2022年05月23日 20:07
フランス1部パリ・サンジェルマンの同国代表FWキリアン・エムバペ(23)の電撃残留劇に、同国のエマニュエル・マクロン大統領(44)が介入していたようだ。 エムバペはスペイン1部レアル・マドリードと口頭合意していたが、サイン寸前で翻意してPSGと3年の契約延長を発表した。 大きな理由の一つとして実質的なオーナーにあたるカタールのタミム首長からさまざまな破格の条件が盛り込まれた契約があるが、さらにタミム首長と蜜月関係にあるマクロン大統領もエムバペの説得に乗り出していた。 フランスメディア「RMC」は「マクロンはパリの選手に電話をかけて、首都のクラブにとどまるよう説得したとみられている」と指摘。以前のスペインでの報道なども踏まえて「カタールのタミム首長が(前大統領の)サルコジとマクロンに、パリのスターに首都にとどまるよう圧力をかけるよう個人的に要請した」と主張した。 同メディアは、マクロン大統領とエムバペ一家の双方と親交が深いポワシー市長のカール・オリーブ氏のコメントを紹介。マクロン大統領の関与について「プレーヤーにとどまるように説得したすべての善意が役に立った」と認める発言をしたという。 フランス政府はカタールと政治、経済の両面で結び付きが強く、マクロン大統領とタミム首長の間にはホットラインがある。良好な関係を維持するためにも、タミム首長が熱望したエムバペの残留は国家を挙げた一大プロジェクト。マクロン大統領が説得に乗り出すのはむしろ自然な流れというわけだ。 同メディアは「マクロンが関与することは非論理的ではない。さらに、政治指導者がサッカー選手の移籍に介入したのはこれが初めてではない」として、かつて世界的スターだったブラジル代表のペレ氏がニューヨーク・コスモスへ移籍する際に、当時のニクソン米国大統領が介入した例を挙げた。 エムバペの残留騒動は、サッカー界の枠を超えてフランスとカタールの国家間で進められたようだ。これではいくらRマドリードが名門といっても太刀打ちできるはずがない。
2024年05月05日 13:46
鎌田大地を擁するラツィオは現地5月4日、セリエ第35節でモンツァと敵地で対戦。2−2で引き分けた。
この試合に鎌田は、3−4−2−1のダブルボランチの一角で先発し、65分までプレー。攻守の両局面で躍動感あふれるプレーを披露した。
ハイライトは11分。ペナルティアーク手前から強烈なミドルシュートを放ち、GKが弾いてクロスバーに当たったボールをチーロ・インモービレが押し込んだ先制点を演出してみせた。
【動画】右足一閃! 先制点を演出した鎌田大地の強烈なミドルシュート。止めたGKもうまっ!
『アベマサッカー』の公式Xが「鎌田のミドルからラツィオが先制!」と題して、得点シーンを公開。SNS上では「凄いシュートだったな」「ほぼアシスト」「実質アシストのミドル」「鎌田のミドルってまじで綺麗だよな」「ミドルえぐいな」「強烈なミドルシュート凄過ぎる」「実質鎌田のゴールだわ」「もう鎌田のゴールにしてくれ!」といった声があがった。
現地メディアの採点記事でも軒並み高評価を与えられた鎌田。「最高レベルのパフォーマンス」「あらゆるエリアで存在感」などと評された。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部
2024年05月05日 13:30
今年で39歳になったクリスティアーノ・ロナウド。
4日のアル・ワフダ戦で3ゴールとハットトリックを達成し、6-0の圧勝に貢献した。その得点シーンがこちら(動画49秒から)。
まずは前半5分、相手GKのパスミスを受けると、体勢を崩しながらもシュートを決めてみせた。
前半12分にはマルセロ・ブロゾヴィッチのクロスをヘディングで叩き込む。そして、後半7分には裏に抜け出すと左足のシュートを突き刺し、パーフェクトハットトリック(左足・右足・頭)を達成。
驚くべき筋肉をつけたサッカー選手10名、その「変化」を見る
最近2試合で5ゴールと爆発しているロナウドは「最高の気分!チームとファンのみんな、ありがとう」とのメッセージをSNSに綴っていた。
