出場対決を制して白星発進を決めた。 IWGPタッグ王座を7度獲得したパワーファイターのロアと堂々と力勝負で渡り合ったオーカーン。ロアの右腕攻めに苦しみ、ロアの参謀の邪道の度重なる介入にも悩まされたが耐え抜いた。終盤には豪快なパワーボムを浴び、フィニッシュ技エイプシットを見舞われる大ピンチに追い込まれたが寸前で切り抜け、即座にアイアンクロースラムのエリミネーターを繰り出して逆転の3カウントを奪った。 試合後、オーカーンは「G1中に、余の新日本侵略1周年祭を行う。余を色物、怪奇的、キャラクター先行、あとなんだろうな、口がよく動く。そういう罵詈雑言も全部合ってるよ。余は支配者だ。そういうバカにする言葉すらすべて受け入れて、返してやる」と大威張り。「どう返すか。この1年で余はリング街、さまざまな侵略を続けてきた。それこそ偉業だ。だから次はリングの上で偉業を成し遂げてやる。栄光の言葉も挫折の言葉も全部余のものだ」と予告した。
2024年04月28日 20:50
全日本プロレス春の祭典「チャンピオン・カーニバル」Bブロック公式戦(28日、名古屋国際会議場)で、鈴木秀樹(44)が諏訪魔(47)との「バカバカコンビ対決」を制し、真のバカに認定された。
2人のシングルは2月20日後楽園大会の第1試合以来、2度目。諏訪魔が岩石落とし固めで勝利を収めている。
この日も開始からじっくりとしたレスリングの攻防を展開。普段は「バカバカ」言い合っている2人だが、テクニシャンの鈴木とレスリングをバックボーンに持つ諏訪魔のハイレベルな技術が交錯し、観衆をうならせた。
試合が激しく動いたのは10分過ぎだ。コブラツイストを逃れた諏訪魔が頭突きから、投げっ放しジャーマン、さらにはラリアートでたたみ掛けてきたが、万力スリーパーを逃れた鈴木は岩石落としから延髄斬りを発射。すかさず後頭部にエルボーを振り下ろし、卍固めで捕獲した。
諏訪魔も2分近く耐え抜いたが逃れることができず、最後はセコンドの田村男児がTシャツをリングに投げ入れ、レフェリーストップにより鈴木の勝利が告げられた。
鈴木はこれで3勝2敗の勝ち点6。同ブロックは勝ち点8の首位に3冠ヘビー級王者の安齊勇馬と斉藤ジュンが並ぶ。
試合後はノーサイドで2人はガッチリ握手。マイクを握った鈴木は「本来であればバカは1人なんで、負けたバカに締めてもらおうと思いましたが…、公式のアカウントに『バカ決定戦』と書いてありました。ということはですね、私、勝ってしまいました…」と自虐的に口にし、会場は大爆笑。
最後は「俺と諏訪魔はバカだ、オイ!」の掛け声で締めくくり、仲良くラーメン屋に向かった。
2024年04月28日 20:11
「ボクシング・女子6回戦」(28日、堺市産業振興センター)
大阪・浪速高時代に全国高校選抜優勝歴のある高倉日向(19)=ディアマンテ=がプロデビュー戦に臨み、スパットラー・ウンルアン(タイ)に1回1分54秒KO勝ち。豪快なKOデビューを飾った。
高倉はディアマンテジムの創設期に入会し、中学時代から全国王者となり、高校時代には21年に全国高校選抜女子フライ級で優勝するなどアマチュアで活躍。高校卒業後は将来を見据えて看護学校への受験を選び、競技を退いた。しかし入学が決まると、前WBO女子アジア・パシフィック・ミニマム級王者の吉川梨優那(ディアマンテ)のリング上での活躍に刺激を受け、闘志が再燃。学校との文武両道を掲げた上でプロ転向を決めた。
