2024年05月05日 21:00
女子プロレス「スターダム」のアーティスト王座戦(5日、アクロス福岡)は、王者の舞華&白川未奈が率いる「イーネクサスヴィー(EXV)」が、岩谷麻優率いる「STARS」を破り、初防衛に成功した。 ワールド王座との2冠王で地元・福岡に凱旋した舞華はこの日、白川&ジーナとの王者トリオで、岩谷&飯田沙耶&羽南の挑戦を受けた。 序盤、STARSの好連係に押され劣勢になったEXVだったが、ジーナが羽南を雪崩式ボムでマットに叩きつけ、形勢逆転に成功。さらに白川の追撃から、舞華が得意のブレーンバスターをさく裂させた。その後も合体技を決めて王者組のペースに引き込むと、最後は舞華が羽南をみちのくドライバーで沈め、3カウントを奪った。 試合後、マイクを持った舞華は「STARS! 今日一番楽しませてもらったのは羽南! お前の成長がすさまじくて、次はお前とも1対1でやりたいよ。それくらいの期待を羽南に感じた。またいつかやろう」と疲労困ぱいの羽南に呼びかけた。 無事、地元凱旋大会を成功させた舞華は「福岡のみんな、ただいま! 何とか防衛することができました」と喜びを爆発させ「EXVは始動したばっか。もっともっと連係技とか精度を高めてまた福岡に帰ってくる。そして、私自身は3冠チャンピオンとして、また地元に帰ってきたいと思います!」と宣言した。 2冠王者の舞華が団体の中心に咲く。
2024年05月19日 05:01
「ボクシング・8回戦」(18日、エディオンアリーナ大阪)
ボクシング元WBC世界バンタム級王者、辰吉丈一郎(54)の次男、寿以輝(27)がスーパーバンタム級8回戦でチャイワット・ブアトクラトック(32)に3−0(77−75、78−74、79−73)の判定で勝利。通算戦績を16勝(10KO)1分けとして、プロデビューからの無敗を継続した。
サウスポーのチャイワットに対し「予想以上にやりにくかった。独特の間があり、腕も予想より長く感じた。届かないと思っていた距離が届いた」と苦戦。パンチを打った後の隙を狙われる場面もあった。3回に両者バッティングで左まぶた、7回はパンチをもらい右まぶたをカット。それでも強気にボディーを浴びせ続け、6回には相手をふらつかせてロープ際まで後退させる一撃も食らわせた。
リングサイドで見守った父・丈一郎は「勝ちかもしれんが、試合内容は意味がない。(相手の攻撃をかわす)立ち位置など、教えた事をやってない」と辛口評価。将来的な国内、アジアのタイトル戦については「絶対無理や。あの程度のレベルでは勝てん」と手厳しかった。対サウスポーではキャリア2戦目で1勝1分けとした寿以輝だが、今後のタイトル戦について「やれるならやりますが、自分からは言えない」と話すにとどめた。
2024年05月19日 05:00
新日本プロレスジュニアの祭典「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア(BOSJ)」Bブロック公式戦(18日、八王子)で、IWGPジュニアヘビー級王者のSHO(34)が高橋ヒロム(34)に2敗目を喫した。
悪の限りを尽くした上で負けた。地元凱旋となったヒロムを大会前のセレモニー中に襲撃し、両手を手錠でつなぎ控室に幽閉。メインイベント開始時点で姿を現したのはSHOただ一人だった。
マイクを握ったSHOは「今日出場を予定していたヒロムさんなんですが、来れなくなったみたいで手紙を預かってきました」としらじらしくウソの状況を説明。リングアナウンサーに手紙を手渡すと「集まってくれたみんなに残念なお知らせがあります。私、ヒロムちゃんは偉大なるIWGPジュニアヘビー級王者であるSHOさまとの対戦に恐れを抱いてしまいました。地元・八王子で惨敗し恥をかきたくないので、ひと足先に実家へ帰らせてもらいました。公式戦はSHOさまの不戦勝にしてください」と、明らかにSHOが書いたと見られる内容で不戦勝を主張した。
