2024年04月27日 12:02
4勝はメジャートップに並ぶ 米大リーグ・カブスの今永昇太投手は26日(日本時間27日)、敵地レッドソックス戦に先発し、6回1/3を投げ1失点の好投でメジャートップに並ぶ今季4勝目を挙げた。デビューから5試合で防御率は0.98。MLB公式が「ファンタスティックなスタート」と伝えたのをはじめ、米国の記者は次々に称賛の言葉を残している。 今永は3回まで走者を1人も出さない絶好の立ち上がり。3-0とリードした4回、1死からオニールに左翼へ8号ソロを浴びたものの、崩れることなくアウトを重ねた。7回に先頭のダルベッツに内野安打を許し、バルデスを右飛に打ち取ったところで降板。被安打5本、7奪三振、1四球という好投で、防御率を0.98とした。 MLB公式Xは、今永のこの日の登板で残した数字を列挙し「ショウタ・イマナガ、MLBキャリアのファンタスティックなスタート継続中」と称えた。米イリノイ州地元紙「シカゴ・トリビューン」のカブス番メーガン・モンテムロ記者はXで「ショウタ・イマナガがまたも素晴らしいパフォーマンス」と、好投を続けているのに驚いている。 さらに米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」のカブス担当、サハデフ・シャルマ記者は立ち上がりの安定感に注目。Xで「ショウタ・イマナガがフェンウェイでの最初の3回を簡単に片付ける。一人も塁に出さず4奪三振、わずか32球で終える」とつづった。 今永は4月1日(同2日)のロッキーズ戦でデビューしてから好投を続けており、4試合目の先発となる20日(同21日)のマーリンズ戦まで自責点がなかった。その試合も6回3失点(自責2)にまとめており、驚異の安定感を見せている。 (THE ANSWER編集部)
2024年05月09日 09:09
米大リーグ(MLB)、ロサンゼルス・ドジャース(Los Angeles Dodgers)の大谷翔平(Shohei Ohtani)選手の元通訳の水原一平(Ippei Mizuhara)容疑者(39)が、ギャンブルでつくった借金返済のため大谷選手の銀行口座から1700万ドル(約26億4500万円)近くを不正送金した罪を認めることに合意したと、米司法省が8日に発表した。
司法省によれば、水原容疑者は銀行詐欺の罪1件と虚偽の確定申告をした罪1件を認める。銀行詐欺は最長で禁錮30年、虚偽の確定申告は同3年を科される。
水原容疑者は数週間以内に正式に有罪答弁をする見通しで、14日にロサンゼルス市内で罪状認否が予定されている。
連邦検察のマーティン・エストラーダ(Martin Estrada)検事は声明で、水原容疑者による「詐欺と窃盗の程度は甚大だ」と指摘し、「信頼されている立場を使って大谷氏を利用し、危険なギャンブル依存症を助長した」とした。
また、米内国歳入庁(IRS)の犯罪捜査部門で特別捜査官を務めるタイラー・ハッチャー(Tyler Hatcher)氏は、捜査の結果、水原容疑者が「大谷氏から盗みをはたらいただけでなく、自身の所得に関してIRSに虚偽の報告をした」ことが判明したと述べた。
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2024年05月09日 08:33
◆ 鈴木誠也がマイナー復帰戦で2安打
右脇腹痛により負傷者リストに入っているシカゴ・カブスの鈴木誠也外野手(29)が現地時間8日、球団傘下3Aアイオワ・カブスの公式戦で実戦復帰。「2番・右翼手」で先発出場し、2安打を放った。
鈴木は初回の第1打席、無死一塁から内角のフォーシームを上手く捌いて右前安打を放つと、右翼手が三塁へ送球する間に二塁へ到達。さらにこの送球がスタンドに入り、鈴木は三塁へ進塁した。
2回裏の第2打席では、甘く入ったチェンジアップを捉え、中前安打。次打者マービスの中前安打で一気に三塁を陥れた。
