2022年08月11日 05:23
スペインは歴史的に対立しているいくつかの民族で構成されている国だ。またジョークが大好きで、自分も笑いの対象にする、たくさんの陽気な人たちが住んでいる国でもある。 そんな中、一般的なのはある地域の人たちが他の地域の人たちのことをイジり、それぞれのアイデンティティを掲げることだ。よくあるジョークのひとつに、バスク人に関してのものがあり、横柄で、粗暴で、大げさな人間として描写されることが多い。不思議なことに、すべてのバスク人がその定義のされ方に納得しているわけではなく、より正確かつ的確な表現をすれば、ビルバオの人々に当てはまる。 もちろん物事を一括りにすることは良くないが、レアル・ソシエダの本拠地、サン・セバスティアンを県都とするギプスコアの人々は、慎重で控えめなことで知られ、隣人(ビルバオの人々のこと)と異なることを誇りとし、一緒にされることに抵抗を感じている。 バスクサッカーの熱く激しいライバル対決へようこそ――。100年以上にわたってお互いがお互いをライバル視しながら、競い合ってきたアスレティック・ビルバオとレアル・ソシエダによるダービーは友好的な雰囲気に包まれることで知られる。両クラブのファン同士がキックオフまで同じ時間を共有し、それぞれのチームのユニホームを着たカップルが並んで座る光景を目にすることも珍しいことではない。 選手たちの間でも、バスク代表の一員として子供の頃から一緒にプレーした者は少なくなく、その後も良好な関係を保ち続けている。しかし、唯一そんな友好ムードが通用しない場所がある。ピッチ上だ。プレシーズンマッチだからといって関係ない。 5日に行われたダービーも、エルネスト・バルベルデ、イマノル・アルグアシルの両監督が開幕前のテストマッチに過ぎないと明言していたにもかかわらず、昨シーズンのバスクNO.1チームを決める一戦のように捉えられていた。 ソシエダは午前中にエイバルとのギプスコア・ダービー(1-2)を戦っており、タケ・クボ(久保建英)も万が一の事態に備えてベンチ入りしていた。 結果的にソシエダは、ビルバオに0-1で敗れ、ダブルヘッダーで連敗を喫してしまったわけだが、まず注目は、アルグアシル監督が2試合とも4―3−3を採用したことだ。14日に開催されるカディスとのラ・リーガ開幕戦でも、このシステムが選択する可能性は高いだろう。 その中で、タケはビルバオ戦で右ウイングとして先発出場。青と白のストライプのユニホームに身を纏ってビルバオと戦うことが、特別な出来事であることを悟るのに、さほど時間はかからなかった。ただでさえユーリ・ベルチチェの徹底マークに手を焼いていた中、挨拶代わりに強烈なタックルをお見舞いしたのが大ベテラン、ラウール・ガルシアだった。 タケにとっては非常に難しい試合だった。野次を飛ばすビルバオのベンチ入りメンバーを背に向けながらプレーし、おまけに幾度も相手の激しいプレーの標的になっても、ファウルを取ってもらえなかった。 しかしそんな中でも、物怖じするどころか、ボールを要求し続け、劣勢の展開を打開しようとした。持ち味を発揮できたわけではなかったが、相手GKアンデル・イルへプレスをかけ、あわやというシーンを作るなど沈黙するチームメイトを尻目に、一人気を吐いた。【動画】得意の仕掛けで打開を図る久保&現地記者も注目したGKに猛然とプレスを掛けたシーン とりわけ相手を背にしてボールを受け、一瞬のターンでアドバンテージを得るファーストタッチの正確さと俊敏性は特筆に値する。中央に顔を出すことが多かったのは、ユーリという優秀なDFが前方に立ちはだかっていたこともあるが、タケ自身もサイドに張りっぱなしになるよりも、頻繁にボールに関与したほうが快適にプレーできるからだろう。 