2024年05月08日 05:00
新日本プロレス11日(日本時間12日)の米カリフォルニア大会でIWGP世界ヘビー級王者ジョン・モクスリー(38=AEW)に挑戦する海野翔太(27)が、オカダ・カズチカ(36=AEW)にまさかの宣戦布告だ。キャリア初のIWGP挑戦に向け、越えるべき壁は師匠だけでないと主張。流出中の団体最高峰王座を奪回した上で、今年1月に退団した過去の象徴と対戦することを熱望した。 モクスリーが4日の福岡大会で成田蓮を下しV2に成功したことで、師弟対決が正式決定した。福岡のリング上で握手を拒否され、早くも戦闘モードに突入した海野は「彼の気持ちもよく分かったので。あとは単純に師匠を超えるだけ、IWGP世界ヘビーを外敵王者から取り返すだけ。正面から殴り合って、最後に立っていたいです」と豪語する。 4月のシカゴ大会で新王者となったモクスリーから真っ先に挑戦者に指名されたのが海野だった。これを妨害した成田、なぜかAEWマットで先陣を切ったパワーハウス・ホブスに先を越される理不尽もあったものの、満を持してキャリア初のIWGP挑戦を迎える。 「『実績がないヤツが何で挑戦できるんだ』という声もあるかもしれない。僕自身もこういう形はめちゃめちゃ悔しいです。『NEW JAPAN CUP』やG1を優勝して挑戦したかったですし、自分の足で登って自分の手でつかんでベルトを取りたいという理想はあったので。ただ王者から指名されてチャンスが目の前にある以上、そこはがむしゃらに取りにいきます」と闘志を燃やす。 モクスリーは新日本とIWGPへのリスペクトを抱いている一方、AEWによって団体最高峰王座が軽い扱いを受けた事実は否定できない。しかし海野はこの流れを逆手に取った青写真を描く。 「僕自身も好き放題にやっていいのであれば、ベルトを取ったらオカダさんとやりたい。IWGPを支えてきたオカダさんを倒さないと筋が通らないなと。ぜひともオカダさんの壁も越えたいですし、新日本を出ていった人間でもありますから。過去のイメージをぶち壊して、またIWGPのカラーをこの新世代で変えていきたい」 日本プロレス界の頂点に君臨し続けたオカダは今年1月に退団したが、AEWに所属している以上は扉が完全に閉じているわけではない。「合同興行もあるので可能性はゼロじゃないと思いますし。オカダさんはすごく頭がいいし、誰よりも会社のことを考えてくれていたと思うけど、ちょっと薄情なのかなと。東京ドームを超満員にしないまま、自分が壁になることも放棄して他団体に行ってしまったので。だったらIWGPを取ったら、こっちから超えにいってもいいですし」と強引にでも世代交代を完遂させるつもりだ。 もちろんそのためには至宝奪回が絶対条件。憧れ続けたベルトを巻いて、新時代を到来させる。
2024年05月20日 05:01
「大相撲夏場所・8日目」(19日、両国国技館)
十両遠藤が平幕時疾風を下手投げで退け、8連勝で勝ち越しを決めた。8年ぶりの十両転落から1場所での幕内復帰へ、自身初のストレート給金で弾みをつけた。小結大の里は大栄翔をはたき込み、1敗対決を制した。大関陣は琴桜が王鵬を押し出して6勝目。豊昇龍は宇良を寄り倒して5勝目を挙げた。トップは1敗の大の里と平幕宝富士。2敗で琴桜、宇良ら5人が続く。
今場所初めてとなる幕内の土俵で、遠藤が自身初の中日勝ち越しを決めた。時疾風に右上手を引かれて寄られながら、土俵際で逆転の下手投げ。満員の館内に盛大な拍手が響いた。
苦しい体勢から、最後は投げにいった左腕を抜いて半回転する巧みな動き。「なんでできたんでしょうね。たまたまです」ととぼけつつ「体の動きとかは別にして、これ以上ない成績で来られた。それはそれでよかったと思う」と結果を前向きに捉えた。
8年ぶりの十両。古傷を抱える両膝に、テーピングはない。「今まではセーブする部分があったが、今場所はそこを意識しないで相撲がとれている。『ここでもう一踏ん張り』という思いが出ている」。師匠の追手風親方(元幕内大翔山)は、弟子の気迫を感じとった。
