2023年05月31日 23:16
(日本生命セ・パ交流戦、ロッテ4―7巨人、2回戦、1勝1敗、31日、ZOZOマリン)巨人・坂本勇人内野手(34)が「2番・遊撃」で先発し、遊撃手として史上初の通算2000試合出場を果たした。五回に7号ソロで花を添え「今までいろいろやってきた。継続できたからこその記録」とかみしめた。2点リードの五回先頭で昨季までチームメートだったメルセデスのスライダーを振り抜き、左中間席へ運んだ。試合に出続けられる理由に「積み重ね」を挙げ「準備を怠らないでやってきている自負がある。遊撃で出るのが当たり前と思って準備してきた」と矜持(きょうじ)をにじませた。
2024年05月05日 07:00
「巨人2−1阪神」(4日、東京ドーム)
阪神が今季初のサヨナラ負けで巨人に連敗を喫し、7カードぶりの負け越しとなった。それでも初回1死一塁では吉川尚の右中間への二塁打に、右翼・森下からの送球で中継に入った小幡が本塁へストライク送球してアウトに。デイリースポーツ評論家の糸井嘉男氏は「目を奪われた」とビッグプレーを絶賛した。
◇ ◇
サヨナラ負けは今季初ですか…。それだけ中継ぎ陣が頑張ってきたということで、責めることなんてできません。長いシーズン、こういう試合もあります。そんな中、目を奪われたのは、初回1死一塁からの右翼・森下選手と遊撃・小幡選手による中継プレーです。
まず吉川選手が放った右中間に抜けそうな打球を森下選手がよく止めました。スライディングしていなかったら本塁生還を許していたでしょう。外野手として、いっぱいいっぱいのプレーです。それでも三塁コーチャーは回しました。そこで出ましたね、小幡選手の“バズーカショルダー”。本塁への送球も正確で、先制点を阻止するビッグプレーになりました。
僕も間近で見ていましたが、小幡選手の肩は若いし、柔らかいし、球が伸びてくる。課題とされる打撃も年々、向上しています。今、メジャーリーグではレッズのデラクルーズ選手のような大型ショートが出てきています。彼のようなスケールの大きな選手に育って、100マイルの送球も見せてほしいですね。
2024年05月05日 06:50
◆ 勝敗を左右する重要な場面で「気持ちで何とか打った」
巨人は4日、首位阪神との直接対決2戦目で2x−1とサヨナラ勝ちを収めた。8回に同点に追いついた巨人打線は延長10回、一死走者なしから9番代打・萩尾匡也が四球を選び出塁。1番丸佳浩と2番代打・長野久義の連続安打で満塁の好機を作ると、3番吉川尚輝が値千金のサヨナラ打を放った。
この勝利で首位・阪神まで1ゲーム差と迫った巨人。勝負を決めた吉川の打席に、4日放送のフジテレビONE『プロ野球ニュース2024』でも注目が集まった。
田尾安志氏は、一打サヨナラの場面を迎えた吉川について「こういう打席で、良い時に回ってきたと思えるか、どうしようと思うかで結果は違う。吉川は前者の考えで打てたと思う。そういう強い気持ちをもてるかどうかが大事」と攻めの姿勢を称賛。
斎藤雅樹氏も「初球から振っていて、どんどん打ってやるという気持ちが出ていた。打球は詰まっていて当たりとしては良くなかったが、気持ちで何とか打った感じがした」と最高の結果に繋がった打席内容を語った。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2024』
2024年05月05日 06:50
楽天は発足1年目の4月に11連敗…コーチ配転案に田尾安志監督は反発した
楽天初代監督の田尾安志氏(野球評論家)は2005年のわずか1シーズンで解任された。新規参入球団の1年目は38勝97敗1分。戦力的にあまりにも他球団と差がありすぎた。4月と8月に11連敗を喫したが、いずれも球団フロントとゴタゴタした。開幕から約1か月で早くも辞表を手にした4月。休養の可能性があった8月。田尾氏にとっては「納得できないことが多かった」という。
2005年3月26日のロッテ戦(千葉マリン)、新規球団・楽天は記念すべき初戦に3-1で勝利した。エース・岩隈久志投手が5安打1失点で完投した。「でも次からは大変だろうなっていうのは読めていましたからね。(オーナーの)三木谷(浩史)さんはえらい喜んでいましたけど、そんなにうまくいくわけがないんでね」。2戦目(3月27日)は0-26の大敗。打線はロッテ・渡辺俊介投手の前に1安打に封じられた。「これが現実だろうなって思いましたね」。