もちろんこのままでは終われない。直後に何とか拘束から抜け出したヒロムが登場。Tシャツと体には、小学生低学年レベルの見るに耐えない落書きがされている…。しかも手錠のカギはなかなか見つからず、SHOは長時間にわたって両手を使えないヒロムを痛め続けた。
まったく見つけられないヤングライオンに代わって佐藤健太レフェリーがカギを発見し、戦況が五分になったと見るや今度は「ハウス・オブ・トーチャー」のセコンド・高橋裕二郎が介入。TIME BOMBを決められても、裕二郎が場外からレフェリーのカウントを邪魔して九死に一生を得る。
しかしたび重なる蛮行に対し、ロスインゴ・ベルナブレス・デ・ハポンからはBUSHIが助太刀に登場。裕二郎はトぺ・スイシーダで排除され、SHOはヒロムちゃんボンバーからTIME BOMBを浴びて万事休す。ついに天罰が下り、3カウントが数えられた。
まったくもって王者らしからぬ戦いぶりの末に敗れたSHOだが「オイ、ふざけんなよ。俺は負けてねえよ……ウゥ…オイ、俺はニンジャ・マックに2回勝ってんだよ。今日負けたとしても、その分の点入れとけよ、このクソッタレ! 明日、くそロビー(イーグルス)だろ? 余裕だ、この野郎」と捨てゼリフを吐いて控室へ。熱戦続きのBOSJに、ジュニア王者だけが冷や水をぶっかけまくるという何とも斬新な構図が生まれてしまっている…。
2024年05月18日 23:23
新日本プロレスジュニアの祭典「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」18日八王子大会のAブロック公式戦で、ブレイク・クリスチャン(26)がティタンを撃破し、開幕4連勝を飾った。
初出場のクリスチャンと、昨年準優勝の実績を誇るティタン。ともに開幕3連勝を飾って迎えた全勝対決は、ハイレベルな攻防の連続となった。互いに場外への空中弾を放てば、多彩な打撃合戦を繰り広げ一歩も譲らない。
ダイビングフットスタンプからのジャベ・インモルタルを回避したクリスチャンは、旋風脚でティタンの動きを止めにかかる。なおもトルネードDDTを浴びてダメージを受けてしまうが、走りこんできたところにカウンターのジャンピングニーを発射。そのまま一気にスワンダイブ式450°スプラッシュで3カウントを奪ってみせた。
首位攻防戦を制し、Aブロック単独首位に立ったクリスチャンは「んんー! ちょっと一息つかせてくれ。いやあ、めちゃくちゃいい気分だ。Aブロックで唯一の無敗はこの俺だ。このブロックは俺のものだ。言った通り、これはブレイク・オブ・ザ・スーパージュニアなんだよ」と勝ち誇りつつ、初優勝を誓っていた。
2024年05月18日 22:55
新日本プロレスジュニアの祭典「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」18日八王子大会のBブロック公式戦で、石森太二(41)がフランシスコ・アキラ(24)に初黒星を喫した。
2024年05月18日 22:25
新日本プロレスジュニアの祭典「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア(BOSJ)」18日八王子大会のAブロック公式戦で、エル・デスペラードがケビン・ナイト(27)に2敗目を喫した。
今大会の優勝候補と目されるデスペラードは、得意の足攻めで試合の主導権を握った。しかし、ヌメロ・ドスをロープに逃げられると、ピンチェ・ロコも回避される。ならばとマッケンローで足にダメージを与え、再びヌメロ・ドスを仕掛けた。
だが、これを切り返され、コーナー上の攻防からアッパールームを浴びてしまう。さらにその場飛び式のフットスタンプで踏みつぶされてしまい、最後はスパイクDDTでマットに突き刺され、3カウントを奪われてしまった。
