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2024年04月19日 11:52
2024年J1リーグは、開幕から間もなく2か月が経とうとしている。過去2シーズンは連続3位のサンフレッチェ広島が、今季は非常に安定感のある戦いを見せ、8節終了時点で2位と好位置につけている。 それも就任3年目を迎えたミヒャエル・スキッベ監督の手腕によるところが大だろう。かつてドイツのシャルケやドルトムントで指揮を執り、2002年の日韓ワールドカップではルディ・フェラー監督(現ドイツ代表チームディレクター)のもとで参謀役を務め、ギリシャ代表なども率いた多彩な指導歴を持つ指揮官に今回、単独インタビューを実施。まずは広島でのチーム作りについて語っていただいた。 ――◆――◆―― 今季の広島はエディオンピーススタジアム初の公式戦となった2月23日の浦和レッズ戦で2−0の完勝。前評判が高かった相手を撃破し、幸先の良いスタートを切った。 しかも、2点を叩き出したのが、湘南ベルマーレから加入したばかりの新戦力FW大橋祐紀。彼はその後も得点を重ね、目下、得点ランキングで2位の6ゴールをマーク。一気にブレイクしつつあると言っていい。 昨夏にセレッソ大阪から獲得した加藤陸次樹にしても、今年3月のJリーグ登録期限ギリギリに加わった新井直人にしても、広島の一員になった途端に目覚ましい働きを見せている。新戦力が次々と結果を出す理由を、スキッベ監督に問うと、こんな回答が返ってきた。 「彼らはそれぞれ前所属先でも活躍していました。加藤に関して言えば、2022年ルヴァンカップ決勝で我々を相手にゴールを奪っています。大橋も昨季のアウェー湘南戦で広島から点を取っていますし、新井も昨季のアウェー新潟戦でゴールしています。ウチから点を取れば、広島に来ることができるし、伸び伸びとサッカーができるんじゃないかと思いますね」と、指揮官は冗談交じりに笑う。 「それは偶然かもしれませんけど、やっぱり彼らが広島の一員になれば、これまで以上に機能し、結果を出せるという確信があったのは事実です。そういう人材を獲得したいという考えを常に念頭に置いて、対戦相手や他チームをチェックしています。 大橋と陸次樹、(川村)拓夢にしてもそうですけど、彼らは複数のポジションをこなせる有能な選手。主戦場としているポジションとは異なるところに入っても、そこで強烈なキャラクターを発揮する。私も個々のストロングを出してほしいと考えて起用していますが、本当にうまくフィットしている。彼らの万能性がチームのプラスになっているのは確かでしょう」 “万能性”というのは、スキッベ監督率いる広島の1つのキーワードと言っていいかもしれない。満田誠もシャドー、ボランチ、右サイドを自由自在にこなしているし、ウイングバックが主戦場の東俊希もいざとなれば最終ラインにも入ることができる。 4月3日のFC町田ゼルビア戦で3バック中央の荒木隼人が負傷した際も、右ウイングバックの中野就斗が穴を埋めている。彼らのユーティリティ性がスムーズな戦いの原動力になっていると見てよさそうだ。 「我々は戦術をベースに選手個々の良さを出せるチームを目ざしています。ゆえに、誰かがいなくなっても大丈夫。どのポジションもしっかりバックアップが揃っていますし、自信を持って選手を送り出しています。 彼らに口癖のように言っているのは、『ミスをしても構わない』ということ。ミスに怯えていたら、決して良いパフォーマンスはできない。常にチャレンジしていく姿勢を示すことで、一番良いパフォーマンスを引き出せると私は考えています。そういうマインドでピッチ上で戦えなかったら負けと同じ。必ず力を出し切ってほしいと選手たちには伝え続けています」と、スキッベ監督は語気を強める。 1 2 次へ
2024年05月17日 13:00
フェイエノールトの日本代表FW上田綺世について、元オランダ代表のウェズレイ・スナイデル氏が語っている。
上田は昨年の夏にベルギーのサークル・ブルージュからフェイエノールトに移籍。加入1年目の今季は、エースのサンティアゴ・ヒメネスの控えに回っており、途中出場が多いものの、ここまでリーグ戦25試合で5ゴール・1アシストをマークしている。
オランダメディア『FR12』によると、そんな25歳をスナイデル氏はサッカー番組『Veronica Offside』で批評。かつてアヤックスやレアル・マドリー、インテルなどで活躍した名手は、以下のように述べている。
【動画】フェイエ上田綺世の3戦連発弾!
「私は決してウエダのファンではない。ただ、彼はコンスタントに試合に出ていないのでリズムを欠いているのかもしれない。アルネ・スロット監督は『彼が頻繁にプレーすれば、非常に優れたストライカーになるだろう』と思っているのかもしれない。でも、それが全てだとは思わない。彼はまだ私を魅了できていないよ」
また、同番組に出演していた元オランダ代表FWのヴィム・キーフト氏も「ウエダがフェイエノールトのファーストストライカーを務められるかどうか確信できない」とし、「ヒメネスがファーストストライカーだったことも、ウエダのプレー時間が少ないのも理解できる」と厳しい言葉を述べている。
ヒメネスはアーセナルやアトレティコ・マドリーからの関心が噂されており、退団が濃厚。来シーズンは上田の出番増加も期待されているが、日本人ストライカーは周囲を納得させるパフォーマンスを見せられるか。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部
2024年05月17日 12:54
米メジャーリーグサッカー(MLS)の選手会(MLSPA)は16日、2024年の年俸データを発表し、インテル・マイアミ(Inter Miami)のリオネル・メッシ(Lionel Messi)がリーグ史上最高額の2045万ドル(約31億9000万円)を稼いでるだけでなく、MLSの計25チームの年俸総額も上回っていることが分かった。
選手会は定期的にリーグ全体の給与情報を公開しており、通算8度の世界最優秀選手賞「バロンドール(Ballon d'Or)」に輝き、W杯カタール大会(2022 World Cup)で母国アルゼンチンの優勝に貢献したメッシがトップであることに驚きはないが、他の選手やチームとの格差は際立っている。
メッシの年俸は基本給1200万ドル(約18億7000万円)に各種ボーナスを加えた合計2044万6667ドル(約31億8700万円)。この数字には、独スポーツ用品大手アディダス(Adidas)や米電子機器大手アップル(Apple)などの企業から受け取る巨額のコマーシャル契約やスポンサー料は含まれていない。
全体2位はトロントFC(Toronto FC)に所属するイタリア人ストライカーで、メッシがMLSに加入するまでリーグ史上最高給を誇っていたロレンツォ・インシーニェ(Lorenzo Insigne)の1540万ドル(約24億円)だった。
メッシとスペイン1部リーグのFCバルセロナ(FC Barcelona)時代からの同僚3人は、セルヒオ・ブスケッツ(Sergio Busquets)が3位の880万ドル(約13億7000万円)、ルイス・スアレス(Luis Suarez)とジョルディ・アルバ(Jordi Alba)はともに150万ドル(約2億3000万円)とされた。
チームの総年俸は、インテル・マイアミがトップの4168万ドル(約65億円)、トロントFCが2位の3141万ドル(約49億円)となっている。リーグ全体の平均年俸は、前年比12.1パーセント増の59万4390ドル(約926万円)だった。
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2024年05月17日 12:42
清水エスパルスが5月16日、公式YouTubeチャンネルで「【試合の裏側】アウェイ遠征ロッカールームが出来るまで 0506vs群馬」を公開した。
動画には、6日に行なわれたJ2第14節のザスパ群馬戦(3−0)の試合開始5時間前から、選手たちが使うバッグやユニホームなどを準備するスタッフたちの仕事ぶりが収められている。
【動画】清水が試合の裏側を公開!
