2024年04月25日 17:14
◆男子プロゴルフツアー ISPSハンダ 欧州・日本トーナメント 第1日(25日、静岡・太平洋C御殿場C=7262ヤード、パー70) 第1ラウンドは濃霧で開始時間が2時間50分遅れた。日本ツアーの昨季賞金王で、3月に欧州ツアー初優勝を果たした中島啓太(フリー)は4バーディー、ボギーなしの4アンダー66で第1ラウンドをホールアウトした。凱旋試合での好スタートを「すごく緊張した。たくさんの方が初日から来てくれて楽しく回れた。週末に向けていい位置で回れるように頑張りたい」と振り返った。 インスタートの11番で早々にピンチが訪れた。第一打を左林に曲げ、2打目は出すだけ。180ヤード残った第3打を7アイアンでピン奥2メートル半に運びパーでしのいだ。5番では7メートルのパーパットをねじ込みガッツポーズ。「11番と、後半の5番ホールですごいピンチだったけど、両方ともパーセーブできた。4バーディーというよりは、そこの2つのパーの方が価値があるかなと思う」と語った。 岡崎錬キャディーとの合言葉は「目の前の一打にコミット」。毎ホールのように言い合った。欧州ツアーで優勝したヒーロー・インディアンオープンがきっかけだった。2位以下に大差をつけてトップを走る展開に、気持ちと体がうまく連動せずに「フワフワした」。メンタルパフォーマンスコーチのニール・スミス氏に相談したところ「勝つことはそんなに重要ではない。目の前の一打にコミットし、成功を続けることが大事」と返ってきた。今週も肝に銘じながら、一打に向き合っている。 欧州覇者として戻ってきた日本での今年初めてのプレーは、周囲の期待を集めている。「やっぱり予選落ちするわけにはいかない。『週末に見に行くからね』っていう方もたくさんいたので」。責務を感じながら、3週のオフの間も準備を続けてきた。「かなり緊張もして疲れた感じはあるので、しっかり休んで、頭をすっきりさせて明日を迎えたい」。優勝争いを、日本のファンに届ける。
2024年05月18日 19:06
◆女子プロゴルフツアー ブリヂストンレディス 第3日(18日、千葉・袖ケ浦CC袖ケ浦C=6731ヤード、パー72)
5打差6位から出た山下美夢有(みゆう、加賀電子)が4バーディー、1ボギーの69で回り、通算8アンダーで首位と3打差の3位に浮上した。
4番でバーディー先行。7番では上って下る8メートルをねじ込み、バーディーを奪った。だが、後半はボギーもあり、思うように伸ばせなかったと話す。「ティーショットが結構ブレていたので、ラフから打つことが多かった」とショットの乱れを反省した。
愛知・中京GC石野Cで開催された昨年大会でツアー8勝目を手にした。大会連覇をかけて3打差を追いかける。19日は3週連続の最終日最終組でのプレーが決まった。直近2週は優勝には手が届かず、雪辱に燃える。「伸ばし合いになると思う。ノーボギーでラウンドできるように。自分のプレーができるように頑張りたい」と気を引き締めた。
2024年05月18日 18:45
◆女子プロゴルフツアー ブリヂストンレディス 第3日(18日、千葉・袖ケ浦CC袖ケ浦C=6731ヤード、パー72)
第3ラウンドが行われ、単独首位から出た竹田麗央(りお、ヤマエグループHD)は2バーディー、2ボギーの72とスコアを伸ばせず、1打差2位に後退した。
1番のティーショットを大きく左に曲げ、林へ打ち込んだ。2打目は枝と枝の間を狙ったが、ボールの前は土が盛り上がっており、思うように出すことができなかった。4打目でようやくグリーンに乗せ、4メートルを沈めてボギー発進。それでも8番パー3では、8アイアンを握り得意の高弾道ショットで、ピン手前1メートルにつけた。「チャンスが少なく、我慢の一日だった」と話したが、イーブンパーでまとめた。
