2024年04月27日 21:45
新日本プロレス27日広島大会で、KOPW保持者のグレート―O―カーンが上村優也(29)との争奪戦で歴史的大敗を喫し、分不相応なタイトルをようやく手放した。 KOPW争奪戦は基本的に双方が提案したルールのうち、ファン投票で多数を獲得した方が採用される。この日はオーカーン提案の「地方再生マッチ〜広島編〜」で行われた。これは無制限3ラウンド制で、2ラウンド先取した方が勝者。1ラウンド目はマツダ車で使用しているタイヤをリング上で4つ積み上げた方が勝利、2ラウンド目は広島レモンの早食い対決、3ラウンド目は相手をテーブルにクラッシュさせた方が勝利するノーDQテーブルクラッシュマッチというものだ。 この際だから言わせてもらうが、まずこんな複雑なルールにした時点でプロレスに興味のない人は脱落し、この記事もここまで読んでくれていないはずだ。またマツダだろうがトヨタだろうが日産だろうが、タイヤは各タイヤメーカーのものを使用しているため、地方再生もへったくれもない。運転免許を持っていないオーカーンのことだから、おおかたマツダ車にはマツダ車のタイヤがあると勘違いしていたのだろう。 1ラウンド目は事実上タイヤを公認凶器とした技の掛け合いとなったため、プロレスIQが著しく低いオーカーンに勝ち目などない。案の定、上村が先に4つを積み上げてラウンドを奪われる。 しかし、第2ラウンド、広島レモンの早食いとなればオーカーンの土俵だ。各会場で毎回余った弁当を大量に持ち帰るなど、食べ物に対する異様な卑しさは有名。レモンがリングに運ばれてくると、その顔には「慌てるな、心と胃袋がつんのめってるぞ、俺!」と書いてあった。強い酸味に悶絶する上村を横目に「うおォン俺はまるで人間火力発電所だ」とばかりに一気食いして、このラウンドをものにした。 そして迎えた最終ラウンドでは、タイヤを積んだりレモンを食っていたのは一体何だったのか、我々は一体何を見させられていたのだろうかと、ハッとさせられる濃密なプロレスの攻防が展開される。会場も「ほーいいじゃないか。こういうのでいいんだよ、こういうので」といった空気になったが、こうなったらこうなったで、やはりオーカーンに勝ち目はない。最後はコーナーに立てかけられたテーブルにカンヌキスープレックスで叩きつけられて万事休す。スピード、テクニック、ルックス、将来性、高潔さ、すべてにおいて完敗だった。 高潔さで思い出したが、オーカーンほどカネに汚いレスラーはなかなかいない。新世代を担うあるレスラーによれば、オーカーンは3月の地方大会でも醜態をさらしていたという。 事件が起きたのは大会終了後、関係者との食事会の終盤だった。日本酒を飲んで気が大きくなったオーカーンは、別の個室にファンがいることに気付くと自ら接近。ファン心理につけ込み、目先のカネ欲しさに自身が着用していたTシャツとジャケットの即売会を開催し始めたという。そして着るものがなくなると、まだ寒さの残る長岡の夜に上裸でホテルまで帰ったというのだから、人間として大事なものがいろいろと欠落しているとしか思えない。 バックステージで「上村…今日だけは貴様の方が強かった。じゃが、貴様の力じゃ、思想なんかじゃ新時代はひらけない」と負け惜しみを述べる光景も、もはや見飽きた感がある。 「こんなんでも、KOPWがIWGPを超えられる可能性があるって、プライド持ってやってるんだよ。もがいてる姿がおかしければ笑えよ。笑うってことは楽しんだってことだろ」と、笑わせていることと笑われていることの区別もつかない様子。結局のところ、再生するべきは地方ではなく、オーカーン自身だったということが満天下に示された広島決戦だった。
2024年05月10日 14:54
ボクシングの4団体統一世界スーパーバンタム級王者・井上尚弥(31)=大橋=が、米国の権威ある専門誌「ザ・リング」が9日(日本時間10日)、発表した、全階級を通じたランキング「パウンド・フォー・パウンド」(PFP)で、約2年ぶりに1位に返り咲いた。6日の東京ドーム興行で、“悪童”ルイス・ネリ(29)=メキシコ=と対戦し、1回にキャリア初のダウンを喫しながら、6回TKOに沈めて防衛に成功。このインパクトで再び「最強ボクサー」の座についた。