バックステージでは「油断? そんなことはしないよ。BOSJ公式戦だ。たとえ相手がヤングライオンだって、俺は全力だ。今日の俺も全力だった。全力で負けた! 全力で負けたんだ、クソッ!」と悔しさをあらわに。「『決勝で会おう』だ? 待っててやるよ、俺は必ずそこにたどり着く」と、巻き返しを予告していた。
2024年05月18日 22:22
新日本プロレスジュニアの祭典「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」18日八王子大会のBブロック公式戦で、高橋ヒロム(34)がIWGPジュニアヘビー級王者・SHO(34)から2勝目をあげた。
地元・八王子凱旋となったヒロムは、大会のオープニング前にリング上でのあいさつ中にSHOの襲撃を受ける。何と両手を手錠でつながれると、メインの試合開始まで拘束されてしまう。
先に入場したSHOが不戦勝を主張する中、何とか抜け出してリングに登場したヒロムのTシャツと体には、小学生低学年レベルの醜いラクガキが…。さらに手錠のカギがなかなか見つからず、長時間にわたって両手を使えない状態での戦いを強いられた。
まったく見つけられないヤングライオンに代わって佐藤健太レフェリーがカギを発見し、ついにヒロムの両手に自由が戻っても、今度は「ハウス・オブ・トーチャー」のセコンド・高橋裕二郎の介入に苦しめられる。完璧に決まったTIME BOMBは、裕二郎が場外からレフェリーのカウントを邪魔したため、幻の3カウントとなってしまう。
ならばとロスインゴ・ベルナブレス・デ・ハポンからはBUSHIが助太刀に現れ、裕二郎にトぺ・スイシーダを発射。絶好のアシストを受けたヒロムは、ヒロムちゃんボンバーからTIME BOMBで大乱戦に終止符を打った。
試合後のリング上では「SHO、待てよテメエ。なんだかんだ言ってお前すごいよ。俺さ、お前のこと認めてるんだ…なーんて言うと思ったか! 八王子、いや全国の皆さんに謝れバカヤロー!」と悪行三昧だった王者を罵倒。
その一方で「BUSHIさんはAブロック、俺はBブロック…準決勝、決勝で当たる可能性がある俺を助けてくれてありがとうございました。準決勝、決勝でお会いしましょう」と盟友への感謝を口にした。
この日の大会開始前には、6月9日大阪城ホール大会のメインがBOSJ決勝戦になることが発表された。ヒロムは「もちろん大阪城ホールのメインイベントのリングに立つのはこの俺だ。そしてBOSJ31優勝して、また来年八王子に帰ってくるぞ。次の八王子大会で、皆さんのこと、待ってます。残りのBOSJ31も、もっと、もっと、もっと、もっと、みんなで! 楽しもうぜ!」と宣言して大会を締めくくった。
一方でヒロムは、この日の観衆が1639人にとどまり、会場にも空席が目立った現実に対し、切実な思いを吐露した。
「このBOSJ始まって、入りとしては最高(の人数)だったんじゃないかな。たださ、大きい会場だからそれでも空席が目立っちゃうんだよな。5000人規模でもそこを埋めるの大変だよ、でも埋めたいじゃん。もう1回思い出さないと。『プロレスやってるんだ』って知ってもらわないと。日本全国超満員…コロナ前、すごかったよ。でもそんなの過去だよ。(今は)後楽園埋めるのも大変なんだから。悔しいじゃん。恥ずかしいなんてないんだよ、埋めたいんだから」と、コロナ禍以降は動員の苦戦が続く新日本の再興を掲げていた。
2024年05月18日 21:30
女子プロレス「スターダム」のワンダー王座戦(18日、横浜武道館)は、王者の安納サオリ(33)が壮麗亜美(27)を退け、3度目の防衛に成功した。
パワーで上回る挑戦者に終始、苦戦を強いられた。序盤から馬乗り状態でのエルボー、アルゼンチンバックブリーカーを決められ、動きを止められた。さらに覚醒した挑戦者の強烈な張り手で意識がもうろう。何とか延髄斬り、ミサイルキックで応戦するが、2発目をかわされると逆エビ固めに捕獲され、スタミナを奪われた。