デビュー戦では開始早々、相手が左フックを打って出たタイミングで右を合わせてダウンを先取。これで勢いに乗ると、スピードあるコンビネーションを打ち込み、みぞおちに右ストレートを突き刺して2度目のダウンを奪う。スパットラーは苦もんの表情を浮かべたまま10カウントとなった。
高倉は「相手の左フックを警戒する中でパンチが当たって、これならいけると思った。まさかKO勝ちできるとは思わなかった」と声を弾ませた。「アマチュアと違ってプロはすごく気持ちがいい。癖になる面白さでした。(野上)奈々会長や(吉川)梨優那ちゃんのようにチャンピオンになりたい」と目標を掲げた。
ディアマンテジムの野上真司オーナーは「今日は120点満点。緊張感もあったと思うが、早々に右のカウンターを決めてダウンを奪えたことで波に乗れた。女子の試合でこのようなKOはなかなかお目にかかれない。最高のプロスタート。この調子で上を目指して頑張ってもらいたいです」と今後の躍進を期待した。
2024年04月28日 18:20
「RIZIN.46」(29日、有明アリーナ)
前日計量が28日、都内で行われ、出場する全20選手がパスした。
セミファイナルでは、バンタム級(61・0キロ)で、元RIZINフェザー級王者の牛久絢太郎と、2016年リオ五輪レスリング・グレコローマン銀メダリストの太田忍が対戦する。
太田は「試合後にグアム旅行決まってるので、いいシートで行きたいので、今エコノミーなので、社長、勝ったらボーナスでアップグレードしたいのでお願いします」と、榊原信行CEOに勝利者ボーナスをおねだり。日韓対抗戦での勝利者チームへのボーナスは約束した榊原氏だが、太田のおねだりは「勝手に言ってくれって。旅行のアップグレードするお金なんてね、それ言い出したらきりがない。聞かないフリしときます」と、アッサリ却下していた。
なお、太田は27日に都内で行われた個別の記者会見で「何個か技は用意しています。極めの体勢に入ったら極める自信があるのも何個かあるので、一本もあると思います」と、秘密兵器の存在を明言した。
牛久は階級を落としてくるが、パワーでも負けない自信があるとして「僕はもっと、レスリング時代にロシア系とかキューバ系とか化け物のフィジカルを感じてきているので、その辺に比べたら屁みたいなものだと思うので、何とも思わない」ときっぱり。
牛久が7カ月間、米国の名門ATTで練習していることについては「もともと強い選手で、最先端の技術も落とし込んでいるから相当強くなっていると思います」としつつも「僕も相当強くなっているので大丈夫です」と自信を見せ、「2連勝したらタイトルの挑戦権はある程度あると思っています。僕が牛久選手に勝って、井上直樹選手とやるってことも十分できると思うので、この試合にしっかり勝ってケンカ売りたいと思います」と、タイトル挑戦への青写真を描いていた。
2024年04月28日 18:04
「RIZIN.46」(29日、有明アリーナ)
メインイベントで鈴木千裕(24)のRIZNフェザー級王座に挑戦する金原正徳(41)は、27日に都内で行われた個別記者会見に、派手なブルーのスーツで出席した。
2024年04月28日 18:04
「RIZIN.46」(29日、有明アリーナ)
前日計量が28日、都内で行われ、出場する全20選手がパスした。
