2024年04月17日 10:19
◆ 菊池雄星が今季初勝利の権利持って降板 トロント・ブルージェイズの菊池雄星投手(32)が現地時間16日のヤンキース戦に先発登板。6回1失点、9奪三振の好投で今季初勝利の権利を持って降板した。 今季4試合目の先発となった菊池は初回、ボルペ、ソト、ジャッジの上位打線を三者連続三振に仕留める絶好のスタート。2回表、内野手の失策から先制点を献上したが、3回表は1番からの打順を再び三者凡退とした。 ブルージェイズ打線は、菊池に今季初の援護点を記録。3回裏にジャスティン・ターナーの中犠飛で同点とすると、続く4回裏にはヴラジーミル・ゲレロJr.が勝ち越しの2点適時打を放ってリードを奪った。 勝ち投手の権利がかかった5回表は、二死から得点圏にランナーを背負うも、1番ボルペから3打席連続となる三振を奪ってピンチ脱出。6回表には先頭打者に安打を許したが、後続を打ち取り、無失点で終えた。 この試合の菊池は6回94球を投げて4安打、1四球、9奪三振、1失点(自責0)の投球で、今季1勝目の権利を持って降板。試合はブルージェイズが4点をリードし、7回表に入っている。
2024年05月21日 12:14
巨人は21日、育成選手・立岡宗一郎外野手(34)と支配下選手契約を締結したと発表した。背番号は「23」に決まった。
立岡は22年シーズン中に左膝前十字靱帯を損傷。再建手術を経て同年オフに育成再契約。昨季は1軍出場がなかった。2軍戦では今季、開幕から27試合に出場。4盗塁、打率・256など、攻守で安定した成績を残していた。
21日の中日戦(東京ドーム)で1軍昇格する予定。3連敗と苦しむチームに経験豊富なベテランが加わる。
2024年05月21日 11:40
ドジャースはたこ焼き大手「築地銀だこ」と複数年契約を結んだと発表した
ロサンゼルスに登場した“日本の味”にファンも興味津々だ。ドジャースは20日(日本時間21日)、たこ焼き大手「築地銀だこ」と複数年契約を結んだと発表。本拠地のドジャースタジアムでは、62年の歴史で初めて、たこ焼きを提供する売店を設置したことに、「大谷効果すごいな」との声があがっている。
ドジャースのロン・ローゼンCMO(チーフマーケティングオフィサー)は「ドジャースのパートナーシップ・ファミリーへ築地銀だこが加わったことは貴重なことです。同社の食べやすいたこ焼きは、すでにドジャースファンの間で人気となっています。これは、両組織と両ブランドの関係の発展を象徴していることと言えます」とコメントした。
ドジャースは4月以降、「ANA(全日本空輸)」「TOYO TIRE」「興和」「大創産業」「日本管材センター」「コーセー」「木下グループ」「THK」「ヤクルト」と契約。日系企業との契約は「築地銀だこ」で10社目となった。今季から大谷翔平投手と山本由伸投手が加入。大谷はメジャー史上最高額となる10年7億ドル(約1095億円)の大型契約だが、プレー以外の価値も生み出している。
SNS上では日本のファンも反応。「経済界にも大きな影響を与える大谷さん」「米国でたこ焼きブーム来るかな」「日本食って好かれそうだし勝算ありそう」「日本の文化を広めることができるね」「1年で1000億回収できそうですね」「米国は中がめちゃ熱いみたいな食べ物あるのかな……球場にアウチ!がこだましそう」「日本の経済は彼にかかっている」との声が寄せられている。(Full-Count編集部)
2024年05月21日 11:27
MLBの調査中もフレッチャーはプレーが可能だという
エンゼルス時代に大谷翔平投手とともにプレーしていたブレーブス傘下のデビッド・フレッチャー内野手が違法スポーツ賭博を行っていた疑いで、メジャーリーグ機構(MLB)が調査を開始したと20日(日本時間21日)、米スポーツ局「ESPN」が伝えた。フレッチャーを巡っては、17日(同18日)にESPNが違法スポーツ賭博を行っていたと報じていた。
記事によると、フレッチャーが違法ブックメーカーの元でギャンブルを行った疑いがあるとして、調査を開始したとMLB関係者がESPNに伝えた。MLB関係者は「私たちが証拠を掴んでいない場合、政府の協力が重要になる」と述べたという。