今季はKKT杯バンテリンレディスで初優勝。翌週のフジサンケイレディスで2週連続Vを果たした。手にした2勝はともに3日間大会。初の4日間大会Vへ向けて「攻めるところと守るところのメリハリをつけて、プレーできれば」と意気込む。6731ヤードと距離は長いが、自慢の飛距離を武器に1打差逆転を狙う。
2024年05月18日 17:33
◆女子プロゴルフツアー ブリヂストンレディス 第3日(18日、千葉・袖ケ浦CC袖ケ浦C=6731ヤード、パー72)
第3ラウンドが行われ、3打差3位から出た河本結(リコー)が5バーディー、1ボギーの68をマークし、通算11アンダーで単独首位に浮上した。2019年アクサレディス宮崎以来、5年ぶりとなる2勝目に王手をかけた。
2番パー5で2オンに成功し、バーディー先行。その後も16、18番のロングホールなどで伸ばし、好スコアでホールアウトした。「マネジメントはうまく組み立てられた。勝負のパットを決められたことが、スコアが伸びた要因」と振り返った。
22年からパッティングコーチをつけ、グリーン上の技術を磨いている。ストロークのリズムの練習や、癖を見つけて修正することを継続しているという。「やっと実を結んでくれた」と今季の平均パット数は28・6780で8位と、昨季の30・0423(65位)から大きく向上した。「7〜8メートルのバーディーパットを、チャンスだと思えるようになった。わなにはまらず、自分の組み立てたゴルフができるようになった」とゲームプラン全体にもいい影響をもたらしている。
今週は「頑張らない」ことをテーマとする河本。この日も「頑張らなかった」と自然体でのラウンドを心がけた。19日の最終日は今季2勝の竹田麗央(りお)、2年連続年間女王の山下美夢有(みゆう)と最終組でプレーする。「一ゴルフファンとして、美夢有ちゃんと麗央ちゃんと回れるのが楽しみ。やるべきことをしっかりして、明日は楽しくプレーするだけ」とやはり頑張らずに臨むという。ギャラリーへ向けては「楽しんで! いけー!」と声をかけてほしいとお願いした。楽しむことをモットーに、5年ぶり2勝目を目指す。
2024年05月18日 16:58
◆男子プロゴルフツアー 関西オープン 第3日(18日、滋賀・名神八日市CC=6869ヤード、パー70)
第3ラウンドが行われ、21位から出たツアー本格参戦1年目の岡田晃平がツアー自己ベストを更新する62をマークし、通算10アンダーで首位と2打差の4位に浮上した。
2024年05月18日 16:50
◆女子プロゴルフツアー ブリヂストンレディス 第3日(18日、千葉・袖ケ浦CC袖ケ浦C=6731ヤード、パー72)
第3ラウンドが行われ、3打差3位から出た河本結(リコー)が5バーディー、1ボギーの68をマークし、通算11アンダーで単独首位に浮上した。5年ぶりとなるツアー2勝目に王手をかけた。単独首位から出た竹田麗央(りお、ヤマエグループHD)は72と伸ばせず、1打差2位に後退した。
昨年大会覇者の山下美夢有(みゆう、加賀電子)は69で回り、8アンダーの3位に浮上した。岩井明愛(あきえ、ホンダ)は74と落とし、5アンダーの8位。小祝さくら(ニトリ)、安田祐香(NEC)は2アンダーの18位。岩井千怜(ちさと、ホンダ)はイーブンパーの29位。吉田優利(エプソン)は1オーバーの33位で最終日へ向かう。
2024年05月18日 16:03
◆男子プロゴルフツアー 関西オープン 第3日(18日、滋賀・名神八日市CC=6869ヤード、パー70)
第3ラウンドが行われ、49位で出た石川遼(カシオ)は5バーディー、ボギーなしの65をマークし、通算3アンダーの19位に順位を上げた。
「ショットは100点…かな、という感じです。100点か100点以上。それくらいうれしい。序盤のパー5で(バーディーを)取れなかったということを気持ち的には引きずっていた。でもそのなかでも弾道だったりスイングには影響しなかった。そこが一番大事」