2024年05月05日 13:00
欧州リーグはシーズン佳境を迎えており、ベルギー1部リーグはすでにプレーオフも大詰めとなっている。今季1部に昇格したRWDM(モレンベーク)は下位4位によるプレーオフを戦っている。
安部柊斗は昨夏RWDMに加入すると、ここまで全コンペティション35試合に出場。リーグ戦では33試合に出場しているが、これはチームトップ(プレータイムは別)。
『DH Les Sports』によれば、安部はヤニック・フェレイラ監督にとって欠かせない存在となっており、チームメイト全員の模範になっているそう。
同紙は「この日本人は先発の座を奪い返して以来、揺るぎない自己犠牲と模範的なファイティングスピリットを示してきた。真のボール奪取者である彼は、監督を魅了している」と伝えている。
フェレイラ監督は「特定の選手について話すのは好きではないが、柊斗は戦うことを止めない男だ。攻守に貢献する。疲れ知らずで、チームのために努力を惜しまない」と惚れ込んでいるそう。
海外日本人、欧州から見た市場価値が最も高い11人(最新版)
得点に絡む機会はそれほど多くないが、新天地で確かな評価を得ているようだ。
2024年05月05日 12:48
日本の優勝で幕を閉じたU-23アジアカップ。
2024年05月05日 12:43
23-24イングランド・プレミアリーグは4日、第36節の試合が行われ、首位アーセナル(Arsenal)は3-0でボーンマス(AFC Bournemouth)に快勝。2位マンチェスター・シティ(Manchester City)もアーリング・ブラウト・ハーランド(Erling Braut Haaland)が4ゴールを挙げてウォルバーハンプトン・ワンダラーズ(Wolverhampton Wanderers)に5-1で大勝し、勝ち点1差を維持した。
アーセナルはブカヨ・サカ(Bukayo Saka)のPKでハーフタイム直前に先制すると、70分にレアンドロ・トロサール(Leandro Trossard)が2点目、後半アディショナルタイムにデクラン・ライス(Declan Rice)が圧勝劇を締めくくる3点目を挙げた。
2003-04シーズン以来のプレミアリーグ制覇を目指すアーセナルは、これでリーグ4連勝を飾り、クラブ最多記録に並ぶ今季プレミアリーグ26勝目を挙げた。この後は12日にアウェーでマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)と対戦し、19日の最終節でエバートン(Everton)をホームに迎える。
シティは12分にハーランドのPKで先制すると、35分にハーランドのヘディング、前半終了間際にハーランドの2本目のPKで追加点。53分にミスから相手に1点を返されたが、すぐさまハーランドがカーブをかけたシュートで今季公式戦36ゴール目を決めると、85分にフリアン・アルバレス(Julian Alvarez)がダメ押し点を挙げた。
シティはこれでリーグ6連勝とし、リーグ無敗を20試合に伸ばした。アーセナルとは勝ち点1差だが消化は1試合少なく、3連勝すれば前人未到の4連覇を自力で決められる。今後の日程は11日にフラム(Fulham)戦、14日にトッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)戦、19日にウェストハム(West Ham)戦となっている。
下位では19位バーンリーFC(Burnley FC)が1-4でニューカッスル・ユナイテッド(Newcastle United)に敗れた。残り2試合で残留圏内との勝ち点差は5に広がり、1年での2部逆戻りが近づいている。
17位ノッティンガム・フォレスト(Nottingham Forest)はすでに降格の決まっているシェフィールド・ユナイテッド(Sheffield United)に3-1で勝利。財務規定違反による勝ち点4剥奪処分に対する異議申し立ての結果も関わってくるが、18位ルートン・タウン(Luton Town)との勝ち点差を3に広げ、残留へ向けて大きな一勝を挙げた。
