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2021年09月17日 11:00
静寂のフィナーレを迎えた昨年の無観客を経て、フルキャパシティの観客を入れ開催された、今年の全米オープン。 晩夏の風物詩の帰還は、ニューヨークにテニスの熱を吹き込んだが、そこには、ある種の感傷も含まれていたように思う。 ロジャー・フェデラーやラファエル・ナダル、さらに前年優勝者のドミニク・ティームもケガで欠場。24のグランドスラム優勝最多タイ記録に挑むはずの、セレナ・ウィリアムズの姿もない。 長く大会を彩ったトッププレーヤーの不在は、時の移ろいがはらむ、残酷性を浮き彫りにする。同時に、新しい物好きなこの町の気質とも相まって、新たなスター出現を求める機運を高めてもいた。 それら時勢のめぐりあわせが、若さ特有の勢いと重なった時、とてつもないエネルギーが生まれる。 最初に鮮烈な光を放ったのは、3回戦でステファノス・チチパスを破った、カルロス・アルカラスだ。15歳の頃から、“ナダル2世”の愛称と共に期待を集めていた18歳は、今年の全豪オープンで予選を突破しグランドスラム本戦デビュー。続く全仏でも本戦3回戦まで勝ち上がり、愛称に相応しい実力を証明したばかりだった。 今大会のチチパス戦では、二度のタイブレークをいずれももぎ取る心の強さをも示す。ナダルをはじめ、多くの上位選手から「とても素直で謙虚」と可愛がられる若者は、世界3位相手に臆さず攻める勇猛な姿で、ニューヨークのファンの心もつかんだ。 「観客が居なかったら、今日の勝利はありえなかった」 キャリア最高の勝利を手にしたアルカラスは、声を上ずらせ2万人の観客に謝意を述べた。 スタジアムに残る波乱と興奮の余韻は、さらなるドラマを生む。 続いて行われた大坂なおみ対レイラ・フェルナンデスの一戦は、第3シードに挑む18歳という構図も、チチパス対アルカラスと相似する。前年優勝者とネットを挟んでセンターコートに立つフェルナンデスに、緊張や怯えの色はない。第2セットで大坂のサービングフォーザマッチをしのぎ逆転勝利を手にしたフェルナンデスは、「いつから勝てると思えたか?」と聞かれると、「試合が始まる前から」と平然と答えた。 大会5日目に起きた18歳の進撃に、「私も加わりたい」とモチベーションを掻き立てられたのが、同じく18歳のエマ・ラドゥカヌである。 先のウィンブルドンで、ワイルドカードを得て4回戦に勝ち上がったシンデレラガールは、その始まりの物語の続きを、ニューヨークでつづる。予選を突破し、本戦でも二つの快勝を手中に収めたラドゥカヌは、アルカラスとフェルナンデスが金星を手にした翌日、今季絶好調のサラ・ソリベストルモを6−0、6−1のスコアで破った。 互いに刺激を与え、ファンの声援を背に受ける3人の18歳は、そろってベスト8に進出。アルカラスの快進撃はここで止まるが、女子の二人はさらに上へと進んでいく。 大会中に誕生日を迎えたフェルナンデスは、19歳最初の試合でエレナ・スビトリーナ相手にまたもフルセットの大熱戦で勝利。その翌日にはラドゥカヌも、ベリンダ・ベンチッチに快勝する。若い二人の勢いは、互いがぶつかるまで止まらぬほどに加速していた。その両者が相対したステージ――それは、決勝戦だった。 高い予測力を誇るカウンターパンチャーのフェルナンデスと、冷静で知的なアタッカーのラドゥカヌ。プレースタイルは対照的なふたりだが、共通するのは初の大舞台にも動じぬ精神力。そして、色彩豊かなバックグラウンドだ。 フェルナンデスは、エクアドル人の父とフィリピン系カナダ人の母を持ち、現在はアメリカを拠点とする。大坂を破った時、フェルナンデスは「なおみの活躍やプレーをずっと追ってきたから、彼女のプレーは自然と頭に入っていた」と言うほどに、大坂をロールモデルとしていた。 一方のラドゥカヌも、ルーマニア人の父と中国人の母の間にカナダで生まれ、イギリスで育つという多様な文化的背景を持つ。憧れた選手は、元世界2位の李娜。「彼女の動きやストロークも好きだけれど、一番は精神力」という18歳の内に秘めた熱い闘志は、確かに、アジア人女性初のグランドスラム優勝者を彷彿とさせる。 22年ぶりとなった全米での十代選手決勝戦は、両者とも持ち味を十分に発揮した末に、鋭利な攻撃で相手の守備を打ち破ったラドゥカヌが制する。予選突破者のグランドスラム戴冠は男女通じて初。グランドスラム本戦2大会目にしての優勝も、最短記録だった。 男子の方では、18歳のアルカラスがベスト8、その18歳を破った21歳のフェリックス・オジェアリアシムがベスト4に勝ち進んだが、最終的に決勝に勝ち上がったのは、第1シードのノバク・ジョコビッチと、第2シードのダニール・メドベージェフ。 