2022年01月18日 12:30
日本のエースが悲願のメジャー制覇へ。畑岡奈紗が現地時間20日(木)に開幕する「ヒルトン・グランドバケーションズ トーナメント・オブ・チャンピオンズ」で6年目のシーズンをスタートさせる。米ツアーで5勝を挙げながらも未だ届いていない頂へ何を思うのか。今回はこのオフの取り組みについて。 年間2勝を挙げながらも賞金女王にも、メジャーにも、メダルにも届かなかった2021年シーズン。一番の課題はスイングスピードが落ちたことだと分析している。 「一番クラブを振れていたのが(優勝した)マラソンクラシック。ドライバーで言えば平均で98マイルくらい出ていました。ですが、それ以降の東京五輪やウォルマートとかは出ていなくて。アイアンの距離が半番手くらい落ちてしまっていました」 持ち味である安定した飛距離。これが失われてしまっては世界の舞台で戦うのは非常に難しい。約1か月半の短いオフでスイング、トレーニングの両面から見直していく。 まずはスイング。年間を通して「しっくりきた」と思えた試合は「1、2試合しかなかった」という。試合を続けるなかで微調整しながらやってきたが、うまくいったと言えるのは3日目から伸ばして2位に入った最終戦くらいだった。 「トップのポジションが体の後ろ側というか、少しフラットになりすぎてクラブが上から入ってきませんでした。その結果、左右に散らばったり、パワーがボールにうまく伝わっている感じがありませんでした」 そのため、米国から戻ってからの自主隔離期間中は素振りやネット打ちでスイング固めを徹底して行い、「感覚は良くなってきている」と言えるところまできた。ここから実際コースの中で、ボールの打ち分けなどがある状況でもできるようにしていく。 また、トレーニングも見直している。「内容は大きく変えていないですが、ウェイトばかりやってもキレはでない。短距離を走ってみたり、クラブよりも重いバットを速く振る素振りだったり。スイングスピードを上げるトレーニングというと心がけていきたい」と結果へつながるものをより意識する構え。 来年の目標は当然メジャー優勝だが、「もう一つの目標です」というのが世界ランキングで1位となること。「今まで自分で最高が3位なのですが落ちてしまった。1位を獲ることはなってみたい部分ある。世界ランク1位のキャディだけビブスの色が違う。それはキャディのグレッグに着てもらってプレーしたいですね」。世界の頂点に立った選手のキャディだけが許される特権。二人三脚でつかみにかかる。
2024年04月30日 07:00
創刊から32 年で、スイングとギアはどのくらい変わったのか? アニバーサリー号の年代を代表する選手とモデルを比較!
スイングは32年間の変遷を語らせたら、この人の右に出るものはいない、ゴルフ界の生き字引・タケ小山が徹底解説! 【2023年】原点回帰⁉最新スイングは”教科書的”! お手本はマキロイ!タイガーをアップデートした世代
中島啓太
●なかじま・けいた/2000年生まれ、埼玉県出身。177㎝、75kg。昨年プロ転向し、今季から国内ツアーに本格参戦。横浜ミナトChampionship、マイナビABCチャンピオンシップなど計3勝をあげ、新・賞金王誕生の期待がかかる。フリー。
ワッグル創刊からの節目の年を代表するトッププレーヤーのスイングを振り返ると、時代とともに変化してきた変遷が見えてきます。
現在(2023年)を象徴する代表的なスイングといえば、中島啓太選手でしょう。理路整然と整った教科書のような美しいスイング。ローリー・マキロイなど、タイガー・ウッズよりも少し下の世代の選手がお手本になっている印象です。
タイガーは試行錯誤しながらスイングをどんどん変えていった選手ですが、それゆえの遠回りもあった。中島選手の世代は、そういった回り道を避けるかのように、効率的に最適解を作ってきたスイング。効率を重視する最近の若者らしいですが、これが今後のスタンダードとなっていくでしょう。 【1992(創刊号)年】90年代前半は「教科書的」と「個性派」両タイプが活躍 教科書タイプのデービス・ラブⅢに対しカプルスは〝感性〟で育ったスイング
一気に時代をさかのぼって、創刊号が出た1992年。この年は、デビッド・レッドベターが名を馳せた時代で、スイングをコーチから学ぶことが一般的になりはじたころ。レッドベターの教え子、ニック・ファルドなどが活躍しました。
デービス・ラブⅢとフレッド・カプルスのペアがワールドカップで優勝した年でもあり、この2人は、まさに時代を象徴する存在でした。ラブはお父さんもプロゴルファーで、幼いころから英才教育を受けてスイングを身につけてきた選手。ゴルフをはじめたときから理論どおりにスイングを習得した最初の世代といっていいでしょう。