後半になると、ソシエダはやや巻き返し、敵陣でプレーする時間帯も増えた。タケも幅広く動きながら、強気の姿勢を持ってプレーし続けた。後方のアンドニ・ゴロサベルのサポートも得て、連携で崩そうと試みたが、惜しむらくは最終局面において閃きや怖さに欠けていたこと。わずかながらゴール前に侵入するシーンもあったが、フィニッシュまで持ち込むことはできなかった。結局、ディエゴ・リコの退場処分でチームが1人少ない状況になったこともあり、タケは残り15分でベンチに下がった。 残念ながら初バスクダービーは不発に終わったが、あらゆる角度から考慮すると、タケがカディスとの開幕戦において右サイドでスタメンに名を連ねるのは間違いないだろう。プレシーズンマッチであっても、ダービーに敗れることは決してジョークでは済まされない。タケもこの日、我々にとってのその譲れない一線を理解できたはずだ。文●ミケル・レカルデ(ノティシアス・デ・ギプスコア紙)翻訳●下村正幸
2024年05月03日 08:54
昨季マンチェスター・シティで3冠を達成するなど、指揮官としてタイトルを量産するジョゼップ・グアルディオラ。バルセロナに続いてマンCでもCLを制したことで、また一つ評価を上げた印象だ。
しかし、2013年から3年間指揮したバイエルンではCL決勝に辿り着けなかった。レアル・マドリード、バルセロナ、アトレティコ・マドリードと準決勝でスペイン勢に敗れてしまい、悲願達成とはならなかったのだ。
英『FourFourTwo』にて、当時のチームでプレイしていた元ドイツ代表MFバスティアン・シュバインシュタイガーはグアルディオラにとって難しい時間だったのではと振り返る。グアルディオラ就任直前のシーズンで、バイエルンがユップ・ハインケスの下で圧倒的なフットボールを展開していたからだ。グアルディオラは常にそのチームと比較されることになった。
「ペップはバイエルンで何かを変えようとしていたが、それは簡単ではなかった。なぜなら彼は我々がトレブルを達成した直後に来たからだ。当時の我々はヨーロッパ最高のチームだった。そこにグアルディオラがヨーロッパ最高の監督としてやって来て、我々に新しい哲学をプラスしたいと考えた。その中で多くのことを学んだし、彼は試合中に解決策を見つけるのが素晴らしい」
「しかし、我々は前のシーズンにに大きな成功を収めていたからね。ミュンヘンでの仕事は彼にとっては簡単ではなかった。私たちは4年間で3回もチャンピオンズリーグ決勝に進出していて、2013年には優勝した。グアルディオラの下では常に国内リーグは圧倒的な力で優勝できたけど、チャンピオンズリーグではなかなか優勝できなかった」
「サポーターと話すと、ハインケスが監督だった頃のチームの方がバイエルンのDNAを感じると言うんだ。人々は『グアルディオラは偉大な監督だが、彼の試合にはバイエルンのDNAを感じられなかった』と。とても奇妙な話だけど、もしかしたらそれも少し問題だったのかもしれない」
グアルディオラはバイエルンでもポゼッション率を高めた独自のフットボールを目指していたが、その前のハインケス体制のチームは攻守の切り替えを極限まで高めたスタイルだった。テンポが速かったのはハインケス体制の方で、バイエルンのサポーターにはそちらの方が合っていたのかもしれない。
2024年05月03日 08:41
J2の清水エスパルスは5月2日、公式YouTubeチャンネルで「【STORY】北川航也『キャプテン、23番の重圧。進化を続ける清水のエース』」を公開した。
【動画】「進化を続ける清水のエース」エスパが北川航也を特集!