この日のピン位置は、グリーンの右サイドに切られたホールが多かった。ピンを狙いたくなる場面でも、フェードを使わずに徹底的に左へ運び「冷静にいいアイアンを打てた」。最初のバーディーとなった前半14番はピン左6メートルを沈めたもの。17番はピン左下3メートルにつけ、18番ではピン左3メートル弱へ運んで下りのラインを決めきった。
第1ラウンドで乱れたドライバーも復調した。右を気にしすぎて左にミスをしてしまう傾向があったが、この日は自信を持って振り抜いた。初日に右のOBゾーンに打ち込んだ最終9番は「かなり完璧なショット。あれ以上のショットはないみたいなドライバーが打てた」と手応えを口にした。
ボギーなしはショーン・ノリスと2人だけ。71位と出遅れた初日から、日を追うごとに好感触を得られている。「向き合えているし、めっちゃいい一打を試合で打たせてもらっているなという実感がある。明日もう一回やり切って、その実感を確かなものにしたい」。最終日の18ホールへ、楽しみが増えた。
2024年05月18日 15:57
◆男子プロゴルフツアー 関西オープン 第3日(18日、滋賀・名神八日市CC=6869ヤード、パー70)
第3ラウンドが行われ、2位から出たツアー未勝利の清水大成が6バーディー、2ボギーの66で回り、通算12アンダーの単独首位に浮上した。
65の幡地隆寛と68の平田憲聖が11アンダーでトップと1打差の2位。
ツアー本格参戦1年目の岡田晃平がツアー自己ベストを更新する62をマークし、10アンダーで2打差4位に浮上。プロ転向3試合目での優勝なら、1999年の日本ゴルフツアー機構発足後では2016年趙炳旻の1試合目、13年松山英樹の2試合目に続き、金谷拓実に並ぶ3位の記録となる。
49位で出た石川遼は5バーディー、ボギーなしの65をマークし、3アンダー19位に順位を上げた。第3ラウンドのボギーフリーは68人中ショーン・ノリスと2人だけ。
2024年05月18日 13:44
◆女子プロゴルフツアー ブリヂストンレディス 第3日(18日、千葉・袖ケ浦CC袖ケ浦C=6731ヤード、パー72)
最終組が9ホールを終え、首位から出た竹田麗央(りお、ヤマエグループHD)と3位スタートの河本結(リコー)が通算9アンダーで暫定首位に立っている。
2024年05月18日 13:18
男子ゴルフの今季メジャー第2戦、第106回全米プロゴルフ選手権(2024 PGA Championship)は17日、米ケンタッキー州ルイビル(Louisville)のバルハラGC(Valhalla Golf Club、パー71)で2日目が行われ、日没サスペンデッドとなる中で、世界ランキング3位のザンダー・シャウフェレ(Xander Schauffele、米国)が通算12アンダーで暫定首位を維持した。
メジャー初制覇を目指すシャウフェレは、メジャー最少記録に並ぶ「62」をマークした初日に続き、この日も3アンダー「68」の好スコアで回った。メジャー2勝のコリン・モリカワ(Collin Morikawa、米国)が1打差の通算11アンダーで暫定2位、サヒス・ティーガラ(Sahith Theegala、米国)が通算10アンダーの同3位に続いている。
世界1位のスコッティ・シェフラー(Scottie Scheffler、米国)は、スタート2時間前に警察に一時身柄を拘束される騒動を起こしたが、事件のショックと緊張を乗り越え5アンダー「66」と猛チャージ。通算9アンダーとし、シャウフェレと3打差の暫定4位タイに浮上した。
バルハラGCの入口では朝に歩行者1人が死亡する事故があった。シェフラーは事故に伴う交通規制を回避しようとして縁石に乗り上げ、警官を車で引きずったなどとして逮捕された。警官は負傷して病院に搬送されたという。
その他では、今大会を制すれば生涯グランドスラムを達成するジョーダン・スピース(Jordan Spieth、米国)が通算4アンダーの暫定29位タイに浮上した。メジャー15勝を誇るタイガー・ウッズ(Tiger Woods、米国)は、「77」をたたいて通算7オーバーで予選落ちが確実になった。ラウンド後には「もっとプレーする必要がある」「残念ながら、このところはあまり大会に出られていない」と話した。