根強い人気を誇るベテラン。復活への期待が声援に表れている。遠藤は「ありがたい。声援に応えられた時は勝ってよかったと思いますよ」と白星での“恩返し”を喜んだ。「僕は無理だなと思っていた」というストレート給金も通過点にして、1場所で幕内に返り咲く。
2024年05月20日 05:00
新日本プロレス「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア(BOSJ)」Aブロック公式戦(19日、名古屋)で、エル・デスペラードがブレイク・クリスチャンから3勝目を挙げた。今大会の決勝戦は、6月9日大阪城ホール大会のメイン。IWGP世界ヘビー級王座戦も開催されるため一部で試合順論争も勃発したが、デスペラードは新事実を明かすとともに、初制覇への誓いを新たにした。
開幕4連勝でブロック首位を走るクリスチャンの猛攻に苦しんだデスペラードだったが、ピンチェ・ロコで激闘に終止符。勝ち点を6に伸ばしブロック突破に前進した。
前日には、大阪城大会のメインがBOSJ決勝戦と正式発表された。同大会では団体最高峰王座である王者ジョン・モクスリー vs EVILのIWGP世界王座戦も組まれているため、当初はどちらがメインになるのか議論を呼んでいた。
しかし、デスペラードによると、BOSJ決勝戦がメインとなることは11日の開幕戦(千葉)の時点で出場選手に伝えられていたという。「新日本プロレスはお客さんが心配する前から決めてて、『メインに据えてるからね』って我々も開幕の段階で聞かされてたし。俺たちがギャーギャー言うこともなく。発表するタイミングを見計らってたってだけで、何でこのタイミングだったのかだけはちょっと分からないけど」。試合順は決して民意に左右されたものではなく、団体の判断によるものだったことになる。
団体最高峰王座の権威を問う声もゼロではないが、デスペラードは今回の決定の妥当性を主張。「例えばこれが逆にG1の最終日にIWGPジュニアのシングルがあっても、絶対にG1決勝がメインだと思うんだよ。セミでもメインでもすげえ試合しちゃえば、それでおしまいじゃね?とも思うけど、やっぱり1か月死に物狂いでしのぎを削って…。その優勝者は誰々ですって、そこにバズーカドカンってなってほしいじゃない。その後にタイトルマッチがあってもそれはそれで地獄でしょ」と持論を展開する。
悲願の初優勝を自らに義務づけるならず者にとって、大阪城メインの舞台が一つのモチベーションとなったのは事実だ。「場所も順番も正直興味ないって言っちゃうと失礼だけど、俺らの気持ちをくんでくれてる会社だって考えていいと思うし。実際にそういうふうに信頼されるんだったら、じゃあ応えましょうかってなるよね。いい子ちゃんぶる気はないけど」。唯一手に入れていないビッグタイトルを、今年こそ手中に収める。
2024年05月19日 22:05
新日本プロレスジュニアの祭典「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア(BOSJ)」19日名古屋大会のBブロック公式戦で、高橋ヒロム(34)がニンジャ・マックを下し、3勝目をあげた。
シルク・ドゥ・ソレイユ出身という異色の経歴を持つニンジャの驚異的身体能力に大苦戦を強いられた。ハサミワザ(ヘッドシザーズ・ホイップ)を何度も着地され決めることができないヒロムは、ニンジャスペシャル式のサンセットフリップパワーボムでエプロンに叩きつけられる。さらにはダイビングヘッドバットと、空中殺法で窮地に追い込まれた。
それでもニンジャスプラッシュを回避すると、TIME BOMB ・で反撃開始。今度こそと狙ったハサミワザは、華麗空中で回転した末に着地されてしまうが、ニンジャもニンジャで悦に入ってしまう。ヒロムは一瞬のスキを見逃さず距離を詰めてD(変型三角絞め)で捕獲し、ギブアップを奪ってみせた。
今年に入って絶不調だったヒロムだが。連敗発進から3連勝でついに白星先行だ。「絶不調だったけど、もう絶好調と言ってもいいんじゃない? 調子に乗ってきたよ、完全に」と復活をアピールした。