メインイベントのRIZINフェザー級タイトルマッチで対戦する王者の鈴木千裕(24)と挑戦者の金原正徳(41)は、計量に先だって調印式を行ったが、金原は司会がサインをうながすよりも早く署名してしまい、「書いちゃいました…」と照れ笑いした。
RIZIN史上最年長チャレンジャーの金原は「この日のために準備してきました。僕にしかできないことがあります。それはこのベルトを取って、いろんな人を勇気づけたいなと思っております。まずは明日、しっかり挑みたいなと思っております」と意気込み。
RIZIN史上最年少王者の鈴木は「勝たなければならない理由が僕にはたくさんあるので。明日は絶対にKOで勝って、新しい時代を俺が作るんで」と、世代交代の完遂を誓っていた。
なお、金原は27日に都内で行われた個別会見では、試合のポイントは鈴木の右のパンチだとして「あの右に対して自分が怖がらずにいけるか。ポイントはそこだと思います」と説明した。
試合展開については「僕が倒されるか僕が極めるか。判定はないと思います。決着はつくと思います。僕は1回チャンスがあれば極められると思います。自信があります。1回テイクダウンしてそこで全てをかけると思いますし、しのがれても作り直せばいい。何かをしないという選択肢は僕にはないですね。リングに上がってみないと分からないし、持ってるものを勝負して、それなりにいいところを瞬間瞬間でチョイスして勝負したい」と話していた。
2024年04月28日 17:18
「RIZIN.46」(29日、有明アリーナ)
前日計量が都内で行われ、出場する全20選手がパスした。
3対3日韓対抗戦では、中堅戦の神龍誠とイ・ジョンヒョンが一触即発。フェイスオフの際にイが両手で神龍の胸を突いて突き飛ばし、「神龍は本当に実力のある素晴らしい選手だと思っているが、明日は違う。僕に勝つことはできない。明日は僕が圧倒的に勝ってみせる。明日、泣かないように気をつけてくださいね」と挑発した。
神龍は「楽しいっすね。おいクソガキ!俺にケンカ売ったらお前、明日死ぬよ。ボコボコにすっからみとけ」と笑顔で返し、イの求めた握手を拒否。イは中指を立ててやり返した。
殺伐とした空気を和ませたのは大将戦で中島太一と対戦するキム・スーチョルで「中島選手、明日は地獄でお会いしましょう」と日本語であいさつ。さらに「私は下戸なんですが、他の2人はとてもよく酒を飲むので、彼らにぜひともおいしいお酒をおごってあげたい。勝ったチームにボーナスを出していただけませんか?」と榊原信行CEOにおねだり。
榊原氏は「勝ったら祝賀会もしたいと思うので、個人的に僕がボーナスを出します。このあと銀行に行って、お金を下ろしてきます」と、ポケットマネーで勝利チームにボーナスを出すことを約束していた。
2024年04月28日 14:36
日本プロレスリング連盟発足記念大会「ALL TOGETHER(AT)」(5月6日、日本武道館)の全対戦カードが28日に発表された。
新たに決定したのは内藤哲也&鷹木信悟&辻陽太とジェイク・リー&デビッド・フィンレー&ゲイブ・キッドの6人タッグマッチだ。ジェイクは23日新日本プロレス後楽園大会に電撃登場し、27日広島大会に初参戦。同戦後にフィンレーがATでの同カードを提案していた。それにしても能登半島復興支援チャリティ大会のカードを決めるにあたってフィンレーの提案がそっくりそのまま通るとは、日本プロレスリング連盟は何か弱みでも握られているのか…?