この投稿には、以下のような声が上がった。
「スタッフの皆さんいつも手厚いサポートありがとうです!」
「選手を支える方々に感謝します」
「こういうスタッフのためにも、勝ち点3がある。あらためてリスペクトを忘れずに...」
「最後のOne Familyがホントそうだなあって!」
「まさに縁の下の力持ち」
「裏方さんのおかげで試合運営が成り立っている感謝です!」
「選手だけでなく、スタッフの方々も子どもの憧れです」
「トレーナーの密着動画見たいです!」
「いつもありがとうございます」
「来季はJ1やで!」
普段は見られない“裏方”の下支えに、ファン・サポーターも感謝している。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部
2024年05月17日 12:41
デンマーク1部ブレンビーに所属する鈴木唯人が絶好調だ。
2024年05月17日 12:10
昨季プロ8年目でキャリアハイの10ゴールを挙げたサガン鳥栖のMF長沼洋一。
2022年7月に加入した鳥栖ではデビュー戦から先発に抜擢され、いきなりJ1初ゴールを挙げる幸先の良いスタートを切って以降、定位置を確保。昨季のブレイクに至ったが、鳥栖へ加入する以前はJ1で十分な出場機会を得られず、ゴールやアシストを1つも記録することができなかった。
3年半に渡る“レンタル生活”も経験した27歳の万能アタッカーに話を訊いた。(取材・文/新垣 博之、取材日:2024年4月21日) サガン鳥栖での活躍を支える恩師の存在
――昨季はクラブにとって7年ぶりとなる二桁ゴールを奪いました。オフには他クラブから獲得のオファーもあったと思いますが、鳥栖に残留した理由は?
「鳥栖に、そして、監督である(川井)健太さんに良い形でオファーをもらって、2022年の夏に来させてもらって以降、ずっと試合に出し続けてもらっています。
個人的には良い結果も出せているので、鳥栖には本当に感謝しているんです。これでこのタイミングで鳥栖を離れるのは絶対に違うと思いましたし、今年もそんな鳥栖のチカラになりたい!鳥栖のためにプレーしたいと考えて残留しました」
※昨季第33節の柏レイソル戦でシーズン10点目を挙げた長沼洋一(写真提供:サガン鳥栖)
昨季は主に[4-2-3-1]の右ウイングを担った長沼は意外にもヘディングで4得点。これはリーグで4番目に多い数字でFW以外の選手では最多を記録。
1トップに本職ではない小野裕二(アルビレックス新潟)が定着し、ゲームメイクも担う“偽9番”の彼が中盤に引き、空いたゴール前のスペースに長沼が飛び込む場面も多かった。
「僕のプレーで言うと、2022年はサイドに張ってプレーすることが多かったと思いますけど、去年は中央に入って得点に絡んでいくシーンが多く、それがゴールを量産できた要因の1つかもしれません。去年はサイドに張る場面は少なかったと思いますが、今年は2022年に近いかもしれませんね。」
――長沼選手は“本物の両利き”ですか?右利きながら右サイドでボールを受けると相手DFから遠い左足でキープしたり、ドリブルやパスにも左足を使いますよね?シュートだけ左足を使う右利きの選手は多いですが、両足を的確に使っている印象があります。
「確かに両足だけでなく、右サイドも左サイドもどちらのサイドでも得意・不得意になるプレーもないですし、そこそこ両足で蹴れるほうだとは自覚しています。
ヘディングのゴールが多いのは偶然です。僕がヘディングで取って来たことなんてありませんし、イメージないと思うんですけどね。それにもっと足で決めたいぐらいです(笑)」
長沼はこれまでJリーグ通算169試合(今季J1第14節終了現在)に出場して来たが、その約77%を占める131試合で彼を起用してきたのが、現在の鳥栖を率いる川井健太監督だ。
筆者は2017年に女子サッカーから取材活動をスタートしたが、当時なでしこリーグ2部の愛媛FCレディースを率いていたのが、川井監督だった。
攻撃時と守備時でフォーメーションを変える可変システムを完成度高く運用していた愛媛Lは、国内2部のクラブながらFW上野真実(サンフレッチェ広島レジーナ)とFW大矢歩(バニーズ群馬FCホワイトスター)の2人がなでしこジャパンに招集されるなど、チームを率いる川井監督は戦術家の一面と共に選手育成の面でも確かな手腕を発揮していた。
「愛媛の時から信頼して使い続けていただいているので感謝していますし、『2点取られても3点取れ』と考える攻撃的なサッカーを志向する健太さんが指揮するチームでプレーしたいと考えていました。
そうは言っても、愛媛の時から個人的に話をすることはあまりないんですけどね。僕は去年の今頃、2度も退場処分になったんですが、その時も特にお咎めはありませんでした。微妙な判定だったので仕方なかったんですけどね。
ここ最近はロッカールームで熱いゲキが飛んでいるのがクラブ公式YouTubeを通して伝わっていますが、珍しいことだと思います」
「プロサッカー選手になるために」広島へ“越境”
山梨県甲府市出身の長沼は8歳からサッカーを始め、当時はバルセロナで一世を風靡したブラジル代表のファンタジスタ=ロナウジーニョに憧れた。
中学時代は地元・甲府市の強豪Uスポーツクラブで活躍。高校からは広島へ単身で“越境”。Jユース最強を誇る名門サンフレッチェ広島ユースに加入した。
「多くのクラブからユース選手としてのオファーをいただき、最終的には2クラブに絞ったうえで練習参加もしました。
練習参加自体は1週間ほどでしたが、広島のスタイルや先輩方とプレーした時のサッカー的な感触がとても良く、プロサッカー選手になるための環境面もすごく良かったので広島に決めました。
実家から離れることは特に意識せずに決めましたね。親にも相談はしていましたが、僕の意見を尊重してくれました」
――ただ、長沼選手が加入するタイミングで広島ユースの礎を作ってきた森山佳郎監督(現ベガルタ仙台監督)が退任されました。
「ゴリさん(森山監督)が広島ユースに根付かせた『気持ちには引力がある』という合言葉が有名であるように、育成年代のスペシャリストであるゴリさんの存在は僕が山梨でプレーしていたクラブの指導者の方々からも、とても良い評判を聞いていました。
広島の練習に参加した時はゴリさんが監督だったのに、加入を決めたあとに退任されることを聞いたので、その時はさすがに『えっ?』って、なりました。でも、広島には『プロサッカー選手になるために』という強い覚悟をもって行くことを決めていたので、大きな影響はありませんでした」
――当時の広島ユースには2つ上の先輩にMF川辺駿選手(スタンダール/ベルギー)、1つ上にはDF荒木隼人選手、同期にはFW加藤陸次樹選手、2つ下の後輩にはGK大迫敬介選手やMF川村拓夢選手、満田誠選手など、現在の日本代表に招集される選手もいました。
名前を挙げた選手だけでもプロの世界でのキャリア形成には様々な形がありますね。
「僕もそうですけど、選手それぞれに分岐点がありますからね。広島の育成が凄いのは、プロの世界で活躍する選手が同世代だけでもこんなにも多くいることです。ユースからトップチームへ昇格できなくても、ここ数年は大学経由(荒木・加藤・満田)で戻ってくる選手も多くなっていますし、他のクラブ(川辺・川村・加藤)に行って活躍する選手もいます。