一方のカプルスは、ジュニア時代から自分の感性を頼りに自由にスイングを身につけてきた個性派。教科書どおりの優等生ではありませんが、いま見てもしなやかでカッコいいですね。
私はこのころに渡米し、レッドベターのアカデミーがあったフロリダ州オーランドのコースに所属しましたが、そのアカデミーはオーランド内の別のコースに移ってしまったため、マーク・オメーラの師匠であるリナ・リッツェンの指導を受けていました。それがいまだに私のスイングの土台となっています。
フレッド・カプルス
●1959年生まれ、アメリカ出身。180㎝、84kg。81年からPGAツアーに参戦し、83年に初優勝。92年にはマスターズを制して世界ランク1位、賞金王にも輝く。レギュラー15勝、シニア10勝をあげ「フレディ」の愛称で親しまれる人気選手。 【1999 (100号)年】真のアスリートタイガー・ウッズがゴルフを変えた! すべてのゴルファーのあこがれに!変化を恐れないのが一番のすごさ
第100号が出た1999年。この時代のゴルフ界はタイガー・ウッズ一色。翌年から01年にかけては「タイガー・スラム」も達成し、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いでした。
タイガー・ウッズは、ゴルフ界に登場した最初の本格的アスリートといえるでしょう。科学的なトレーニングに取り組み、圧倒的なスピードと飛距離でツアーを席巻します。以後、すべてのゴルファーがタイガーにあこがれ、目標や手本となる存在に。彼の練習方法やスイングを見てマネする選手が増えるなか、スイングを壊してしまったり己を見失っていく選手も少なくはなったですね。
このころタイガーは、ブッチ・ハーモンに師事していましたが、その後、コーチを変えるたびにスイングも大きく変えていきます。そのなかには成功とはいえないケースもありましたが、最強であってもさらに高みを目指して変えることを恐れない姿勢こそが、タイガーの最大のすごさではないかと思います。
99年は日本ではJGTO発足の年。私はアメリカで解説業をしながら、ミニツアーに参戦していたころでした。
タイガー・ウッズ
●1975年生まれ、アメリカ出身。185㎝、84kg。PGAツアー歴代1位の通算82勝 (うち4大メジャーで15勝)をあげ、日本でも2勝。度重なるケガや故障に見舞われるが、少しずつツアー復帰しており、完全復活が待たれる。 【2007(200号)年】パーシモンを知らない世代スイングに大きな変化が 15 歳で勝てた理由のひとつは体の成長とクラブの進化のマッチング
第200号は、2007年。石川遼選手が15歳でアマチュア優勝し、日本のゴルフ界はその話題で持ちきりでした。
私は07年から日本に戻りプレーしていたので、よく覚えています。石川選手のおかげで報道番組などにも出演する機会が増えて、翌年からはMCを務めるラジオ番組「グリーン・ジャケット」もはじまりました。
当時の石川選手のスイングはまだジュニア特有の雰囲気が強く、全身をダイナミックに使って強振していました。しかし、前出のフレッド・カプルスなどと異なるのは、ゴルフをはじめたときからメタルのドライバーで、パーシモンを使ったことがない世代だということ。スイング中に余計なことをしなくてもクラブが飛ばしてくれるオートマチックさが根底にあり、クラブの進化の恩恵を大きく受けています。
彼が若くして活躍できたのは、クラブの進化と自身の肉体的成長のバランスがちょうどいいタイミングだったのが要因のひとつで、とくに飛んで曲がりにくくなった当時の最新ギアの性能の向上にスイングがマッチしていたことは間違いありません。
石川選手はこの後、身体的な成長に合わせてスイングをアップデートしていきます。
石川遼
●いしかわ・りょう/1991年生まれ、埼玉県出身。175㎝、75㎏。07年にマンシングウェアオープンを15歳でアマチュア優勝。09年には18歳で最年少賞金王を獲得。13年から16年には米ツアーにも挑戦。ツアー通算18勝。CASIO所属。 【2015 (300号)年】シャットフェース全盛の時代到来!再び個性派が輝く タイガーを見て育った世代の台頭。スタック& チルトの影響が強い
第300号が出た2015年。私はというと、翌年の日本シニアオープン挑戦に向けて、練習量を増やしていたころでした。
この年はジョーダン・スピースがマスターズで初優勝した年で、ほかにも新しい世代の選手たちが数多く台頭してきました。スピースのスイングは、左ヒジを曲げて使うなど少し個性的。同世代のジャスティン・トーマスやリッキー・ファウラーなどもあまり教科書的でなく、このころは個性派スイングの持ち主が多いように思います。
彼らはタイガー・ウッズにあこがれてプロを目指した世代ですが、タイガーがスイングを固定せずにあれこれ改造を繰り返してきたのを見ているので、1つのお手本にこだわらないマインドももった世代だと感じています。