ともあれこれでATは全8試合が出揃った。内藤とジェイクの6人タッグ戦はセミで行われる。メインは海野翔太&清宮海斗&上野勇希と上村優也&竹下幸之介&シュン・スカイウォーカーという、各団体の未来を担う新世代同士による6人タッグ戦に決定。棚橋弘至&丸藤正道&高木三四郎とEVIL&成田蓮&高橋裕二郎による異色6人タッグ戦は第1試合で行われる。
2024年04月28日 13:32
女子プロレス「スターダム」は28日、次期シリーズ(29日、福山で開幕)の対戦カードを発表し、闇の黒虎スターライト・キッドが中野たむ率いる「コズミック・エンジェルズ(CA)」と共闘することが決まった。
2024年04月28日 12:29
プロレスリング・ノアは28日、潮崎豪が率いる「TEAM NOAH」主催興行「LIMITBREAK.2」(5月29日、新宿FACE)の全対戦カードを発表した。
メインイベントは、世界ヘビー級王者の齋藤彰俊に潮崎豪が挑むタイトルマッチ。セミでは「TEAM NOAH」の小峠篤司がDDTの秋山準とのシングル対決が決定した。
全対戦カードは以下の通り。
▼メインイベント/世界ヘビー級選手権試合30分1本勝負
王者・齋藤彰俊 VS 挑戦者・潮崎豪
▼第5試合/30分1本勝負
小峠篤司 VS 秋山準
▼第4試合/20分1本勝負
藤田和之、ヨシ・タツ、夕張源太 VS 樋口和貞、納谷幸男、瑠希也
▼第3試合/20分1本勝負
Hi69、晴斗希 VS 遠藤哲哉、飯野雄貴
▼第2試合/20分1本勝負
モハメド ヨネ、菊池悠斗 VS 石川修司、ブラックめんそーれ
▼第1試合/20分1本勝負
大和田侑 VS 関本大介
2024年04月28日 12:20
日本プロレスリング連盟は28日、5月6日に日本武道館で行われる「ALL TOGETHER〜日本プロレスリング連盟発足記念・能登半島復興支援チャリティ大会〜」の全対戦カードを発表した。
「ALL TOGETHER」は、プロレス業界団体による「日本プロレスリング連盟」(UJPW)の設立を記念した大会。今大会には新日本プロレス、プロレスリング・ノア、DDTプロレスリング、大日本プロレス、DRAGONGATE、スターダムが参戦する。能登半島の復興を支援するチャリティ大会として行われ興行収益の一部を石川県へ寄付する。
メインイベントはDDTの上野勇希、プロレスリング・ノアの清宮海斗、新日本プロレスの海野翔太のトリオとシュン・スカイウォーカー、KONOSUKE TAKESHITA、上村優也との対戦に決定した。
さらにセミファイナルでは、新日本の4・27広島大会のイリミネーションマッチで激突したロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンの内藤哲也とノアのジェイク・リーが6人タッグで激突する。
全対戦カードは以下の通り。
▼第1試合 30分1本勝負
丸藤正道、高木三四郎、棚橋弘至 vs 高橋裕二郎、成田蓮、“キング・オブ・ダークネス”EVIL
▼第2試合 30分1本勝負
拳王 vs 藤田晃生
▼第3試合 30分1本勝負
なつぽい、スターライト・キッド vs 天咲光由、AZM
▼第4試合 20分1本勝負
関本大介、石井智宏 vs マサ北宮、ジェフ・コブ
▼第5試合 30分1本勝負
箕浦康太、MAO、ニンジャ・マック、HAYATA、エル・デスペラード vs YAMATO、遠藤哲哉、アルファ・ウルフ、ドラゴン・ベイン、高橋ヒロム
▼第6試合 30分1本勝負
KAI、SANADA vs クリス・ブルックス、ザック・セイバーJr.