チャンピオンシップリーグ(2部)は最終第46節の試合が行われ、イプスウィッチ・タウン(Ipswich Town)が22年ぶりのプレミア復帰を決めた。
イプスウィッチは2-0でハダーズフィールド・タウン(Huddersfield Town)に勝利。リーズ・ユナイテッド(Leeds United)が1-2でサウサンプトン(Southampton FC)に敗れたことと合わせて昇格が決まった。3部から2シーズン連続で昇格を果たしてのプレミア挑戦は、史上4クラブ目となる。
一方のリーズはノリッジ・シティ(Norwich City)とのプレーオフ準決勝にまわることになった。
■関連記事
・タイトル争うマンCとアーセナル 勝利挙げ互いに譲らず
・チェルシーがロンドンダービー制す スパーズはCL出場へ痛恨3連敗
・レスター、降格から1年でプレミアリーグ復帰
2024年05月05日 12:34
レアル・マドリードを率いるカルロ・アンチェロッティ監督が、指揮官としてクラブ歴代2位となる12個目のタイトルを獲得した。4日、クラブ公式サイトが伝えている。
ラ・リーガ第34節が4日に行われ、レアル・マドリードとカディスが対戦した。試合は、前半からレアル・マドリードが主導権を握ってスコアレスのままハーフタイムを迎えると、51分にブラヒム・ディアスが先制点をマーク。68分にはジュード・ベリンガムが追加点を奪い、後半アディショナルタイムにもホセルが勝負を決める3点目を挙げた。結局、試合は3−0でレアル・マドリードが勝利を収め、遅れてキックオフしたバルセロナがジローナに敗れたことで、4試合を残しながらのリーグ優勝が確定した。
2年ぶり通算36回目のラ・リーガ制覇を掴み取ったレアル・マドリード。これまでアンチェロッティ監督は同クラブでラ・リーガを1回、チャンピオンズリーグ(CL)、クラブワールドカップ、UEFAスーパーカップ、コパ・デル・レイ、スーペルコパ・デ・エスパーニャをそれぞれ2回制してきたが、今回リーグで2度目の優勝を飾ったことにより、獲得したタイトル数が指揮官としてクラブ歴代2位となる「12」に積み上げられた。
なお、122年間にも及ぶレアル・マドリードの歴史でアンチェロッティ監督を上回るのは、選手と監督の両方でUEFAチャンピオンズカップ(現CL)を初めて制したことで知られるミゲル・ムニョス・モスン氏のみ。2度にわたって“白い巨人”の指揮官を務めた経験を持つ同氏は、合計15年間で14個のタイトルを獲得しており、アンチェロッティ監督が今季のCLでクラブを優勝に導いた場合は、両者の記録が「1」差に肉薄することとなるようだ。
2024年05月05日 12:30
ラ・リーガではレアル・マドリードがカディスを3-0と下し2シーズンぶり36回目の優勝を決めた。
一方ライバルのバルセロナはジローナとの直接対決に敗れ3位に後退。シャビ・エルナンデス監督の退任騒動などがあり、満足なシーズンになったとは言い難い。
そんななか、バルセロナがエースFWのロベルト・レヴァンドフスキを放出し、リヴァプールのFWダルウィン・ヌニェスを迎えると英『THE Sun』が伝えた。
近年は財政状況の悪さに悩まされるバルセロナ。サラリーキャップの条件を満たし、再建を進めるには高額なサラリーを受け取る選手の放出が必要で、高給取りの1人であるレヴァンドフスキは放出候補となる。ヌニェスも給料が安いわけではないが、単純な額でいえばレヴァンドフスキの1/4ほどだと同紙は伝えている。
他にも多くの選手が今季終了とともに退団するだろうと見られており、選手を売却することで資金はできる。リヴァプールに取引の用意があれば、リヴァプールの提示額を満たせるとバルサ首脳陣は考えているようだ。
ヌニェスは重要な戦力の1人であり、そう簡単にリヴァプールが手放すとは思えないが、サラリーの面からも年齢の面からも退団濃厚なレヴァンドフスキの後釜は解決しなければならない問題だ。ウルグアイ代表FWがカタルーニャに向かうシナリオはあるのだろうか。
2024年05月05日 12:30