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2024年05月18日 12:49
◆男子プロゴルフツアー 関西オープン 第3日(18日、滋賀・名神八日市CC=6869ヤード、パー70)
第3ラウンドは最終組が前半を終了した。単独首位で出た平田憲聖と2位から出た清水大成が通算9アンダーのトップで後半に入った。
ツアー通算2勝の平田は2つスコアを落として迎えた8番から連続バーディーを奪い、スコアを戻した。
50位で出た石川遼は後半4番までの13ホールで3つ伸ばして通算1アンダー。暫定28位に順位を上げている。
2024年05月18日 12:38
男子ゴルフのメジャー第2戦、第106回全米プロゴルフ選手権(2024 PGA Championship)は17日、米ケンタッキー州ルイビル(Louisville)のバルハラGC(Valhalla Golf Club、パー71)で2日目が行われ、松山英樹(Hideki Matsuyama)は6アンダー「65」で通算7アンダーとし、暫定11位タイに浮上した。
久常涼(Ryo Hisatsune)も3アンダー「68」で通算3アンダーに伸ばし、暫定41位タイにつけた。
金谷拓実(Takumi Kanaya)は「69」で回り通算2オーバーの暫定100位タイ、中島啓太(Keita Nakajima)は「75」をたたいて通算4オーバーの暫定116位タイとなり、予選落ちが確実となった。
前日にメジャー最少タイの「62」をマークしたザンダー・シャウフェレ(Xander Schauffele、米国)が、この日も「68」とスコアを伸ばして通算12アンダーとし、コリン・モリカワ(Collin Morikawa、米国)と1打差の暫定首位を守った。
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2024年05月18日 11:07
【ルイビル(米ケンタッキー州)=平沢祐】男子ゴルフの今季メジャー第2戦、全米プロ選手権は17日、ケンタッキー州ルイビルのバルハラGC(パー71)で第2ラウンドが行われたが、日没サスペンデッドとなった。
2024年05月18日 10:28
男子ゴルフ世界ランキング1位のスコッティ・シェフラー(Scottie Scheffler、米国)が17日、今季メジャー第2戦の全米プロゴルフ選手権(2024 PGA Championship)の会場の外で交通規制を避けようとした際に車で警官を引きずるなどしたとして、一時拘束された。
逮捕されたシェフラーはオレンジのジャンプスーツを着て「マグショット(逮捕時などの顔写真)」を撮影した後、釈放された。大会2日目のプレーには間に合い、5アンダー「66」を記録して通算9アンダーの4位タイに浮上した。
ラウンド後には「まだ頭が少しグルグルしている感じだが、戻ってプレーすることができたのは幸運だった」と述べた。事件については「具体的なコメントはできないが、とにかく大きな誤解があっただけで、かなり早く解決できると思う」と話した。
事件当時の心境については「控えめに言ってもかなり動揺していた」と明かし、「ショックと恐怖で震えていた。きょうプレーするのはかなり大変だったがベストを尽くした」「落ち着くまで数ホールはかかったかもしれない」と振り返った。
米ケンタッキー州ルイビル(Louisville)にある大会会場のバルハラGC(Valhalla Golf Club)では、入口で歩行者1人が死亡する事故があり、シェフラーは事故に伴う交通規制を回避しようとして縁石に乗り上げ、身柄を拘束された。米スポーツ専門チャンネルESPNが入手した警察の報告書によると、逮捕した警官はシェフラーが停止の指示に従わず、加速して警官を地面に引きずったと話している。