MLBの調査担当者は今後取り調べを要請するが、フレッチャーが犯罪捜査の対象になることを主張すれば拒否する権利を持つという。また、MLB関係者は、MLBが法的機関に協力を求めたかは現時点で明言しなかった。
MLBが調査中でもフレッチャーはプレーを続ける可能性がある。MLB関係者によると、野球に賭けず違法賭博を行った場合、出場停止ではなく罰金処分になることが濃厚。また、いかなる賭博でも野球に賭けた場合、永久追放になる可能性があるとしている。
違法賭博を巡っては大谷の元通訳である水原一平被告が、違法ブックメーカーの胴元、マシュー・ボウヤー氏のもとで違法賭博を行うために、大谷の口座から資金を盗用。銀行詐欺と虚偽申告で追訴され、司法取引に応じていた。
2024年3月にESPNの取材に応じたフレッチャーは「以前ゴルフをした時に、1度だけボウヤーと会ったことがあるが、ボウヤーの組織で賭け事をしたことはない」と否定していた。(Full-Count編集部)
2024年05月21日 11:06
関大・宮本名誉教授が試算
関西大の宮本勝浩名誉教授は20日(日本時間21日)、ドジャースに加入した大谷翔平投手の経済効果を試算。
2024年05月21日 10:52
2006年にMVPのジャスティン・モーノー氏が大谷を絶賛
ドジャースの大谷翔平投手は19日(日本時間20日)終了時点で打率.353、13本塁打、OPS1.080と打ちまくっている。2006年にMVPに輝いたジャスティン・モーノー氏は、今後投手として投げることがなくても、史上最高の選手だと語っている。
モーノー氏は現役時代に通算1603安打、247本塁打をマーク。ツインズ時代の2006年にリーグMVP、ロッキーズ時代の2014年に首位打者を獲得した。デジタルラジオ局Sirius XMのチャンネル「MLBネットワーク・ラジオ」に出演し、大谷に言及。「彼は一流の打者、今季は最高の打者だ」と絶賛した。
通算630本塁打を放ったケン・グリフィーJr.氏を引き合いに、「(大谷は)ピッチングもする、その部分が他(の選手)とは明らかに違う。彼は一流の打者、今季は最高の打者だ。してほしいことを彼は何でもできる。驚異的だ。オールラウンドな技術を持った男だ」と賛辞を並べた。
さらに「ショウへイはあの長期契約(10年契約)を結んだから引退はまだまだだが、歴代最高の野球選手として名を残さないということに反論しないのは難しい。今後2度と投げなくても、だ」とも述べた。
昨年9月に右肘手術を受けた影響で今季は打者に専念している大谷。来季の投手復帰が見込まれているが、モーノー氏は打者だけでも歴代最高の選手だと称賛する。元MVPも、これまでの二刀流としての活躍やカリスマ性、今季の並外れた打力に感服している。(Full-Count編集部)
2024年05月21日 10:33
22歳以下の選手で開幕45試合を消化した時点での本塁打数で歴代3位タイ
■カージナルス ー オリオールズ(日本時間21日・セントルイス)
オリオールズのガナー・ヘンダーソン内野手が20日(日本時間21日)、敵地で行われたカージナルス戦で16号3ランを放った。17日(同18日)の本拠地・マリナーズ戦から驚異の4試合連発。試合前の時点でアストロズのカイル・タッカー外野手と並んでメジャートップタイだったが、単独キングに浮上した。
「1番・遊撃」で先発出場すると、5点を追う6回に反撃の一発。無死一、二塁からグレイが投じた外角へのスライダーを捉えた。高々と上がった打球は、美しい放物線を描いて左中間スタンドへ。22歳の豪快弾に敵地もどよめいていた。
メジャー単独トップに立つ16号で、リーグこそ違うもののドジャースの大谷翔平投手に3本差をつけた。MLB公式サイトのサラ・ラングス記者によると、22歳以下の選手で、開幕45試合を消化時点での本塁打数で歴代3位タイだという。(Full-Count編集部)
2024年05月21日 10:24