今こうして振り返ってみても、選手個々の質も高かったと思います」
――広島ユースは所謂「ミシャ式」(※)と呼ばれる可変システムを採用していました。攻撃時は[4-3-3]、守備時は[5-4-1]へと変化するため、シャドーなら攻撃時にトップ下やインサイドハーフ、守備時はサイドハーフなど、少なくとも2つ以上のポジションを役割として求められます。
※「ミシャ式」:ミハイロ・ペトロヴィッチ監督(コンサドーレ札幌監督)が広島を率いていた2008年頃に完成し始めた戦術。監督の愛称から名付けられた。
「ユースの時はFWやボランチでもプレーしていましたが、主にシャドーでのプレーが多かったですね。
ユースもトップチームが採用しているシステムでプレーしていましたし、トップと同じトレーニングをしたり、トップに呼ばれてトレーニングもしていましたから、そこで鍛えられたなと思います。それがいろんなポジションでプレーできている現在にも繋がっているように思います」
――ところで、3年生の時には2つ下のGK大迫選手とMF川村選手がすでに1年生で主力としてプレーしていました。体格的にも大柄な彼らは先輩の言うことをちゃんと聞いてくれたんですか?(笑)
「当時の僕は副キャプテンとしてゲームキャプテンもしていましたが、高校1年生から見た3年生って怖い存在というか。彼らは素直に聞いてくれていましたけど、怖かったんじゃないですか?でも、僕よりムツ(加藤選手)のほうが雰囲気的に絶対に怖かったはずですよ(笑)」
2016年からトップチームに昇格した長沼だったが、当時の広島は現日本代表の指揮官・森保一監督が率いて4年で3度のJ1制覇を果たした黄金期の真っ只中。
特にシャドーのポジションではユースの大先輩である森崎浩司(現広島アンバサダー)や野津田岳人、優勝の立役者である柴崎晃誠(現広島育成部コーチ)のようなMFだけでなく、2016年のJ1得点王に輝くピーター・ウタカ(現ヴァンフォーレ甲府)や現日本代表の浅野拓磨(現ボーフム/ドイツ)のようなFWも競争相手となる。
「広島にはプロになるために行きましたし、1年の頃からトップの練習やキャンプにも参加できていたので、順調に行けば昇格できると考えていました。だからこそ、自分の場合は大学進学も全く考えていませんでしたし、プロだけを見ていました。
もちろん、その頃のトップチームがJ1で優勝する姿も間近で見ていました。実際にトップ昇格が決まった時も『やってやるぞ』と覚悟も決まっていましたね」
――ただ、トップ昇格後の1年半は一度もリーグ戦での出番がありませんでした。気になったのは長沼選手が練習でもウイングバック(WB)に固定されていたことでした。自ら志願したのですか?
「自分では一度も言ったことはありません。正直、やりたくなかったですよ。特に1年目は練習から、『やりたくないのに、なんでこのポジションなの?』と思ってやっていました。
だからこそ、ポジションの件も込みで2年目の夏にレンタル移籍を志願しました。若かったですね(笑)」「WBが嫌だった」から始まった武者修行、ピッチ内外で得た経験
※長沼洋一選手の年度別リーグ戦出場記録(筆者作成)
出場機会を掴めないだけでなく、日々の練習から自分の納得できるポジションでアピールもできない現実に直面した長沼は2017年8月、J2のモンテディオ山形へ育成型期限付き移籍を決断。
翌年にも、確固たる自身の哲学をもつ大木武監督(ロアッソ熊本監督)が率いる当時J2のFC岐阜へレンタル移籍。決して多くの出場機会は得られなかったが、掴んだものは大きかったようだ。
「プロ2年目の夏に、『本来の自分が得意である前線のポジションで勝負したい』と代理人を通して希望を出し、山形へ半年間行くことになりました。
その山形では3試合に途中出場しただけだったんですけど、練習から凄く充実した日々を過ごすことができました。練習試合も含めてFWやトップ下、ウイングでプレーするなかで、『全然やれる!』と手応えを掴めた時間だったんです。
それから、その年の終わりに東京五輪世代の代表チーム(U-21,22日本代表)が立ち上がり、僕もその最初のメンバーに招集されました。ポイチさん(森保監督)が東京五輪代表チームの監督に就任することも決まっていたので、『WBなら東京五輪に出られる可能性もあるな』と考え直しました。
次の年に岐阜へ行った時には自分で大木さん(大木監督)に『サイドバック(SB)でプレーさせてください』と言いましたし、覚悟を決めました。
実は山梨では大木さんの息子さんと同じクラブでプレーしていたこともあり、大木さんは僕が中学時代にFWやトップ下でプレーしていた頃のプレースタイルを知っていました。これはあとで知ったことなのですが、どうやら大木さんは僕を前のポジションで考えていたようなんです」
2019年からの2年間はJ2の愛媛FCへレンタル移籍。現在の鳥栖を率いる川井監督の下では広島ユース出身の後輩MF川村も同じく武者修行先として共にプレーした。また、鳥栖で同僚となるDF山崎浩介やGK岡本昌弘、MF森谷賢太郎との出会いもあった。
「愛媛にはDF森脇良太さん(愛媛)やMF高萩洋次郎さん(アルビレックス新潟シンガポール)を始め、広島ユース出身の選手が活躍し、広島に戻ってからも活躍するケースが多く、他クラブからでもFW斎藤学選手(アスルクラロ沼津)を筆頭に愛媛でブレイクして大きく羽搏いていく選手が多いイメージがありました。
そして、当時の愛媛では世代別の日本代表で一緒だった同学年のMF神谷優太(江原FC/韓国)が前年から10番を着て活躍していて、東京五輪出場も狙う彼と共にプレーしたいと考えて加入しました。
ただ、レンタル移籍も3回目。危機感も通り越して、実質はラストチャンスだと思って愛媛に向かいました」「今後の目標は日本代表」
愛媛での2年間でリーグ72試合に出場して2ゴール8アシストを記録した長沼は2021年、3年半に渡った武者修行から古巣・広島に復帰。しかし、当時の広島は監督交代が短期間で2度起きる過渡期。J1経験のない長沼には十分なチャンスが与えられなかった。
2021年6月には当時の広島の本拠地・エディオンスタジアム広島で開催された天皇杯2回戦で関西リーグ1部・おこしやす京都AC(※現在は関西2部)相手に先発出場するも慣れない3バックの左DFを担当して1-5の大敗を喫するなど、少ないチャンスも生かせなかった。
「日本が2022年のカタールW杯でドイツやスペインを下したように、天皇杯でもジャイアントキリングは何度も起きています。あの試合は負け方も良くなかったので、そのあとも悔しかったですけど、そこまで引き摺りはしなかったです」
――ただその後、鳥栖へ移籍するまでの約1年間は出場機会が少ない時間が続きました。
「確かにメンバー外になることも多かったんですが、『出ればやれる』とは思っていましたし、『今はそういう時期だ』と捉えて、試合に出られない時期だからこそ、やれることをやろうと考えて準備をしていました。
そう思えるのも、世代別の代表や移籍を経験したことで、いろんな選手を見て来たことにもあります。やっぱり、日本代表へ入るような選手やプロの世界で長くプレーする選手はメンタルの部分が優れていて、ピッチを離れても意識が高く、いかに準備することが大切なのかを見てきました。