4月15日の日本ハム戦(東京ドーム)から、4月27日のオリックス戦(山形)まで11連敗。球団フロントが山下大輔ヘッドコーチの2軍監督、駒田徳広1軍打撃コーチの2軍打撃コーチへの配置転換を打ち出した。田尾氏は反発した。「『一生懸命、みんな同じ方向を向いてやっているけど、力がないから負けるんです。それをコーチの責任にするのは困る』と言いました。だけど『何かを変えないといけない』とか言って……」。
ここで田尾氏は腹を括った。「山下さんはお金を稼ぐとかの意識じゃなくて、なんとかいいチームを作っていこうということで来てくれた人だし、ユニホームを脱ぐと言うかもしれないと思った。駒田にしてもそう。もし、そうなったら、僕もやめると決めたんです。山下さんには『僕の力が至らなかったから、こういうことになった。僕の責任でもあるので、1人ではやめさせません』と言って、その場合は僕もやめるという話をしました」。
宏子夫人にも「ここでやめなかったらパパじゃないよ」と言われたという。「その次の日、辞表を持って球場に行きました。そしたら(米田)代表が来て『山下さんが2軍監督を引き受けてくれました』って。山下さんは(この人事が)僕の考えじゃないなって思って、考えてくれたんだと思います。それで何とか続いたんです」。開幕から1か月での辞任がギリギリで回避。いきなり、そんなスタートだった。8月に2度目11連敗…島田球団社長の言葉に「それ、おかしいだろ」
4月に5勝19敗、5月に7勝18敗、6月は8勝14敗と、他球団との力の差がありありの結果が続いた。7月は10勝9敗1分とひとつ勝ち越した。それでも「まぁ、あそこは何とかうまくいったんですけど、ベテランが多いので夏場は無理だろうと思っていましたよ」。悲しいかな予想通り、8月は3勝21敗と大きく負け越した。8月9日のオリックス戦(スカイマーク)から8月23日のオリックス戦(フルスタ宮城)まではシーズン2度目の11連敗を喫した。
この時にもまた一悶着あった。「(球団フロントから)次のゲームも負けたら休養しろと言われた。球団の方針だから『わかりました』と言ったんですけど『じゃあ勝ったらどうするのか』と聞いたら『今まで通りやってほしい』というから『そんな薄っぺらいことしか考えられないのか』って話をしたんです」。納得いかない田尾氏は三木谷オーナーに電話も入れたという。
「オーナーは電話に出られなかったので、留守電に入れて家に帰ったら、島田(亨)球団社長から電話があって『休養の意味を取り違えていませんか。2、3日休養してほしいという意味合いの休養です』って言うから『それ、おかしいだろ』って言ったんですよ。何かそういうその場繕いが多すぎて、僕らの考えとちょっと違った。やっぱり野球人というものを全くわかっていないなって思いましたね」。
8月24日のオリックス戦(フルスタ宮城)に楽天は4-1で勝利。連敗が11でストップし、田尾監督の休養はそれで本当になくなった。だが、その後、球団との溝も深まっていき「そのうちに1年で解雇という形になったんです」という。いろんな経緯があったようで「(元ヤクルト、西武監督の)広岡(達朗)さんをGMに呼んで、そうなれば僕が2年目もやる予定だったんですが、その後、広岡さんの話が根本的になくなって、僕の2年目もご破算になった」とも……。
もともと田尾氏は「僕はオーナーがやれと言っても、違うと思ったら、やりません。それが嫌だったら早くクビにした方がいいですよって話は(球団フロントに)していたんですよ」と言うが、3年契約だから、当然3年計画でチーム作りを考えていた。「1年目は与えられた戦力でやるしかないので、オフにどうなるか。自分の中で計算したものがいろいろあったので、それを実現できずに終わったのはちょっと残念でしたね」と口にした。
「まだシーズン中でしたけど、(ソフトバンク監督の)王さんや(ロッテ監督の)バレンタインに『来季に向けて補強したいんで、この選手を何とかなりませんか』って話もずっとしていました。かなり協力的で、僕が2年目をやっていたら、何人も楽天に来てもらえるだろうって思っていたんですけど、それも全部なくなったんですよね」。3年契約のはずが、まだ土台すらできていない段階の1年で終了。田尾氏にとっては、志半ばで終わった形になった。(山口真司 / Shinji Yamaguchi)
2024年05月05日 06:40
◆ 「それを打ち返したのが素晴らしい」投打でDeNAキラーぶりを発揮!