彼らのなかで目立つのは、「スタック&チルト」の左1軸的なメソッドと、それにともなうシャットなフェース使い。「スタック&チルト」はタイガーの影響が大きいでしょうが、まさに当時の流行りでしたね。
こうやって32年の歳月をスイングとともに振り返ってみるといろいろな傾向が見えてきます。次の時代はどうなるか、いまから楽しみです。
ジョーダン・スピース
●1993年生まれ、アメリカ出身。185㎝、84㎏。アマチュア時代から活躍し、12年にプロ転向。15年にはマスターズ、全米オープンに勝ち、フェデックスカップも制して賞金王・世界ランク1位に。メジャー3勝を含むPGAツアー13勝。
解説=タケ小山
●小山武明(こやま・たけあき)/1964年生まれ、東京都出身。89年にアメ リカのツアーに参戦。帰国後はゴルフ解説者や国内のレギュラー・シニアの両 ツアーに出場。現在はテレビ出演やラジオ・インターFMの「Green Jacket」と 「SUNDAY FINISHING LINE」でパーソナリティを務める。
2024年04月30日 06:00
寒い季節に出がち! 出るとスコアが崩れてしまう!この冬しっかり直したい!”チーピン病”対策レッスン 「左から左に曲がる」はじつはスライサーに出やすいミス
左に出て左に曲がる引っかけ球、通称「チーピン」はコントロール不能な球でOBになりやすい最悪のミスショット。寒い冬は体の動きが悪くなって、頻発するミスでもあります。
チーピンは左に曲がるので、フック系が持ち球の人のミスだと思われがちですが、カット軌道でフェースがかぶったときにも起こりやすく、じつはスライサーにもよく出ます。
それ以外にもさまざまな要因があるので、まずは自分のチーピンがどのタイプかを知ることが大事。防ぎ方は上の3タイプに分けて解説していきますので、ミスの傾向などを参考にタイプを見極めて対策してください。 【case1 シャフトクロスアンダー型】
ソールを地面に落とすイメージ
“ワンタッチ素振り”でクラブの重さを感じよう
1つめの、シャフトクロスのトップからダウンスイングでシャフトが寝てアンダー( 下か
ら)にクラブが入るタイプのチーピンは、腕と体の同調が崩れ、スイングの最下点がボールより手前にくることで起こります。 ソールで地面を叩くイメージの延長
クラブを上下方向に動かし、ソール面で地面を叩くイメージ。
これに体の回転を加えてスイングしよう
このタイプの人がコースでチーピンが出はじめたら、ドライバーのソールを地面にワンタッチさせる素振りが有効。スイングの最下点がイメージでき、クラブが下から入りにくくなります。ソール面で地面を叩くようなイメージで腕を上下方向に振りましょう。
根治を目指すなら、腕と体の動きを分解した素振りで、腕と体の同調性を高める練習がオススメ。腕を動かしてから体を回す動きの順番を意識してスイングするのがポイントです。 練習場ではコレで修正!「分解素振り」で腕と体の同調性アップ 【バックスイング】クラブを担ぎ上げてから体を回す
アドレスからクラブを右肩に担ぐように手元を持ち上げてから、そのまま上体を右に回してトップを作る 【ダウンスイング】体を開く前に腕を下ろしてから回転
トップから体の向きはそのままに腕だけ伸ばしてシャフトが地面と水平になる位置まで下げ、そこから体を回して振り切る
いかがでしたか? チーピンをなくすために練習してみてくださいね。
レッスン=アッキー永井
●ながい・あきふみ(永井研史)/1987年生まれ、神奈川県出身。“アッキー〞の愛称で親しまれている人気コーチ。人体解剖学や物理学の視点を取り入れたわかりやすいレッスンに定評がある。
構成=鈴木康介
写真=田中宏幸
協力=千葉セントラルゴルフクラブ
2024年04月29日 14:59
男子ゴルフ米国ツアーのダブルス戦、チューリヒクラシック・オブ・ニューオーリンズ(Zurich Classic of New Orleans 2024)は28日、ルイジアナ(Louisiana)州アボンデール(Avondale)のTPCルイジアナ(TPC Louisiana、パー72)で最終日が行われ、ロリー・マキロイ(Rory McIlroy、北アイルランド)/シェーン・ローリー(Shane Lowry、アイルランド)組がプレーオフを制して優勝を飾った。
フォアサム(二人が交互にショットを打つ)形式で行われた最終日はまず、首位と7打差から出たチャド・レイミー(Chad Ramey、米国)/マーティン・トレーナー(Martin Trainer、フランス)組がスコア「63」をマークして9ストローク伸ばし、暫定トップでホールアウトした。