メンタル面や身体のケア、肉体改造にまつわる様々なトレーニングを取り入れたり、自分のプレーや相手チームの分析なども準備のひとつだと思いますね。
そういう時間があったからこその現在でもあると思っているので、腐ったり、心が折れるようなことは全くありませんでした。だからこそ、2022年の夏に完全移籍で鳥栖へやってきた時にも、すぐに試合に出て結果を残すことができたと考えています」
――それでは最後に今年の目標を教えてください。
「チームとしてはもっともっと良いサッカーができるように、自分自身もチームの勝利に貢献できるように、と考えることで今は頭がいっぱいですね。今はまず、鳥栖のためになることを精一杯やっていきたいと考えています。
個人としては去年10点取れたので、今年も二桁は取りたいと考えています。結果を出し続けることで日本代表に入るチャンスもまだあると考えています。
鳥栖からは2022年にFW岩崎悠人くん(現・アビスパ福岡)も招集されました。国内組限定の編成時でも良いので、まずは日本代表に入ることを目指してやっていきたいと思います」サガン鳥栖は「ここから這い上がれる」
※サガン鳥栖公式YouTubeより(動画3分5秒から)
今季から背番号を24から88に変更した理由を、「元々8番が好きだったんですが、サポーターからの人気が高い本田風智選手(今季から10番)が着けたすぐあとに着けたくなかったので、8を並べて88にしました」と答えるなど、明るいキャラクターをもつ長沼。
筆者が昨季挙げた10ゴールのうち先制点が8つあったことを伝え、「契約更新の際に金額を上げる材料に使ってください。100万円くらいは上がるかも」と冗談を飛ばすと、広報スタッフを見ながら、「もっと行くでしょう!先制点は大事ですからね!もっともっと〜!!(広報さん:苦笑い)」と返して来るようなコミュニケーション力に長けた人間性も魅力だ。
今季の鳥栖は開幕から低迷してきたが、ここへ来て川井監督体制初の連勝。毎年のようにチーム人件費がJ1最少クラスのチームには長沼のようにJ2でも出番に恵まれなかったり、J3経験しかないような挫折を経て這い上がって来た選手が多い。
5月15日、Jリーグは31歳の誕生日を迎えた。32年目のシーズンを迎えた今季、鹿島アントラーズと横浜F・マリノスが未だに1度も降格を経験していないことは有名だが、「オリジナル10」以外の後発のクラブでJ1に昇格して以降、1度も降格を経験していないクラブが1つだけある。2012年からJ1を舞台にして戦うサガン鳥栖だ。
やりくり上手でW杯出場選手も!サガン鳥栖、「歴史上最強の日本人選手」5名
サガン鳥栖はここから這い上がる!
サポーターの夢を乗せて、明るく元気な長沼がどこまでも走り続ける!
【プロフィール】
長沼 洋一(ながぬま よういち)
1997年4月14日生まれ(27歳)
178cm/70kg
山梨県甲府市出身
ポジション:GK以外全てを経験
高校から名門サンフレッチェ広島ユースに“越境”。2016年にトップ昇格したものの、4年で3度のJ1制覇を果たした黄金期の広島では出場機会を掴めず。2017年8月からはモンテディオ山形(J2)、2018年にはFC岐阜(J2)、2019年からの2年間は愛媛FC(J2)へと期限付き移籍。約3年半に渡る武者修行を経た2021年に広島へ復帰するも出番は少なく、2022年7月にサガン鳥栖(J1)へ完全移籍した。2023年には10ゴールを挙げてブレイク。今季もウイングやSBを両サイド遜色なくこなし、公式戦全試合に出場中。両足から繰り出すミドルシュートや意外性のあるヘディング、抜群のスピードで攻守におけるデュエルでの強さも武器とし、ポジションもプレースタイルもオールラウンドな魅力が際立っている。
2024年05月17日 12:00
2023シーズン、関東学院大学サッカー部は創部以来初となる関東大学サッカーリーグ1部への昇格を決めた。2部リーグで12勝3分7敗(勝ち点39)の成績を収め、準優勝。55得点(33失点)はリーグ最多得点チームだった。そして、今春の卒業生からは5人のJリーガーを輩出(2022年度卒業生からは6人)。大学サッカー界での存在感が年々高まっている。
躍進の要因として、2006年から続く横浜F・マリノスと提携を挙げる大学関係者は多い。指導者派遣を柱とした両者の提携はどのような経緯で開始され、何をもたらしたのか。本記事では両者の目線から考察する。
関東学院大学サッカー部からは狩野満GMと奈良安剛監督(横浜F・マリノスからの派遣)、横浜F・マリノスからは本提携の主幹部署であるスポーツ事業本部スポーツ事業部の黒川祐部長に登場いただき、提携の意義、大学生年代の育成について話を聞いた。
インタビュー・文 玉利剛一(フットボリスタ編集部)
コーチが授業参観!?成績表を提出!?横浜F・マリノスの指導方針
――昨シーズンの話になりますが、あらためて関東大学サッカーリーグ1部昇格おめでとうございます。2023年度の卒業生からはJリーガーを5人輩出するなど、近年の関東学院大学サッカー部の躍進について所感を聞かせてください。
狩野GM「1部昇格に関しては、普段お世話になっている方が喜んでくれたのが嬉しかったですね。関東学院大学の教職員の方々をはじめ、試合を観に来てくれる地域の飲食店の方々、そして歴代のOBOGたち。特にOBOGたちは現役の部員であるかのように皆が純粋に喜んでくれました。長年継続して取り組んできたことが昨シーズン実を結んだと思っているので『ちゃんと繋げたよ』と報告できました」
奈良監督「私も同じ想いを持っていて、前任の石村(大)監督が長年指導されていたベースがあってこその1部昇格だと思っています。私が就任したタイミングでは選手たちが本気でプロを目指すことを公言していて、1部昇格を現実的な目標として見据えている状態でした。近年は卒業生からJリーガーの輩出は普通のことになっていましたし、良い連鎖を生んでいたというか、プロを目指すこと、1部昇格を目指すことが身近なものとして(選手たちが)認識していたのは大きかったですね」
――お名前が挙がった石村前監督(現 横浜F・マリノスジュニアユース追浜コーチ)も、奈良現監督も横浜F・マリノスからの派遣です。2006年から開始された指導者派遣を柱とした提携関係のキッカケは何だったのですか?
黒川部長「(提携が開始された)2006年はクラブの変革期でした。翌年にみなとみらい(マリノスタウン)にクラブハウス等々の活動拠点を移すことを控える中で、よりクラブの事業を大きくするアプローチの1つとして指導者育成をテーマとした(関東学院大学との)提携のアイデアが出たと聞いていますし、私も当時は違う部署に所属する社員として、そのように見ていました」
――つまり、横浜F・マリノスのメリットとしては、指導者に大学生を指導する場・経験を提供できるということですね。
黒川部長「そうですね。例えば、奈良監督は育成年代の指導経験は積まれている中で、もう一皮むけてもらうために、大学での指導環境を提供できるのはクラブの人材育成の面で大きなこと。あと、プライオリティを付けるのは難しいですが、ユースを卒業した選手たちの進路先として大学と太いパイプを持てるのも魅力です」
――逆に関東学院大学は横浜F・マリノスからの指導者派遣をどのように評価されていますか?