リング誌は選考の詳細を記事にし掲載。選考委員10人のうち、8人が井上に投票。2人が現3団体統一世界ウエルター級王者のテレンス・クロフォードに投票したという。
会合の当初は1位クロフォード、2位井上の順位が変わらない流れだったが、井上戦を多く取材してきたトム・グレイ氏が「井上に投票する。クロフォードと(3位の)ウシクはこの4年で4勝0敗で、井上は8勝0敗(8KO)。リングの実績という点では彼らに匹敵する以上のものがある。ネリ戦の勝利は彼のトップ3に入る最高のパフォーマンスの1つ。SNSでは井上のダウンへの声もあるが、ボクシングにダウンはつきもの。重要なのはどう対応するか。井上はこれ以上ない対応力だった」と、称賛した。この提案が他の委員の「心変わりを引き起こした」という。
井上は2022年6月10日発表のPFPで、3団体統一世界ヘビー級王者オレクサンドル・ウシク(37)=ウクライナ=を抜いて日本人で初めて1位にランクされたが、同8月には2位に後退していた。
返り咲きを受けて井上は所属する大橋ジムを通じてコメントした。
「ルイス・ネリとの防衛戦で、約2年ぶりに権威あるリング誌のPFP1位に返り咲くことができました」と報告し、「これもいつも応援してくださる皆さんのおかげです」と感謝。「東京ドームでの戦いを経て、今後のキャリアを加速させて行くので、また応援よろしくお願いします」と決意を新たにした。
また、WBC世界バンタム級王者の中谷潤人(26)=M・T=は、初めてランクインした先月に続いて、10位にランクされている。
1位から10位のランキングは次の通り。
(1)井上尚弥(大橋)
(2)テレンス・クロフォード(米国)
(3)オレクサンドル・ウシク(ウクライナ)
(4)カネロ・アルバレス(メキシコ)
(5)アルトゥール・ベテルビエフ(ロシア)
(6)ドミトリー・ビボル(ロシア)
(7)エロール・スペンス・ジュニア(米国)
(8)ガーボンタ・デービス(米国)
(9)ジェシー・ロドリゲス(米国)
(10)中谷潤人(M・T)
2024年05月10日 14:15
最長老プロレス記者の門馬忠雄氏(85)と、プロレスラーの藤波辰爾(旧名辰巳=70)が今月11日、東京・巣鴨の闘道館で、トークイベント「門馬忠雄×藤波辰巳は語る 甦るBUNTAI!ハマのプロレス聖地・横浜文体ストーリー」を行う。イベントに先立ち、門馬氏が藤波、そして通称「文体」こと横浜文化体育館の思い出を語った。
◇ ◇ ◇
文体はイベント当日のちょうど62年前、1962年5月11日に開館した。88年8月8日、アントニオ猪木が藤波に挑戦したIWGPヘビー級選手権試合を始め、多くの名勝負が繰り広げられてきたが、2020年に閉館。今年4月、同じ場所に「横浜BUNTAI」として建て替えられてオープンし、4月27日にスターダムがプロレスこけら落とし興行を開催した。
横浜在住40年の門馬氏は、文体を「ハマのプロレス聖地」と定義。1964年の東京五輪ではバレーボール会場として使用され、当時は五輪担当記者だった門馬氏も取材した。その後、ボクシングを経てプロレス担当記者となり、「私は文体で鍛えられたようなスポーツ記者でプロレス記者」だと自認する。
「全日本、大日本、パンクラス、リングス…文体はあらゆる団体のドラマができている」
その文体をともに語る相手は、入門時から知る藤波だ。
「大分から家出同然に出てきて、(日本プロレスの巡業の)列車に乗り込んできた坊やが、新日本の社長にまで上り詰めるとまでは思わなかった。新弟子時代を全部知っているわけですから。全くの素人のたたき上げが社長になるって、いまだに信じられない。針金のような少年が新日本のトップに立つとは、長いキャリアでも驚異の一つ」
門馬氏は、藤波が日プロの巡業に現れたその日からのことを、今も鮮やかに覚えている。
「彼が入門する少年だとは思わないじゃない?ポケットに5〜6千円を入れて出てきた列車の中に俺もいた。同じ郷里の北沢幹之を頼って、北沢がいなかったら藤波も成立しなかった。藤波は猪木ファンで、ずーっと北沢にくっついて歩いていた。大分の次の巡業先、下関の宿の『三船』で猪木と顔を合わせたんじゃないのかな。なんだろうこの少年は?という感じだった。それから巡業について。北沢が守ってくれたんだろう。東京の会社まで来てしまって、北沢に(実家に)電話してもらったらしい。『3年帰ってくるな』と。3年辛抱して、いつの間にか日本プロレスに入ったってのが本当だよ」