今年の全豪オープン決勝と同じ顔合わせではあるが、その意味合いは7か月前とは大きく異なっていた。 ジョコビッチは全豪オープン以降もグランドスラムでは負け知らずで、今大会では、男子ではオープン化以降初となる年間グランドスラムに挑んでいた。 対するメドベージェフは、これが3度目のグランドスラム決勝。25歳の年齢はかつての基準では中堅だが、34歳のジョコビッチが覇権を握る現在のテニス界では、若手の部類だ。この10年で、いわゆる”ビッグ4”とスタン・ワウリンカ以外に、ジョコビッチをグランドスラムの決勝で破った選手はいない。メドベージェフが挑むのは、新時代への重い扉の解放だった。 全豪決勝では完敗を喫したメドベージェフが、明確な策を持って試合に挑んでいたことは、立ち上がりから明確だった。 「普段の試合なら、2分ほどしか戦略の話し合いはしない」という彼が、この日に備えて「30分は話し合った」という。その策の一旦は、「センターで打ち合い、オープンコートや角度をつけないこと」。長い打ち合いを恐れず、相手のミスを誘う老獪さも見せながら、メドベージェフが主導権を握った。 一方のジョコビッチが、いつもの彼と違うことも明白だったろう。偉業への重圧に加え、3回戦以降は常にセットを落とすタフな試合を切り抜けた彼には、心身の疲労の蓄積もあったはずだ。 試合終盤のチェンジオーバーで、タオルで顔を覆い肩を震わす王者の胸を満たしたのは、ファンの声援への感動と、敗北を悟る無念の両方だったろうか。 ジョコビッチを追い詰めたメドベージェフにも、優勝の重みがのしかかる。勝利へのサービスゲームで、おかしたダブルフォルトは3本。それでも最後はサービスウィナーで、悲願の初優勝をつかみとった。 その直後のことである。ふらふらとネットに歩み寄ったメドベージェフは、軽く飛び上がるとコートに倒れ、舌をつきだし焦点の合わぬ視線のまま、数秒その場に横たわった。 「僕が試合後にやったことは、レジェンドだけが分かることだよ。L2 + 左さ」 オンコートインタビューでの謎めいた言葉の詳細を、彼は、トロフィーと顔を並べた優勝会見で説明する。 「僕はプレーステーションのFIFA(サッカーゲーム)が好きなんだ。あれは“デッドフィッシュ”と呼ばれるゴール後の祝福で、よく知った相手と何度も対戦した時とかにやるんだ」 彼がこの“デッドフィッシュ”を優勝後にやることを思いついたのは、先のウィンブルドン期間中。ロッカールームで、「クールな若い選手たち」と話した時、「これをやったら伝説になれるぞ!」と背を押されたという。斬新で既成概念にとらわれぬメドベージェフの優勝パフォーマンスは、新世代の柔軟な感性の成せるわざだろう。 2年ぶりに観客を入れて全米オープンが開幕した時、そこには、ある種の感傷があった。 ただ、フィナーレを迎えた時に広がった景色は、継承した先達の意思を現代型にアップデートした新チャンピオンと、彼/彼女たちが切り開くであろう、新たな時代への地平線だ。 (内田暁) (Photo by Getty Images)
2024年05月09日 09:41
テニス、イタリア国際(Internazionali BNL d'Italia 2024)は8日、男女シングルス1回戦が行われ、女子で3年ぶりの出場となった元世界ランキング1位の大坂なおみ(Naomi Osaka)は7-6(7-2)、6-1で世界ランク45位のクララ・ビュレル(Clara Burel、フランス)を下し、2回戦に進出した。
試合を通じてウイナー27本、エース8本、サービスブレーク4回を記録し、1時間24分でストレート勝ちを収めた。
世界50位以内の選手にクレーコートで勝利するのは、2019年の全仏オープン(French Open 2019)でビクトリア・アザレンカ(Victoria Azarenka)に勝って以来となった。
次戦は3回戦進出を懸け、第19シードのマルタ・コスチューク(Marta Kostyuk、ウクライナ)と顔を合わせる。過去唯一の対戦となった2020年の全米オープン(US Open Tennis Championships 2020)では大坂がフルセット勝ちを収めている。
男子の西岡良仁(Yoshihito Nishioka)もセバスチャン・オフナー(Sebastian Ofner、オーストリア)を6-3、2-6、7-6(7-4)で下し、初戦を突破した。
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2024年05月08日 12:04