▼第7試合 30分1本勝負
辻陽太、鷹木信悟、内藤哲也 vs ゲイブ・キッド、デビッド・フィンレー、ジェイク・リー
▼第8試合 30分1本勝負
上野勇希、清宮海斗、海野 翔太 vs シュン・スカイウォーカー、KONOSUKE TAKESHITA、上村優也
2024年04月28日 10:26
◆TEAM NOAH興行「LIMIT BREAK ex.」(27日、横浜ラジアントホール)
プロレスリング・ノアの潮崎豪が率いる「TEAM NOAH」は20日、横浜ラジアントホールで「ザ・リーヴPresents LIMIT BREAK.1 〜Starting Over〜」を開催した。
メインイベントで世界ヘビー級王者齋藤彰俊がREAL ZERO1の永尾颯樹と対戦。試合は齋藤が15分31秒、スイクルデスで永尾を沈め初防衛に成功した。
試合後のリングで齋藤は次期挑戦者に同じ「TEAM NOAH」の潮崎豪を指名。これに潮崎も応じ、両者のタイトルマッチが確実となった。
バックステージで齋藤は「潮崎との試合は背筋が凍ってゾクゾクするような試合にする! これから暑くなるからな。ゾクゾクするような寒気を求めるならば、絶対に観に来い! 以上だ!!」と予告した。
挑む潮崎は「齋藤彰俊の闘いをみて、そして気持ちをみて、俺が挑戦させてもらうよ。齋藤彰俊に挑戦するというシチュエーション。確かに今までなかった。挑んで勝ち取ってみます!」とベルト奪取を見据えた。
◆4・27横浜全成績
▼メインイベント世界ヘビー級選手権
〇王者・齋藤彰俊(15分31秒、スイクルデス→片エビ固め)挑戦者・永尾颯樹●
▼6人タッグマッチ
△潮崎豪、藤田和之、モハメドヨネ(20分時間切れ引き分け)石川修司、飯野雄貴、納谷幸男△
※延長戦10分1本勝負
〇潮崎豪、藤田和之、モハメドヨネ(4分41秒、豪腕ラリアット→片エビ固め)石川修司、飯野雄貴●、納谷幸男
▼20分1本勝負
〇遠藤哲哉(15分24秒、バーニングスタープレス→エビ固め)Hi69●
▼20分1本勝負
〇小峠篤司、ブラックめんそーれ(14分32秒、キルスイッチ→片エビ固め)
秋山準、瑠希也●
▼20分1本勝負
〇ヨシ・タツ(11分53秒、逆エビ固め)大和田侑●
2024年04月28日 10:22
◆TEAM NOAH興行「LIMIT BREAK ex.」(27日、横浜ラジアントホール)
プロレスリング・ノアの潮崎豪が率いる「TEAM NOAH」は27日、横浜ラジアントホールで「ザ・リーヴPresents LIMIT BREAK ex.」を開催した。
2024年04月28日 10:00
【プロレス蔵出し写真館】「すべて初心に返って裸一貫から出直す」
大相撲第54代横綱、輪島がそう表明してプロレス入りしたのは、今から38年前の1986年(昭和61年)4月13日。全日本プロレスのジャイアント馬場会長が同席して、永田町のキャピトル東急ホテルで入団発表を行った。
すぐさま馬場とともに米国遠征に出発し、修行を積んだ輪島大士は同年8月7日に米カンザス州カンザスシティ・メモリアルホールでプロレスデビューを果たした。馬場とのタッグでJR・ホッグ&アースクェイク・フェリス組に快勝した。
全米各地で7戦こなした後、石川・七尾総合市民体育館で狂虎タイガー・ジェット・シンを相手に国内デビュー戦。試合時間は短かったものの、ケレン味ないファイトはプロレスファンに好感を与えた。
海外デビューから1年を迎えようとしていた翌87年8月6日、輪島は千葉・山田町の千葉スプリングス・カントリー倶楽部にいた。輪島は馬場とともに「Qtaiクイーンズ・ゴルフカップ」のプロアマトーナメントに出場していた。小田美岐プロとパーティーを組み、結果は31位。バーディーとパーを1つ記録してスコアは馬場を上回った。
カメラを向ける報道陣に、シンがサーベルをくわえるポーズをまねて、クラブを口にくわえるサービスショットを披露した(写真)。馬場からゴルフ解禁を許された輪島は生きいきしていた。