狩野GM「結論から先に言うと、限られた予算で学生や部の成長を最大限促せる持続可能な提携であるということが大きいです。うちは他の関東大学サッカーリーグに所属する大学と比較すると、大金を投資した施設がある訳ではないですし、専用グラウンドもない。寮もないし、特待生制度を使った選手獲得も行っていないし、部費も安い。F・マリノスさんとの提携も大きなお金が動くビジネスとしてではなく、お互いにメリットがあり、足りない部分を補い合える形で成り立っているので、関係性が強いのは特徴だと思います」
――大学とプロサッカークラブ。同じサッカーを扱うとはいえ、指導方針など考え方が違う部分もあるかと思います。
狩野GM「おっしゃる通り、教育機関におけるサッカーの指導はプレー面だけに留まりません。ただ、F・マリノスさんにはその意義を強く理解していただいています。そのことが長く提携を継続できている理由でもあります。例えば、F・マリノスユースでは選手に学校の成績表を提出させるなど、ピッチ外の活動も重視しつづけきた伝統があるので、奈良監督をはじめ、歴代の監督たちが学業や就職活動など、多角的に学生を指導することに対する順応が早かったです」
奈良監督「大学生を指導するにあたって意識を変えたというより、F・マリノスのアカデミーで指導している時も学校の先生と選手の指導について意見交換していましたし、授業参観に行くこともありました(笑)。サッカー選手としての成長は学校、家庭の環境とリンクしているのは経験的にも理解しているので、選手を人として成長することをサポートするのは当たり前であり、僕たちの仕事の楽しみでもあります」
――そうした指導方針は、奈良監督が中学生時代に所属した横浜マリノスジュニアユース追浜時代から続くものですか?
奈良監督「そうですね。僕がジュニアユースでプレーしていた頃からサッカーだけではなく、生活面に対しても指導があったので、(オフザピッチを含めた指導は)当たり前という感覚です。ただ、『右向け右』という指導ではなく、選手と目線を合わせて一緒に課題に向き合ってくれた記憶もあります」
――さきほど狩野GMから伺った特待生制度がないという話にも繋がると思いますが、所属する大半の選手が大学卒業後はプロサッカー選手ではない社会人キャリアをスタートする意味でも重要な指導方針ですね。
奈良監督「僕が監督に就任して以降、選手のリクルーティングにおいてハッキリと相手に伝えているのは、サッカー選手として成長する強い意欲を持っていることは当然として、『関東学院大学の環境をフル活用して欲しい』ということ。つまり、サッカーも学業も全力で取り組むこと。だから、サッカー部に所属している学生は自身が興味をもった学部に所属していますし、今後も学費を免除して選手を獲得するようなことはないと思います」
2022年より関東学院大学サッカー部の監督を務める奈良安剛氏
「あれ?また勘違いしていない?」
――現在、関東学院大学サッカー部には4名の横浜F・マリノスユース出身の選手たちが所属しています。さきほど黒川部長が言及されていた『ユースを卒業した選手たちの進路先』としての役割についての考え方についても聞かせてください。
奈良監督「前提として『F・マリノスに加入した際にスムーズにプレーできるように』といった意識で選手を指導することはありません。システムも選手の個性で変更しますし、指導する上での優先順位は『選手が少しでも長くキャリアを続けられるために』ということが高いです。ただ、選手がF・マリノスのトレーニングに参加させてもらう機会もありますし、身近なクラブであることは間違いないので、練習でF・マリノスのエッセンスを入れるようなアプローチを行うことはあります」
――実際、卒業後にプロサッカー選手になる選手も横浜F・マリノス以外のクラブでキャリアをスタートする選手の方が多いですしね。
奈良監督「サッカー選手としてのキャリアを続ける上で、どのような監督、どのようなスタイルでも反応できる選手であって欲しい。だから『関東学院大学ではこうだったとか絶対卒業後には言うなよ』と伝えています」
――関東学院大学サッカー部にはJクラブのユースをはじめ、高校時代に強豪チームに所属していたエリートと呼んでいい選手たちが多く所属しています。良くも悪くも確立されたサッカー観や高いプライドを持つ選手もいると思いますが、そうした選手たちへのアプローチで意識していることはありますか?
奈良監督「入部直後のミーティングで『君たちは18歳でプロになれなかった選手だよ』とハッキリと伝えます。『日本サッカー界も、元所属チームも、君たちがプロサッカー選手になれなかったことで、困ることはない』と。18歳までに積み重ねてきた実績も、指導も否定しませんし、魅力があるからこそ入部してもらった上で『さらに上を目指す上で足りないものは何?』と問いかけます。……いや、入部直後のミーティングと言いましたけど、これは気になる態度やプレーを見た時には定期的に言うかもしれませんね。『あれ?また勘違いしてない?』って(笑)」
――関東学院大学サッカー部がスローガンの一つ として掲げる「雑草魂」の精神ですね。
奈良監督「出身チームを考えると決して雑草とは言えない選手も多いのですが、昨年まで(関東大学サッカーリーグ)2部で戦う関東学院大学の立場を考えると、自分たちが置かれている現状を自覚した上で表現する必要性はあるよねとそれまでずっと使用してきた 『雑草魂』というスローガンを引き続き使うようになりました。『Jクラブのスカウトは1部の試合を観に行くし、2部の選手を獲得したいと思わせるためには相当な覚悟が必要だよ』と話しています」
――そうした意識改革は簡単ではありません。
奈良監督「意識の部分はF・マリノスで指導していた時も強調していたことなんです。『F・マリノスのアカデミー出身であることは、社会に出たら何の価値もない』、『結局は自分という人間が何を表現出来るか』という指導は大学生相手でも変わりません。むしろ、関東学院大学ではピュアに指導者の教えを吸収したいと考える選手が多く、逆に僕が助けられているところもあります」
練習中、選手たちに話しかける奈良安剛監督。「雑草魂」をスローガンの一つに選手には強い覚悟を求めている
――確かに大卒Jリーガーに取材をすると、意識の部分で「自分に矢印を向ける重要性」は大学時代に得たものとして頻繁に出てくるフレーズです。その上で、プロからオファーを受けられる選手の特徴について何か共通点はあるものでしょうか?
奈良監督「サッカーはチームメイトがいて、対戦相手がいるスポーツであることを理解した上で自分を表現できることですね。自分が得意なプレーばっかりやってもチームは勝てない。例えば、ある攻撃的な選手は上手くいかない時に味方に要求ばかりしていたのですが、自分の特徴を出すために守備のプレーを整理する必要性に気が付いてから結果を出せるようになったこともありました」
――Jクラブのユース以上に、大学は選手たちが広い視野でサッカーを向き合える環境があるということですよね。
奈良監督「そうですね。僕自身は18歳でプロになったので大学を経験していないのですが、関東学院大学で指導する中で、大学という環境は様々な視点を得る要素が詰まっていて、それはサッカー選手としても必要なものだなと感じます。だから、大学では所属する学部はもちろん、他の学部の単位も取ることを選手たちには推奨しています。(大学は)日本サッカー界独特の環境だと思いますが、得るものは大きいと思いますね」
――その話に関連するところでは、関東学院大学は横浜F・マリノスの他に、東京都の社会人チームであるHBO品川とも提携されています。この狙いを教えていただけますか?