それでも目だけは死んでいなかった。23分過ぎ、ラリアートをかわした王者は飛龍原爆固めを発射。さらに最後の力を振り絞り、スピンキックからトラースキックを浴びせる。最後はジャパニーズオーシャン・スープレックスホールドで24分33秒の激闘を制した。
試合後はマイクを握り「壮麗、お前強すぎ。これからも空気読まずにいけよ。お前はそのまま進め」と挑戦者をたたえた。さらに実況席の盟友・なつぽいをリングに呼び出し「もう少し待っててくれる? きっとなつみも、今じゃないと思ってない?」と呼びかける。
なつぽいがうなずくと、2人は指切りして約束。安納は「私もそろそろ、このベルトとともに動き出すかな」と意味深な言葉を残し、バックステージを後にした。
2024年05月18日 21:23
「ボクシング・8回戦」(18日、エディオンアリーナ大阪第2競技場)
22年度全日本スーパーバンタム級新人王の安村綺麗(24)=ディアマンテ=がセミファイナルのフェザー級8回戦でアヌーチャ・トングボー(タイ)に1回2分11秒TKO勝ちし、再起戦を飾った。
2024年05月18日 20:51
「ボクシング・日・中・タイ友好6VS6親善試合」(18日、後楽園ホール)
2人が棄権して4対4になった親善試合は、メインイベントの128ポンド(58キロ)契約10回戦で日本フェザー級7位、WBOアジアパシフィック5位、東洋太平洋6位の中野幹士(28)=帝拳=が、WBCアジア・スーパーフェザー級暫定王者でWBC世界35位のサタポーン・サアート(20)=タイ=に7回1分32秒、TKO勝ちし、日本の2勝2敗という結果になった。
2020年12月以来2度目のメインとなった中野は2回に右フックを効かせ、3回にも左フックでよろめかせたが、その都度復活してくるサタポーンに手を焼き「どうやったら止まるんだろうと。入っても一瞬目が飛ぶけど、また普通になって打ってきた。めっちゃタフだなと思ってやってました」と振り返った。
6回にも左から追い込み、7回に「流れで打ったのが倒れた。感触がなくてビックリしました」と打ち明ける左ボディーでダウンを奪う。すぐに立ち上がってきたサタポーンを左ボディーで止め、めった打ちしたところでレフェリーが試合を止めた。
5試合連続のKO勝ちとなった中野はバックステージで「もっとスカッと勝ちたかったんですけど…」と話したところで泣き出し、「いつもテンカウントで終わっていたのが立たれて、そこはちょっとうれしかった。立たないでと思ったけど、ダウン後の再開は初めてでうれしかったけど、立たないでほしかったですね」と、複雑な思いを口にしてまた涙。「いろんな感情です。うれしいですけど」と、涙の理由を説明した。
セミファイナルでは日本スーパーウエルター級1位の玉山将弥(30)=帝拳=がスーパーウエルター級8回戦で元WBA中国ミドル級王者のヅアン・ファン(28)=中国=と対戦。ヅアンの手数に苦戦し、スプリット判定で惜敗した。
第3試合のフェザー級6回戦では上野永吉(22)=ワタナベ=がダウスリテ(23)=2回1分42秒、中国=のアッパーにTKO敗。
第2試合の138ポンド(62・6キロ)契約4回戦では、timelesz(元Sexy Zone)の菊池風磨の弟・菊池音央(20)=新日本木村=がゴン・エンコン(中国)に1回47秒、TKO勝ちした。
2024年05月18日 20:50
女子プロレス「スターダム」の中野たむが、再起に燃えている。
18日の横浜武道館大会では、米AEW・TBS王者ウィロー・ナイチンゲールに挑戦。168センチ、88キロの相手に果敢に攻め込んだ中野は、張り手の乱れ打ちでベルトへの執念を見せつけた。さらにコーナーに上ったナイチンゲールに、投げっぱなしジャーマンを敢行。一気に流れを引き寄せると、フロントネックロックからの腕固めで勝負に出た。