北川は今季、ここまで10試合に出場し、J2得点ランクで3位タイとなる6得点をマーク。現在は3戦連続ゴール中で、首位に立つチームを牽引している。
持ち前の得点感覚を存分に発揮しているなか、27歳のFWはゴールへの意識は高くしていないと明かす。
「自分のところにボールが入った後のサポートは速いし、自分を活かすために周りの人が活かしてくれるように、自分も周りの選手を活かしたいと思っている。得点、得点、得点って頭だけがそっちに行くと多分、自分の性格もあると思うけど、身体が動かなかったり、それ以外のプレーをしなくなってしまう」
ゴールは、あくまでチームのために動いた結果。そのなかで、自身のプレーに手ごたえを感じているという。
「チームプレーというか、ボールを失わないとか、チームを前進させるとか、相手の背後を取るというプレーをしていくなかで、得点が取れればと思っている。満足することはないけど、プレーの幅や自分の出来ることは増えていると思う。それを、もっとチームを楽にしてあげるとか、結果に結びつけるところは残りの試合でもやっていかなければいけない。ただ、自信を持っていいと思っている」
チームは目下4連勝と好調を維持している。3日にホームで行なわれる栃木SC戦で、北川の4戦連発はなるか、注目だ。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部
2024年05月03日 08:35
日本は大型連休「ゴールデンウィーク」を迎えており、政府首脳陣はこの期間を利用して世界各国への外遊を行っている。
自民党所属の松本剛明総務大臣は先月29日から5月4日にかけてヨーロッパを訪れており、ベルギー、デンマーク、そしてフランスで行なわれる経済協力開発機構の閣僚理事会に出席することになっている。
そして5月1日にはデンマークでモアテン・ダーリン議員との会合に臨んでいたようで、SNSではこのような投稿が行なわれていた。
Jeg havde i dag besøg af den japanske indenrigsminister Takeaki Matsumoto. Det var et godt og konstruktivt møde som sluttede med en udveksling af gaver. Jeg gav selvføgelig ministeren en Brøndby-trøje med Yuito Suzukis navn og nummer 🇯🇵🇩🇰⚽️ #bif #sldk #dkpol #brøndby pic.twitter.com/Sv83lx0rfL— Morten Dahlin (@MortenDahlin) May 1, 2024
モアテン・ダーリン氏は現在35歳の政治家で、デンマーク自由党に所属している人物。
メッテ・フレデリクセン大統領の下で構成されている政府では教会担当大臣、農村地区担当大臣、北欧協力担当大臣を務めているとのこと。
彼は日本からやってきた松本剛明大臣との会合のあとのプレゼント交換において、鈴木唯人の名前と背番号が入ったユニフォームを贈呈することにしたという。
「鈴木唯人は超いい子だけど謎でもある」 ブレンビーの同僚が指摘した“改善点”とは
今季清水エスパルスからブレンビーに移籍した鈴木唯人は、デンマークでの公式戦27試合で10ゴール8アシストと活躍を見せており、特に上位ラウンドのプレーオフでは5試合で3ゴール4アシストと傑出した結果を残している。
それもあってか、モアテン・ダーリン大臣は日本からやってきた客人に対して鈴木唯人のユニフォームを贈ったようである。
2024年05月03日 08:30
リーグ戦33試合を消化して6位につけているレアル・ソシエダだが、物足りない点があるとすれば得点力だ。
2024年05月03日 08:15
ヨーロッパカンファレンスリーグ(ECL)準決勝ファーストレグが現地時間2日に行われた。
欧州コンペティションにおけるプレミアリーグ勢唯一の勝ち残りとなったアストン・ヴィラ(イングランド)は、本拠地『ヴィラ・パーク』にオリンピアコス(ギリシャ)を迎えた。16分、アユーブ・エル・カービにDFラインの背後を突かれ先制点を献上すると、29分にもカウンターからエル・カービにネットを揺らされる。それでも、45+1分にオリー・ワトキンスが追撃の1点を奪い、1−2で前半を終えた。
その後、52分にムサ・ディアビのゴールで追い付いたホームチームだったが、56分にエル・カービにハットトリックとなるPKを沈められ、再び勝ち越しを許す。67分にサンティアゴ・ヘッツェに4点目を決められると、ドウグラス・ルイスのPK失敗もあり点差を詰めることができず。試合はこのまま2−4で終了し、オリンピアコスが敵地で先勝に成功した。