女子テニス、世界ランキング1位のイガ・シフィオンテク(Iga Swiatek、ポーランド)が7日、イタリア国際(Internazionali BNL d'Italia 2024)の自身初戦を前に、過密日程に対する見解を口にした。
シフィオンテクは5日、アリーナ・サバレンカ(Aryna Sabalenka)とのマドリード・オープン(Mutua Madrid Open 2024)決勝で「今までで一番激しくてクレイジー」な試合を3時間11分で制し、昨年の決勝で敗れた雪辱を果たした。しかし現在は、死闘からわずか3日でイタリア国際にすぐさま切り替えなければならない状況にある。
ここまでの伊ローマでの2日間は「食べること」に費やしたというシフィオンテクは、拡大したWTA 1000大会のフォーマットに選手は追い立てられているように感じていると話している。WTA 1000の大会期間は2週間近くに延び、今では肉体的にも、精神的にも回復の時間がほとんど取れない。
シフィオンテクは「全体として、ツアーは大会期間と出場義務ルールのせいで、ATPとWTAの両方でどんどん過酷になっている」と話し、「スケジューリングの面では、計画の重要性が増している。次に向けて準備するには、時には自分にとって大事な大会をいくつか欠場する必要がある」と語った。
日程に押しつぶされそうな現状がおよぼす深刻な影響についても、「優勝してもそのことに浸れない。一日喜んで、翌日には頭の中は次の大会に向かっている」とすると、「きちんと休む時間がない。だからこういう時間(長い大会と長い大会の合間)をちょっとしたオフとして扱わないといけない」と対策を口にした。
「こういう大会が長くなっているから、今までのように休むのは難しい。だから間で休まなくてはならないことがある」
大会第1シードのシフィオンテクは1回戦は不戦勝で、2回戦からの登場になる。2021年と2022年にこの大会を連覇しているが、昨年は準々決勝で敗れた。
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2024年05月06日 17:22
テニス、四大大会(グランドスラム)今季初戦の全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2024)男子シングルスを制したヤニック・シナー(Jannik Sinner、イタリア)が5日、全仏オープン(French Open 2024)について、完調に戻った場合に限り出場すると話した。
世界ランキング2位のシナーは、前週のマドリード・オープン(Mutua Madrid Open 2024)を右股関節のけがにより途中棄権すると、ホーム大会である今週のイタリア国際(Internazionali BNL d'Italia 2024)も、回復が間に合わないため欠場すると4日に発表した。
ローマで記者会見に臨んだシナーは、「ローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープン)に出場するのは、100パーセントフィットしているときだけだ」と話し、「(けがについて)詳しく語るのは避ける。当初はそれほど深刻ではないと思っていたが、検査の結果、よくないということが分かった」と明かした。
「一つ確かなのは、100パーセント回復しなければ離脱が続くということだ。キャリアの3年をふいにしたくはないからね」
「(欠場は)つらいが、体を完全に回復させるのが最も重要なことだ」
今季28勝2敗の成績を残しているシナーは、離脱期間は「1週間か、1週間と半分」になると言及。「あまり時間はないし、パリへ向けて理想的な準備ができるわけではないが、プレーできる状態になるために全力を尽くすのは間違いない」と続けた。
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2024年05月06日 10:47
テニス、マドリード・オープン(Mutua Madrid Open 2024)は5日、男子シングルス決勝が行われ、大会第7シードのアンドレイ・ルブレフ(Andrey Rublev)が4-6、7-5、7-5でフェリックス・オジェ・アリアシム(Felix Auger-Aliassime、カナダ)との激戦を制し、「毎日死にかけていた」という体調不良とも戦いながら今季2勝目を挙げた。
2024年05月05日 11:45