しかし、AEWのトップ戦線を走る王者からペースを奪えず、ラリアート3連発からのキャノンボールをくらい大の字に。食らいついた中野だったが、最後はデスバレーボムからのベイブ・ウィズ・ザ・パワーボムを決められ、3カウントを献上した。
試合後、疲労困ぱいの中野は「ウィロー・ナイチンゲール、かわいくて強かった! 世界ってすごいな。今日負けたけど、より一層あのベルトが魅力的に見えた」とつぶやいた。
昨年は団体最高峰のワールド王者として活躍したが、10月の同王座戦で左ヒザを負傷。長期欠場に入り、王座返上という悔しさを味わった。2月の復帰後初の王座戦で再起を狙っていたが、王座取りは失敗に終わった。
それでも「すごい悔しいけど、意外と落ち込んでない。全然落ち込んでない! 落ち込んだことないから!」と絶叫。「とんでもない地獄をたくさん見てきたので、まだまだ這い上がりますよ。たむロード、ここからなんで! まだやらなきゃいけないこともいっぱいあるからね」と前を向いた。
2024年05月18日 20:00
人生初のダウンと、そこから挽回しての衝撃的なKO劇。2024年5月6日に行われた井上尚弥vsルイス・ネリによる世界スーパーバンタム級4団体統一王座戦は、終わってみれば怪物・井上尚弥の圧勝で幕を閉じた。東京ドームで試合を観戦していた『怪物に出会った日 井上尚弥と闘うということ』著者の東京新聞・森合正範氏と、ボクシング専門YouTubeチェンネル「BOXING and BOXING」運営者(B&B氏)が、試合を振り返りつつ、「井上選手はさらに階級を上げるべきか」「今後、見たい対戦カード」「引退の仕方」などについて語り合った。
※本文中の写真は井上尚弥vs.ネリ戦のものではありません。ご了承ください。ダウン直後のネリの左パンチ。勝敗を分けた井上の対応
B&B僕がやっている井上vsネリ戦のYouTube解説動画のなかで、伝え忘れたなと思ったことがあるんです。僕はあの試合で、勝敗の鍵を分けた場面の一つとして、井上選手のダウンの直後にネリが打ってきた1発目の左のパンチがあったと思うんです。
森合ありましたね。
B&Bあれをダッキングでかわせたというのがものすごく大きいと思うんです。井上選手はダッキングしながら、一応ブロックを固めているんですけど、もし、ネリの左フックをダッキングではなくて、後ろに下がってブロックで受けていたとしたら、その後の展開は違ったんじゃないか、と。
ネリ選手は体にパンチが当たると、どんどんそこから回転を上げていって乗ってくるコンビネーションパンチャーじゃないですか。なので、そこで体に触れさせずに、ちゃんと空振りをさせて、クリンチで5秒から10秒ほど時間を稼げたっていうのは、大きいポイントだなと思いました。試合後のネリが語ったこと
森合試合後にネリ選手の関係者から聞いたんですけど、ネリ選手が唯一すごく後悔してるのが、あの1ラウンドでもっとガンガン行けばよかったと。あそこで仕留めておけばよかった、もっと行くべきだったと言っていたそうです。
ただ、私の感覚では、ネリ選手はやるべきことはやっていたのかなとは思うんです。それ以上に井上選手が優れていた。
あのクリンチも含めて、ノニト・ドネア戦の初戦など、井上選手はクリンチもちょっと難しそうにやっていたじゃないですか。
B&Bそもそも、井上選手はそれまで試合中にクリンチをした経験がほとんどないですから。
あの場面で空振りをさせてクリンチを取るということがどれだけ難しいか。それこそ山中さんがネリにダウンを奪われた後の展開とかを見直しても、うまく空振りさせて、即座にクリンチをしにいくという動きが、いかに高度な技術なのかわかります。
しかも、その前にダウンしても冷静にカウント8まで待って立っています。正直、ネリのパンチは効いていたと思うんです。
森合リングサイドにいたカメラマンの方も、試合後に「効いていたと思うよ」と言っていましたが、そこから立て直すって、どういう対応力なのかと驚きました。今まで見たことのないモンスターの一面が見られたなと思います。