5月初白星を狙う広島は4日、本拠地でDeNAと対戦し4−1で勝利した。
2024年05月05日 06:30
◆ 13試合連続無失点の鈴木昭汰にも言及
ロッテは4日、ソトが均衡を破る決勝2ランを放ち楽天に2−0で勝利した。
0−0のまま迎えた8回、和田康士朗が左安で出塁し一死一塁となると、4番・ソトが左翼スタンドへ豪快な2ランを放った。この本塁打が決勝点となりロッテは勝利。投手陣も完封リレーと楽天打線に的を絞らせない好投を見せた。
ソトの決勝2ランについて、4日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した解説者の田尾安志氏は「ソトは『自分が決めてやる』という気持ちで打席に入っていましたよね。ランナーが一塁の場面ですから、狙ってるのはシングルヒットではないんですよ。長打を狙っていたところに絶好球がきてくれたんだと思いますし、完全に狙ったホームランでしたね」と分析した。
また13試合連続無失点を継続している左腕・鈴木昭汰について、同番組に出演した斎藤雅樹氏は「左打者に対する被打率が.125ですからね、しっかりと抑えることができてますし、自分の仕事をこなすことができてますよね。これからもどんどん成長していく投手だと思いますよ」とコメントした。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2024』
2024年05月05日 06:20
◆ 解説陣からも絶賛の嵐
西武は4日、ソフトバンクとの試合(ベルーナドーム)で、延長10回に外崎修汰がサヨナラ打を放ち劇的勝利。先発の今井達也は7回3失点と粘りの投球を見せ、勝利に貢献した。
帽子から大きくはみ出るロン毛ヘアーから、バッサリと髪を切りニューヘアーでマウンドに上がった今井は初回に内野ゴロの間に先制点を献上すると、4回には三森大貴の適時打、7回には柳田悠岐の犠飛で3点を失った。だがその裏に味方が勝ち越し。勝ち投手の権利を持ってマウンドを降りたが、リリーフ陣が同点を許し3勝目とはならなかった。
勝ち星は逃したものの、今季はここまで防御率1.29と圧巻の投球を見せている今井について4日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した解説者の斎藤雅樹氏は「髪が長くても短くてもどちらでもいい男ですね。今井は毎登板、安定したピッチングをしてくれますし、なにより長いイニングを投げてくれるので素晴らしいピッチャーですし、チームとしても助かりますよね」とニューヘアーに触れつつ今井の投球を高評価した。
また同番組に出演した解説者の田尾安志氏は「防御率が1.29ですからね。先発でこの数字は凄いことですよ。抑えでも防御率1.29は凄いですけど、先発ピッチャーはだいたい点を取られるまで投げるのが仕事なので、自然と防御率は高くなるんですよ。それでこの数字と言うのは、もう本当に凄いです」とこちらも快投を続ける右腕を大絶賛した。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2024』
2024年05月05日 06:10
◆ 復調の兆しか
日本ハムは4日、オリックスとの試合(京セラD大阪)に1−3と敗戦。再三ランナーを出しながら決定打を欠いた打線だったが、レイエスが来日初の3安打猛打賞をマークするなど活躍が光った。