藤波は中学時代に陸上競技を経験したとはいえ、レスリングや相撲、柔道の経験者で大型の選手がゴロゴロしていた日プロでは「何もやってない」に等しかった。そんな藤波がスーパースターになり、業界トップである新日本の社長にまで上り詰めたのはなぜなのか。
「まず性格が良かった。曲がった気持ち、邪念がなかった。それじゃないのかな。要領は悪かった。だから長持ちしたんだろう。とにかくいいやつですよ。裏表のないやつだから。プロレス一途な気持ち、いい意味でのプロレスばかだよね。同じようなタイプでは、少し違うけど佐々木健介、小橋建太、船木誠勝」
70歳の今も現役を続けていることも「想像つかなかった」としつつ、その理由を「猪木の吸引力だと思いますね。カール・ゴッチとの出会いも強くしたポイントだろうね」とみている。
門馬氏は「俺、巡業で腕立て伏せとかバーベルをよくやっていたんだ。自分の体重より持ち上げたら力持ちだと聞いたけど、俺は90キロくらいまで挙げるんだよ、元水泳部だから。そうしたら、あいつが挙げていた130キロくらいのバーベルを、俺の胸に置いて逃げてったんだよ!安達(勝治。のちのミスター・ヒト)か誰かに助けてもらったけど」と、藤波少年とのほほ笑ましいエピソードも明かした。
藤波とも文体とも長くて濃い付き合いの門馬氏が「その試合を抜きに横浜文体は語れないんじゃないかな。この前うちに来た水道屋さんが横浜文体のことをしゃべっていて、その試合のことを言うもんね」と認める歴史的名勝負が、88年8月8日の藤波−猪木戦だ。
今回のトークショーではその一戦をはじめ、門馬氏が藤波、昨年までデイリースポーツのコラムニストとしても健筆を振るった元東京スポーツの名物プロレス記者・高木圭介氏とともに、文体と藤波を語り尽くす。
ここまでの話はほんのさわり。何が飛び出すか分からない、プロレスファン必聴のイベントと言えるだろう。(デイリースポーツ・藤澤浩之)
2024年05月10日 12:00
全日本プロレスの5・12横浜BUNTAIで対戦する世界ジュニア王者のライジングHAYATOと挑戦者のカズ・ハヤシがこのほど、台東区の浅草ビューホテルで決戦直前会見を行った。
今回の選手権は、HAYATOがカズを指名し実現した。挑戦者でGLEATに所属するカズは7月1日の東京ドームシティホール大会で引退することを発表している。かつて全日本に所属し2度、同王座を戴冠。中でも2009年から11年の約2年間で17回防衛。これは、現在も破られていない最多防衛記録だ。
会見で50歳になったカズは、世界ジュニア王者として活躍した30代を振り返り「青春だった世界ジュニアのベルトには私と一緒に眠ってもらおうと思っています」とベルト奪還を宣言した。
迎え撃つ2度目の防衛戦となるHAYATOは、世界ジュニアにとってカズは「元カレ」と表現し「でも今、この世界ジュニアと一緒に歩いているのは俺だし、たまに、昔の元カレがちょっとだけ恋しくなることもあるだろうけど、俺がその思い出を全部消し飛ばしてあげるよ」と防衛を確信していた。
◆5・12横浜BUNTAI全対戦カード
▼オープニングマッチ タッグマッチ
田村男児、MUSASHI vs アンディ・ウー、吉岡世起
▼第2試合 タッグマッチ
大森北斗、羆嵐 vs ハートリー・ジャクソン、ロード・クルー
▼第3試合 結成!シン平成維震軍!スペシャル6人タッグマッチ
青柳優馬、越中詩郎、AKIRA vs 芦野祥太郎、黒潮TOKYOジャパン、立花誠吾
▼第4試合 After Champion Carnival シングルマッチ
斉藤レイ vs 綾部蓮
▼第5試合 スペシャルタッグマッチ
諏訪魔、鈴木秀樹 vs 船木誠勝、河野真幸
▼第6試合 After Champion Carnival スペシャルタッグマッチ
安齊勇馬、本田竜輝 vs デイビーボーイ・スミスJr.、サイラス