B&B逆にいいドラマになってくれましたよね。あのダウンがあったおかげじゃないですけど。インターバルの間に、ネリのパンチの軌道をモニターで確認
森合井上選手は1ラウンド終了後のインターバルのときに、ちゃんと映像で確認しているんですよね、あのネリ選手の左フックの軌道を。
私は試合前にリングの近くまで行ったのですが、コーナーの選手から見えるようにモニターが置かれていたんです。井上選手は1分間のインターバルの間に、そのモニターに映ったネリ選手の左フックを見て、軌道を確認しています。どれだけ冷静なんだ、と。
B&Bあの後、本当にネリ選手の左フックが当たらなくなりましたからね。結構危ないタイミングで飛んできた左フックも何度かありましたが、すべて芯を外していました。本当に冷静だなと思います。
逆に言えば、ダウンを奪ったネリ選手の最初の左フックに関しては、単純にネリ選手があっぱれだなと。あそこであのパンチを打てるのかっていう。
森合そうですね、ちょっと普通の感覚ではないですもんね。完全に体が密着した状態で、ネリ選手は井上選手のことも見えていなかったと思います。そういうときに左ボディーを打つのはまだ理解できるんですけど、あそこで左フックを大きく振ってくるというのは、普通のボクサーの頭の中にはないでしょうね。
だから本当にすごくいい選手だなっていうのは感じました。
B&B試合後のドーピング検査の陽性反応だったり、体重超過だったりとか、文句をつけたくなるポイントはあれど、それでもやはり山中さんにああいう勝ち方をしている選手が弱いわけはない。最後まで前に出る姿勢を崩さなかったネリ
森合しかも最後まで勝ちにいく姿勢を貫きました。井上選手と闘って前に出るのがどれだけ勇気があって難しいことか。
『怪物に出会った日』でも書いたのですが、井上選手のパンチを一発喰らうと、皆さん驚くんです。拳の堅さやスピード、威力、これまで喰らったことがないパンチに驚いて、少し下がってしまったり、自分のスタイルを貫けなかったり。
ネリ選手は2ラウンド目以降はパンチこそ当たらなかったものの、最後まで前に出る姿勢で、自分のファイトスタイルを貫いた。そういう意味では、素晴らしい選手だったなって思いますね。
B&B本当ですよね。ネリ選手がネリ選手として闘ってくれたおかげで、あの試合はあそこまでいい試合になった。これはYouTubeでも言ったのですが、ネリ選手の2回目のダウンの後の攻防について。井上選手は身体をオープンにしながら、フィニッシュを狙ってパンチを打つ。そのタイミングでネリ選手が一発、左のカウンターを合わせているんです。あれは本当に危なかった。
もちろん、井上選手もネリ選手が打ってくるというのはわかっていて、パンチも見えていたんでしょうけど、ネリ選手のポジショニングも左のカウンターを狙える位置に足を置いていたりして、いいところで打てていた。「あぁ、やっぱりちゃんと勝ちに来てるな」と思いました。
森合そうですよね。最後までその姿勢を貫いて、本当に一発当たるとどんどん連打でリズムに乗ってくるタイプなので、後で映像を見返したら井上選手がパンチをすべてかわしていることがわかりましたが、会場で見ている限り、最後の最後までハラハラ感というか、スリルがありました。あの初回のダウンがあるとなおさらです。計量での「500gアンダー」をどう考えるか
B&Bそのネリ選手ですが、試合前日の計量で体重が500gアンダーでした。これは世界戦では極めて異例のことで、体重を落としすぎたんじゃないかというような見方もありました。
森合私も明らかに調整ミスだと思いました。
B&B僕の意見は逆で、500gアンダーができるくらい、余裕をもってコンディショニングできていたんじゃないかなっていう見方でした。山中さんとの試合のことがあり、井上選手が所属する大橋ジム陣営も、ネリの体重調整に対してセンシティブになっていましたよね。