「3番・指名打者」でスタメン出場したレイエスは初回の第1打席に左安を放つと、4回の第2打席にも左安、さらに6回の第3打席にはライトへの二塁打を放ち3安打を記録。打率1割台と苦しんでいたレイエスだったが、復調の兆しを見せた。
来日初の猛打賞をマークしたレイエスについて、4日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した解説者の田尾安志氏は「日本ハムは今季、外国人選手に大きな期待をしていますからね、これくらいやってもらわないと困りますよね。私は今季の日本ハムを上位予想してますので、頑張ってもらいたいですね」とコメント。
また同番組に出演した解説者の斎藤雅樹氏は「1、2打席ともにインサイドへのツーシームを上手くレフト方向に、詰まり気味ではありましたけど上手く打ち返してましたよね。3打席目は外の球を右中間方向に上手く打ってるので、右にも左にも広角に打てているのは非常に良いことだと思いますし、打撃にも幅ができますよね」広角に打ち分けたレイエスの打撃を高評価した。
首位・ソフトバンクを2.5差で追う2位・日本ハム。メジャー通算108本塁打を誇る助っ人の活躍がリーグ制覇へのカギを握っているかもしれない。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2024』
2024年05月05日 06:00
「広島4−1DeNA」(4日、マツダスタジアム)
“二刀流”での活躍劇じゃ〜!!広島の森下暢仁投手(26)が7回2安打1失点(自責なし)の快投で、自身初の開幕3連勝を飾った。
2024年05月05日 06:00
本拠地・ブレーブス戦に「2番・指名打者」で出場
■ドジャース ー ブレーブス(日本時間5日・ロサンゼルス)
ドジャース・大谷翔平投手は4日(日本時間5日)、本拠地・ブレーブス戦に「2番・指名打者」で出場する。5月初アーチに期待がかかる。
前日3日(同4日)の同カードでは1点を追う10回1死二塁で元エンゼルスのイグレシアスから同点となる中前適時打を放ち、塁上で吠えた。3試合連続安打とし、打率.336、OPSは1.017となった。さらに今季初の1試合に盗塁を決めた。
ここまで7本塁打でロバーツ監督の持つ球団日本生まれの選手の最多本塁打に並んでいる。豪快アーチで球団記録更新なるか。
チームはサヨナラ勝ちで2連勝。対するブレーブスは24歳の右腕エルダーが先発登板する。今季ここまで1勝負けなし、防御率1.50をマークしている。(Full-Count編集部)
2024年05月05日 05:01
「ウエスタン、阪神8−0くふうハヤテ」(4日、甲子園球場)
阪神・高橋遥人投手(28)が21年11月6日のCSファーストステージ・巨人戦以来、910日ぶりとなる甲子園登板を果たした。実戦復帰後3試合目の先発で、幸せをかみしめながら感慨の14球で1回無失点。完全復活へ向けて順調に歩を進める中、和田2軍監督は次回以降、複数イニング投球の可能性を示唆した。
登場曲「決意の朝に」に乗せてマウンドに向かう途中、「遥人ぉ〜、ガンバレ!!」と激励の声が飛ぶ。高橋にとって910日ぶりの甲子園登板。「投げれなくなって当たり前じゃなくなってきたんで、こうしてみんなの前で投げれてるのが幸せ」。スタンドの8773人の視線を独り占めして、感慨に浸った。
それでも投球練習を終えると、“戦闘モード”に切り替えた。初回先頭のB・バスケスには全て直球勝負の三球三振で、最初のアウトを刻んだ。あっさり2死を奪った後に四球と中前打。走者を背負っても慌てることなく、Y・バスケスをスライダーで空振り三振に切って出番を終えた。