テニス、マドリード・オープン(Mutua Madrid Open 2024)は4日、女子シングルス決勝が行われ、大会第1シードのイガ・シフィオンテク(Iga Swiatek、ポーランド)が7-5、4-6、7-6(9-7)で第2シードのアリーナ・サバレンカ(Aryna Sabalenka)との3時間11分の死闘を制し、優勝を果たした。
シフィオンテクは最終セット1-3から巻き返し、計3本のマットポイントをしのいで大会初制覇。昨年大会の決勝でサバレンカに敗れたリベンジも果たした。キャリア通算20勝目、WTA 1000通算9勝目。これで決勝では7連勝で、今季マッチ30勝はエレナ・ルバキナ(Elena Rybakina、カザフスタン)と最多で並んだ。
両者ブレークで始まった決勝は、第1セット第11ゲームでサバレンカが2度目のブレークを喫し、直後のゲームをキープしたシフィオンテクが61分で獲得。第2セットはサバレンカが取り返し、迎えた最終セットも、これが今大会5度目のフルセットマッチとなったサバレンカが先にブレークして3-1とリードした。だが、シフィオンテクは直後にブレークバックに成功すると、5-6で迎えた自身のサービスゲームで2本のマッチポイントをしのぎ、熱戦の決着はタイブレークに突入。タイブレークでは互いに1本ずつマッチポイントをしのいだ末に、最後はサバレンカのバックハンドがアウトになり、シフィオンテクが勝利を決めた。
シフィオンテクは試合後、「これでも女子のテニスがつまらないと言う人はいるのでしょうか」と話し、「今までで一番激しくてクレイジーな決勝だった」と振り返った。
惜しくも敗れたサバレンカも、連覇を果たした1月の全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2024)後は不振に陥っていたが、今大会で長丁場の連戦をこなし、本来の調子を取り戻したと手応えを口にした。
準決勝では、シフィオンテクと自身と並び「ビッグ3」に数えられるルバキナも撃破。この日の敗戦は「なかなか受け入れがたい」と悔しがりながらも、ライバル2人に対して良い戦いができたと胸を張り、「お互いに毎年レベルを上げていければと思う。いわゆるビッグ3の一角になれて本当にうれしい」「努力して成長を続ける大きなモチベーションになるし、その立ち位置を維持しながら、彼女たちになるべく多く勝ちたい」と前を向いた。
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2024年05月05日 09:50
男子テニス世界ランキング2位で、全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2024)王者のヤニック・シナー(Jannik Sinner、イタリア)は4日、股関節のけがのため、次週行われるマスターズ1000(ATP Masters 1000)のイタリア国際(Internazionali BNL d'Italia 2024)を欠場すると発表した。
シナーは同じけがで1日のマドリード・オープン(Mutua Madrid Open 2024)準々決勝を試合前に棄権しており、全仏オープン(French Open 2024)前最後の大きな大会であるイタリア国際出場を不安視されていた。
今季は1月の全豪オープンで四大大会(グランドスラム)初優勝を果たすと、3月のマイアミ・オープン(Miami Open 2024)でマスターズ2勝目を挙げるなどここまで28勝2敗で、イタリア国際でも優勝候補になるとみられていた。
イタリア国際では他に、世界ランク3位のカルロス・アルカラス(Carlos Alcaraz、スペイン)も右前腕のけがで欠場する。
全仏オープンは26日に開幕する。
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2024年05月04日 13:05
テニス、マドリード・オープン(Mutua Madrid Open 2024)は3日、男子シングルス準決勝が行われ、フェリックス・オジェ・アリアシム(Felix Auger-Aliassime、カナダ)は、対戦した大会第30シードのイジー・レヘチカ(Jiri Lehecka、チェコ)が第1セット3-3の場面で背中の問題を理由に途中棄権したことを受け、決勝に進出した。
オジェ・アリアシムは、準々決勝でも対戦予定だった第1シードのヤニック・シナー(Jannik Sinner、イタリア)が股関節のけがで試合前に棄権し、さらに3回戦もヤクブ・メンシク(Jakub Mensik、チェコ)の途中棄権で勝ち上がっていた。