ハリウッド俳優のライアン・レイノルズらが買収したことで話題になった英4部のレクサムは来季の3部昇格を決めている。
2024年05月05日 12:18
インテル・マイアミに所属するアルゼンチン代表FWリオネル・メッシが、1試合で1ゴール5アシストをマークする大活躍を見せた。
メジャーリーグ・サッカー(MLS)第11節が4日に行われ、インテル・マイアミとニューヨーク・レッドブルズが対戦した。試合は、30分にニューヨーク・レッドブルズが先制したものの、同点として迎えた51分にメッシが逆転弾をマーク。以降はルイス・スアレスがハットトリックを記録するなど4点を追加し、後半アディショナルタイムに1点を返されたが、6−2でインテル・マイアミが大勝を収めている。
右ウイングとしてフル出場したメッシは、スアレスが挙げた3得点すべてをアシストするなど、合計1ゴール5アシストの大活躍。この結果により、同選手は今シーズンの成績を公式戦11試合出場12ゴール11アシストに積み上げた。なお、消化試合数が1試合多いインテル・マイアミは今節の勝利で勝ち点を「24」に伸ばし、暫定首位の座をしっかりとキープ。スアレスは2023年12月に同クラブへと加入して以降初となるハットトリック達成となった。
2024年05月05日 12:00
プレミアリーグは最終盤を迎え、タイトルレースからはリヴァプールが脱落。アーセナル、マンチェスター・シティの一騎打ちとなっている。暫定首位アーセナルは勝点「83」、2位シティは勝点「82」と1ポイント差だが、シティは消化試合数が1つ少ない。
第36節ではアーセナルがボーンマスを3-0、シティがウルブズを5-1と破り、互いに一歩も引かなかった。どちらかがドローなどで勝点を落とした瞬間に終わるチキンレースとなっており、アーセナルは残り2戦、シティは3戦をすべて勝利することがタイトルへの唯一の道だ。
そんななか2クラブともに強豪との対戦を残しており、アーセナルがマンチェスター・ユナイテッドと、シティがトッテナムと当たる。皮肉なことに、ユナイテッドはアーセナルに勝てばシティのリーグ優勝を手助けすることになり、スパーズがシティに勝てばアーセナルにリーグ優勝を与えることになってしまう可能性が高い。ユナイテッドとスパーズにとって、自分たちが勝つことで宿敵にリーグタイトルを与えてしまうのは屈辱だ。
しかし、そんな状況であってもユナイテッドとスパーズは勝ちにくるはずだとジェイミー・レドナップ氏は『sky sports』で語った。
「シーズン最終日に、私は選手として同じ状況に置かれたことがある。しかし、プレイヤーとしての誠実さは常に問われるものだ」
「でも、勝ちたいんだよ! それは個人的な誇りだ。もし自分がマン・シティと対戦するトッテナムの選手だとしたら、ショーを披露したいと思うだろう。自分がなにかを持っているなら、ベストを尽くすだろう」
複雑な思いはあるだろうが、ピッチの中ではつねにベストを尽くすべきだとレドナップ氏は語った。今季のアーセナルとシティは卓越しており、残りの試合をすべて勝つだろうと予想する者も多いだろうが、そんな予想を覆して波乱を起こすほどの戦いを両チームには期待したいところだ。
2024年05月05日 12:00
昨季2部に降格するも1年でプレミアリーグ復帰を決めたレスター。4日に行われたブラックバーンとの最終戦には岡崎慎司も駆けつけていた。
今季限りでの引退を決めた岡崎は、2014-15シーズンに奇跡の優勝を成し遂げた当時のメンバーであるジェイミー・ヴァーディ、マーク・オルブライトン、ハムザ・チョードゥリーらと再会。盟友だったヴァーディとは熱いハグをかわすシーンも!Vardy & Shinji 🦊💙🏆 pic.twitter.com/KdoBeuer6A
— Sam Tewley (@SamualT3wl3y) May 4, 2024
これは胸熱…。