自分に酔いがちなニンジャの人間性を見抜いての勝利も自画自賛。「ヒロムちゃんの(頭を指して)ここが出たんじゃないかなって、そう思うよね。ああ! それは1回抑えないと。まだだね。まだ6点だよな。大丈夫、大丈夫。ここから行けるわ。行けると確信できた。今日の試合でヒロムちゃん、(頭を指して)ここあるなって、みんな思ったんじゃない? ありがとう」と上機嫌で控室へ消えていった。
2024年05月19日 21:45
新日本プロレスジュニアの祭典「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア(BOSJ)」19日名古屋大会のBブロック公式戦で、IWGPジュニアヘビー級王者のSHO(34)がロビー・イーグルスに3敗目を喫した。
2024年05月19日 21:45
新日本プロレスジュニアの祭典「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア(BOSJ)」19日名古屋大会のAブロック公式戦で、エル・デスペラードがブレイク・クリスチャン(26)を下し、3勝目をあげた。
開幕から4連勝を飾って両ブロックを通じて唯一の全勝をキープしていたクリスチャンを止めてみせた。序盤から左腕に集中砲火を浴びたデスペラードは、ノータッチトぺ・コンヒーロ、背中へのスワンダイブ式450°スプラッシュと大技を連続されてしまう。これをカウント2で返したところを脇固めに捕獲されるなど、クリスチャンの猛攻の前になかなか主導権を奪えない。
さらに打撃合戦から強烈なジャンピングニーを浴びたデスペラードだったが、走りこんできたところに強烈なカウンターのエルボーを発射。垂直落下式リバースタイガードライバーで形勢逆転に成功すると、そのままピンチェ・ロコでマットに沈めてみせた。
試合後のリング上では「ブレイク・クリスチャン、もっとやるぞ。お前よ、(2022年8月に)米国でやった時、すぐ(新日本のリングに)来るもんかと思ったら、こんなに待っちまったからよ。待たされた分だけやるぞ」と新たに誕生したライバルにメッセージ。
「待たされたっつったらよ、俺自身がBOSJの決勝2回上がって2回負けて、その次は決勝すら行けず? まあ俺のこと待ってるヤツなんて誰もいねえだろうけど、俺自身が俺の優勝を待ってるから。これ以上待たすと、俺が俺に飽きちまうから今年は優勝するぞ。よく見とけ」と、今年こそ悲願の初優勝を誓っていた。
2024年05月19日 20:55
人気格闘家・朝倉未来が社長を務める「ブレイキングダウン」の公式レフェリー・鬼木貴典氏が18日、自身のXを更新。6月に予定されている次回大会を辞退するとし、理由についてステージ4の癌で「余命2カ月」と宣告されていることを明かした。
鬼木氏は「私事で、大好きなブレイキングダウン関係者の皆様をはじめ、格闘技関係者の皆様、選手、お客様に大変ご迷惑をお掛けし申し訳ございません」と謝罪。続けて、辞退について「理由と致しましては、ステージ4の癌です。数年前から患っていたのですが、病状が悪化し足が思う様に動かなくなり、サイドステップ、バックステップなどレフェリーに必要な機敏な動きが出来なくなりました。今は筋肉が日々減少し歩くだけでも身体に激しい痛みが走ります。医師からもこれ以上手立てがありませんと告げられ、医師から告げられた余命も残り2ヶ月をきりました」と告白した。
癌の宣告を受けた際、妻は号泣したという。4月に保険の効かない自由診療(全額自費負担)を受けることにしたというが、全ての治療を行うと1000万以上かかると聞き「治るかもわからない病気に、そして私がこの世からいなくなった後に家族に迷惑をかけるわけにはいかないもいかないと思い、自分の運命を受け入れ、治療を続けること断念しました」とつづった。鬼木氏には21歳の長男、13歳の次男、11歳の三男、8歳の長女がいるという。