本業のプロレスでは天龍源一郎から容赦ない攻めを受け苦悶する輪島だったが…。
翌88年初頭、1月2日の後楽園大会でアブドーラ・ザ・ブッチャーと対戦した輪島はなすすべなくエルボードロップ3発を食らう。レフェリーのジョー樋口をタックルで吹っ飛ばしたブッチャーは4発目を敢行。テレビ解説の馬場は「手も足も出ないってのは、このことですね」と厳しいコメントを発した。輪島は精彩を欠いていった。
そんな輪島の引退が報じられたのは東スポ88年12月28日付紙面。26日に米国から帰国した馬場の口から明かされた。
「世界最強タッグの最終戦(12月16日、日本武道館)が終わった後、輪島と石川(敬士)が連れ立って正式に引退したいと言ってきた。本人たちが辞めると言ってきたので…。本人たちにリングに上がろうという気力が消えてしまったのだから、どうしようもないかもしれない」と打ち明け、翌27日に本人たち不在のまま馬場が会見で2人の引退を発表した。
輪島のプロレス生活はわずか2年8か月で終止符を打った。
思い返すと、輪島のプロレス入りは86年4月8日付、日刊スポーツの紙面で明らかになった。1〜3面ぶち抜きで「輪島プロレス入り!今週中に発表、今月米国修行=馬場の全日本、12月デビューへ」と衝撃的なスクープ記事だった。
東スポ(専門誌も)は寝耳に水で、上層部の会議で担当記者は世紀の大誤報ですと否定したという笑えない話もある。
元日刊スポーツX氏は「芸能界に顔の通じてる記者が社内にいた。輪島さんって芸能人との付き合いもあったので。某芸能プロダクションがネタ元」と回想する。
ところで、引退した輪島と再会したのは9年後の97年(平成9年)12月16日、千葉・丸の内倶楽部で開催されたゴルフのジャンボ軍団恒例の忘年会・尾崎将司主催の「ジャンボインビテーショナル」だった。
特に親しかったわけではないが、にこやかに歓迎してくれた。しかし、シンが「よろしく」と言ってた旨を伝えると、「何がよろしくだ。もうあいつとは関係ない」。そう吐き捨て去って行った。
シンから伝言を授かったのは、この日から2年前の95年12月8日、IWAジャパン大阪府立の第2競技場大会。控室を訪ねた私に、「輪島はどうしてる? 会ったらよろしく伝えてくれ」。そう頼まれていた。
輪島がプロレスから距離を置いているのを、ひしひしと感じる出来事だった。
さて、2006年(平成18年)12月25日、赤坂プリンスホテルで行われた「2006年度プロレス大賞」表彰式で坂口征二や永源遙らと談笑する輪島がいた。
年月がたち、輪島の中でなにかが吹っ切れたのだろうか。
プロレスライターの小佐野景浩さんは、「輪島さんの素晴らしいところは、プロレスの悪口を一切言わなかった。まぁ、プロレスを辞めるときはいろいろあったと思うんだけど…」と明かす。
「08年にロングインタビューをしたとき、輪島さんは『初めはプロレスをショー的なものだと思っていたけども、いざ、自分がやってみたら、プロレスはそんなもんじゃないなと。それを私はヒシヒシと感じましたね』と言っていましたね。亡くなる前に話を聞けてよかったですよ」(小佐野さん)
人間・輪島は良くも悪くも記憶に残る好人物だった(敬称略)。
2024年04月28日 10:00
【昭和平成スター列伝】WWE2024年の名誉殿堂「ホール・オブ・フェイム」が4月5日にペンシルベニア州フィラデルフィアで行われ、日本人女子選手として初めて殿堂入りしたブル中野が登場。英語で「WWEユニバース(ファン)のみなさん、ブル中野を受け入れてくれてありがとう」などと涙ながらにスピーチし、世界中のファンを魅了した。
1994年11月の東京ドーム大会でアランドラ・ブレイズを破り、日本人として初めてWWF世界女子王座を獲得した功績が認められたものだが、必殺技である最上段からのギロチンドロップのダイジェストが映像で流されると会場のファンを驚がくさせた。