4回裏の第3打席は四球で出塁。次打者マービスへの2球目で二塁への盗塁に成功した。この後5回表まで守備に就き、5回裏に打順が回ってきたところで代打が送られ、ベンチへ下がった。
この試合の鈴木は2打数2安打、1四球、1盗塁。3打席全てで出塁し、積極走塁を披露。現地時間10日から始まるパイレーツ3連戦での復帰に向け、復調をアピールした。
今季3年目の鈴木は、開幕から15試合に出場し、打率.305、3本塁打、13打点、OPS.893をマーク。日本人選手第1号本塁打を放つなど好調なスタートを切っていたが、現地時間4月15日に負傷者リスト入り。約3週間ぶりの実戦復帰を果たした。
2024年05月09日 08:20
オリックス・山崎颯一郎「勝ちパターンで投げることができる状態を」
輝く舞台を知るからこそ、少しでも早く戻る準備を整える。2軍調整中のオリックス・山崎颯一郎投手が復調気配を漂わせている。「状態は上がってきていますし、真っすぐのデータの数値を見ても、昨年とほぼ同じくらいに戻って来ています」。4月14日に出場選手登録を抹消。そこから約20日が過ぎた大阪・舞洲の球団施設で、近況を語った。
4月10日の楽天戦(京セラドーム)、4-4の延長10回から登板。不運な当たりも含め4安打を浴び、勝ち越しを許して負け投手となった。その直後、開幕から4試合に登板しただけで戦列を離れることになった。
プロ8年目の今季、キャンプから抑え気味の調整を続けていた。開幕には間に合わせたが「ずっと自分が思うような球は、正直に言って投げることはできていなかったのですが、何とか間に合わせたんです」と万全の状態ではなかったという。
「出力も勝手に上がるんで」と、マウンド上で湧き出るアドレナリンにも期待したが「勝ち試合で投げられるような状態というか技術まではいっていなかったんです。(中嶋)監督とも話して、勝ちパターンで投げることができる状態を作っています」と打ち明ける。復活への鍵は「自分の気持ちの問題」
ウエスタン・リーグで登板する中で、投球フォームは固まりつつある。4月30日の阪神戦では球速155キロをマーク。「やっと、バッターをどう抑えようかという気持ちになれました。それまではいろいろ試しているからいつもと違うところがあっても仕方がないのですが、固まらないから迷いがあって、自分と戦っているようでした」と振り返る。
出口は見えている。「データに見えない何かがあるのは、僕もわかっているんです。最後の(指の)かかりとか(ボールの)押し込みとかがあるんです。あとはもう『自分の気持ちの問題』になってくると思います」。
復調のバロメーターは、ストレート。「バッターが真っすぐだとわかっていても差し込まれるくらいのボールを求めています。狙っている真っすぐで空振りが取れたり、前に飛ばなくなったりしてきたら自信になりますね」と、自己最速を更新する160キロ超を目指す。
3連覇に貢献した昨季は53試合に登板し、胴上げ投手にもなった。「去年、上(1軍)であれだけ投げていただけに、(今は)充実感がないですね。やっぱ、上で投げたいですね」。迷いなく腕を振ることが、復活の近道だとわかっている。(北野正樹 / Masaki Kitano)
2024年05月09日 08:10
大谷翔平の“ゴミ拾い”に「運を拾ってる!」
■ドジャース 8ー2 マーリンズ(日本時間8日・ロサンゼルス)
ドジャース・大谷翔平投手の“聖人”ぶりがファンの間で話題となっている。
2024年05月09日 08:03
銀行詐欺と虚偽の納税申告の罪状を認めたと発表
米連邦検察は8日(日本時間9日)、大谷翔平投手の元通訳・水原一平容疑者が、銀行詐欺と虚偽の納税申告の罪状を認めたと発表。合意書の中では、大谷から約900万円をだまし取った手口についても記載されている。