「一レフェリーでしたが、現場に行くと、いつも未来さんや海さん、溝口さんをはじめ運営の方や選手が声をかけてくれて、本当にやりがいのある仕事でした。本音では次の大会もレフェリーをやりたかったので残念です」と感謝の思いと心境を記し、「以降は自宅にて食事などを工夫し、ストレスがたまらない様に、好きな格闘技やブレイキングダウンを視聴しながら残りの人生を楽しみたいと思ってます」とした。
この投稿後、ブレイキングダウンの溝口勇児COOや朝倉海が自宅まで来てくれたことも明かし、「ファンの皆様の励ましのコメントも力になっています」と感謝した。
2024年05月19日 20:30
新日本プロレスジュニアの祭典「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア(BOSJ)」19日名古屋大会のBブロック公式戦で、KUSHIDA(41)が石森太二(41)との1敗対決を制し、ブロック単独首位に立った。
まさかの短期決着だった。ともに3勝1敗の首位タイで迎えた公式戦は、序盤から緊張感のあるグラウンドの攻防が続く。アームホイップ合戦からアリキックを連発したKUSHIDAは、石森の腕を狙って取りにいく。ならばと石森も腕を狙ってくるが、KUSHIDAはヘッドシザーズを決める。そのまま足を抱えて押さえ込むと、脱出を許さず一気に3カウントを奪った。
試合時間わずか2分33秒。ぼうぜんとする石森を尻目に4勝目を挙げたKUSHIDAは「もし『こんな勝ち方でうれしいのか』という声があるとするならば、俺はこう答える。メッチャうれしい。技じゃない技で勝てたんだ、グレイスさん(石森)に」としてやったりの表情。「いろいろなものがインフレーションを起こしてるこの2024年に、技じゃない技で勝てたこと。(勝ち点)2ポイント? 3ポイントくらいの価値があるでしょ」と勝ち誇っていた。
2024年05月19日 20:09
◆IMPACT.47〜邪道×IMPACT〜」大会 ▽ストリートファイトトルネード6人タッグデスマッチ時間無制限1本勝負 〇大仁田厚、リッキー・フジ、佐野直(16分40秒 有刺鉄線バット・フルスイング殴打→体固め)“仮面シューター”スーパー・ライダー、定アキラ、田馬場貴裕●(19日、東京・上野恩賜公園野外ステージ特設リング=水上音楽堂)
デビュー50周年を迎えた「邪道」大仁田厚がIMPACTに初参戦。
2024年05月19日 19:42
新日本プロレスジュニアの祭典「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア(BOSJ)」19日名古屋大会のBブロック公式戦で、フランシスコ・アキラ(24)がドリラ・モロニー(27)に敗れ3敗目を喫した。
前日の八王子大会で優勝候補の一角・石森太二から2勝目を挙げたアキラだったが、同戦で左ヒザを負傷したのか入場時からしきりに気にする様子を見せる。対戦相手のモロニーがその素振りを見逃すわけもなく、序盤から負傷箇所を集中的に攻められた。
左ヒザの痛みに耐えながら何とか反撃を試みたアキラだが、ロープに走ることもままならない。ドリラキラーだけは回避したが、最後はヒザ固めで無念のギブアップ負けとなった。
バックステージに座り込むと「次、試合ができるか分からない、分からない、分からない…。でもBOSJ、やめられない」と悲痛な思いを告白。「最悪だよ。石森からキャリア最大の勝利後に、自分のヒザが音を上げるなんて…。BOSJ、続けられるか分からない。みんな、本当にごめんなさい」と頭を抱え、リーグ戦途中離脱の可能性が急浮上してしまった。
2024年05月19日 18:35
元WWEの女子プロレスラー・Sareee(28)が、新団体「マリーゴールド」に宣戦布告だ。
20日に東京・後楽園ホールで行われるマリーゴールド旗揚げ戦のメインでは大怪獣ボジラと組み、ジュリア&林下詩美の団体ツートップと対戦する。
かねて対戦を熱望していたジュリアとは約5年ぶりの再会マッチ。「念願がかなって、やっとリングでジュリアと向かい合える。今回はタッグで戦うけど、ジュリアとは必ずシングルで戦いたい。次につながる戦いにします」と意気込んだ。