それもあって多分、ネリ選手は過去にないほどに体重も含めて、何カ月も前から試合に向けたにコンディショニングをしてきたんじゃないかな、と。
森合結果的にその見方が正しかったということですね、リング上のファイトを見れば。
私は計量会場にも行ったのですが、スーパーバンタム級の55.3kgの体重制限に対して、普通なら55.2とか55.1とかいう体重になるところ、54.8kgと言われて、どういうこと? って。
計量の後、ジュースを飲んだり、甘いものを食べたりしたそうですが、そもそも、本番の計量の3時間前に事前計量があって、さらに30分前には予備計量をやっています。体重を減らしすぎたら、その間に水を飲んだり、食べ物を口に入れたりとかするわけです。なんで、事前計量と予備計量の間にそういうことをしなかったのか。杜撰というか、なんというか、日本人の感覚ではわからない。
B&Bネリ選手側の視点で考えると、自分が悪役キャラということは理解していたはずです。そんなことは実際は起こらないのですが、もし体重計に細工でもされたらとか、心配したのかもしれない。この試合、どんな間違いが起きたとしても絶対に実現させるんだっていう強い気持ちの表れが、その500gアンダーに出たのかなっていう。
森合この500gアンダーの件があって、私は前日時点ではネリ選手は調整にしくじったのかなと思っていたんですけれども、全然違って……。
逆になんかネリ選手にすごく興味が出てきたんですよね。500gアンダーの精神性とか聞いてみたいです。では、なぜ山中戦のときはあれだけ体重超過したのか。何と言うか、得体の知れない、人間としての強さみたいなものを感じるんです。
B&Bそれこそ、『怪物に出会った日 パート2』ということで、ぜひネリ選手にも取材してほしいです。
森合(苦笑)
森合B&Bさんが解説動画でおっしゃっていましたが、「モンスターの仮面が剥がれたと思ったら、またモンスターが出てきた」。まさにその通りだなと思いましたね。
第3回記事【スーパーバンタム級わずか3戦で早くも騒がれる井上尚弥「フェザー級転向」を考える】に続きます。
「無敗での引退」を口にし始めた井上尚弥。次の東京ドームで観たい「対戦カード」を語ろう
2024年05月18日 19:31
女子プロレス「スターダム」のハイスピード王座戦(18日、横浜武道館)は王者・上谷沙弥(27)が、飯田沙耶(26)を退け初防衛に成功した。
2024年05月18日 19:19
女子プロレス「スターダム」のIWGP女子王者・岩谷麻優(31)が、次期挑戦者にアイスリボンの藤本つかさ(40)を電撃指名した。
18日の横浜武道館大会で岩谷と「シンデレラ・トーナメント」覇者の羽南の「アイコンタクト」は、藤本、シードリング・中島安里紗の「ベストフレンズ」と対戦。藤本が4月27日横浜BUNTAI大会を訪れたことで、途絶えていたスターダムとアイスリボンの交流が再開された。
だが、タッグ屋とて百戦錬磨のベストフレンズを相手に、アイコンタクトは苦しい展開が続いた。序盤は羽南がつかまり、岩谷も敵軍の猛攻にさらされた。それでも15分過ぎには岩谷のトペ・スイシーダと羽南のプランチャ同時発射で一矢を報いるが、ここから勝機をつかめない。
20分過ぎには藤本の日本海式竜巻原爆固めから中島のダイビングフットスタンプをくらった岩谷が戦線離脱に追い込まれると、残る羽南が藤本のたいようちゃん☆ボムで3カウントを奪われた。
試合後、涙目の岩谷は「ベストフレンズ、めちゃめちゃ強すぎるって。久しぶりに心が折れました…」と素直に藤本&中島をたたえた。だが、続けて「だから次、藤本つかさ、IWGPをかけて私と戦ってください」と訴えた。
藤本も「わかってるよ。岩谷麻優はこんなもんじゃないって。IWGP、ぜひやらせてください」と快諾。ただし「1つ条件があります。次、対戦する時はウチに乗り込んで来い!」と付け足した。