これによって通算25アンダーが目標となった終盤の各グループにはかなりのプレッシャーがかかり、五輪のアイルランド代表やライダーカップ(Ryder Cup)の欧州選抜でともにプレーしているマキロイ/ローリー組だけがそのスコアに到達した。
その後、ホールアウトから3時間を経て18番ホールでのプレーオフに臨んだレイミー/トレーナー組は、その影響が表れているように見えた。トレーナーのティーショットがフェアウエーのバンカー奥に落ちると、レイミーの第2打はフックし、トレーナーのチップショットもショート。レイミーのグリーン外からのパットも外れた。
これにより同組は最高でもパーという状況になる中、マキロイ/ローリー組はローリーのアプローチがグリーン脇のバンカーに捕まったが、マキロイがそこから安全にグリーンオンし、バーディーと優勝の機会が生まれた。
それでも、このところパットに苦しんでいるというローリーが約2.1メートルのバーディーパットを外し、レイミー/トレーナー組にも次のホールへ勝負を持ち越すチャンスが転がり込んだが、トレーナーがこのパットを外し、優勝を明け渡した。
これでマキロイは米ツアー25勝目、ローリーは2019年の全英オープン(The 148th Open Championship)以来となる同3勝目を挙げている。
■関連記事
・桂川有人がISPSハンダ選手権優勝 欧州ツアー初制覇
・マキロイ 辞任した米ツアー方針委員会への復帰に前向き
・シェフラーが今季4勝目 マスターズから連勝 RBCヘリテージ
2024年04月29日 11:33
女子プロゴルファー・小祝さくらの公式スタッフインスタグラムが29日、新規投稿され、バーベキューで特大の貝を網焼きにし、周囲に振る舞う姿がアップされた。
2024年04月29日 10:14
◆米女子プロゴルフツアー JMイーグルLA選手権 最終日(28日、米カリフォルニア州・ウィルシャーCC=6258ヤード、パー71)
最終ラウンドが行われ、6打差21位から出た西郷真央(島津製作所)が6バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの69で回り、通算3アンダーで日本勢最上位の8位に入った。2差6位からスタートした畑岡奈紗(アビームコンサルティング)はバーディーを奪えず、74と崩れて2アンダーの13位に終わった。
古江彩佳(富士通)は2つ落として、1アンダーの25位。2週連続予選通過の渋野日向子(サントリー)は71で回り、7オーバーで73位だった。ハナ・グリーン(オーストラリア)が12アンダーで大会連覇を果たした。
2024年04月29日 09:00
寒い季節に出がち! 出るとスコアが崩れてしまう!
この冬しっかり直したい!”チーピン病”対策レッスン 「左から左に曲がる」はじつはスライサーに出やすいミス
左に出て左に曲がる引っかけ球、通称「チーピン」はコントロール不能な球でOBになりやすい最悪のミスショット。寒い冬は体の動きが悪くなって、頻発するミスでもあります。
チーピンは左に曲がるので、フック系が持ち球の人のミスだと思われがちですが、カット軌道でフェースがかぶったときにも起こりやすく、じつはスライサーにもよく出ます。
それ以外にもさまざまな要因があるので、まずは自分のチーピンがどのタイプかを知ることが大事。防ぎ方は上の3タイプに分けて解説していきますので、ミスの傾向などを参考にタイプを見極めて対策してください。 あなたはどのタイプ?チーピンには3つのパターンがある! 【case1】シャフトクロスアンダー型
FWで大ダフリが出る
シャフトクロスからダウンスイングでクラブが寝て、そこから一気にフェースが返って起こる。FWで大ダフリが出る人はこのタイプ 【case2】軸倒れフェース返り型
シャンクがよく出る
ダウンスイングで腰がスエーし
上体が右に倒れてシャフトが寝て、そこからフェースが返って引っかける。シャンクもちの人はこのタイプ 【case3】カット軌道ぶっつけ型
特大スライスも出る
大根切りのような強いカット軌道で、ふだんは芯を食っても特大のスライスも出るタイプ。フェースが返って当たるとチーピンも出る
いかがでしたか? どんなミスが出やすいかを振り返って、改善していきましょう。
レッスン=アッキー永井
●ながい・あきふみ(永井研史)/1987年生まれ、神奈川県出身。“アッキー”の愛称で親しまれている人気コーチ。人体解剖学や物理学の視点を取り入れたわかりやすいレッスンに定評がある。
構成=鈴木康介
写真=田中宏幸
協力=千葉セントラルゴルフクラブ
2024年04月29日 08:00
ドライバーはミスヒットが多く、曲がるほど飛距離も落ちるクラブです。芯を外さないためには、軸がズレないスイングが重要。頭を動かさないレッスンをクレイジー先生が解説します。 「頭を動かさなければ」どんなに長くてもミートできる!