シェフラーは警官への重暴行や器物損壊、無謀運転、交通整理の警官からの指示を無視した容疑などで訴追された。シェフラーは「指示を無視するつもりは決してなかった」と主張している。
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2024年05月18日 09:00
ゴルフはスポーツのなかでも、とくに意図した動きができないといわれる。
その原因が「細胞や脳に関係する」とわかり、自身も素早く100切りを達成した研究結果をレポート。
レベルアップを目指すゴルファーに新しい上達のヒントをもたらす! バンカーショットとは何かを再度考えてみる
今月は、バンカーショットに関してのお話です。バンカーというと苦手で、入ったら大ケガ覚悟という人も少なくはないはず。じつは、私も同じでしたが、これも考え方をひとつ変えるだけで気楽に打てるようになることがわかったので、その考え方を説明します。
さて、バンカーショットと聞いて思い浮かぶものは何でしょうか。フェースを開いて、オープンスタンスにし、スタンスなりにスイング。エクスプロージョンショットで砂を爆発させ、砂に包んで運び出すというのが典型的なものだと思います。しかし、いざやってみるとザックリと砂に刺さってしまったり、ボールの下を潜り抜けてしまったりで安定しない。この「ボールを直接打ちにいかない」ショットは絶望的にすら見えます。
ネットなどを見ると、やはり砂の爆発でボールを出す技の習得は難しいらしく、代わりにボールの手前数センチのところにクラブヘッドのリーディングエッジを入れて、千円札分ほどの砂を削ぎ取って砂ごと運べばいい、などという記事もあるのですが、これもやってみると簡単ではないことがわかります。
テニスのコーチングでは「左手で打って初心者の気持ちを理解する」という話を聞いたことがありますが、うまく打てるようになるとそれが当たり前になってしまい、初心者にとって何が難しいのかわからなくなってしまうのかも知れません。そんななかで突破口を与えてくれたのは、あるバンカーショットのネット動画でした。パンッ! とバンスを砂にたたきつける鈍い音を鳴らして、ボールが難なく出ているのですが、そこで気がついたのは爆発をさせているのではなく、平たい石を水面に浅い角度で投げて石を跳ねさせる水切りのようにサンドウエッジの平らな底面を利用してみたらいいのではないか、ということでした。
そして、これを別の見方に置き換えてみると野球でのショートバウンドでの捕球でもあり、テニスでのハーフボレー(ショートバウンドで処理するボレー)のイメージにも酷似していることに気づいたのです。ここまできたらあとは楽勝です。バンカーショットの場合、ヘッドの底(バンス)が砂の表面をたたき、バウンドさせてボールを打つイメージなのですが、これは野球やテニスでいうボールのショートバウンドとは違いますが、フィーリングはほぼ同じ。そして、このショートバウンドのイメージでバンカーショットを行なってみると、何のことはない。簡単にボールが出てしまうのです。 バンスで地面をしっかりたたきにいく
早速、このショートバウンドのイメージで実際にボールを打ってみました。これまでフェースを開くのを必須とされていたのは、アゴの高いバンカーから出すためにロフトを増すためのオプションのようなものなので、ここではフェースを開くのはしないことにします。よって、フェースが右を向くことを補正するオープンスタンスをとる必要もなくなるため、スイングを単純化させることができます。さらに、従来のバンカーショットでは砂を爆発させる、もしくはボールの下の砂を削り取ることがスイングの目的になってしまっていましたが、ここを目的にするとやるべきことが見えてこないので、ここでは「ボールの手前の砂をバンスでたたく」、そして「その反射によってボールを運ぶ」をゴールとしてスイングを行ないます。