○ ブレーブス 3−0 パドレス ●
<現地時間5月20日 トゥルイスト・パーク>
アトランタ・ブレーブスが完封リレーで連敗ストップ。クリス・セール投手(35)が7回無失点の好投で7勝目。マーセル・オズナ選手(33)はナショナルリーグトップの14号本塁打を放った。
ダブルヘッダー初戦では5点リードから逆転負けを喫し、迎えた2戦目。ブレーブスは初回、先頭のロナルド・アクーニャJr.が三塁打で出塁し、2番オジー・アルビーズの適時打で幸先良く先制に成功。3回裏に1点を追加し、5回裏にはオズナの14号ソロでリード拡大。オズナはダブルヘッダーで13号、14号と連発し、ドジャースの大谷翔平を抜き、ナ・リーグ本塁打部門の単独トップに浮上。打点は全体トップの43打点を記録している。
先発したセールは毎イニングの計9三振を奪い、7回5安打、無失点の好投。8回表は元阪神のピアース・ジョンソン、最終回は守護神ライセル・イグレシアスが締め、完封勝利。パドレスとの4連戦を1勝3敗で終え、貯金10。地区首位フィリーズを5ゲーム差で追っている。
今季14年目のセールは、昨年12月からブレーブスへ加入。開幕から9試合を終えて7勝1敗、防御率2.22。特に5月は絶好調で4戦4勝、25回を投げて防御率0.50、37奪三振をマークしている。2012年から2018年まで7年連続で2桁勝利を挙げていたが、以降は怪我の影響で不本意な成績が続き、シーズン7勝目は2018年以来、6年ぶりとなった。
2024年05月21日 10:12
LAタイムズのシャイキン記者「外はカリカリで、中はフワフワだ」
日系企業との契約に、ファンも恩恵を受けている。
2024年05月21日 10:08
元巨人監督の高橋由伸氏が20日、自身のインスタグラムに新規投稿。松井秀喜氏、清水隆行氏との3ショット写真をアップした。
3人は長嶋政権下で上位打線を担った外野トリオ。特に日本一に輝いた2000年シーズンでは2番・左翼に清水、4番・中堅に松井、5番・右翼に高橋で開幕オーダーを形成し、チームをけん引した。
長嶋茂雄DAYで解説を務めたこともあり、「先日の解説後、清水さん、松井さん、日本テレビスタッフの皆さんと食事をしました。現役時代の思い出話に花が咲き、あっという間に時間が過ぎました」と投稿した高橋氏。3ショット写真はちゃんと守備位置通り並んでおり、バックには長嶋監督のユニホームも掲げられている。
ファンからも「この3人が外野を守る時代、大好きでした」「大好きだった頃のジャイアンツ懐かしい」「胸熱メンバーのみなさん」「またこの3人が同じユニホーム着てグラウンドにいるのが見れたら幸せです」と反響の声があがっていた。
2024年05月21日 10:00
15日に放送された『ニッポン放送ショウアップナイター 巨人−DeNA』で解説を務めた田尾安志氏が、DeNA・筒香嘉智について言及した。
田尾氏は筒香について「メジャーに行く前の筒香選手のフォームよりも今のフォームの方がいいフォームだと思っているんですよ。右肘が前はもっと張っていたんですよね。トップの位置で。今は余裕があるんですよね」とメジャー挑戦前と挑戦後での違いについて語った。
筒香は09年ドラフト1位で横浜に入団し、6年目の15年からチームキャプテンを務め、16年には本塁打と打点王に輝いた。日本通算968試合に出場して、打率.285、205本塁打、613打点。19年オフにポスティングシステムを利用してメジャーリーグに挑戦。レイズ、ドジャース、パイレーツの3球団でプレーした21年は3球団合計、打率.217、8本塁打、32打点の成績を残した。5年ぶりに復帰した今季はここまで10試合に出場して、打率.206、2本塁打、5打点の成績を残している。
(ニッポン放送ショウアップナイター)
2024年05月21日 10:00
阪神・才木浩人投手(25)がチームの救世主になっている。今季3度の連敗ストップに貢献し、最大7点差大逆転負けを喫した翌日12日・DeNA戦(横浜)には完封勝利。ショックを振り払い、嫌な流れを断ち切った。なぜ才木はチームの苦境に真価を発揮できるのか、そのワケに迫った。