大きく振りながらミートするポイントはふたつ。ひとつめは、軸は左でも右でもなく「真ん中1軸」です。これは振り子と同じ。頭を固定したセンター軸で振り子運動を行なえば、どんなに長いシャフトの先のヘッドも入射角と最下点は必ず安定します。
そのために大事なのがふたつめのポイントで、軸は不動の真ん中でもスイングの支点は左ワキ。左ワキを締めて腕、シャフト、ヘッドまでを1本にして動く、振ることを意識してください。前出で説明した「クラブを積極的に大きく動かす」と頭の位置がズレやすくなりますが、クレイジー理論では頭を動かさないことが必須条件。体重移動も腰や肩も回す必要はありません。左ワキを締めてヘッドまでを1本にして振るイメージをもてば、頭の位置と軸がキープできるのでミート率は簡単に上がります! 軸がズレない、傾かなければボール位置に自然に戻ってくる
グリップエンドを支点に振り子運動を行なったときに、ヘッドがつねに一定の位置を通るのは、軸と支点が固定されているから(写真左)。ゴルフスイングに置き換えれば、軸が動いたり傾いたりすると、ヘッド軌道は不安定になり、ボール位置からズレてしまう(×)。 左ワキからヘッドまでがワンピース
ヘッドを低く、遠く、高く動かすと大きく振れるが、そのときに“左ワキからヘッドまでを1本”にして、左ワキを支点に振ると頭の位置がズレにくくなる。「実際はヘッドの重みや勢いでコックが入り、左ワキからヘッドまでは完全な1本にはなりませんが“1直線で動かす”は終始イメージしてください」(クレイジー) 左ヒザを伸ばしてカカト体重でインパクト
クレイジー理論でもうひとつ大事な頭の固定の仕方が「左ヒザを伸ばして打つ」動き。左ヒザを伸ばしてカカトに体重を乗せることで、左の壁ができて頭が固定される 。これは地面反力(地面を蹴る動き)の正しい使い方にもなる。
軸も1本、クラブと腕も1本デス
いかがでしたか。クレイジー先生のレッスンをぜひ試してみてください。
レッスン=FUNKY CRAZY Haru
●ファンキー・クレイジー・ハル/的確でわかりやすいレッスンに定評がある人気コーチ。YouTubeチャンネル「FUNKYCRAZY GOLF★HALチャン(ネル)」は登録者数6万人を超え、ほぼ毎日配信中。
写真=相田克己
協力=取手桜が丘ゴルフクラブ(アコーディア・ゴルフ)
2024年04月29日 07:00
今月はツアープロがオフシーズンに取り組む〝スイング強化〞のための練習法を紹介。
2024年04月29日 06:25
◆男子プロゴルフツアー ISPSハンダ 欧州・日本トーナメント 最終日(28日、静岡・太平洋C御殿場C=7262ヤード、パー70)
3打差8位から出た、所属契約を結ぶ大会ホストプロの桂川有人(25)=国際スポーツ振興協会=が7バーディー、ボギーなしの63をマークし、通算17アンダーで逆転優勝を飾った。日本勢の欧州制覇は青木功、松山英樹、久常涼、星野陸也、中島啓太に続く6人目となった。昨季は米下部ツアーに挑戦したが、シード権を獲得できずに日本で再出発。10月までの今季残りを含めて3季分の欧州シード権を勝ち取り、再び世界に打って出る。
* * * *
桂川の勝利は、少し早い母の日の贈り物になった。観戦に訪れた亜紀さん(44)に感謝の思いを届け、「初めて母の前で勝てたのでうれしい」。一段と優しい表情になった。母子家庭で育った。中学卒業後にフィリピンへのゴルフ留学を決断したのは、苦しい経済事情を知っていたから。知人の紹介で、日本と比べてお金がかからない土地へ渡り、鍛錬を積んだ。
亜紀さんは愛知の自宅から、日帰りで応援に駆けつけた。「初優勝のときはテレビの前でウルウルしていたけど、今日は平気でした」と笑顔で見届けた。「昔からとても優しい子」で、契約しているウェアの女性ものをわざわざ購入してプレゼントしてくれるなど、いつもさりげなく気遣ってくれる。「私から見ても、遠い届かない所にいってしまったような不思議な気持ち」。息子の雄姿を横目に、喜びに浸った。(高木 恵)
2024年04月29日 06:15
◆男子プロゴルフツアー ISPSハンダ 欧州・日本トーナメント 最終日(28日、静岡・太平洋C御殿場C=7262ヤード、パー70)