狩野GM「HBO品川さんは海外でサッカーを続けたい選手をサポートすることを活動コンセプトに掲げるクラブで、海外サッカー事情に関する講演会や個別相談会をうちの学生向けに開催してもらっています。また、この提携はHBOさんとだけではなく、関東学院大学国際文化学部も含めた3者での提携です。国際文化学部の協力も日頃より得ています。キッカケはJクラブからオファーがなかった卒業生が海外でプロになる道を探るケースが増えたことです。そういう可能性もあるならば1年生の頃から語学や海外の文化や海外のサッカー事情を勉強する機会を提供しようと。もちろん、Jリーグ経由で欧州クラブに挑戦する選手も今後出てくると思いますし、そうした時に大学の4年間で事前に準備できるのはアドバンテージになるはずです。大学の4年間がサッカー選手としてのキャリアにおいてロスになってはいけないので」
――大学は様々なバックボーンを持った学生が集まる環境で、仲間から受ける刺激も大きいと思います。
奈良監督「サッカー的なところで言うと、例えば、矢板中央高校出身の選手はヘディングが強いとか、F・マリノス出身の選手は“止める蹴る”が上手いとか、指導していても選手たちの引き出しに何が入っているのか探るのは楽しいですよ。そうした選手たちの個性をふまえて、選手たち自身がお互いに相手の足りないところを指摘できるのは関東学院大学の文化というか、特徴ですね」
――高卒でプロになれなかった選手が大学でブレイクスルーする要素として、他にも重要だと感じることはありますか?
奈良監督「フィジカル面は18歳で完成するのは難しい。僕の経験的には21歳である程度(フィジカル面を)プロでも勝負できる状態まで鍛えられると考えています。だから、大学も4年間はいらないかなと思っていて、3年生の終わりでプロの世界にいける選手は挑戦して欲しい。欧州でもポストユースの育成において、U−21のチームが多いのはそういうことなのかなと」
関東学院大学在籍時に特別指定選手を経験し、2023年から横浜F・マリノスでプレーする村上悠緋選手
横浜F・マリノスに対するエンゲージメントが高い理由
――関東学院大学が今シーズン、関東大学サッカーリーグ1部で初の勝ち点を得た東洋大学戦(1-1)で得点を決めたのは横浜F・マリノスユース出身の2年生・佐藤未来也選手でした。クラブとしてアカデミー卒業生の活躍は嬉しいものですか?
黒川部長「もちろんです。試合毎に狩野さんにユース出身選手について『パフォーマンスどうでした?』と聞いちゃいます(笑)」
――先日、榊原彗悟選手に取材させていただいた際に話されていたのですが、ユース卒業後もクラブは選手の状況を継続的にチェックしているんですね。
黒川部長「トップチームへの昇格は、実力があっても同じポジションに強力な外国籍選手がいるとか、その時のチーム事情によって見送られることもあるようです。だから、全員という訳にはいきませんが、昇格の可能性があった選手はクラブとして追いかけていますね」
――黒川さんの立場から横浜F・マリノスと関東学院大学の提携に関して今後の活動のイメージは何か持たれていますか?
黒川部長「一言で言うと『多角さの創出』ということになると思います。現在の提携はF・マリノスからの指導者派遣を軸としていますが、逆に関東学院大学サッカー部出身の方がF・マリノスのスクールコーチになる未来があってもいい。現在、事務職として関東学院大学サッカー部出身の方がクラブで働いてくれていますが、様々な形で交流が進むのが理想だと思います」
狩野GM「お互いの知見を活かしていくような関係性になればいいですよね。例えば、F・マリノスさんが開拓したい新規事業の分野で関東学院大学の研究者が派遣されるとか。リソースを共有することで地域が活性化していけば素晴らしいと思います」
――横浜F・マリノスの社員さんが関東学院大学の授業で講師を務める機会もあると聞きました。
狩野GM「はい。年に数回講師派遣をしていただいています。だからビジネスの領域においても、1万人以上いる関東学院大学の学生に一人でも多く日産スタジアムでサッカー観戦をしてもらうようなプロモーション面における協力は今後、検討していきたいと考えています。Jリーグは観客の高齢化が課題となっている中で、大学として出来ることはあるはずなので」
――奈良監督は本提携に関して、今後のビジョンについて何かお持ちでしょうか?
奈良監督「まずは今年1部リーグに残留して、選手たちに高いレベルの環境を提供し続けることを目指します。僕は毎日選手たちの夢を見るんです。それがなくなったら僕は指導者として終わり。自分のキャリア、チームの成績も大切ですが、選手たちが良いキャリアを歩むために何ができるのかを考え続けるということだけですね」
「選手たちには大学という環境を上手く活用してもらいたい」と奈良監督は話す
――最後に一つお聞きしたいのは、狩野GMと奈良監督にとって横浜F・マリノスはどんな存在ですか?
狩野GM「難しい質問ですね(笑)。一言で表すのは無理ですけど……『感謝する対象』という言葉でしかまとめられない。私にとって一番大切なチームは関東学院大学サッカー部です。そのサッカー部にF・マリノスさんの色んな方にサポートしてもらって『うちの大学は日本一のクラブと提携しています』とユース年代の方にに説明できることが嬉しい。だから、一番大切なチームはうちの大学ですけど、F・マリノスは2番目というか、1.5番目や1.2番目くらいに大切な存在というか、そういう関係だと思っています」
「ACLを優勝していただいて、アジアNo.1のクラブと提携していますと言いたい」と狩野GM
奈良監督「僕にとってF・マリノスは物事を考えるベースになっている存在です。当たり前のものとして自分の中にありつつ、どこで生活する上でもF・マリノスで学んだことは通用すると感じていて。憧れであり、一番身近なものである……そんな感じですね」
――横浜F・マリノスのステークホルダーはパートナー・スポンサーも、ファン・サポーターも、指導者も……皆がクラブに対するエンゲージメントが高い印象があります。その要因は何なのでしょうか?
奈良監督「クラブの関係者が情熱をもって、真摯にクラブに関わる仕事に向かっているとは感じます。変な駆け引きなく、多くの人がクラブのために繋がっている。その姿を見た人がクラブに憧れて、ハードワークをして……その積み重ねなのかもしれません。だから、F・マリノスで学ぶこと、働くことは間違っていないと思わせてくれるし、僕も帰属意識が生まれているのだと思います」
狩野満GM(写真左)、奈良安剛監督(写真中央)、黒川祐部長
Photos:(C)関東学院大学サッカー部 , Getty Images
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2024年05月17日 12:00
日本サッカー協会(JFA)の宮本恒靖会長が、国際サッカー連盟(FIFA)のインタビューに対応。日本サッカーの強化に向けて熱い想いを明かした。
現在47歳の元日本代表キャプテンは、古巣ガンバ大阪の監督などを経て、今年の3月24日付でJFAの第15代会長に就任した。なぜ、この選択肢を取ったのか。
FIFAは「多くの元選手が現役引退後、コーチや放送の道に進む。ミヤモトのキャリアは異例だ」と伝えるなか、宮本会長は次のように語った。
「長期的な目標は、サッカー界の意思決定者になることです。人生のどこかの時点で、自分が意思決定者になると分かっていましたから、プロとしてキャリアを積んだ後の目標でした。
物事を十分に理解し、重要な決断を下すためには、様々な視点を持つことがとても大切です。以前は選手の立場からしか見ていませんでしたが、FIFAマスター(スポーツマネジメント教育プログラム)の修了後は、歴史的、経営的、法律的な視点を持っています」
【記事】「彼のような人材が監督として認められれば」JFAの宮本恒靖会長が語る日本代表強化論。現状打破のキーマンは?