「三振を取ったときとか振動を感じました。久々だなと」と虎党の熱狂がダイレクトに伝わった。「練習を終わってライトから出て行くとき、ここでいろいろ考えてたなとか。試合前、ベンチの前のキャッチボールとか、いろいろ感じました」。迎え入れてくれた聖地に、“躍動の記憶”が次々と脳裏に浮かんだ。
和田2軍監督は2死からの与四球を反省点と指摘しつつ、「球自体はまっすぐも変化球もいい状態」と評価。「故障前の遥人も見ているからね。そこに近づきつつあるけど、イニング数、球数を少し増やしたときのスタミナとかね。そういう段階に来ている」と複数イニング投球も示唆した。
復帰後3試合はいずれも先発1イニングのみ。次のステップへ向けて、「3回投げて自分もそろそろだと思うので、複数(イニング)になって(球数が)増えても、しっかり投げ切れたら」と覚悟を示した高橋。1軍戦力として再び甲子園に戻ってくる日も、そう遠い未来ではない。
2024年05月05日 05:01
「オリックス3−1日本ハム」(4日、京セラドーム大阪)
卓越したバットコントロールで、オリックス・西川龍馬外野手が鮮やかな一打だ。「飛んだところが良かったですね」。オリックス移籍後初の複数打点とした適時打などで、4連敗中だったチームの勝利に貢献した。
1点リードの三回。宗がチーム41イニングぶりの適時打を放ち、なおも1死二塁で打席へ。加藤貴のフォークをうまく拾い、右前に運んだ。二走・宗が好走塁で本塁に生還し「ありがとう、宗!」と感謝。自身4月21日・ソフトバンク戦以来の適時打となった。
初回無死一、三塁では凡打でも、バウンドを高く弾ませたことで三走・福田が楽々ホームイン。「最低限ができて良かった。初回に1点取れたことは、大きかったんじゃないかな」。ここ1週間は3度完封負けがあっただけに、勝利の流れを作る価値ある得点だった。
試合前時点で得点圏打率・190と、結果の出ない日々が続いた。適時打が1本出たことはプラスだが、「数字を見れば物足りない。今日1本打ったからと言って全然まだまだなので」と満足感はない。試合後はすぐにウエートルームに直行し、己の体を鍛えていた。
中嶋監督は「打ってもらわなきゃ困りますんで」と強調し、今後に期待。チームは1日で3位復帰。順位とともに自身の状態も上げていきたい。「なんとか貢献できるように」と西川。快音を続け、自信を深めていく。
2024年05月05日 05:01
「ウエスタン、阪神8−0くふうハヤテ」(4日、甲子園球場)
準備は整った。
2024年05月05日 05:01
「巨人2−1阪神」(4日、東京ドーム)
歓喜のシャワーを浴びるナインを、巨人・阿部慎之助監督は冷静に見つめていた。今季2度目のサヨナラ勝ちで首位・阪神に連勝。ゲーム差1と接近した。1点を追う八回に丸が同点打を放ち、延長十回に吉川が試合を決めた。「価値ある1勝」。一丸勝利に成長を感じた一方、注文を付け成長を求めた。
「人に見える工夫を、もっとしてほしいですね」。矛先は殊勲の吉川に向いた。八回、同点に追いつき続く1死一、三塁。相手のミスに乗じたチャンスで捕邪飛に倒れた。「むちゃくちゃ悔しかった。なんとかしたかった」と決勝打につなげたが、能力を認めるからこそ高いレベルを求める。
「最後はたまたまだと思う。持っている能力は、もっとすごいんだから。最後に打って決めたのは素晴らしいですけどね。工夫があってこそ、見ている側は納得する」