岩谷は2019年度の「プロレス大賞」女子プロレス大賞受賞者で、前年度の受賞者が藤本だった。これでV6戦での対戦が決定的となった岩谷は「あと中島安里紗、肋骨折れたわ。フットスタンプのせいでヤマいった。引退、先延ばしにしろよ」と8月に引退する中島に呼びかけ、腹部を押さえながらリングを後にした。
2024年05月18日 19:00
◇プロボクシング62・6キロ契約4回戦(2024年5月18日 東京・後楽園ホール)
人気アイドルグループ「timelesz」の菊池風磨の弟で、プロボクサーの菊池音央(ねお、20=新日本木村)が再起戦で自身初のKO勝利を収めた。後楽園ホールで開催された日中タイ親善試合に出場。ゴン・エンコン(中国)に1回47秒TKO勝ちし、昨年9月以来の白星でプロ戦績を2勝2敗とした。
開始ゴングと同時に猛攻。左右のフックを思い切り振り、ボディーも交えて相手を圧倒した。きれいな右ストレートが決まったあとは休まず攻め立ててレフェリーストップ。兄・風磨も見守る中の”秒殺”に「もう目をつぶっていくしかないと。目はつぶらなかったんですけど(笑い)。もうちょっとスコーンと倒したかった。止められるんじゃなくて」と初KO勝利の感触を口にした。
昨年11月の東日本ライト級新人王トーナメント決勝で判定負け後、元WBC世界フライ級王者・比嘉大吾(志成)らを指導する野木丈司トレーナーの練習に参加。課題と感じていたフィジカル面を強化するため、階段ダッシュなど過酷なメニューに取り組んできた。試合開始からの猛攻はかつての比嘉をほうふつさせるもので、「野木さんにも”体力温存で1R目からいかない選択をするとズルズルいく”と言われて。階段ダッシュでも1回目から飛ばして、スパーリングも1Rで体力が切れてもいいと(やってきた)。今日はできたすね」と自己分析した。
計量前の2日間で5キロもの減量。2日前に練習で体重を3キロ落としたあと、胸とのどが痛くなってきたという。「(症状を)調べたら心不全になるんじゃないかとネガティブになって。試合が終わったら死んでるんじゃないかと、軽い遺書を家族に書いておいた」と明かし、「帰ったら回収しないと」と話して笑わせた。1週間後からは再び”野木トレ”に参加予定で「月曜日(20日)だけ心不全の検査を受けないと」とおどけたが、「ここから積み上げていきたい」とつかんだ自信をかみしめた。
2024年05月18日 18:59
「ボクシング・日・中・タイ友好6VS6親善試合」(18日、後楽園ホール)
timelesz(元Sexy Zone)の菊池風磨の弟・菊池音央(20)=新日本木村=が、138ポンド(62・6キロ)契約4回戦でゴン・エンコン(中国)に1回47秒、TKO勝ちした。
入場ではゴンが「ドラゴンボール」、菊池が「NARUTO」の楽曲で入場と、ジャンプ対決になった一戦。菊池は左ジャブから「めっちゃ当たる」とラッシュした。一度は途切れたが、右でよろめかせると再度のラッシュでレフェリーストップを呼び込み、NARUTOのポーズを決めた。
初のKO勝利を飾った菊池は「体力が切れていいから、行く時は温存しない」作戦だったと説明。練習でも階段ダッシュやスパーリングなども1本目、1ラウンド目から飛ばすようにしていたという。
減量は計量の2日前に3キロ、前日に2キロ落としてクリアしたものの、ノドと胸が痛くなり「減量に失敗した」と感じた。試合前には「家族に向けて軽い遺書を書いた」と打ち明けるほど体調が不安になったが、計量後のリカバリーは順調で試合も快勝。「過去イチ。あんなに1ラウンドで飛ばしたことはスパーリングでもない」といい、47秒殺は「1分半以上」に感じたと振り返った。
KO勝ちにも「スコーンと倒したかった」と満足することはなかった菊池。戦績を2勝2敗の五分に戻して「ここから積み上げていきたい」と先を見据えていた。