なお、これまでの本連載でのスイングでは手首を飛球線方向にヒンジしていましたが、バンカーショットではヒンジ動作は余り行なわず、腕とシャフトはストレート、もしくはわずかにハンドレイト気味にしてスタンスの中央に向けて右上から浅い角度でたたきにいくようにします。このときボールの砂への埋まり具合に合わせて、地下1階、または地下2階という形でおおよその深さをイメージする。このときのたたきつけのイメージは、浅い角度で振り下ろしながら地面に水平にバンスで砂をたたきにいき、たたいたバンスで砂を四方に散らすイメージになります。このときにパンッという鈍い音がしていれば、リーディングエッジが砂に潜ることなく周辺の砂を払い除け、砂と一緒にボールを飛ばすことができます。スイングはこの砂をたたいたところで完了で、以降はテニスのボレーのようにフェースは返さず、そのときの状態を維持したままにします。
ともすると、爆発のイメージが強いと砂を飛ばしたいためにフォローでも何かしなければ、と考えがちですが、ここはたたいて終わりです。このたたいて終わりの感覚は、ベアグラウンドのような固い地面のところにボールを置いて、ボールの手前の地面にバンスを当ててショートバウンドさせて短いアプローチを打ってみるとわかりますが、この感覚をそのままバンカーに移せばバンカーショットのイメージになると思います。アゴの高いバンカーの場合はフェースを開いてロフトを増し、オープンスタンスにして、ということになりますが、そこは適宜考えて行なってください。
私には今回の方向性で研鑽を積めば、バンカーショットを自分のものにできるという確信があります。ぜひお試しください。
イラスト・文 = サンドラー博士
●ゴルフ好きの研究者 。ゴルフの専門家ではないが、ゴルフ理論は「教える側」という「外側からの視点で組み立てられているから難しい」ということに気づいてからは、「それをどう解決するか」の研究に没頭。出た答えを多くのアマチュアに伝えたく、毎月レポートする。
2024年05月18日 08:00
FW・UTをうまく打つために必要なのは、下半身の動き。打ち込む腕の動きを右傾軸でできるようになったら、そこに腰を左上にスライドさせる動きをプラスします。
これによってインパクトゾーンが長くなり、理想の「払い打ち」が完成します。 右傾軸の手打ちに下半身の動きをプラスする 竹ぼうきで掃くようなイメージです
ポイントは右ヒザを伸ばしながら腰を押し込み、左斜め上方向にスライドさせること。こうすれば自然と体重も左に乗ってきて「明治の大砲」も解消されます。
このとき、左足はカカト側に体重を乗せる意識をもってください。そうすれば自然と体の回転が生じて、スムーズに振り抜けるようになります。この3つのステップが身につけば、FW・UTはうまく打てます。 ダウンスイング以降、右傾軸を保ったまま腰を左斜め上にスライドさせることで、払い打ちが完成
これが「払い打ち」に感じるかどうかは人それぞれですが、ゆるやかな入射角でわずかに上からボールをとらえられるインパクトがマスターできるので、ナイスショットが打てますよ! 腰を斜め左上にスライドさせる 水平のスライドでは頭も一緒に左に動き、右傾軸が崩れてしまう Point! 右ヒザを伸ばしながら左カカト側に乗る
腰を押し込む際は、右ヒザを伸ばしながら右足を内側に倒すと同時に、左足カカト側に乗っていく。すると、回転の意識をもたずともスムーズに体が回る
左足のツマ先に乗ると回転が阻害されスイングが詰まりやすいので注意
いかがでしたか? 腰のスライドを意識して、「ナイスショット!」を目指してください。
レッスン=吉本 巧
●よしもと・たくみ/1980年生まれ、兵庫県出身。14歳でアメリカにゴルフ留学。20歳のときにアメリカでプロ資格を取得し、ミニツアーに参戦。帰国後はレッスン活動を行ない、現在は「表参道ゴルフアカデミー」を主宰する。
構成=鈴木康介
写真=田中宏幸