海外のファンたちも「ヴァーディだけでなく、岡崎とレオナルド・ウジョアも優勝チームにおいて本当に重要な存在だった」、「これはキュート。引退を決めた彼が想像以上の喝采を楽しむことを願う」、「岡崎は競り合うDFよりも背が低いことが多かったが、素晴らしい労働意欲を持っていた」、「岡崎、オルブライトン、ウジョア、マフレズ、ヴァーディ、モーガン、シュマイケル…なんて素晴らしいストーリーだっただろうか」などと反応していた。
岡崎慎司が一緒に闘った「最強同僚ベストイレブン」がすごい
なお、37歳になったヴァーディはリーグ5位となる18ゴールを叩き出し、プレミア昇格に大きく貢献している。
2024年05月05日 11:47
南野拓実が所属するモナコは現地5月4日に開催されたリーグ・アンの第32節で、最下位に沈むクレルモンとホームで対戦。
2024年05月05日 11:33
MLSのインテル・マイアミでプレーするリオネル・メッシ。
6-2で大勝した5日のNYレッドブルズ戦で1ゴール5アシストと全得点に絡む活躍を見せた。
メッシは後半3分に同点弾をアシストすると2分後にルイス・スアレスのアシストから逆転ゴールをマーク。Lionel Messi goals are inevitable! 🚨
The first player to 10 goals this season puts @InterMiamiCF on top. pic.twitter.com/GuUEShfmdb
— Major League Soccer (@MLS) May 5, 2024
その後、スアレスのハットトリックを全てアシストするなど6点全てを演出した。 That Messi to Luis Suarez connection is unstoppable! @LuisSuarez9 scores off the volley for his 8th goal of the season and @InterMiamiCF is cruising. pic.twitter.com/5QQAdvp93R
— Major League Soccer (@MLS) May 5, 2024
MLSによれば、1試合5アシストも1試合で6得点に絡むのも史上初だそう。
日本代表がメッシに勝った!「2010年のアルゼンチン代表伝説スタメン」
また、メッシはこれでサッカー史上初めて通算1200得点に絡んだ選手になったという話もある。
今季12試合で32得点を叩き出しているインテル・マイアミは東地区の首位に立っている(得点数地区2位は10試合で19得点のフィラデルフィア・ユニオン)。
2024年05月05日 11:32
「正直、危機感しかない」と日本サッカー協会の山本昌邦ナショナルチームダイレクターが語った通り、AFC U-23アジアカップ前は下馬評の低かったU-23日本代表。その彼らが大いなる苦境を乗り越え、8大会連続五輪の切符を獲得。さらにアジア王者に輝くという偉業を達成したのだ。
5月3日の決勝ウズベキスタン戦、序盤から劣勢を強いられた。スコアレスのまま延長にもつれ込むかと思われた後半アディショナルタイム、途中出場の山田楓喜が大仕事をやってのける。高井幸太のインターセプトから藤田譲瑠チマ、荒木遼太郎を経由してボールが渡った瞬間、背番号11はやや遠目の位置から迷うことなく左足を一閃。ゴール右隅に鋭い決勝弾を叩き込んだのである。
「点を取る時って、あまりシュートシーンを覚えてないんですよ(笑)。たぶん、ゴールだけを見て、振り抜く形で決めたんだと。それが良かったかなと思います。自分はこういう大舞台で決めるために、常に腐らず準備してきたので、当然の結果かなと思ってますし、日本代表を優勝に導けたことをすごく嬉しく感じます」
4日深夜の帰国直後、山田は改めて歴史的ゴールの瞬間を振り返った。4月25日の準々決勝カタール戦の先制点もそうだが、彼の左足の迫力と精度は突出しており、見る者を大いに魅了する。「日々の練習の積み重ね」と本人は自信をのぞかせるが、職人気質なところは、レフティの先人・中村俊輔と重なって見える。「“中村俊輔2世”みたいな言われ方をしますけど、やっぱり自分は誰かの後釜じゃなくて、“山田楓喜”を見ていただきたいというのはあります。俊輔さんのような素晴らしい左足の持ち主と比べられるのは嬉しいけど、僕は全く別の選手だし、全く違う特徴を持っているので」と彼は語気を強める。