水原容疑者は大谷の口座を使い、転売目的で野球カードを購入。これまでの報道で、2024年1月〜3月の間に、オークションサイト「eBay」などで水原容疑者が大谷の口座を使って32万5000ドル以上(約5050万円)を使ったことが判明していた。
さらに今回、新たな手口も判明。2023年9月に水原容疑者は、大谷に歯の治療費として6万ドル(約930万円)の小切手を切らせ、その分は自身の口座に預け、治療費の分は大谷のデビットカードを使用して支払いを行ったとしている。
その他にも、銀行から金銭を取り出すために、24回も大谷になりすまして銀行に電話していたことも判明している、水原容疑者が認めた銀行詐欺の罪状は、最高刑では連邦刑務所で禁固30年となり、そして虚偽の納税申告に対して罪状を認めたことについては、最大で3年の禁固刑になるとしている。
マーティン・エストラーダ連邦検事は、「(水原容疑者による)騙す行為と窃盗は巨大なものだ。彼は信頼される立場を利用し、Mr.オオタニに付け込んだ。我々のオフィスはコミュニティを通じて被害者が守られるために尽力しており、悪事を働いた人物に裁きが下るように努める」とコメントしている。(Full-Count編集部)
2024年05月09日 08:00
東海ラジオの制作で、ニッポン放送ショウアップナイターでも放送された8日の中日−巨人戦で解説を務めた山本昌氏が、巨人の勝ち試合の9回について言及した。
守護神・大勢が4日に一軍登録抹消され、抑え投手が不在となったが、西舘勇陽、バルドナードと力強いストレートを投げる投手がいる。
山本氏は大勢不在の間、抑え投手について「打順によって併用でいいのかなという感じがしますけどね」と自身の見解を述べ、「左が並んでいるならバルドナード投手が8回に行って、9回が西舘投手。逆の場合だったら、9回に左が並んでいるならバルドナード投手がいってもいいし」と続けた。
山本氏は「今日(8日)の西舘投手の真っ直ぐは凄かったですよ。ちょっと2試合くらい失敗して負けがつきましたけど、今日の真っ直ぐは勢いがありましたね。キャッチャーミットに入り際がすごい強かった。これだったら抑えでもいけるなという気がしましたから」と西舘のストレートを絶賛した。
(提供:東海ラジオ ガッツナイター)
2024年05月09日 08:00
「阪神1−3広島」(8日、甲子園球場)
ベンチで勝ち越しの瞬間を見届けると、広島・大瀬良大地投手は両手を広げて喜んだ。報われたのは106球の力投。苦しんだからこそ、1勝の価値を改めて思い知る。昨年10月の右肘手術後初勝利。「すごくうれしい。七回まで投げられて良かった」と充実の笑顔がにじむ。7回4安打1失点。ようやくエースの頭上に白星が点灯した。
1点リードの三回。中野に同点適時打を許すも、以降は本塁を踏ませなかった。四回以降はカーブの割合を増やし、それが奏功。五回からは無安打投球で「(カーブが)打者の頭にないような球種になったかな。違う自分が出せたかなと思う」と納得顔で振り返った。
六回2死で佐藤輝を空振り三振に斬って、プロ通算1000奪三振を達成。「ベンチで『あと1個、頑張れ』と言われていた。狙って取ったわけではない」と右腕。その言葉通り、三振へのこだわりはない。むしろ、こだわることをルーキーイヤーに断念した。
1年目の春先、各チームと2巡目の対戦で攻略された。「全然歯が立たなくなって。三振にこだわっていたら生きていけないなと。とにかく、どんな形でも目の前のアウト1個がほしかった」。打ち取り方に固執するのはやめた。そうじゃないと生き残れなかった。勝負の形を必死に模索したからこそ、今がある。
チームは勝率5割に復帰。「僕自身、この勝ちをきっかけに乗っていきたいし、チームもこんなもんじゃないと思っている」。大瀬良の逆襲が、甲子園で幕を開けた。
◆通算1000奪三振 広島の大瀬良投手が8日の阪神戦(甲子園)の六回に佐藤輝から空振り三振を奪って達成。プロ野球157人目。初奪三振は14年4月2日のヤクルト戦で古野から。