昨季の王者・阪神からV奪回を誓う1年。対戦するたびに指揮官は「終盤の粘りが素晴らしい」と強さを認め、ミーティングでも「われわれは挑戦者。ぶつかっていく」と、ナインに戦う姿勢を求めた。菅野が試合を作り、丸、長野とベテランが勝利をつないだ一戦。若手、中堅の成長が、秋の美酒に欠かせないと信じている。
2024年05月05日 05:01
「巨人2−1阪神」(4日、東京ドーム)
阪神は延長十回、今季初のサヨナラ負け。悔しい敗戦となった中、森下翔太外野手(23)が、東海相模の先輩でもある菅野から2打席連続で二塁打をマーク。四回の先制点をお膳立てした。初回の守りでは相手の先制点を防ぐ気迫のプレーも披露し、攻守に奮闘した。
またも高校の大先輩を打ち崩した。悔しい敗戦の中にも光った森下の存在感。相手先発・菅野に対し苦しむ打線を引っ張った。右腕に対し、試合前まで6打数3安打1打点、打率5割と好相性を誇っていた。“菅野キラー”ぶりを第1打席から見せつけた。
初回2死でカウント2−1から外角低めのツーシームを振り抜いた。打球は左中間の芝で弾む。森下は二塁に到達すると、手をたたき、ベンチに向かって“アイブラックポーズ”。「最近少し良い当たりが出ていなかったので、一本最初に出せてよかったと思います」。好相性の右腕から早速出た長打が火をつけた。
西が好投する中、両者無得点が続いていた四回。今度は先頭でカウント2−2から内角に来た147キロ直球を強振した。詰まりながらも打球は一塁・岡本和の頭上を越え、右翼線際にポトリ。「スイングが少しマシな分、詰まってもいいところに落ちてくれている」。またも二塁打でチャンスメークし、先制点につなげた。
4月23日・DeNA戦(横浜)以来の複数安打を記録。東海大相模の先輩である菅野に対しては、これで合計4試合、9打数5安打1打点。驚異の打率・556となった。
打撃だけでなく、守備でも見せた。初回1死一塁で吉川の打球は右中間へ。森下は滑り込みながら捕球するとすぐさま小幡へ送球。「セカンドベースに吉川尚輝さんが走っていた。カットマンが三塁(に投げる)かホーム(に投げる)か曖昧な位置にいたので、セカンドに投げて(小幡)竜平が捕ってくれた」。一気に本塁を狙った一走・佐々木を小幡が素早い送球でアウトにした。
西を救う鮮やかな中継プレーを完成させ「(打球を)止めればいかれないと思って止めにいった。(小幡)竜平のボールもすごくよかったので。練習のことが出た」とうなずいた。チームは3タテを食らえば巨人に首位に並ばれる状況。森下がこどもの日にも攻守で躍動し、白星で3連戦を締めくくる。
2024年05月05日 05:01
「巨人2−1阪神」(4日、東京ドーム)
八回。手にしていた勝ち投手の権利が消えた。それでも阪神・西勇輝投手は同点を許してベンチに戻ってくる岩崎を一番に出迎えた。「自分的にはチームが負けたことが一番悔しい」。個人的な成績には関心を示さず、逆転負けに表情を曇らせた。
19年まで4年連続で合同自主トレを行った菅野と通算5度目の直接対決。「菅野さんがほんとに良かったんで。いい投げ合いができた」。登録抹消や雨天中止もあって中15日での登板となったが、師匠に刺激を受けて互角以上の投球を見せた。
初回1死一塁から森下−小幡の中継プレーで失点を阻止してもらうと、二回以降は今季初めてコンビを組んだ坂本とテンポの良い投球を展開。七回は2死から梶谷に初回以来の安打となる中前打を許したが、続く代打・大城を中飛で打ち取ると、右拳を突き上げた。7回3安打無失点。1点の援護を守った。
楽しみにしている菅野との投げ合いでの初勝利も消滅。「早く菅野さんに勝ちたいなという感じですね」。気持ちを切り替え、5試合目となる次回登板はチームを勝利に導く。