3打差8位から出た、所属契約を結ぶ大会ホストプロの桂川有人(25)=国際スポーツ振興協会=が7バーディー、ボギーなしの63をマークし、通算17アンダーで逆転優勝を飾った。日本勢の欧州制覇は青木功、松山英樹、久常涼、星野陸也、中島啓太に続く6人目となった。昨季は米下部ツアーに挑戦したが、シード権を獲得できずに日本で再出発。10月までの今季残りを含めて3季分の欧州シード権を勝ち取り、再び世界に打って出る。
18番でパーパットを沈めると、桂川は大きく息を吐いた。最終組の3つ前から見せた大まくりで逆転優勝。「ゴルフ人生で一番のラウンドかもしれない。高いステージに上がるために練習してきた。これで欧州ツアーに参加できるのでうれしい」。2位に3打差をつける完勝で、日本勢6人目の欧州ツアー制覇を成し遂げた。
10番でトップにいることを知った。緊張が襲い、グリーン上で手が震え出した。「こういう時、外しちゃうよな」。頭に浮かぶマイナス思考を必死に追い払い「自分はできると思い込んだ」。14番で110ヤード第2打を2メートル半につけ、15番では10メートルをねじ込みガッツポーズ。16番ではグリーン奥からの6メートルをパターで沈めて3連続バーディーを奪い、一気に後続を突き放した。
昨年10月からかつて松山英樹も師事した目沢秀憲コーチ(33)の下、課題だったショートゲームを強化してきた。「感覚だけでやっていた。一から教えてもらい、知識を書き換えることができた」と成長を実感。この日の13番パー3で第1打をグリーン左に外しながらパーをセーブ。トレーニングにも力を入れ、平均飛距離が302ヤードまで上昇。相対的なゴルフ力の進化があった。
昨年は米下部ツアーに初挑戦し、ポイントランクで130位でシード権を得られずも「後悔はない」と言い切る。空港で言葉が全く通じず苦労したことも、ゴルフができる喜びに比べたら何てことはない。1年での撤退を余儀なくされたが、串田雅実キャディーが「漢(おとこ)」と言い切る愚直な25歳ははい上がった。
欧州のポイントランクで10位以内に入れば、翌シーズンの米ツアーの権利を獲得できる。「そこを目指してやっていきたい。強い選手と戦ってみたい。小さい頃からの憧れの場所だから」。次週は地元で日本ツアーの中日クラウンズに出場し、欧州転戦準備を進める。世界への道を切り開いた大きな1勝だった。(高木 恵)
◆桂川 有人(かつらがわ・ゆうと)1998年10月9日、愛知・清須市生まれ。25歳。シングルプレーヤーだった祖父の勧めで4歳からゴルフを始める。通信制のルネサンス豊田高に進み、フィリピン・マニラに3年間のゴルフ留学。日大で18年日本学生選手権優勝。20年にプロ転向し、22年にコロナ禍で日本ツアー単独開催された「ISPSハンダ 欧州・日本トーナメント」で日本ツアー初優勝。167センチ、70キロ。家族は祖父と母。
2024年04月29日 06:00
プロゴルファーの安田祐香がInstagramを更新。愛用のコスメを公開いたしました。 「流石ビューティーゴルファー」ファンも魅了する安田プロのコスメとは?
安田プロは「KOSÉ様の『薬用雪肌精』が3月1日に初のリニューアルを行いました!」と自身がスポンサー契約しているKOSÉの製品についてコメントしました。
安田プロは商品に対して「これまで『雪肌精』長く使用してきましたが、今回、美白と肌あれ防止に効能があるパワーアップをしたそうで私も早速使ってみたいです!」と綴りました。
写真では「薬用雪肌精」のビジュアルも公開。白いシャツを着た、安田プロの笑顔がまぶしい仕上がりとなっています。最後に「梅田駅や新宿駅等で私も出演した広告が掲出されていますので、お近くの方はぜひチェックしてみてください」とコメントして、文章を締めた安田プロ。
この投稿にファンからは「広告見にいきます♪」というコメントが多数寄せられました。また「流石ビューティーゴルファー」「普通にモデルやん」「雪肌精、使ってます」といった声も見られました。
いかがでしたか? ぜひ安田プロのツアーでの活躍をチェックしてみてくださいね!