▼世界ジュニアヘビー級選手権試合 60分1本勝負
王者・ライジングHAYATO vs 挑戦者・カズ・ハヤシ
▼メインイベント チャンピオン・カーニバル2024優勝決定戦 時間無制限1本勝負
宮原健斗 vs 斉藤ジュン
2024年05月10日 11:51
朝倉未来が社長を務める1分間最強を決める格闘技イベント「BreakingDown(ブレイキングダウン)」の第12回大会に向けたオーディションの第3弾動画が9日、朝倉のYouTubeチャンネルで公開され、“アウトローのカリスマ”と呼ばれる人気選手で、作家の瓜田純士が、“濱の狂犬”と呼ばれる元アウトサイダーで、俳優の黒石高大との対戦が決まった。
2024年05月10日 11:39
朝倉未来が社長を務める1分間最強を決める格闘技イベント「BreakingDown(ブレイキングダウン)」の第12回大会に向けたオーディションの第3弾動画が9日、朝倉のYouTubeチャンネルで公開された。直近でBD出場者から逮捕者が相次いだことを受けて、BDに物を申したい人物を集め、意見を求めたが、その中で伝説の格闘家で、朝倉兄弟を輩出した「THE OUTSIDER」の発起人である前田日明氏が登場し、会場に緊迫した空気が流れた。
登場し、パイプ椅子に座った前田氏が「もう3時間も待たされたよ」と苦笑と言い放つと、朝倉兄弟は「すいません」と恐縮。未来が「前田さんってBD嫌いなんですか?」と問うと、「観たりするよ、おもしろいから」と語った。
元アウトサイダーの“アウトローのカリスマ”瓜田純士が「前田さんの腹ん中に溜まってるBDのことを言って貰っていいですか」と振ると、前田氏は「普段ははちゃめちゃな暴力とかすると怒られてばっかりなのに、ここでは全てが許されて。(これからはBDで)伸び伸びと暴力やっていいのかなみたいな。電波にのった、YouTubeにのったというだけで世間の注目を集める。それはどういうことなんかと」と、問いかけた。
溝口勇児COOは「BDのせいで治安が悪くなったとよく言われるんですけど、のびのびと暴力するのが当たり前で許されるみたいな。実際には令和元年とか令和2年から比べて脅迫・恐喝・暴行・傷害って減ってるんですよ」と、強調。
前田氏は「みたいな雰囲気になってる子が多いんですよ。どこの統計?」と話すと、溝口COOは「警察が出してるものです」と返した。前田氏は「それがあったから今回の(逮捕される)事件があったんでしょ。勘違いしているやつがいたから」と問うと、溝口COOは「不起訴になっていたりとか示談になっていたりとかそういうケースの方が圧倒的に多かったりするのは事実」と返した。
瓜田がアウトサイダー時代の取り組みを聞くと、前田氏は「そりゃ試合ある度に選手のとこにしょっちゅう行ってたよ。暴れるなよ、喧嘩売られても買うんじゃないよって。買ってるとプロと同じ扱いされるよ。警察に捕まったらダメだよって。ずっと言ってたよ。聞いたことない?」と問うと、朝倉海は「あります」とうなずいた。前田氏は「アウトサイダーやってた時は世の中に対してのアンチテーゼで格闘技=暴力とか暴力団って違うだろって。じゃあ俺が証明しますよって、だから俺はアウトサイダーやったんだよ」と明かし、「俺はこの泥の中から水蓮みたいに咲くやつを絶対みつけるからって。そしたらこいつら(朝倉兄弟)出てきたんだよ」と、語った。
溝口COOは「私たちが影響力をもっているからこそ、襟を正せというのはおっしゃる通りだと思います」と、うなずいた。
前田氏は席を立つと、ひな壇に座る面々に「怪我ないように頑張ってね。カッコ良くなれよ、お前ら本当に。1人1人虎だ龍だ言われてるんだったらそれ証明しろよ。犬の集まりになるなよ、犬の集まりに。今は犬の集まりにしか見えないんだよ!悪くて突っ張るのは元気があっていいんだけど、とにかくカッコ良くなってほしい」と、熱く呼びかけ、選手達もうなずいていた。
2024年05月10日 09:46
ボクシングで最も権威があるとされる「リング誌」は9日(日本時間10日)、階級を超えた格付けである「パウンド・フォー・パウンド(PFP)」の最新版を発表。世界スーパーバンタム級4団体統一王者で、6日の防衛戦でルイス・ネリ(メキシコ)の6回TKO勝ちした井上尚弥(31)=大橋=が1位に返り咲いた。