今大会は開幕前に世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)が欠場を表明すると、シナーの他にも第3シードのダニール・メドベージェフ(Daniil Medvedev)がレへチカとの準々決勝を途中棄権するなど、痛手が続いている。
また、世界ランク3位のカルロス・アルカラス(Carlos Alcaraz、スペイン)も同日、右前腕のけがを理由に次週行われるマスターズ1000(ATP Masters 1000)のイタリア国際(Internazionali BNL d'Italia 2024)を欠場すると発表した。
3試合しか完全に戦わず、キャリア初のマスターズ決勝に駒を進めることになったオジェ・アリアシムは「クレイジーだ。過去に同じ経験をした選手がいるか分からないが、自分としては奇妙な状況だ」と驚きを口にしつつ、棄権を強いられたレへチカに同情した。
決勝では第7シードのアンドレイ・ルブレフ(Andrey Rublev)と対戦する。
ルブレフは第12シードのテイラー・フリッツ(Taylor Fritz、米国)を6-4、6-3で下し、通算5度目のマスターズ決勝進出を果たした。
ルブレフは今大会まで4連敗中だったが、今大会ではアルカラスを準々決勝で破るなど立て直し、これで5連勝としている。試合後には「(今週は)間違いなくメンタルの調子が断然良く、感情を正しい方向に持っていきながらプレーできている。それが決勝進出につながったと思う」と手応えを口にした。
オジェ・アリアシムとの通算成績は4勝1敗で勝ち越しているが、5試合中4試合でフルセットにもつれている。直近の対戦となった2月のABNアムロ・オープン(ABN AMRO Open 2024)では、ルブレフが3本のマッチポイントをしのいで勝利している。
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2024年05月04日 12:12
男子テニス、世界ランキング3位のカルロス・アルカラス(Carlos Alcaraz、スペイン)は3日、右前腕の痛みが続いていることを理由に、次週のイタリア国際(Internazionali BNL d'Italia 2024)を欠場すると発表した。
2024年05月03日 09:12
テニス、マドリード・オープン(Mutua Madrid Open 2024)は2日、女子シングルス準決勝が行われ、連覇を狙う大会第2シードのアリーナ・サバレンカ(Aryna Sabalenka)は1-6、7-5、7-6(7-5)で第4シードのエレナ・ルバキナ(Elena Rybakina、カザフスタン)を下し、決勝に進出した。
第1セットを落とし、さらに第2セットもブレークダウンとなったところからの大逆転勝ち。決勝では2年連続で第1シードのイガ・シフィオンテク(Iga Swiatek、ポーランド)と対戦することが決まった。
ルバキナ相手には直近4戦3敗だったが、クレーでの初対戦を勝利で飾った。「どうやったか分からないが、なんとか第2セットで踏ん張ることができた」と振り返り、「タフな試合だった。彼女は素晴らしい選手。今夜は信じられないようなテニスができた」と話した。
世界ランキング1位のシフィオンテクは第18シードのマディソン・キーズ(Madison Keys、米国)に6-1、6-3で快勝した。
シフィオンテクはサバレンカに過去6勝3敗と勝ち越しているが、昨年のマドリード・オープン決勝ではフルセットで敗れている。
この日は試合を通じてアンフォーストエラーの数はわずか8本とほぼ完璧な内容を披露し、キーズにほとんど付け入る隙を与えなかった。WTA 1000ではこれが通算11回目の決勝進出。試合後のオンコートインタビューでは「きょうは非常に安定した試合ができてとても満足している」と手応えを口にした。
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2024年05月03日 08:41
テニス、マドリード・オープン(Mutua Madrid Open 2024)は2日、男子シングルス準々決勝が行われ、大会第3シードのダニール・メドベージェフ(Daniil Medvedev)は第30シードのイジー・レヘチカ(Jiri Lehecka、チェコ)を相手に第1セットを4-6で落としたところで途中棄権した。太もも上部を痛めたとみられる。
メドベージェフは第5ゲーム終了後にコートを離れてメディカルタイムアウトを取ると、戻ってきてからは明らかに問題を抱えた様子で、自由に動き回ることができていなかった。その後は4-4で迎えた第9ゲームで均衡を破るブレークを許すなど、最後は16ポイント中4ポイントしか取れず、そのまま試合を棄権した。