【参考】
※oo_______yuka/Instagram
2024年04月29日 05:55
◆女子プロゴルフツアー パナソニックオープン 最終日(28日、千葉・浜野GC=6669ヤード、パー72)
首位タイで出た本格参戦3年目の天本ハルカ(25)=フリー=が7バーディー、1ボギーの66で、大会記録の通算19アンダーでツアー初優勝。
2024年04月29日 05:45
◆女子プロゴルフツアー パナソニックオープン 最終日(28日、千葉・浜野GC=6669ヤード、パー72)
首位タイで出た本格参戦3年目の天本ハルカ(25)=フリー=が7バーディー、1ボギーの66で、大会記録の通算19アンダーでツアー初優勝。プロテストに4度失敗した苦労人が1998年度生まれ「黄金世代」で15人目の優勝者となった。今季9試合目で全体1位のトップ10入り7回。得意のショットと、高校時代から師事する2001、03年賞金王の伊澤利光(56)とオフに磨いた小技で急成長を遂げた。尾関彩美悠(あみゆ、20)=JFEスチール=ら3人が2打差2位だった。
夏日の混戦を抜け出し、格好良く初優勝を決めた。18番パー3。天本は第1打を右のバンカーに入れたが、最後は2・5メートルのパーパットを沈めた。何度も右拳を揺らし「なかなか実感が湧かず、フワフワしているけどうれしい」と喜んだ。
通算79戦目で自身初の最終日最終組。3人が並ぶ首位で出て3番で一歩抜け出すと、8番から怒とうの5連続バーディーを奪った。一時は4打差。13番ボギーなどで後続に1打差に詰め寄られた17番で2メートルを決め、突き放した。「ひと安心した。(18番のパットは)すっきりした気持ちでラインも見えていた。自信になった」と息詰まる終盤を回想した。
98年度生まれ、黄金世代で通算15人目のV。3月に臼井麗香(25)が勝ち「周りから『次は(今季好調の)ハルカの番だね』と言われ、重圧もあったと思う」と母・結子(ゆいこ)さん(54)はまな娘を思いやった。昨年までは5位が最高だった天本は「同世代に刺激をもらっていた。いつか追いつこう、追い抜こうと、まずは1勝できた」とかみ締めた。
21年11月。5度目のプロテスト挑戦でようやく合格した。「5回目で通らなかったらやめようと母とも約束していた。皆合格して、焦りもあった」と当時の心境を口にした。「テストの経験は今でも生きている。決して無駄ではなかった」。昨年は初シード。本格参戦3年目の今季はトップ10の常連にまで飛躍を遂げた。
オフは、高校時代からの師匠・伊澤=写真=の指導で30〜40ヤードのアプローチを磨いた。「勝てる選手だから。上を目指して頑張れ」と励まされ、「最高の教材」というレジェンドから学んだ。リカバリー率は昨季64・2%(ツアー29位)から71・7%の同5位まで改善し、パーセーブ率89・9%は今季堂々の3位。「もったいないミスが減り、安定してアンダーが出せている」と分析する。
国内メジャー初戦、ワールドレディスサロンパスカップ(5月2日開幕・茨城GC東C、報知新聞社後援)に向けては「明日(29日)から練習ラウンドして、しっかり準備したい」と言葉に力を込めた。「今季は複数回優勝目指して頑張りたい」。遅咲きの25歳は、メジャーの大舞台でもV争いに加わる。(岩原 正幸)
◆1998年度生まれの「黄金世代」
米ツアー6勝で日米11勝の畑岡奈紗、国内10勝の小祝さくら、同8勝の勝みなみ、日米7勝の渋野日向子、国内5勝の原英莉花ら。天本は、3月のアクサレディス宮崎を制した臼井麗香に続く15人目のツアー優勝者。優勝15人は国内ツアー最多の世代。今季は小祝(1勝)を含め3勝。
◆天本ハルカ(あまもと・はるか)
▽生まれ、サイズなど 1998年7月23日、福岡・太宰府市。25歳。162センチ、58キロ。家族は母。
▽ゴルフ歴 8歳から始め、通信制の福岡・第一学院高卒業。19年には全米女子オープンに予選会を突破して出場。21年11月のプロテストに5度目挑戦で合格。
▽ダンス 幼稚園から小6までストリートダンスを経験した。
▽師匠 男子ツアー通算16勝の伊澤利光。高校時代に福岡のインドアスタジオに入門したのがきっかけ。今季は3月のVポイント×ENEOS(鹿児島)に同行しており、指導を受けた。
▽登録名 本名は遥香で「覚えてもらいやすいから」と登録名をカタカナに変更した。
▽ショットメーカー 今季のパーオン率77・17%は2位。「もともとはショットが苦手だったが、米女子ツアーのプレーを見てイメージを高めた」。活躍度の指標となるメルセデス・ランクは5位。