2024年05月09日 07:40
イチロー氏は引退会見で大谷に言及…“一刀流”による大活躍を予言していた
ドジャース・大谷翔平投手は7日(日本時間8日)の本拠地・マーリンズ戦終了時点で37試合に出場し、“リーグ10冠”を記録している。
2024年05月09日 07:30
◆ 痛恨のエラーに苦言を呈す…
雨が降ったり止んだりとハッキリしない天候同様、試合の流れも行ったり来たり。そんなゲームの分かれ目は試合成立後の6回だった。
初回に3点を失いながらも、その後はノーヒットと尻上がりに調子を上げ、5回まで77球で凌いでいだ石田健大を三浦監督はここまでと判断。6回のアタマから中川虎大にスイッチしたが、この継投が結果的には誤算となった。
ビハインドながらわずか1点差と追い上げムードの中、ヤクルトの強力クリーンアップと対峙した中川虎だったが、ヒット2本と四球であっという間に無死満塁のピンチを迎えてしまう。すると1死後、中村悠平に押し出し四球を与え1点を失うと、続く北村拓己のライトフライを度会隆輝が痛恨のエラー。手痛い1点を追加され、スタジアムには重々しい空気が充満した。
流れを失ったDeNAは、4番手の森唯斗もドミンゴ・サンタナに一発を喰らいリードを広げられると、打線もヤクルトリリーフ陣の前に沈黙。8回裏に筒香嘉智が凡退すると、球場を後にするベイスターズファンも目立った。
試合後三浦監督は石田健大に「調子はそんなに悪くなかったと思いますけど、ボールの走り自体は悪くなかったです。でも高かった分、 立ち上がりね、ちょっとやられてしまったかなと。その後、よく修正したかなと思います」と及第点評価。
交代の決断には「クリーンアップで打順の回りもありましたし、ちょっと向こうもタイミングが合ってきた感じだったんで、そこで変えました」と説明した。
打線に関しては「なんとかツーアウトからでも食らいついていくことはできたと思うんですけど…繋がりがちょっと今日はなかったですね」とコメント。度会のエラーには「風はずっと吹いてますし、ホームグラウンドですし。まだ本人と確認は取ってないですけど、ホームに投げるのを焦ったのか…でもまず捕ってからですからね。まだまだ課題は多いです」と苦言を呈した。
それでも1打点、マルチヒットに好守備と躍動した京田陽太に「安定した守備も見せてくれてますし。出たり出なかったりっていうところでも、しっかりと常にいい準備をしてくれてるからこその結果だと思います」と高評価。
また1死満塁の厳しい場面で、オールストレートで青木宣親をピッチャーゴロ併殺打に斬って取った今季初登板の坂本裕哉に「あの場面で今期初登板でしたけど、自分のやってきたことを、しっかりと。最高の結果を出してくれましたし、続けてほしいなと思います。腕の振りもそうですし、スピードもそうですけど、ボールの切れも出ていたかなと思います」と新戦力の台頭に手応えも感じ取っているようだった。
一昨日の勢いを活かせず、再び借金生活となってしまった三浦ベイスターズ。しかしゴールデンウィークは5勝3敗と勝ち越した結果を前向き捉え、週末から王者・阪神に挑んでいく。
写真・取材・文 / 萩原孝弘
2024年05月09日 07:30
秋元真夏さんの始球式に「楽天のピッチャー陣デレデレやんけ笑」
乃木坂46の元メンバー、秋元真夏さんが3日、楽天モバイルパーク宮城で行われたロッテ戦で始球式を行った。背番号31のユニホームにショートパンツ姿での投球。見守った楽天の荘司康誠投手らは「ナイスボール!」と拍手を送り、サムアップポーズも披露した。
秋元さんの楽天戦での始球式は2022年4月以来、2度目。マウンドに登場すると深々と頭を下げ、大きく息を吐いてセットポジションから投球。ワンバウンドになったが弾ける笑顔に、スタンドからは大きな拍手が起きた。