昨シーズンのファイナリストであるフィオレンティーナ(イタリア)は本拠地『アルテミオ・フランキ』でMF本間至恩が所属するクラブ・ブルッヘ(ベルギー)と対戦。開始早々の5分にリッカルド・ソッティルのゴールで先制したホームチームは、17分にハンス・ヴァナケンのPKで追い付かれるも、37分にアンドレア・ベロッティがネットを揺らし勝ち越しに成功。前半を1点リードで折り返した。
後半に入り61分、クラブ・ブルッヘのラファエル・オニェディカ・ンワディケにこの日2枚目のイエローカードが提示され退場に。しかし、数的不利となったアウェイチームは63分にイゴーリ・チアゴが値千金の同点ゴールをマーク。そのままタイスコアで迎えた90+1分、フィオレンティーナは途中出場のムバラ・エンゾラがネットを揺らし、土壇場で勝ち越しに成功した。試合は3−2で終了し、フィオレンティーナが2シーズン連続の決勝進出へ王手をかけた。なお、本間はベンチ外となっている。
ECL準決勝ファーストレグの試合結果は以下の通り。なお、セカンドレグは現地時間8日と9日に、ホームとアウェイを入れ替えて行われる。
◼︎ECL準決勝1stレグ
フィオレンティーナ 3−2 クラブ・ブルッヘ
アストン・ヴィラ 2−4 オリンピアコス
2024年05月03日 08:15
Jリーグの公式YouTubeチャンネルは5月2日、川崎フロンターレに所属するMF橘田健人のプレー集を公開した。
アップされた動画には、2022年の柏戦で見せた粘り強い守備や、今季のFC東京戦で決めた豪快なミドル弾など、ルーキーイヤーの2021年から今シーズンまでの厳選プレーが収められている。
【動画】粘り強い守備や豪快ミドル弾も! 攻守に魅せる橘田健人のプレー集
25歳のマルチロールが魅せた好プレーの数々に、コメント欄には「すごい時本当にピッチに5人いるように感じる」「エンゴロケント」「代表で見てみたい」「いい感じに活躍してずっと残って欲しい」「2021やばかった」「ハンターであり、コンダクター」などの声が寄せられた。
川崎は次戦、3日に浦和レッズと相まみえる。5戦未勝利と苦しい状況のなか、橘田は輝きを放てるか。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部
2024年05月03日 08:04
大岩剛監督が率いるU-23日本代表は、カタールで開催されているU-23アジアカップの準決勝でイラクに2−0で勝利。パリ五輪の出場権を獲得した。
元日本代表DFの内田篤人氏は、MCを務めるDAZNの『内田篤人のFOOTBALL TIME』で、この試合にCBとして先発した19歳のDF高井幸大を「良かった。成長しまくりですよ」と絶賛した。
「一番びっくりしたのが、(ロールモデルコーチとして)高井はアンダー20からずっと見てて、ボールが行くと不安だなって最初は思ってたけど、すごいカバーリングもするし、ヘディングは全部勝つし」
【PHOTO】日本代表を応援する「美女サポーター」を厳選!
鹿島アントラーズでは大岩監督と共闘した名SBは、「(出場停止明けで)西尾(隆矢)が戻ってきたんで、センターバックをどういじるのかと思ってたけど、剛さん、この2人(高井と木村誠二)が頑張ってたから、高井を外さなかった」と続けた。
ゲスト出演した、Jリーグの野々村芳和チェアマンも「下がられて、後ろの方でどう優位性を出すかという時に持ち出しとか、配給とかがいい。センスあるね」と称えた。
川崎フロンターレに所属する19歳は、大会を通して最も成長した選手と言えるかもしれない。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部
2024年05月03日 07:45
オーストリア代表監督を務めているラルフ・ラングニック氏は、バイエルン・ミュンヘンからの次期監督就任のオファーを断ったという。
2024年05月03日 07:24