井上は2022年6月に日本人ボクサーで始めてPFP1位に輝いた。その後、同8月にオレクサンドル・ウシク(ウクライナ)に抜かれ、2位となった。今回は直近1位が続いていた史上初の2階級での4団体統一王者となったテレンス・クロフォード(米国)を抜き、1年9カ月ぶりの1位復帰となった。
井上は6日のネリ戦で1回にキャリア初のダウンを喫したが、その後、3度のダウンを奪い返し、圧巻のTKO勝ちを収めていた。
発表を受けて、井上は自身のSNSを更新。「リング誌のPFP1に返り咲きました 皆さんの応援のおかげです!!いつも応援ありがとうございます」と、喜びをつづった。
◇最新PFPの順位は次の通り。
1位 井上尚弥
2位 テレンス・クロフォード(米国)
3位 オレクサンドル・ウシク(ウクライナ)
4位 サウル・アルバレス(メキシコ)
5位 アルツール・ベテルビエフ(ロシア)
6位 ドミトリー・ビボル(ロシア)
7位 エロール・スペンスジュニア
8位 ガーボンタ・デービス(米国)
9位 ジェシー・ロドリゲス(米国)
10位 中谷潤人
2024年05月10日 09:00
ゼロ年代に新日本プロレスやPRIDEなどで活躍したジョシュ・バーネット(46)は現在、米国でプロレス団体「ブラッドスポーツ」(以下BS)を主宰しており、6月22日に東京・両国国技館で初の日本大会「ブラッドスポーツ 武士道」を開催する。2024年の今、親日家の“青い目のケンシロウ”が作り上げようとしているプロレスとは何なのか。
BSの旗揚げ戦は2019年4月5日。鈴木みのるや総合格闘技の大物フランク・ミア、ダン・スバーンらが出場した。以後、今年4月まで10回の大会を開催し、ジョン・モクスリー、ジェフ・コブ、上村優也、飯伏幸太、ニック・ネメスら日本でもおなじみの選手も多数、参戦している。
ジョシュが「アントニオ猪木、カール・ゴッチ、ビル・ロビンソンら影響を受けてきたプロレスラーや総合格闘家から学んだもの、コンバットスポーツで学び、全てを打ち込むことで信じてきたもの全てを表現したい。影響を与えてくれた方々が作ってきたものに失礼のないように継承していきたい」と考えた結果が、BSなのだという。
また、「全てのレスラーに戦う場を提供し、本当の自分をどう表現するかという場を作り上げたい。BSはロープもないし、ロープに頼ることもできない。今まで頼ってきたものが削られている中で自分をどう出せるかが本当の実力だと思う」と、プロレスラーとしての力量が厳しく問われる場でもあると訴えた。
ブラッドスポーツという名称は「コンバットスポーツを表現したい」と名付けた。「コンバットスポーツは自分も血みどろになるし、相手をそうさせようともする。心身を出し切る意味でも、表現としてはいいんじゃないかな」と胸を張る。
ルールはシンプルにして過酷で、ジョシュは「プロレスの原点に戻ったピュアなもの」だという。決着はKO、一本、レフェリーストップのみ。ロープもダウンカウントもなく、ロープに逃げることができない。打撃技は頭突き、パンチ、掌底、肘、膝、蹴りと全て認められている。
そのようなプロレスを、観客は理解できているのか。ジョシュは「理解度はどんどん深まっていると思う。ルールの問題だけでなく、選手の闘魂に心を重ねる、言い表せないような感動があるから」と自信を見せる。
ビジネス面は手堅い。「プロデューサーとして、作り上げるものは絶対にユニークでないといけない。そこに、プロレスで学んだ経験がすごく生かせる部分がある。僕の経験は全ての人にできるものではない非常にユニークなものなので、そういった言葉では表現できないものを形として作っていきたい」と、他イベントとの差異化を強く意識している。
過去10大会は全て完売か、完売に近かったといい、PPVや入場料などの収入などで「赤字になったことは一度もない」と強調。「基本的に毎回、絶対に赤字にならないことが大前提でやっているので。継続開催できているということは、選手にもいい環境を与えられていると思う」と収支にはシビアだ。