2024年04月29日 05:00
「男子ゴルフ・ISPSハンダ欧州・日本トーナメント・最終日」(28日、太平洋C御殿場C=パー70)
欧州ツアーと日本ツアーの共催で大会は行われた。8位から出た桂川有人(25)=国際スポーツ振興協会=が7バーディー、ボギーなしの63をマーク。初日83位からの出遅れを挽回し、通算17アンダーの263で、ホストプロが逆転優勝を果たした。日本ツアー開催だった22年の同大会以来、2年ぶりのツアー2勝目。日本人史上6人目、今季だけで3人目の優勝で、26年までの欧州ツアーの出場権を手に入れた。欧州ツアー出場2連続優勝を狙った中島啓太は10アンダーの11位に終わった。
桂川が再び世界への切符を手に入れた。米ツアーを目指した23年の米下部ツアー挑戦は振るわず、不本意ながら1年で撤退。日欧共催ではなかった2年前とは違い、今度こそ正真正銘の欧州V。26年までの欧州ツアー出場権を獲得し、再び世界最高峰の米ツアーにつながる道を切り開いた。
「高いステージに上がるために練習してきた。これから欧州ツアーで戦えると思うとうれしい」。
砂上の窮地では2度も“神業”を魅せた。ティーショットをグリーン手前に落とした7番パー3、3打目が目玉になっていた9番はともにチップイン寸前のパー。ショートゲームが弱点だったが、昨秋から目沢秀憲コーチに教わり劇的に改善。元々、感覚派だったショットメーカーは、かつて松山英樹とコンビを組んでいた名伯楽に「一から教わった。企業秘密ですけど」と確かな技術をたたき込まれた。
後半は緊張との戦いだった。10番のバーディーで単独首位に立つと、「手が震えた」。大事なところで「こういう時に失敗する自分がいる」とマイナス思考に陥りがちだが、この日ばかりは振り払った。14番で2・5メートルを沈めると、15番はピンから10メートルの長いバーディーパットを成功。16番はグリーンの外から6メートルをねじ込み、勝負どころでの神懸かりな3連続バーディーで後続を突き放した。
昨季の米国挑戦は不発に終わり、今季は国内専念を掲げていたとはいえ、世界へ挑む気概は消えていない。昨年は久常が欧州経由で、米ツアー行きをかなえた。夢の舞台に一歩近づき、桂川は「やっぱり強い選手と戦ってみたいというのもあるし、小さいときからの憧れや夢もある」と目を輝かせた。
◆桂川有人(かつらがわ・ゆうと)1998年10月9日生まれ、愛知県清須市出身。クラブチャンピオンだった祖父の指導で4歳からゴルフを始める。西枇杷島中卒業後、通信制のルネサンス豊田高で学びながら単身フィリピンへゴルフ留学。帰国後は日大に進み、2018年中部アマ、日本学生などを制覇し、ナショナルチーム入り。22年プロ転向に転向すると4月の「ISPSハンダ−」でツアー初優勝を果たした。同年11月の米下部ツアー予選会を経て、23年は米国を主戦場とした。167センチ、70キロ。
2024年04月28日 23:43
ゴルフ・パナソニックオープンレディース最終日(28日・千葉浜野GC=6669ヤード、パー72)――首位から出た天本ハルカ(25)が7バーディー、1ボギーとスコアを伸ばして通算19アンダーとして初優勝を飾った。
2打差の2位は、蛭田みな美、岩井千怜、尾関彩美悠の3人。史上初となる初優勝からの3週連続優勝を狙った竹田麗央は16アンダーで5位だった。
天本はよく「遅れて来た黄金世代」と言われる。畑岡奈紗、勝みなみら1998年度生まれで15人目の優勝者となった。ただ、早くから国内外で華々しく活躍してきた同世代と比べると、その経歴は異色だ。
プロテストでつまずいた。失敗を重ね、3回目では「本当に通るかな」と不安になった。同世代の受験者がどんどん減っていく中、「私は私だ」と切り替え、スイングや体の使い方を徹底的に見直した。そして「通らなければやめよう」と臨んだ5回目でやっとパスした。
「その5年間で培ったものは大きい」という自負がある。オフの間にグリーン周りの技術を固めたという今季は、前戦までの8試合で10位以内が6試合。最終日の混戦の中、8番で7メートルを沈めて波に乗ると、そこから5連続バーディーで一気に抜け出した。
最後は「ラインが見えていた」という2メートル半のウィニングパットを、落ち着いて沈めた。「同世代に並ぶのはまだまだ。これから追いつき、追い越せるような選手になりたい」。遠回りした時間は、未来にもつながっている。(小石川弘幸)
竹田麗央「(3週連続優勝には)届かなかったけど、3日間悔いなくプレーできた。重圧はそんなになかった」