この様子を「【密着】秋元真夏さん始球式の裏側」と題して、楽天が球団公式YouTubeで特集。舞台裏を“目撃”したファンは「真夏さんほんまかわいい」「荘司ウキウキでほんま微笑ましい」など、興奮気味にコメントしている。
さらには「お馴染みのショーパンスタイルも可愛すぎる」「愛嬌あって可愛い」「まなちゃんが隣に居れば誰でもニヤニヤしちゃうよねぇ」「楽天のピッチャー陣デレデレやんけ笑」「真夏さんが始球式やった試合は3戦3勝の勝率10割だから正に勝利の女神です」などの声も上がっていた。
秋元さんは球団を通じて「2年前にも楽天モバイルパーク宮城で投げさせていただいたのですが、その時よりも緊張してしまいました。今日の投球を採点すると80点ですね。前回と同じく、楽天イーグルスが大好きな(乃木坂メンバーの)久保史緒里からアドバイスをもらいました。ワンバウンドしてしまいましたが、もらったアドバイスを生かすことができたと思います」とコメントしている。(Full-Count編集部)
2024年05月09日 07:27
銀行詐欺と虚偽の納税申告の罪状を認めたと発表
米連邦検察は8日(日本時間9日)、大谷翔平投手の元通訳・水原一平容疑者が、銀行詐欺と虚偽の納税申告の罪状を認めたと発表。合意書の中では、新たな事実も明らかとなった。
水原容疑者は大谷の口座から送金を行うため、大谷になりすまして銀行に認証の電話をしていたとされている。発表によれば、銀行員に対し、大谷になりすまして電話した回数は「24回」にも及ぶとされている。そして大谷から総額で1697万5010ドル(約26億3000万円)を盗んだと報じている。
マーティン・エストラーダ連邦検事は、「(水原容疑者による)騙す行為と窃盗は巨大なものだ。彼は信頼される立場を利用し、Mr.オオタニに付け込んだ。我々のオフィスはコミュニティを通じて被害者が守られるために尽力しており、悪事を働いた人物に裁きが下るように努める」とコメントしている。
水原容疑者が認めた銀行詐欺の罪状は、最高刑では連邦刑務所で禁固30年となり、そして虚偽の納税申告に対して罪状を認めたことについては、最大で3年の禁固刑になる。(Full-Count編集部)
2024年05月09日 07:25
● カブス 0−3 パドレス ○
<現地時間5月8日 リグリー・フィールド>
サンディエゴ・パドレスがカブス打線を1安打に封じ、カード勝ち越し。
2024年05月09日 07:20
藤田宗一氏はロッテ入団から7年連続Bクラス「優勝は絶対ないと思ってた」
ロッテを始め3球団で600試合全て救援登板したサウスポーの藤田宗一氏は、1998年のロッテ入団から7年間はBクラスしか知らなかった。しかし、2005年はリーグ優勝を飾り、一気に日本一に駆け上がった。「ロッテのユニホームを着て優勝は絶対ないと思ってましたから。あんなん味わえるとは。ロッテに来てよかったです」。冗談交じりに感激のシーズンを回想する。低迷球団は如何にして変身したのだろうか。
2005年のロッテはスタートダッシュに成功。4月終了時点で首位に立った。この年から日本球界では交流戦が実施された。「オープン戦ではなく、セとやれるのは楽しみでしたね。自分たちがどれぐらいのレベルなんかな、という気持ちがありました」。
ロッテは5月から6月半ばの36試合を24勝11敗1分け。交流戦の初代王者に輝いた。「これで今年はいけるんじゃないか。みんなで話していましたね」。前年までの雰囲気とは明らかに異なり、上位進出へチームは自信を深めた。
試合運びでも勝利の方程式が確立された。ゲーム終盤を薮田安彦、藤田氏がつなぎ、最後は抑えの小林雅英で逃げ切る形。3人の頭文字をアルファベットで表現した「YFK」だ。