今回、日本大会には「武士道」と付けた。「日本で戦う時は、選手にも武士道精神があるんじゃないかなと思ったから。新渡戸稲造の『武士道』にあるように」とは、日本文化にも造詣の深いジョシュならではだ。「見たことがある選手も知らない選手も、絶対に新しいスタイルを見ることになる」と断言。BSに武士道精神がどのような化学反応を起こすのか、日本旗揚げ戦を注視したい。(デイリースポーツ・藤澤浩之)
◆ジョシュ・バーネット(Josh barnett)1977年11月10日生まれ、米シアトル出身。総合格闘技は19歳でプロデビュー。2002年、史上最年少のUFC世界ヘビー級王者。04年から参戦したPRIDEではE・ヒョードル、A・R・ノゲイラ、M・クロコップと並び四天王と称された。プロレスでは03年、デビュー戦で永田裕志のIWGPヘビー級王座に挑戦。IGF、戦極などでも主力として活躍した。日本文化に造詣が深い。身長191センチ、体重113キロ。
2024年05月10日 06:00
女子プロレス「スターダム」のIWGP女子王者・岩谷麻優(31)が、18日に横浜武道館大会で行われるアイスリボンの藤本つかさ(40)とシードリングの中島安里紗(35)のコンビ「ベストフレンズ」との対戦について、意外な言葉を口にした。
2024年05月10日 05:00
非加盟団体から見た「日本プロレスリング連盟」とは…。
同連盟発足記念大会「ALL TOGETHER」が6日に日本武道館で行われた。その際、SNSに意味深なポストをして注目されたのがGLEATの鈴木裕之社長だ。空席の目立った客席に言及したタイチの本紙記事を引用し「『全団体が来てるんだろ?』『プロレス全体の力がこれか?』に突っ込んだマスコミがいるのか知りたい。もし、それを聞いたまま記事にしているなら我々GLEATは何者なのか教えてほしい」とつぶやいた。
その真意を問うと、同社長は「そのままうなずいたのなら、加盟した団体が『プロレス団体』で、それ以外はそうじゃないと記者の人たちも思ってるっていうことなのかなと思って。ガッカリと怒りですよね。切り捨てられたと感じた恐怖感とか、むなしさもありました」と語る。また、GLEATが連盟に名を連ねていない理由を「声がかかっていないからです」と説明。「僕は(連盟に)大賛成なんですよ。だけどどうやったら加盟できるか、そのための条件があるのかも今のところ、分からない。当初『これから加盟団体を増やしていく』みたいなことをおっしゃっていたと思うんですけど…。そういう感情も全部まとまってあのポストになったというか」と明かした。
今後については「声がかかればすぐ行くと思いますが、今そういう想定が全くできないので」と同連盟と別の道を行く競争路線も視野に入れていると告白。「加盟する9団体は基本メジャーだと思うんですよ。そのメジャー団体と同じ方向に走れないと分かっている以上、ベンチャースピリットを持って独自路線を構築していくのかな、という覚悟をしようとしているところです」と決意を口にした。
6月6日の東京・後楽園ホール大会でDDTとの対抗戦を行うが、ますます独自路線を進むことになりそうだ。
2024年05月09日 20:37
開戦のきっかけは下町のもんじゃ焼き? GLEATは9日、DDTとの対抗戦を行う6月6日の東京・後楽園ホール大会のカード発表会見を行った。
会見冒頭、DDTの大社長こと高木三四郎と並んだGLEATのチーフストラテジーオフィサー・CIMAは「いつも社長の鈴木(裕之)と『やっぱり面白いことをやりたい。面白いだけじゃなくて激しい戦いやスタイリッシュや疾走感やハチャメチャがあるものをしたい』と話をしていて。そんな時、門前仲町のもんじゃ焼き屋さんで昼ご飯を食べていたら、近くの席にたまたま高木さんがいたんです。それで『GLEATと一発、プロレス界に刺激をぶちこみませんか』ということで話を持ちかけました。ALL TOGETHERがあったり、そこにGLEATは出場できなかったりで悔しいものはありますが、何もかも乗り越えてできるのがプロレスだと思うので」と意外なきっかけを明かす。これに高木も「もんじゃ屋でご飯を食べていたら声をかけられて驚いたんですよ。こんなことあるんだなって。それで面白いことをやりましょうという言葉に反応しまして」と続いた。