ブルといえばアジャ・コングとの金網デスマッチの死闘が記憶に残るが、ミスター女子プロレスとのチェーンデスマッチ(94年7月14日、東京体育館)も歴史に残る壮絶な名勝負だった。本紙はカラー面で女子頂上対決を報じている。
「ブルはチェーンで固めたパンチを容赦なく神取の右目に発射。神取の右目は潰れ大流血だ。ブルは場内をかっ歩して神取を攻める。神取もチェーンパンチ、チェーンスリーパーで反撃してブルの顔面を鮮血に染める。だがブルのコーナー最上段からのギロチン弾が爆発。しかも右足にはチェーンが巻かれている。血がしたたる右目にギロチン弾が直撃。神取の体が大きくはね上がった。そのまま沈むどころか体がジャンプするほどの衝撃弾を浴びた神取は右目を押さえのたうち回る。ブルはすかさずチェーンラリアートと延髄にもチェーンギロチン弾を発射。22分11秒、神取の女子プロ最強伝説は音を立てて崩れた」(抜粋)
LLPWの大会ながら観衆は8300人超満員。大観衆が声を失う大壮絶戦だった。神取は救急車で病院へ。完敗だった。神取は「私が唯一プロレスラーと認めていた人なんだ。天龍さんのグーほどじゃないけどチェーンギロチンは効いたね。よく言うけど、負けたけどあれが私のベストバウト。あれ以上の試合はできない。WWE殿堂入りにふさわしいプロ中のプロだった」と殿堂入りを称賛した。
ブルには誰とでもどこでもどんなルールでも自分のプロレスを貫く強さがあった。WWEも認めた日本人女子初の快挙は当然の結果でもあった。
(敬称略)
2024年04月28日 10:00
【今週の秘蔵フォト】1980年代にトップアイドルとして頂点を極めロックバンド、女優、タレント、歌手としても活動し、現在でも活躍しているのが菊池桃子だ。
84年3月に映画「パンツの穴」の主演としてデビュー。他に例を見ない清楚なルックスで一気に人気者となり、同年4月に「青春のいじわる」で歌手デビューを果たすと立て続けにヒット曲を連発し、トップアイドルの座を確立。85年2月の「卒業―GRADUATION―」から87年3月の「アイドルを探せ」まで7作連続オリコン1位の記録を樹立した。デビュー当時から「別格感」があった。
88年2月にはロックバンド「ラ・ムー」を結成し、翌年の解散からは女優業に本腰を入れるようになる。多くの映画やドラマに出演し、92年には初のアクションもの「パ☆テ☆オ」に主演
。
ドラマと映画のメディアミックスで、1話と2話はフジテレビ系列でテレビ放送され、完結編は映画で11月14日に松竹系で全国公開された。92年10月4日付本紙には撮影中の菊池のインタビューが掲載されている。
5年ぶりの映画出演となったが「テレビから映画へと珍しい企画で大変な役ですが、気負い過ぎないようリラックスしてやってます」と笑顔を見せた。初のアクション作品にもかかわらず「車にひかれそうになったり、ピストルの弾をよけたり体力勝負なので、体調に気をつけてやってます」と堂々語った。
撮影はタイ、インドネシア、香港などで行われ、インドネシアでは連日30度を超える中でアクションを展開。「スタントマンでもないのにアクションシーンになると燃えてしまいます。不思議ですね。パラシュートでセスナ機から脱出するシーンも自分でやろうかなと思ってます。ごく普通の女性が覚悟を決めて事件の渦中に飛び込んでいって成長する。その変化を見せるのが映画ですから気合を入れないと」と熱い“女優魂”を見せた。
その後は結婚や離婚、出産、政治活動など多くの経験を経て、歌手活動や映画出演を続け、アイドル時代と変わらないかれんさを保ち続けている。4月16日には、NHK「うたコン」に出演。大ヒット曲「卒業」と40周年記念曲「もうすぐ0時」を熱唱。SNS上では“大事件”となり、いまだ変わらないかれんさが話題を呼び、人気健在を証明している。