藤田氏は共に年下の戦友を頼もしそうに評する。「ヤブは自己中心ってわけじゃないけど、自分の事をきっちりやるという感じ。マサはキャッチボールやウエートトレーニングを一緒にやったり、『飯に行くぞ』の仲でした」。出番の順も「相手が左バッターなら大体僕ですから」。トリオの呼吸は抜群だった。誕生日にリーグ制覇…日本S第1戦は濃霧コールドで「ついてる。休めた」
藤田氏は、「YFK」は実は「パクリ」だったと記憶する。阪神のジェフ・ウィリアムス、藤川球児、久保田智之の3投手のリレーで締める「JFK」が先に騒がれていた。「ロッテの担当記者の方たちにも言いましたもん。『YFKって、パクリやん』って」。
ロッテはレギュラーシーズンでソフトバンクに逆転されたものの、2位でプレーオフに進出した。当時はプレーオフを制したチームがリーグ優勝。「勢いがあって、誰もが負けないと思っていたんです。普通にやれば勝てると」。第1ステージでレギュラーシーズン3位の西武に2連勝。敵地でソフトバンクと激突した第2ステージを3勝2敗で制し、パの頂点に立った。
優勝決定日の10月17日に藤田氏は3番手で勝利投手。この日は自身33歳のバースデーでもあった。「前日はチームは負けて2勝2敗のタイになったんですけど、『こりゃ俺の誕生日にいいプレゼントになるな』と心の中で考えてました」。予感を現実にした夜はビールかけの後も、誕生日を祝うために予約していた福岡市内の韓国料理店で痛飲した。喜びは二重奏だった。
日本シリーズは奇しくも必勝パターンの“本家”阪神との激突となった。それでも、ノリノリのロッテに怖いものなどなかった。「野手陣がJFKは打てるって言うんです。全然怖さがない。パの方がパワーピッチャーが多く、レベル的に凄いんだ、と」。
藤田氏は初戦で日本一を確信したという。本拠地・千葉マリンに濃霧が立ち込め、10-1で7回裏1死コールド勝ち。投手は先発の清水直行だけで賄えた。「濃霧なんて、まずないでしょ。あの時点で、こっちがついてる。中継ぎも休めましたしね」。第2戦は10-0、甲子園に舞台を移した第3戦も10-1と圧倒して王手をかけた。敵地の熱狂的な阪神ファンも「呆れてたみたいですね。ロッテを応援してくれる声が聞こえました」。
第4戦は初めての接戦。ロッテは「YFK」、阪神も「JFK」の6人全員が登板した。ロッテが3-2でしのぎ切り、ストレートでけりを付けた。両チームの総得点“33-4”は当時、大きな話題になった。
大舞台で強烈なインパクトを残したロッテの認知度は急上昇した。「そうですね。そこはやっぱり人気のある阪神さんのおかげ。JFKのあの3人のおかげです」。藤田氏は会心の1年を振り返った。(西村大輔 / Taisuke Nishimura)
2024年05月09日 07:10
◆ 「捕ることを第一優先にしてれば捕れた」
DeNAがヤクルトに完敗。貯金生活を目論んだが、逆に借金生活となってしまった。先発の石田健大が初回に3点を許すスタートながらも、打線もヤクルト先発の吉村貢司郎から2回3回と連続して加点。ゲームの行方はまだまだわからない1点ビハインドの6回、この回からマウンドへ上がった中川虎大が連打と四球で無死満塁のピンチを迎えると、押し出し四球とエラーも絡み突き放された。流れは完全にヤクルトが掴み、2−6のスコアで完敗した。
8日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』でMCを務めた真中満氏は6回のヤクルトに1点を追加され、なおも一死満塁の場面で痛恨のエラーでもう1点献上してしまった度会隆輝のプレーに注目した。まず「これはタッチアップなんで、後ろから入ろうとするんですよね」と送球に勢いをつけるための形を作ろうとしたと説明。そのうえで「でもちょっと風があったんで、後ろから入るのって結構難しいんですよ。風のあるケースですから、まず捕球してというとこになるんですけども、そこは勝負にいった分、少しこういう形になってしまったのかなと思うんですけども…」と難しいケースではあったと分析した。