そのためにも、車も軽々と引っ張れるほどの怪力を誇るボジラとの最強コンビでインパクトを残す。「何だかわからないすげえヤツみたいですけど、私はこれまで日本でもアメリカでもいろんな選手と組んで戦ってきました。だから私が大怪獣を手なずけて勝ちます」
マリーゴールドは先日、神奈川県内での強化合宿を敢行。旗揚げに向けて結束力をアピールしたが、海辺での特訓動画を目にしたSareeeは懐疑心を抱いたという。「海辺でスクワットをやってましたけど、あれはスクワットとは言えないですよね。全然しゃがんでないんだもん。ヒザが悪いとかはあるかもしれないけどさ、ちゃんと練習してるの?」と指摘した上で「見せかけだけだとしたら、選手全員片っ端から潰していきますよ」と不敵に予告した。
チケットは即日完売し、いよいよプロレス界で最も注目を集めている旗揚げ戦を迎える。Sareeeは「旗揚げ戦は一生残るもの。そのメインでマリーゴールドにもロッシー小川に対しても屈辱を味わわせて、一生の傷を負わせてやります」と闘志を燃やしている。
2024年05月19日 18:03
東京女子プロレスは19日、昨年12月から活動を休止していた元インターナショナル・プリンセス王者の乃蒼ヒカリ(26)が卒業&退団したと発表した。
2017年にアイドルグループ「アップアップガールズ(プロレス)」のオーディションに合格し、翌年1月4日の後楽園大会でプロレスデビュー。アイドルとプロレスラーの二刀流で活動していた。21年5月にはインターナショナル・プリンセス王座を獲得。葛西純に憧れデスマッチのリングに上がるなど、団体内で異彩を放つ選手だった。
23年10月には角田奈穂とのタッグでプリンセスタッグ王座を初戴冠し3度の防衛に成功。だが自身の体調不良により同年12月17日の埼玉大会を最後に活動休止に入り、タッグ王座を返上していた。
東京女子は「本人からの申し出もあり、今後のことも含め話し合った結果、このような結論に至りました。活動再開をお待ちいただいていた皆様には、その思いに応えられなかったことをお詫び申し上げます。また、本人からのファンの皆様へのご挨拶やコメント等はございません。こちらも何卒、ご理解のほどよろしくお願いいたします」とした。
2024年05月19日 12:04
「邪道」大仁田厚が6月9日、名古屋国際会議場イベントホールで行われるGLEATの「GLEAT Ver.EX」大会での電流爆破マッチで激突するカズ・ハヤシのバースデーを祝った。
2024年05月19日 10:00
【プロレス蔵出し写真館】静かな佇まいをみせる東京・赤坂周辺に怪しげな男が出没した。女子高生も距離を取って歩いていた(写真)。
幅広のネクタイ、黒のロングコートに黒い帽子。そして革手袋。時おり長髪の間からのぞく鋭い目。地獄の墓堀人ジ・アンダーテイカーだ。
アンダーテイカーは、今から40年前の1994年(平成6年)1月22日、米ロードアイランド州プロビデンスで行われたWWF(現WWE)「ロイヤル・ランブル」でヨコズナの世界ヘビー級王座に「棺桶マッチ」で挑戦。相手を棺桶に入れて完全にフタをしめて勝利となる試合形式だ。
アンダーテイカーはジャンピングDDTを決め、ヨコズナを棺桶に叩き込み勝利目前。しかし、フタを閉めかけたところにクラッシュが乱入して救出。WARから参戦していた天龍源一郎とザ・グレート・カブキもリングに上がるとアンダーテイカーに合体ラリアートを見舞う。さらにバンバン・ビガロやディーゼルら悪党軍団も加わって袋叩きにした。
ついにアンダーテイカーは棺桶で眠ることとなった。それでも不死身のアンダーテイカー、運び出される棺桶から緑色煙が吹き上がると巨大スクリーンに「私の魂はお前たちに一生取りつく。この仕打ちは巡り巡ってお前たちに振りかかるだろう」とメッセージが流れた。
アンダーテイカーは3月20日に米ニューヨークMS・Gで行われた祭典「レッスルマニア10」も欠場。所在不明となっていたが、同月22日、赤坂で目撃されたのだった。