10年ひと昔と言われるが、移り変わりが激しいサッカー界では2年間でも十分に同じ感覚に陥る。それはタケ・クボ(久保建英)のケースを見れば明らかだ。2022年夏の加入直後に手にした評価を高水準で維持しながらも、批判に常に向き合わなければならない今日のサッカー選手の掟に晒されてきた。 中でも古巣のレアル・マドリーとの試合は、タケのバロメーターを図るのに格好の機会だ。1年目の昨シーズンは、まず適地のサンティアゴ・ベルナベウで、鮮烈なパフォーマンスを披露しながら、当時、本人も自覚していた決定力不足を露呈。ノーゴールに終わった。 翻ってアノエタでの第2ラウンドでは、先制ゴールを挙げるなど、2−0の勝利に貢献。この白星で勢いに乗ったチームは10年ぶりのチャンピオンズリーグ出場権を獲得した。 2年目の今シーズンは、前半戦の初戦は当時、ラ・リーガ全体でジュード・ベリンガムに次ぐ評価を得ていたその実力をまざまざと発揮。しかしオフサイドで取り消された幻のゴールと後半開始早々の失点が分岐点となり、タケもチームも手ぶらでサン・セバスティアンに帰った。
そして4回目の顔合わせとなった今回は、自身はコンディションを落とし、チームは3戦連続白星なし。バロメーターを図るには過去最も難しい試合だった。しかしそうした不安を吹き飛ばすようにタケは立ち上がりから攻撃を牽引。シーズン序盤の絶好調時のプレーにはまだまだ遠く及ばないが、復調ぶりをアピールした。 ポジションは、バレネチェア、オジャルサバルとともにトリデンテを形成する形で、右サイドでプレー。マドリーももちろん十分な警戒を払っていたが、対峙する左SBフラン・ガルシアを常に脅威に晒した。 15分、バレネチェアが華麗なスラロームを描いて中央を突破すると、右サイドでフリーになっていたタケにパス。タケは左足ダイレクトでニアを狙ったが、ケパの好セーブに阻まれた。 今回も試合のターニングポイントとなったのはタケの幻のゴールだった。マドリーに先制を許した3分後の32分。バレネチェアがチュアメニからボールを奪うと、オジャルサバルがゴール前でシュートし、そのこぼれ球だった。これを拾ったタケが鋭い切り返しでミリトンを振り切ると、右足でゴールネットを突き刺した。 待望の同点ゴールにアノエタの観客は沸いたが、その喜びも束の間、VARチェックを経てバレネチェアのファウルを取られ、得点は認められなかった。【動画】久保が不満を露わにしたゴール取り消し
試合後、タケは、「バレネがボールを奪った。僕が言えるのは、ボールを失った選手が眠っていたということだ。それは明らかだ。チャンピオンズリーグではこうしたことは起こらない」とまくしたてた。 ソシエダに不利な判定を下すムヌエラ・モンテーロを見慣れている我々にとっては何も珍しいことではない。
エンドが変わった後半も攻撃を活性化。開始早々のトゥリエンテスの惜しいシュート、73分のオジャルサバルのオフサイドで取り消しとなったゴールのいずれの起点となったのもタケだった。80分にも前線のオジャルサバルへ鋭い縦パスを供給。しかしリュディガーに当たった“10番”のシュートはわずかに枠の左へ外れた。 バロメーターの話を続ければ、タケは上向きに転じていることを示したが、得点もアシストも決めることができなかった。そしてそれはわずかなディテールの差だった。取材・文●ミケル・レカルデ(ノティシアス・デ・ギプスコア)翻訳●下村正幸
2024年05月03日 07:10
フランス・リーグアンのスタッド・ランスは2日、「ウィル・スティール監督とコーチのニコラ・スティールが本日付けで辞任する」と公式発表した。
Communiqué officiel du SDR
🔍 https://t.co/iha3xrwPZr pic.twitter.com/VwdPmfyZa4— Stade de Reims (@StadeDeReims) May 2, 2024
2022-23シーズンの途中にアシスタントコーチから昇格し、それからスタッド・ランスを公式戦19試合連続無敗という最長記録に導いたウィル・スティール氏。
イギリス人の両親の下ベルギーで生まれた彼は、PCゲームのフットボール・マネージャーをプレーしたことをきっかけにサッカーの現場に入ることを志し、プロ選手経験はなかったものの24歳で監督としてデビューした。
そして2022年にはUEFAのライセンスがない状態にもかかわらずスタッド・ランスの監督に就任し、大きな話題を集めることになった。
今季は2年目のシーズンとなったが、終盤になって調子を崩し、このところはリーグで3連敗を喫しており、3月17日のメス戦以来5試合に渡って勝利がない状態となっていた。
ウィル・スティール監督はこの電撃的な退任に対して以下のようにコメントを残している。
「私はスタッド・ランス、そしてこのクラブに直接的にも間接的にもかかわってくれた全ての人々へ永遠に感謝するだろう。
特に一緒に仕事をした選手、テクニカルスタッフ、パフォーマンススタッフ、分析スタッフ、メディカルスタッフ、警備員、そして何よりもこの素晴らしいクラブのサポーターに感謝したい。
昨季の19試合連続無敗記録と素晴らしい試合は、私にとって特別な瞬間であり続けるだろう」