JFAは「2050年までにワールドカップを開催して優勝する」という目標を掲げている。宮本会長はその歩みに手応えを示しつつ、明確な課題も口にした。
「ワールドカップで優勝する方向に向かっていると思います。代表チームは順調に進んでいます。多くの日本人選手がヨーロッパのトップリーグでプレーしていますしね。でもワールドカップで優勝するのは、また別の話です。チャンピオンになるためには、優秀で才能のある若手を継続的に育てる必要があるし、ヨーロッパのトップクラブに所属する選手の数を増やす必要があります」
バイタリティ溢れるレジェンドは、夢にまで見た世界制覇に導けるか。その手腕に大きな期待が懸かる。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部
2024年05月17日 11:57
久保建英を擁するレアル・ソシエダは現地5月16日に行なわれたラ・リーガの第36節でバレンシアとホームで対戦。
2024年05月17日 11:50
オーストラリア・AリーグのマッカーサーFCに所属している選手ら3名が、サッカー賭博に関わる不正行為で逮捕されたとのこと。
『ABC』によれば、逮捕されたのはマッカーサーFCに所属している元メキシコ代表MFウリセス・ダビラらであるそう。
記事によれば、不正行為が行なわれていたのは11月24日から12月9日までに開催された試合。
ダビラは11月24日のメルボルン・ヴィクトリー戦、12月9日のシドニーFC戦で意図的にイエローカードを受ける行為を試みていた可能性があるという。
南米在住の何者かから依頼を受け、ダビラらは試合の特定の時間においてイエローカードを受けることによって賭博の結果を操作しようとしていた疑いがあるとのこと。
また、ダビラらは4月20日から5月4日までの間に行なわれた試合でもイエローカードの枚数をコントロールしようとしていたものの、それについては失敗していたそう。
ダビラらはサッカーの結果を固定しようとする違法行為に関与した容疑で金曜日の朝に逮捕されているとのこと。また1名の選手が他にも事情聴取を受けているものの、その名前については明かされていない。
また報道によれば逮捕された選手たちは本日のうちに保釈される予定であるとのことだ。
ウリセス・ダビラは2011年のトゥーロン国際大会とU-20ワールドカップで大活躍したメキシコ代表選手で、その後チェルシーに移籍して大きな話題になった攻撃的MF。
大金も信頼も溶ける…「ギャンブル中毒」なあのスター選手5名
その後フィテッセ、サバデル、コルドバ、テネリフェなどへと期限付き移籍を繰り返し、最終的にはチェルシーで1試合も出場することなく退団している。
それからはサントス・ラグーナを経てインド、オーストラリアでプレーしており、マッカーサーFCでは10番のキャプテンとして長く活躍してきた。今季も25試合で9ゴールを決めており、中心的な存在になっている。
2024年05月17日 11:46
5月10日、ブラジル代表の招集メンバー発表会見が行われた。今回は、6月前半のFIFA国際マッチデーにアメリカで行われる親善試合メキシコ戦とアメリカ戦、さらに、6月20日から7月14日にかけてアメリカで開催されるコパ・アメリカのためのチームだ。コパ・アメリカはドリバウ・ジュニオール監督就任後の初めての公式大会となる。
メンバー決定の大前提について解説
そのドリバウは、昨年10月、11月のFIFAワールドカップ南米予選でブラジル代表が史上初の3連敗を喫した直後に就任し、今年3月の新体制スタート時、親善試合でイングランドに1-0で勝利し、スペインには3-3で引き分けている。
クラブ監督としての勝者の経歴はもちろん、その代表監督としての船出の結果もあり、現時点、ブラジルメディアやサポーターからは一定の信頼と期待感が寄せられている。そのため、彼の選んだ23人にも、強い批判や反発のような雰囲気は感じられない。
会見では、この招集メンバー決定における大前提について質問が出た。各ポジションにフル代表経験の少ない若手が含まれていることから、今大会の結果はもちろん大事だが、2026年W杯を睨んだ世代交代も考慮したメンバーなのか。また23人中20人がヨーロッパ組で、国内組が3人のみなのは、大会期間中、ブラジル全国選手権が中断されないため、クラブへの配慮が働いたのか、など。ドリバウの答えは明解だった。
「純粋に技術的な選考だ。我われはすべての選手を評価しようとしている。年齢や所属クラブも、選手個々の現状以外の何の状況も関係ない。選手の評価には様々なプロセスがあり、今回のリストに入っていないことが、その選手の今後に影響するわけでもない」
カゼミーロ不在についても説明
注目されたのは、カゼミーロの不在だ。2011年の初招集から長年代表の常連であり、特に2016年のチッチ監督就任以降は、ボランチとしても、リーダーとしても、不可欠な存在としてプレーしてきた。ただ、マンチェスター・ユナイテッドで好調とは言えない最近の状況から、今後の代表における彼の立ち位置について質問が出た。ドリバウは説明した。
「3カ月前、マンチェスターを訪問してカゼミーロと話し、彼や彼のチームの状況、そして私が必要としていることについて、自分の考えを説明した。現時点で招集されていないからと言って、彼が代表を外された、または今後も外される、という意味ではない」
「彼は、私が彼についてどう思っているかをよく知っている。また、明日には彼に連絡し、今後の可能性について説明するつもりだ。彼は配慮、愛情、尊敬に値する選手であり、我われはこのレベルの選手のことを信じているからね」
カゼミーロ(右端)やネイマール(右から2人目)らは招集外となった(Photo: Vitor Silva/CBF)
その他「重傷から復帰したエデル・ミリトン(レアル・マドリー)」「3月の親善試合で2試合ともゴールを決めた17歳のエンドリッキ(パルメイラス)」「ケガからの復帰が待たれるネイマール(アル・ヒラル)の不在において、ビニシウス・ジュニオール(Rマドリー)は主役となり得るか」「リシャルリソン(トッテナム)が外れた理由(※ふくらはぎの負傷)」「唯一の初招集となったエバニウソン(ポルト)」など、多岐に渡った質問は、そのままコパ・アメリカでの見どころにも繋がる。
ビニシウス(左端)には主役級の役割が求められている(Photo: Rafael Ribeiro/CBF)
「選手たちのポテンシャルと能力を信じている」
選手がベテランから初招集まで、様々な経験値で構成されているのと同時に、スタッフも、ドリバウや代表総合コーディネーターのホドリゴ・カイターノをはじめ、クラブでの優勝経験は豊富なものの、代表での仕事は今回が初めてのメンバーも多い。
初めての公式大会を戦う上で、勝利と優勝はもちろん、ピッチの内外での最大の挑戦だと考えているのは何かを質問した。ドリバウは答えた。
「まず、長期間一緒にいられる大会が目の前にある。その中で、このチームは我われが想定しているすべてを身につけることができるはずだ。その答えがピッチの中で出せることを願っている。バランスの取れたチームを作り、できる限り良いパフォーマンスをするために、集中した仕事をするつもりだ」
「一緒にいる期間という意味では、多分、W杯に非常に近いタイプの大会だ。私は我われが最後の試合まで行けることを願っているし、そのために組み立てたこのチームを信頼している。すべての対戦相手を尊重しているが、我われはブラジル人選手たちのポテンシャルと能力を信じている」
「このチームを信頼している」と招集メンバーへの期待を語ったドリバウ監督(Photo: Kiyomi Fujiwara)
コーディネーターが、ドリバウの言葉に付け加えた。
「非常に意義深い期間になる。今日の招集メンバー発表をもって、選手も我われスタッフも、みんながただ一つ、こういう気持ちになってくれることを願っている。『この期間、ブラジルを良い形で代表すること以上に大事なことは何もない』というふうにね。それが挑戦だ。我われはこれをみんなの共通認識にする。私はそうなると確信している」
「この遠征初日から100%集中し、選手たちやスタッフとともに、良い形で練習を実践する。我われにとって非常に大事なこの大会で、タイトルを獲るために」
この決意表明とともに、チームはこの後、ヨーロッパ組が5月30日に集合し、国内組が6月3日に合流、6月20日までオーランドで準備合宿を行う。この期間に前述の2つの親善試合を行い、6月24日コスタリカ戦からコパ・アメリカ本番に突入する。
Photos: Vitor Silva/CBF, Rafael Ribeiro/CBF, Kiyomi Fujiwara
2024年05月17日 11:42
71歳のトルコ人指揮官に再アプローチか。
難航する韓国代表の次期監督の選任。自国メディア『MKスポーツ』は、「シェノール・ギュネシュ監督が有力候補として再び浮上した」と報道。「関係者によると、大韓サッカー協会(KFA)がギュネシュ監督を最有力候補に挙げて交渉を進め、速いスピードで進行している」という。
KFAは昨冬のアジアカップ後、ユルゲン・クリンスマン監督を更迭。以降、強化委員会を再編し、新監督の就任を目ざしてきたが、いまだ後任を見つけられずにいる。
記事によれば、4月には国内監督4人と外国人監督7人など合計11人をリストアップ。そのなかで外国人監督に焦点を合わせ、最終候補3〜4人を選び、最優先順位から交渉を続けていた。
だが、第一候補と見られていたジェシー・マーシュはカナダ代表の監督に就任。KFAは次善策でイラク代表のヘスス・カサス監督に狙いをつけたが、合意点を見つけられなかった。両監督のほか、もう一人の候補として挙げられていたバスコ・セアブラ監督も、所属するエストリル・プライアと再契約を結んだため無念の結果となった。
【PHOTO】華やかなコスチュームでエール! 大会を彩る韓国女子サポを特集!