前置きが長くなったが、これは5月7〜11日のWWF日本初興行「マニアツアー」のプロモーション。WWFは90年4月13日に東京ドームで全日本プロレス&新日本プロレスと合同興行「日米レスリングサミット」を行っているが、初の単独開催が決定していた。
25日にはWAR事務所で、天龍とともにアンダーテイカーはPR会見に臨んだ。
さて、満を持して開催された「マニアツアー」は惨たんたる結果に終わりWWFの黒歴史ともいわれる。発表された観衆は7日、横浜アリーナ8056人。8日、名古屋レインボーホール6735人。9日、大阪城ホール7120人。11日、札幌月寒ドーム4646人。発表は3割増しだろうか…4会場とも閑古鳥が鳴く有り様。広い会場に空席ばかりが目立っていた。
この大会は大手イベント会社のキョードー東京が協力していたが、同社がプロレスを手掛けるのが初めてということもあり、観客動員に苦戦したといわれた。「今回はまだマーケットが見えなかった。次も前向きに検討しているので、何がよくて何が悪かったか、よく整理します」と、同社は第2弾興行もサポートする意向を示した。
映像でWWFを見ていた関係者、ファンからは演出効果も指摘された。派手な入場シーンがなく、パフォーマンスも少なかった。日本のファンを意識したのかアメリカンプロレスを控えめにしていた。
試合内容にクレームをつけたのは天龍だった。大阪でのヨコズナとのシングル戦で場外乱闘になり、アッという間に両者リングアウトの裁定が下った。「唐突に鐘が鳴った。アメリカじゃ観客に危険が及ぶので外に出るのは敏感だが、あれじゃ何もできない。本当に頭にきた」。本部席のJ・J・デュラン、ブラックジャック・ランザに机を放り投げ怒り心頭だった。
WWF極東担当の佐藤昭雄は「70%ぐらいのいい感触があった。あとの30%は浸透力と営業力に関係してくる。暮れとかは大きな団体がやるので、その前の秋口にやりたい」と第2弾興行へ意欲を語った。
日本ツアー最終日の11日、参加選手はリング上の抗争を休戦して「MANIA TOUR ありがとう!!」の看板とともに記念撮影に納まった。前列左から1―2―3キッド、ドインクとディンク、世界女子王者アランドラ・ブレイズ、ヨコズナのマネジャー、ミスター・フジ、手前はリック・マーテル、オーエン・ハート、世界タッグ王者チームヘッドシュリンカーズのサムゥ、ボブ・バックランド、中後列左からタタンカ、ランディ・サベージ、スモーキング・ガンズのバート・ガンとビリー・ガン、手前に世界ヘビー級王者のブレット・ハート、アンダーテイカーのマネジャー、ポール・ベアラー、アンダーテイカー、天龍、ヨコズナ、ビガロ、アダム・ボム、ヘッドシュリンカーズのファトゥ。
ところで、失敗に懲りたのか、WWFが2度目となる日本公演を行ったのは約8年後の2002年(平成14年)だった。
3月1日の横浜アリーナ大会は、前回と打って変わり凄かった。チケットは前売りで完売。600枚の当日券を求め、前日の朝7時から並んだという大学生を先頭に1000人以上が長蛇の列を作った。チケットを手にできなかったファンも、会場の外から声援を送るという異常熱気。
グッズ売り場には開場直後からファンが殺到。限定グッズやザ・ロック、ストーンコールドスティーブ・オースチンのTシャツ、7000部用意した和訳付きパンフレットは早々と完売した。「グッズだけで2000万以上の売り上げ」(関係者)と破格のセールスを記録した。
観衆は超満員札止めの1万6000人。WWFは見事、8年前の雪辱を果たしたのだ。ロックはテレビ解説の武藤敬司に握手を求めて大喝采を浴びた。エンターテインメントプロレスにファンは酔いしれた。
90年代は、それがまだ早すぎた時代だった(敬称略)。
2024年05月19日 07:54
◆プロレスリング・ノア「SUNNY VOYAGE」(18日、横浜ラジアントホール)観衆244
プロレスリング・ノアは18日、横浜ラジアントホールで「SUNNY VOYAGE」を開催した。
メインイベントで昨秋から新日本プロレスからNOAへ「国内武者修行中」の大岩陵平が潮崎豪と初の一騎打ち。史上最多の5度もGHCヘビー級王座を獲得したノアのトップに右腕を徹底的に攻める勝負を真っ向から仕掛けた。