なお、このあとのスタッド・ランスについてはアシスタントコーチを務めていたサンバ・ディアワラ氏が暫定的に指揮をすることになるという。
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なおウィル・スティール監督は以前から母国であるイングランドでの指揮を熱望しており、冬にはサンダーランドと交渉を行っていたことが明らかになっていた。
クラブはそれに対してあまり好感を持っておらず、ウィル・スティール監督は取締役会で釈明を余儀なくされたとも伝えられていた。
2024年05月03日 07:04
当たり前のことを当たり前に――。持ち続けてきた人生のテーマが行動に表れている。
カタール・ドーハで開催中のU-23アジアカップに参戦しているU-23日本代表のDF西尾隆矢が、今回の活動の中で心がけて行なっていることがある。それはホテルで、洗濯物を畳むスタッフの手伝いだ。
プロ選手ともなれば、選手がサッカーに集中できるよう、多くのスタッフが身の回りの環境を整えてくれる。しかし、西尾はそれに甘えることなく、自分でできることはなるべくやるように心がけている。自クラブでは、洗濯物を畳むことは少ないが、クラブハウスやロッカーも出来る限り掃除をしている。
そういった意識を持つようになったのは、子どもの頃、父親に言われたある言葉がきっかけだった。
「これはずっと自分の頭の中にある父親の言葉なんですけど、『当たり前のことを当たり前にやり続けよう』というのがある。僕は人間はみんな平等だと思っています。誰かがすごいとか、そういうわけでは絶対ないと思いますし、僕も一切そういう忖度はしない。自分もそういう偉そうな態度は取ってはいけないと思っています」
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だからこそ、スタッフが洗濯物を畳んでいたら手伝う。西尾にとってそれは当然のことだ。
「僕たち以上に睡眠時間が少なかったり、疲労が溜まってるのってスタッフの皆さんだと思う。洗濯物が当たり前に綺麗に出てくる、その状態がもう当たり前じゃないというのを自分たちは自覚しないといけない。プロサッカー選手だから、もう何でもしてもらえるというのは大きな勘違いだと僕は思っています」
当たり前のことを当たり前にやるのは、ピッチ外だけでなく、もちろんサッカーでも。パリ五輪の出場権を獲得したU-23日本代表において、本番が近づくほどに、選手たちのメンバー入りへの競争も激化していく。
西尾は「日本に帰ってからも、いろんな競争が出てくると思う。本当に1日1日を大事にして、当たり前のことを常日頃からやり続けることが、オリンピックへの道に繋がってくと思う」と変わらず、その姿勢を貫いていくと誓った。
取材・文●手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)
2024年05月03日 07:00
リヴァプールは、かつての伝説的なユニフォームをインスピレーション源としたノスタルジーを感じさせる2024-25シーズンの新ユニフォームを発表した。
2024年05月03日 06:50
今季限りでラツィオを退団する可能性が高いと言われている日本代表MF鎌田大地に対し、同じイタリア・セリエAのユヴェントスが関心を抱いているという。
『Tuttosport』によれば、夏のマーケットに向けて補強のターゲットを策定しているユヴェントスは、ラツィオとの契約満了が近づいている鎌田大地に注目しているそうだ。
昨年8月に紆余曲折の末ラツィオと1年契約を結んだ鎌田大地は、今季マウリツィオ・サッリ前監督の下でかなり苦しい前半戦を過ごした。
戦術や与えられる役割に馴染むことができず、マッテオ・グエンドゥージやルイス・アルベルトなどのライバルよりも序列が下がり、出場機会を失っていた。
しかし先日の指揮官交代によって状況が変化し、イゴール・トゥドール監督の下でレギュラーに抜擢されることに。新たなチームで先発出場を重ねる中でいくつも好プレーを見せ、評価を急速に高めている。
鎌田大地の契約は今季限りであるが、ラツィオとの間には「選手側が希望すれば契約を2年延長できる」というオプションが付随している。その条件は鎌田大地側が100ユーロ(およそ1万7000円)を支払うことだとも。
鎌田大地の「最強チームメイト」ベスト11が強い!ドイツ代表の英雄も
ユヴェントスは現在それほど経営状況が良くないということもあり、来季に向けてフリーエージェントで獲得できる新戦力を中心にリストアップしているとのこと。