この日予定されていたもう1試合も、第1シードのヤニック・シナー(Jannik Sinner、イタリア)が前日に股関節の問題で棄権したため行われず、ファンを落胆させた。
メドベージェフは次週のイタリア国際(Internazionali BNL d'Italia 2024)で連覇が懸かるが、「状態を確認する必要がある」と述べ、けがの程度が分かっていないと明かした。3週間後には全仏オープン(French Open 2024)の開幕も控えている。
一方のレへチカは、これがマスターズ1000(ATP Masters 1000)で初の4強入りとなった。今大会ではラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)も撃破しているレへチカは、シナーの棄権を受け不戦勝で勝ち上がったフェリックス・オジェ・アリアシム(Felix Auger-Aliassime、カナダ)と準決勝で対戦する。
もう一つの準決勝では、第7シードのアンドレイ・ルブレフ(Andrey Rublev)と第12シードのテイラー・フリッツ(Taylor Fritz、米国)が顔を合わせる。
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2024年05月02日 12:29
テニス、マドリード・オープン(Mutua Madrid Open 2024)は1日、女子準々決勝が行われ、大会第2シードのアリーナ・サバレンカ(Aryna Sabalenka)はミラ・アンドレーワ(Mirra Andreeva)を6‐1、6‐4で下し、4強入りを決めた。
サバレンカは17歳のアンドレーワを相手にブレークポイントを握られることなく、35本のウイナーをたたき込んで79分で勝利。苦しむことなく、大会のマッチ連勝を10に伸ばした。
サバレンカは準決勝で第4シードのエレナ・ルバキナ(Elena Rybakina、カザフスタン)との対戦が決定。ルバキナは4‐6、7‐6(7‐4)、7‐5でユリア・プチンツェワ(Yulia Putintseva、カザフスタン)に勝利した。
第2セットでゲームカウント2‐5から巻き返したルバキナは、最終セットでも2度マッチポイントをしのいで逆転勝利。これでルバキナは今季6度目となる4強入りを果たしている。
サバレンカはルバキナとの直接対決でこれまで5勝3敗としているものの、今年1月のブリスベン国際(Brisbane International 2024)決勝で敗れるなど、直近の4試合では3敗を喫している。クレーコートでの対決は今回が初めてとなる。
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2024年05月02日 10:16
テニス、マドリード・オープン(Mutua Madrid Open 2024)は1日、男子シングルス準々決勝が行われ、大会第2シードのカルロス・アルカラス(Carlos Alcaraz、スペイン)は6‐4、3‐6、2‐6で第7シードのアンドレイ・ルブレフ(Andrey Rublev、ロシア)に敗れ、連覇の望みと大会マッチ14連勝が途切れた。
2024年05月01日 14:09
女子テニスの国別対抗戦ビリー・ジーン・キング・カップ(Billie Jean King Cup 2024)は30日、11月にスペイン・セビリア(Seville)で行われる決勝ラウンドの組み合わせが発表され、日本は1回戦でルーマニアと対戦することが決まった。勝てば準々決勝で第2シードのイタリアと激突する。
前回王者のカナダ、イタリア、オーストラリア、チェコの上位4シードは準々決勝からの登場となる。大会は今回からグループステージが廃止され、ノックアウト方式で行われる。
決勝ラウンドの組み合わせは以下の通り。
■1回戦(11月12〜14日)
ドイツ対英国
スロバキア対米国
スペイン対ポーランド
日本対ルーマニア
■準々決勝(11月15〜17日)
カナダ対ドイツと英国の勝者(準々決勝1)
オーストラリア対スロバキアと米国の勝者(準々決勝2)
スペインとポーランドの勝者対チェコ(準々決勝3)
日本とルーマニアの勝者対イタリア(準々決勝4)
■準決勝(11月18〜19日)
準々決勝1の勝者対準々決勝2の勝者
準々決勝3の勝者対準々決勝4の勝者
■決勝(11月20日)
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2024年05月01日 11:47