強烈なチョップ、ゴー・フラッシャー、豪腕ラリアットを耐え抜き激闘は、30分の時間切れドローとなった。潮崎から「あれだけ気持ちと体がノってる選手は今、いねぇんじゃねえか?オレが仕留めきれなかっただけというのもあるかもしれないけど、だが最後までオレに食らい付こうとした。その気持ち、ハートだけは、忘れんじゃねえ」と評価した。
その言葉通りノアマットでの「修行」の成長と進化を証明した試合だったがバックステージで倒れ込んだ大岩は「引き分けなんて、これっぽっちもうれしくねえよ」と唇をかみしめ「どっかの誰かさんみたいに『勝てなかったですけど、負けなかった』とか死んでも言えねえよ。悔しいから、悔しいからだよ。初めてのメインイベントで、30分引き分けだったとしても」とうめいた。
ノア参戦以来、タッグを組んできた清宮海斗は、拳王と共闘し「ALL REBELLION」を結成した。完全に蚊帳の外へ追い出された形の大岩は、5・21後楽園で佐々木憂流迦、近藤修司、Eitaと組んで清宮、拳王、アレハンドロ、クリストバルと対戦する。清宮との完全決別もあり得る8人タッグへ「俺は次の後楽園ホールですべてを、すべてのパズルをぶっ壊しに行くぞ。おい、覚悟しとけよ、まだまだ俺はこんなもんじゃねからな。良く見とけ!」と予告していた。
◆5・18横浜全成績
▼シングルマッチ
△潮崎豪(30分時間切れ引き分け)大岩陵平△
▼タッグマッチ
〇清宮海斗、アレハンドロ(17分52秒、変型タイガードライバー→エビ固め)佐々木憂流迦、大和田侑●
▼シングルマッチ
〇小峠篤司(12分06秒、横入り式エビ固め)YO―HEY●
▼6人タッグマッチ
ジェイク・リー、〇ジャック・モリス、アンソニー・グリーン(15分01秒、タイガードライバー→エビ固め)杉浦貴、マサ北宮、稲葉大樹●
▼タッグマッチ
近藤修司、〇Eita(10分19秒、Imperial Uno→体固め)宮脇純太●、スターボーイ・チャーリー
▼シングルマッチ
〇タダスケ(8分19秒、グッドルッキングドライバー→片エビ固め)Hi69●
2024年05月19日 07:10
◆プロレスリング・ノア「SUNNY VOYAGE」(18日、横浜ラジアントホール)観衆244
プロレスリング・ノアは18日、横浜ラジアントホールで「SUNNY VOYAGE」を開催した。
5・4両国大会で拳王と共闘を表明し新ユニット「ALL REBELLION」(AR)を結成したGHCヘビー級王者・清宮海斗がユニットに加わったアレハンドロとタッグを組み佐々木憂流迦、大和田侑と対戦した。
「AR」の初陣となった試合は、ユニットに参加した謎の黒覆面「クリストバル」がセコンドに付き、17分52秒、変型タイガードライバーで清宮が大和田を沈め勝利を収めた。
「AR」は5・21後楽園で4人が勢ぞろいし大岩陵平、佐々木憂流迦、近藤修司、Eitaとの8人タッグで本格始動する。バックステージでアレハンドロが「5月21日、後楽園、オール・レベリオン本格始動。本気でノアのリング、プロレス界に革命を起こします」と宣言。清宮は「本気で、本気で、本気で、このノアを変えていきますよ。オレたちオール・レベリオン、21日後楽園、革命を始めます。すべては革命のために、すべてはノアのために!」と絶叫していた。
◆5・18横浜全成績
▼シングルマッチ
△潮崎豪(30分時間切れ引き分け)大岩陵平△
▼タッグマッチ
〇清宮海斗、アレハンドロ(17分52秒、変型タイガードライバー→エビ固め)佐々木憂流迦、大和田侑●
▼シングルマッチ
〇小峠篤司(12分06秒、横入り式エビ固め)YO―HEY●
▼6人タッグマッチ
ジェイク・リー、〇ジャック・モリス、アンソニー・グリーン(15分01秒、タイガードライバー→エビ固め)杉浦貴、マサ北宮、稲葉大樹●
▼タッグマッチ
近藤修司、〇Eita(10分19秒、Imperial Uno→体固め)宮脇純太●、スターボーイ・チャーリー
▼シングルマッチ
〇タダスケ(8分19秒、グッドルッキングドライバー→片エビ固め)Hi69●