そういった強気の姿勢は、この若武者の魅力。新レフティモンスターは今、一気に階段を駆け上がろうとしているのだ。ご存じの通り、山田は京都サンガF.C.のアカデミーで育った生え抜き選手。2020年にトップに昇格し、4シーズンを過ごして今季は東京ヴェルディへの期限付き移籍を決断した。京都時代はコンスタントに出番を得られなかったが、新天地では開幕から右FWの定位置を確保。6試合に出場し、2本の直接FKを含む3ゴールをゲット。凄まじいスタートダッシュを見せている。
「今年の目標として『自分の価値を高めて、どんどん名を売っていく』ということを、移籍した時から決めてました。これから山田楓喜をどんどん世界に知らしめていかないといけないんで、今はまだ途中。何も満足していないので、本当にこれからという感じですね」と彼は語っていたが、今大会は知名度を上げる絶好の機会になったはず。山田家の長男に代々つけられるという「喜」の字のように、多くの人々に喜びを与える好パフォーマンスを披露した山田は、プロフットボーラーとしての価値を一段階、引き上げたのは間違いないだろう。
とはいえ、大事なのはここから。東京Vに戻って活躍し続けなければ、約2カ月半後のパリ五輪行きは叶わない。実際、パリ世代の2列目は最大の激戦区だ。同じレフティでFKを蹴れる久保建英の参戦も想定されるだけに、キャラクターが少し被る山田が18人枠に滑り込める保証はないのだ。
「五輪はロンドン、リオ、東京とずっと見てきましたし、4年に一度の祭りみたいな大会。もちろんその舞台には立ちたいです。だけど、あまり意識しすぎず、これから一歩一歩、成長していくことが、何よりも大事だと思ってます。五輪代表争いに関しても、周りと比べても仕方ない。選ばれる選ばれへんに関係なく、そこがゴールじゃないし、まだまだこの先、サッカー選手としてのキャリアは続いていく。最終的に誰よりも活躍してる自信はあるので、高みを見据えてこれからまた成長していきたいなと思います」
1 2 次へ
2024年05月05日 11:30
マンチェスター・シティのフィル・フォーデンがイングランド国内のフットボール記者協会(FWA)の年間最優秀選手賞を受賞したという事実は、今季のプレミアリーグとFAカップの二冠を視野に入れているマンCの強さを証明するものだ。そして、その事実は今夏にドイツで開催されるEURO2024において、イングランド代表が優勝予想の大本命たる所以にもなっている。
フォーデンに加えて、レアル・マドリードに移籍した1年目からラ・リーガとチャンピオンズリーグの二冠を目指すチームの中核として活躍し、史上最多票でのゴールデンボーイ賞を受賞したジュード・ベリンガム、ドイツのブンデスリーガで現在2位と10ゴール差をつけて得点王に立っているハリー・ケインと、イングランド代表はドイツ、スペイン、イングランドの3つのリーグのMVP級の選手を擁している。加えて、世界屈指の守備的MFであるデクラン・ライスや、ブカヨ・サカ、コール・パルマーなど錚々たる面々を招集予定だ。
監督のガレス・サウスゲイトの判断に注目が集まる点としては、左サイドにフォーデンを置くのか、それともレアル・マドリードでより深い位置でのプレイが可能になったベリンガムを一列下げるのか。ケインの後ろにフォーデンとベリンガムのどちらを配置するのかという問題だろう。また、右サイドにパルマーとサカのどちらを置くべきかという議論もファンの間で白熱するトピックの一つだ。そしてジャック・グリーリッシュや、コナー・ギャラガー、コビー・メイヌーなど他国であれば不動の地位に立つであろう選手たちも、イングランド代表では誰かがベンチに座ることが必要となってくる。
最高級のピースが集まり、優勝が至上命題となっているイングランド代表で指揮官はどのような選択をするのか。サウスゲイト監督には多くの選択肢があり、これらの選択がイングランド代表の大会結果に大きな影響を与えることだろう。