以前は同じラツィオのブラジル代表MFフェリペ・アンデルソンを考えていたものの、彼はすでにパウメイラスへの移籍が内定したため、ターゲットを鎌田大地に変更したという。
2024年05月03日 06:48
ヨーロッパリーグ(EL)準決勝ファーストレグが2日に行われ、マルセイユ(フランス)とアタランタ(イタリア)が対戦した。
ともにEL初優勝を目指すチーム同士の顔合わせとなった準決勝。ファーストレグをホームで戦うマルセイユはグループBで2位に甘んじたものの、その後はシャフタールとビジャレアルを下し、準々決勝ではベンフィカとのPK戦に及ぶ死闘を制してベスト4へ駒を進めた。対するアタランタはグループDを首位通過すると、ラウンド16で守田英正が所属するスポルティングを撃破。準々決勝では優勝候補筆頭と目されていたリヴァプールを2戦合計3−1で破っている。
試合は序盤からスコアが動く。11分、アタランタのGKフアン・ムッソのロングフィードを最前線のジャンルカ・スカマッカが頭で落とす。そこからマッテオ・ルッジェーリ、エデルソンと繋ぎ、ボックス内でトゥーン・コープマイネルスの縦パスを引き出したスカマッカが巧みなトラップから右足でゴール左下隅に突き刺し、アウェイチームが先手を取った。
しかし、ホームの声援を受けるマルセイユもすぐさま反撃。20分、右サイドのショートコーナーから細かくパスを繋ぎ、ボックス手前中央へ展開。ボールを受けたムベンバが右足を振ると、狙い澄ましたシュートが左ポストを叩いてからネットを揺らし、試合を振り出しに戻した。その後は拮抗した展開が続くなか、42分にはマルセイユに決定機が到来。自陣でのボール奪取からカウンターを発動し、アミーヌ・アリのパスを受けたピエール・エメリク・オーバメヤンがフィニッシュに持ち込んだが、シュートは枠の右へ外れた。
1−1のタイスコアで迎えた後半も両チームがチャンスを作り合う。58分、マルセイユは左からのクロスをボックス内で収めたジョルダン・ヴェレトゥが後方へ落とし、走り込んだジョフレイ・コンドグビアがダイレクトで狙うもシュートは枠の上へ。対するアタランタは63分、途中出場のアデモラ・ルックマンが左からドリブルで持ち込み、最後は巧みな反転から右足を振り抜いたが、このシュートも枠を捉えることができなかった。
直後の64分、ボックス内左に抜け出したルイス・エンリケの折り返しにオーバメヤンが頭で合わせ、GKが弾いたボールをイスマイラ・サールが押し込んだが、オフサイドの判定で得点は認められず。73分にはアゼディン・ウナヒのミドルシュートがクロスバーを直撃する。90分、アタランタはカウンターからチャンスを創出。右に開いてボールを受けたアレクセイ・ミランチュクがカットインから左足を振り抜いたが、鋭いシュートは惜しくも枠の右へ外れた。
試合はこのまま1−1で終了。互いにチャンスを作ったものの追加点を奪うことができず、ドローという結果に終わった。決勝進出をかけた運命のセカンドレグは現地時間9日にアタランタの本拠地『アトレティ・アズーリ・ディターリア』で行われる。
【スコア】
マルセイユ 1−1 アタランタ
【得点者】
0−1 11分 ジャンルカ・スカマッカ(アタランタ)
1−1 20分 シャンセル・ムベンバ(マルセイユ)
2024年05月03日 06:42
現地時間5月2日、カタールで開催されているU-23アジアカップ(パリ五輪アジア最終予選を兼ねる)の3位決定戦で、インドネシア代表がイラクと対戦した。
インドネシアは19分、CKの流れから、こぼれ球を拾ったイバル・ジェナーが強烈なミドルシュートを突き刺して先制に成功。しかし27分、ゴール前の混戦からザイド・タシーンに頭で押し込まれて同点とされる。
その後は一進一退の攻防が続き、延長戦に突入。96分にロングボールからアリ・ジャシムに抜け出されて勝ち越しゴールを献上し、1−2で敗れた。
この結果、インドネシアはアフリカ予選4位であるギニアとの大陸間プレーオフに回り、パリ行きを目ざすこととなった。
【動画】大岩ジャパンの挨拶に敗れたイラクサポが拍手
今大会の上位3か国に与えられるパリ五輪の出場権は獲得できなかったが、母国のファンは前向きだ。
SNS上では、「最善を尽くした」「誇りに思う」「熱意は並外れていた」「希望はある」「奮闘ぶりは尋常じゃない」「より強くなって戻ってきて」「まだもう一度チャンスはある」「落胆する必要はない」などの声が上がっている。
インドネシアはプレーオフを制し、68年ぶりのオリンピック出場を決められるか。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部