テニス、マドリード・オープン(Mutua Madrid Open 2024)は30日、女子シングルス準々決勝が行われ、大会第1シードのイガ・シフィオンテク(Iga Swiatek、ポーランド)は第11シードのベアトリース・ハダード・マイア(Beatriz Haddad Maia、ブラジル)に4-6、6-0、6-2で逆転勝ちし、2年連続の準決勝進出を果たした。
シフィオンテクは第1セットを4-1とリードしたところから落としたが、第2セット以降はミスの数を減らして修正し、わずか2ゲームしか落とさなかった。
2時間半の末に勝利したシフィオンテクは、準決勝で第18シードのマディソン・キーズ(Madison Keys、米国)と対戦する。
キーズは2022年大会覇者で第8シードのオンス・ジャバー(Ons Jabeur、チュニジア)を0-6、7-5、6-1で破り、10度目の同大会出場にして初の4強入りを果たした。0-6、0-2とされたところからの逆転勝ち。敗れたジャバーは同大会での連勝が9でストップした。
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2024年05月01日 10:04
テニス、マドリード・オープン(Mutua Madrid Open 2024)は30日、男子シングルス4回戦が行われ、元世界ランキング1位のラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)は5-7、4-6で大会第30シードのイジー・レヘチカ(Jiri Lehecka、チェコ)に敗れた。
37歳のナダルは今季限りで引退する意向を表明しており、最多5回の優勝を誇るマドリード・オープン出場も今回が最後になるとみられる。
試合後のインタビューでは「幸せだ。非常に特別な一週間になった。とても前向きで、感動的だった。もう一度このコートでプレーするチャンスを得られた」と語った。
コートでは特別セレモニーも行われ、ナダルが優勝した年と「ありがとう。ラファ」と書かれた垂れ幕が掲げられた。
客席から家族も見つめる中、ナダルは「これはジョークだよ。来年戻って来るんだから」と冗談を飛ばしつつ、「キャリアを通じて自分を支えてくれたみんなに対し、ありがとうという言葉しかない。まだ終わっていないが」とコメント。「ここで皆さんがくれたものはギフトだ」と感謝し、「自分の愛する仕事をできたのはラッキーだった。この人生を送れていることも最高に幸運だと感じる。これ以上を求めることはできない」と続けた。
一方のレへチカは、最後のマドリード・オープン出場となるナダルに勝利するのは「ほろ苦い」気分だとしつつ、「彼のような伝説的な選手と同じコートに立つことができたのは信じられない。夢のようだ」と語った。
第2シードのカルロス・アルカラス(Carlos Alcaraz、スペイン)は6-4、6-7(5-7)、7-6(7-4)で第23シードのヤン・レナード・シュトルフ(Jan-Lennard Struff、ドイツ)に競り勝ち、大会での連勝を最長タイの14に伸ばして8強入りした。
第1シードのヤニック・シナー(Jannik Sinner、イタリア)は5-7、6-3、6-3で第16シードのカレン・ハチャノフ(Karen Khachanov)に逆転勝ちし、今季のマスターズ1000(ATP Masters 1000)全4大会で準々決勝に進出している。
第5シードのキャスパー・ルード(Casper Ruud、ノルウェー)は4-6、5-7でフェリックス・オジェ・アリアシム(Felix Auger-Aliassime、カナダ)にストレート負け。勝ったオジェ・アリアシムが、4強入りを懸けて全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2024)王者のシナーと激突する。
第3シードのダニール・メドベージェフ(Daniil Medvedev)は第17シードのアレクサンダー・バブリク(Alexander Bublik、カザフスタン)を7-6(7-3)、6-4で退け、これで全てのマスターズ1000で8強入りを果たしたことになった。
第4シードのアレクサンダー・ズベレフ(Alexander Zverev、ドイツ)は第21シードのフランシスコ・セルンドロ(Francisco Cerundolo、アルゼンチン)に3-6、4-6で敗れた。
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