こうした状況を踏まえ、ギュネシュ監督が再浮上したようだ。
「先にトルコメディア『ポトスポル』が、『KFAはギュネシュ監督が歳を取りすぎているという理由で選任を拒否した』と伝えているが、これまで候補に挙がっていた監督が次々と拒否の意思を明らかにすると、一気にギュネシュ監督に目を向ける形になった」
トルコ代表ほか、ベジクタシュやトラブゾンスポルなど母国クラブを率いたギュネシュ監督は、かつてFCソウルでも指揮を執った経験があり、韓国代表の監督にも関心を示したこともあったという。
6月には北中米ワールドカップの2次予選が控えている。それまでに新監督を決められるか。MKスポーツは「時間的な余裕はない。6日にアウェーでシンガポール、11日にホームで中国と対戦するため、少なくとも2〜3週間の時間が必要だ。滞りなく6月のAマッチに向けて準備するには、遅くとも来週までに監督を選任しなければならない」と危機感を募らせる。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部
2024年05月17日 11:35
レアル・マドリーに所属しているオーストリア代表DFダヴィド・アラバは、左膝に再びメスを入れることになったという。
2024年05月17日 11:32
現地5月15日に開催されたスコットランドリーグの第37節で、古橋亨梧、前田大然、旗手怜央、岩田智輝、小林友希が所属するセルティックがキルマーノックと敵地で対戦。5−0で大勝し、1試合を残して3シーズン連続54回目の優勝を飾った。 この一戦に、セルティックの韓国人選手がメンバーにすら入れなかったのを嘆いたのが、韓国のメディア『OSEN』だ。「韓国選手全滅+苦い優勝」と見出しを打った記事を掲載し、「セルティックが優勝したが、韓国人選手たちの貢献はなかった」と落胆している。「セルティック栄光の瞬間に韓国選手たちはいなかった。ヤン・ヒョンジュン、オ・ヒョンギュ、クォン・ヒョクギュの3人ともメンバーリストから除外されて出場できなかった」【動画】旗手が見事なスルーパス→前田が優勝に花を添える追加点
同メディアは「オ・ヒョンギュは今シーズン20試合で5ゴールを決めた。しかし、2024年になって出場時間がほとんどなかった。ヤン・ヒョンジュンは24試合で1ゴール・3アシストをマークした。クォン・ヒョクギュはセルティック入団後公式戦出場がなく、1月にセント・ミレンにレンタルされた」と続けた。 さらに、比較するように、日本人選手たちの活躍に言及している。「一方、セルティックの日本人選手たちはチームの主軸として大活躍した。(この試合では)前田と旗手が先発としてプレーし、古橋と岩田が交代で出場した。昨シーズン27ゴールを入れた古橋は、今シーズンは不振でも13得点を記録した。前田も6ゴールと目立っていた」 日韓で明暗が分かれる結果となった。構成●サッカーダイジェストWeb編集部
2024年05月17日 11:31
トッテナムの韓国代表FWソン・フンミンが、マンチェスター・シティ戦での自身のシュートミスに言及した。
現地時間5月14日に開催されたプレミアリーグの第34節(延期分)で、5位のトッテナムは2位のシティとホームで対戦。0−2で敗れた。
ソン・フンミンは1点ビハインドの86分、カウンターから抜け出して相手GKシュテファン・オルテガと1対1の状況になるも、右足で防がれて決定機を逃した。
もしトッテナムが同点に追いつき、1−1の引き分けで終わっていたら、アーセナルがシティを上回って首位で最終節を迎えていた。そのため、スパーズの宿敵であるガナーズのファンからは批判の声が殺到。ソン・フンミンはインスタグラムなどで誹謗中傷を受けた。
【動画】アーセナルファンが激怒したソン・フンミンの決定機逸
そんななか、英メディア『Daily Mail』によると、韓国人FWは決定機を逃したことについて、こう話している。
「僕も人間だ。相手のゴールキーパーは本当に良い決断をして、身体を大きく伸ばした。しかし、チームのためにビッグチャンスを決められなかった責任は僕にある。みんな懸命に働いて、良い結果を得ようとしていた」
またソン・フンミンはアーセナルのリーグ優勝を阻止するために「わざとミスをした」とも非難されているが、「他のことは気にしていない。自分たちのことに集中していた」と強調した。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部
2024年05月17日 11:24
オーストラリア1部のアデレード・ユナイテッドは5月16日、FW 指宿洋史の退団を発表した。
指宿は、2021年の清水エスパルスとの契約満了後、翌年にフリーでアデレード・Uに加入し、1年目から主力としてコンスタントに出場。2023-24シーズンは26試合で15ゴールを記録し、在籍した3シーズンの通算では74試合に出場して30得点を挙げた。
クラブは公式サイトで退団の経緯を説明。「クラブはヒロシがアデレード・ユナイテッドに残る機会を探った。しかし両者は、ヒロシと彼の家族がより長期的な機会を追求できるよう、彼のキャリアのこの段階で、互いに別れることに合意しており、クラブはこの決断を心から支持している」とした。
【動画】豪州でも炸裂!指宿のヘディング弾!
続けて33歳のストライカーのコメントも紹介。退団にあたり次のように感謝を示した。
「この3年間は忘れられない思い出と、僕と家族を本当に愛してくれていると感じさせてくれるサポートでいっぱいでした。僕らを受け入れてくれて、この場所を家のように感じさせてくれてありがとう。この3年間は、忘れられない思い出でいっぱいです」
またカール・ヴァールト監督は、「ヒロシはドレッシングルームの人気者で、我々に多くの幸せをもたらした。彼は常に100パーセントの力を発揮してくれた。彼のキャリアの次の章での成功を祈っている」とこれまでの功績を称えた。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部