メインの6人タッグ戦ではGLEATのガチムチユニット「バルクオーケストラ」の田村ハヤト、河上隆一、KAZMA SAKAMOTOとDDTの樋口和貞、納谷幸男、飯野雄貴が対戦する。G―REX王者の田村が「見たい試合はバチバチしたぶつかり合いだと思うので、王者の俺が正面から受け止めて1人ずつかたずけてやる」と挑発すれば、飯野が「何がオーケストラだ。歌うのか? お前、腕がリコーダーみたいに細いなあ」と返して乱闘に発展。互いに上半身裸になるとショルダータックルをぶつけ合い、火花を散らした。
2024年05月09日 19:15
女子プロレス「スターダム」のIWGP女子王者・岩谷麻優(31)は9日、都内で行われた映画「家出レスラー」(17日公開)の完成披露試写会に出席し、自身を演じ、映画初主演を果たした平井杏奈(27)との意外なエピソードを明かした。
今作品はスターダムのアイコンこと、岩谷の半生を描いた映画で、家出をしてから同団体の1期生としてデビュー、そして最強のレスラーに成長するまでを描いた「青春プロレス映画」となっている。
主演オーディションすべてに参加したという岩谷だが、平井には何か運命を感じていたようで「書類審査の時点で、『この子いいですね』と言ったのが平井さんだった。また試験の合間に唯一インタビューしたのも平井さん」と秘話を明かした。またトレードマークの尻尾を忘れた時、ちょうどオーディション中で尻尾を持っていた平井に「忘れちゃったので貸してもらってもいいですか」と頼み、実際にそれを身に着け、試合に臨んだこともあったという。
最後に岩谷は「胸を張っていい映画ができたと思いますので、たくさんの人に見てもらいたい」と映画への思いを語った。
同イベントには、スターダムの朱里、向後桃、のほか、タレントのゆきぽよこと木村有希、中本大賀、お笑いコンビ「バッファロー吾郎」の竹若元博も出席した。
2024年05月09日 18:08
お騒がせ女子プロレスラーウナギ・サヤカが邪道・大仁田厚(66)を相手にデスマッチ2連戦に臨むことが9日、主催者から発表された。
2024年05月09日 17:51
米AEWに移籍した元新日本プロレスのレインメーカーオカダ・カズチカ(36)が、次回PPV「Double or Nothing」(26日=日本時間27日、ネバダ州ラスベガス)で因縁のノールールマッチに出撃することになった。
AEWコンチネンタル王者のオカダ、AEW世界タッグ王者のヤングバックス(マシュー&ニコラス・ジャクソン)、ジャック・ペリーのユニット「ジ・エリート」は2週前に団体トップのトニー・カーン社長を暴行。カーン社長の実父で、世界的大富豪のシャヒド・カーン氏までリングに駆けつける大騒動となった。先週の「DYNAMITE」では、オカダの最大ライバルで昨年から憩室炎で欠場中のケニー・オメガを襲撃。再び病院送りにしていた。
8日(日本時間9日)に放送された「DYNAMITE」でも、オカダらジ・エリートのメンバーは、カーン社長が確保していた駐車スペースに車をとめる理不尽行為。一方で、ケニーは病室から「先週のことは個人的な遺恨ではなく、ビジネスだったとわかっている。だから俺もビジネスをする」と言い、次回PPVでジ・エリートvsチームAEWの4対4ノールール戦を提案した。チームAEWはFTR(ダックス・ハーウッド&キャッシュ・ウィーラー)に、2人が加わるという。
これを受け、ジ・エリートはアダム・コープランド(エッジ)vsブロディ・キングのメイン戦終了後のリングに登場。ヤングバックスからマイクを振られたオカダは「ヘイ、ケニー! ベストバウトマシンの俺が早く良くなれって言ってるぞ〜」と、しれっと言ってのけた。続けて、人さし指を口に当ててから投げキス。不敵な笑みで病院送りにしたライバルにメッセージを送った。
マシューとニコラスもカーン社長とケニーをこき下ろすと、FTRが姿を現した。さらにオカダにコンチネンタル王座を奪われたエディ・キングストン、これまたオカダと因縁深いブライアン・ダニエルソンが歓声を受けながら会場に入ってきた。