それに対し解説者の坂口智隆氏は「外の球場でなかなかあれだけ風吹いてると、思った速度で(ボールが)落ちてこない。だから後ろから入って助走がついてる時にまだボールが落ちてきてない状況なので、タイミングがすっと合わない。やっぱりこれだけ深いところだったら、捕ることを第一優先にしてれば捕れたと思います」と強風のなかでの優先順位の付け方を指南していた。
最後に真中氏は「これはちょっと経験積めばね、カバーできるプレーですからね」とルーキーにエールを送った。三浦監督も「まだ課題が多い」と評した度会隆輝。流した涙を糧に、プレーの精度を上げていってもらいたい。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2024』
2024年05月09日 07:10
NPB時代を振り返ったブラゼル氏、来日1年目の苦悩と悲劇
NPBで通算133本塁打を放ったクレイグ・ブラゼル氏が10年ぶりに来日し、Full-Countのインタビューに応じた。2008年に西武に入団し、初めて日本の地に足を踏み入れた。「死ぬほど怖かったんだ」。27本塁打を放った来日1年目を振り返った。【取材協力・一般社団法人日本プロ野球外国人OB選手会】
1998年に高卒でメッツに入団し、2004年にはメジャーデビューを果たすも、結果が残せずマイナー暮らしが続いていた。転機は2007年。ロイヤルズ傘下に所属し、2Aと3Aで計39本塁打を記録。「熱心に声をかけてくれたのが西武でした」。シーズンが終わると、正式にオファーが届いた。
好成績を残していたためメジャー昇格の話があってもおかしくなかったが、すでに何度も昇降格を繰り返しており、決断は簡単だった。「日本からオファーが来るなんて素晴らしいことで、断る理由はなかった。キャリアを再形成できる機会だからね」。いずれはメジャーへの復帰も視野に入れつつ、異国での生活が始まった。
日本に行くことについては「死ぬほど怖かったんだよ」と笑顔を見せる。理解できない日本語が飛び交い、プレースタイルも大きく異なる。戸惑うのは当たり前だった。「野球とベースボールは全然違うものだからね。慣れるのには時間がかかったよ」。
成功するために、コーチやチームメートには積極的にアドバイスを求めた。開幕から4番を任され、3月・4月には11本塁打をマーク。打率は.234、三振は139と多かったものの1年目から27本塁打と結果を残した。しかし、シーズン終盤に受けた頭部死球の影響で、わずか1年で退団することになる。1年で無念の帰国「今後プレーできるかもわからなかった」
シーズン最終戦となった10月4日の楽天戦(クリネックススタジアム宮城)で、3回に木谷寿巳投手のボールが右側頭部を直撃。大きな体がグラウンドに倒れ込んだ。脳震とうと診断され、以降はめまいなどの後遺症が続いた。「選手生命の危機で、今後プレーできるかもわからなかった。私にとって初めての脳震とうの体験でした」。チームは日本一に輝くも、クライマックス・シリーズには1度も出場することなく、同戦が最後の試合となった。
打撃練習を再開しても、真っすぐ来るはずのボールが動いて見えてしまい、練習後にはその影響で嘔吐することもあった。
プレー復帰のメドが経たず、西武との契約は1年で終了。「西武でもう1年プレーしたいとか、そう言えるような状況ではなかったんです」。2009年はオリオールズとマイナー契約を結んでスプリングトレーニングに招待選手として参加したが、後遺症が治らず、開幕前に退団となった。
その後は米独立リーグに籍を置き、めまいの症状が治ったのは死球から約半年後の事だった。そのタイミングで声をかけてきたのが、助っ人の不振に悩んでいた阪神だった。ファンから“神助っ人”と呼ばれた、2度目の日本でのシーズンが始まることになる。(上野明洸 / Akihiro Ueno)