オカダは新日本時代の昨年6月と今年1月にブライアンとシングル戦で戦って1勝1敗。オカダの新日本退団後にはブライアンが「AEWに来てほしい」と熱烈なラブコールを送っていたが、ブライアンのテーマ曲が流れるとオカダはしかめっ面だ。チームAEWの4人がリングに上がると、オカダはブライアンと対峙。そのままスタッフの制止を聞かず、激しい殴り合いに突入した。
これにより、次回PPVではオカダ&ヤングバックス&ペリーのジ・エリートが、ブライアン&FTR&キングストンと4対4ノールールマッチ「アナーキー・イン・ジ・アリーナ」で激突することに。オカダが新天地で危険な戦いに挑む。
2024年05月09日 17:15
FMWEは9日、邪道・大仁田厚(66)が11日にUvanceとどろきスタジアムで行われるサッカーJ1川崎対札幌戦のサポーターイベント「ボーイズビーアンビシャス」で電流爆破マッチを行うと発表した。
イベントはキックオフ(午後3時)前の午前11時30分からフロンパーク(野球場前広場)、および場内で行われる。第1試合がミス・モンゴルVSあきば栞VSパンディータの3WAY戦。第2試合が「電流爆破バットデスマッチ」で大仁田厚、雷神矢口、リッキー・フジ組VSミスター・ポーゴ、櫻井匠、怨霊組の6人タッグが行われる。
プロレス界では「晴れ男」として知られる大仁田。FMWEによると、過去には大雨予報だったにもかかわらず、自身が出場するメインイベント前に雨がピタリと止み、空に虹がかかった事があったという。
唯一の鬼門だったのがJ1川崎とのイベント。2022年に川崎が主催の「ボーイズビーアンビシャス」で電流爆破プロレスを予定していたが、台風のため中止。またコロナ禍にイベントを企画したが延期になったこともあり、今回で3度目の正直となる。
大仁田は「FMWが樹立した5万8000人の観客動員数が、旧川崎球場の最多観客数の記録なんです。旧川崎球場で行った最初のFMWの大会は、俺の人生のターニングポイント。『おい、川崎球場で大会やるぞ!』といったら、当時サンボ浅子は『球場の駐車場ですか?』って真顔で聞き返した。『バカヤロー!スタジアムの中だ!』って言い返したけど、それくらい当時のFMWには大それたチャレンジで、突拍子もない一世一代の賭けだったんだ」と川崎との思い出を告白。
「川崎のおかげで、俺は世に出られたと言っても過言じゃない。デビュー50周年の今年に、川崎フロンターレさんの試合のイベントでプロレスをやれることは、とても光栄なことだしうれしいよ。三度目の正直って言うじゃない。今年こそ実現させてやるぜ!」と意欲を燃やした。
聖地川崎で今度こそ電流爆破の火花を散らすつもりだ。
2024年05月09日 16:40
6日に東京ドームで行われたボクシングのWBA世界バンタム級タイトルマッチで2度目の防衛を果たした王者の井上拓真(28)=大橋=が9日、自身のX(旧ツイッター)を更新。同級1位の石田匠(井岡)に3−0の判定勝ちを収めた後、リング上でインタビューを受けた大川アナウンサーに「すいません、自分の聞き間違いでした。大川アナウンサー申し訳ないです」と謝罪した。
試合後、インタビューでの応答が終わった後、大川アナウンサーが「見事、勝利しましたチャンピオン、井上拓真選手でした。おめでとうございました」と締めくくったが、井上拓本人が「“たくま”です」と訂正を求め、大川アナが「井上拓真選手でした。おめでとうございます。失礼いたしました」と繰り返し謝罪した。
井上拓はフォロワーからとみられる「やっぱちゃんと井上拓真って言ってる。これアナウンサー、マジでとんでもない間違いしたとヘコんでると思うから、井上拓真選手は後でアナウンサーに声掛けてあげて欲しい」という投稿をリポストする形で謝罪した。
一連のやり取りにSNSでは「試合直後ですし、大きい会場、歓声で聴き取りにくくて当然です」「試合直後やからしゃーない笑」と井上拓の聞き間違いに理解を示す声や、「その謝罪、よかったです これからも応援してます!!!」「拓真くんもアナもどんまい(*´∀‘)♪」「大川アナウンサーも間違ってないはずなのに、スムーズに話が進むようにすぐ謝ってるのが素晴らしいですね!」「これはご本人に届いて欲しい笑笑」と両者の対応を評価するコメントが寄せられた。