日曜日、才木がマウンドに立てば、何だか勝てそうな気がする。ここまでリーグトップの5勝を挙げ、防御率1・76は同5位。何より頼もしいのは苦境に立たされたチームを救う、勝負強さだ。
今季すでに3度連敗を止め、12日・DeNA戦では圧巻の完封勝利。岡田監督が「才木さまさま」と最大級の賛辞を贈ると、チームメートからも「才木がやってくれた!」「才木のおかげ」など、ねぎらいと感謝の声が相次いだ。単なる一勝ではない。前日11日は悪夢の大逆転負け。試合後、バスの車内はさすがにどんより、重苦しいムードが漂っていたという。
それでも才木に気負いはなかった。「翌日はそんな重苦しい感じはなかったですよ」とケロリ。「自分はいつも通りみたいな感じなので。引きずることもなく淡々とやるというか」。この平然としたメンタリティーが才木の魅力だ。バッテリーを組む梅野も「いつも才木は『今日は勝ったるぞ!』って言ってますよ」と笑う。「いい意味で背負いすぎず淡々と投げられるのが才木の良さ」。根っからの明るい性格。雰囲気に左右されるどころか、ポジティブな空気に変えられるのだ。
登板前日の過ごし方も才木らしい。自身のコンディショニングに集中し、テレビ中継にかじりつくことはしないという。「相手の状態どうこうより自分の状態の方が大事なので、気にならないですね。ベストなパフォーマンスを出せるようなコンディションに持っていく方が大事」。一昨年にトミー・ジョン手術から復活を遂げ、昨季は8勝をマーク。リーグ優勝を決める大一番でも勝利投手になった。年々自信も深まっているのだろう。
19日・ヤクルト戦では雨が降りしきる中、6回2失点と粘投。チームの日曜日の成績は7勝1敗の高勝率だ。「一番安定して六回、七回はいってくれる」。週頭とともに、6連戦を締めくくる日曜日の戦い方を重視する岡田監督の言葉からも信頼の高さがうかがえる。
「真っすぐごり押しとかあんまりいないですからね」と才木。豪快な投球で日曜の憂鬱(ゆううつ)気分を吹き飛ばすだけでなく、週明けへ活力を与えてくれる。“サンデー才木”がリーグ連覇へのキーワードになりそうだ。
2024年05月21日 09:51
ナックが5回途中1失点の翌日に降格
ドジャースは20日(日本時間21日)、金銭トレードでメッツから獲得したヨハン・ラミレス投手を26人のアクティブロースターに加えた。
2024年05月21日 09:33
ブルージェイズのゲレーロJr.、5月は打率.404で大谷を唯一上回っている
■ブルージェイズ 9ー3 Wソックス(日本時間21日・トロント)
ブルージェイズのブラディミール・ゲレーロJr.内野手が、好調を維持している。20日(日本時間21日)に本拠地で行われたホワイトソックス戦で3打数1安打1打点2四球を活躍。5月は4割超えとなる月間打率.404と打ちまくっている。
2点リードの3回、1死二塁から右前へ適時打を放った。5月は15試合に出場して打率.404、1本塁打、OPS.976と巧打が光っている。4月は27試合で打率.219、2本塁打、OPS.629と苦しんでいたが、徐々に本来の姿を取り戻しつつある。
一方、ナ・リーグではドジャースの大谷翔平投手が月間打率.393でトップ。メジャー全体でこの数字を上回っているのはゲレーロJr.だけだ。2人は2021年に本塁打王争いを展開。ゲレーロJr.は48本でサルバドール・ペレス捕手(ロイヤルズ)と並んでキングに輝いた。
5月はヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手も好調。試合前の時点で打率.367、7本塁打、OPS1.373と大谷をも上回る勢いだ。13日から19日までの期間の週間MVPに選出された。大谷と激闘を繰り広げたライバルたちが躍動している。(Full-Count編集部)
2024年05月21日 09:00
DeNAの徳山壮磨は3年目の今季、ベイスターズのブルペンを支えている。
14日に放送された『ニッポン放送ショウアップナイター 巨人−DeNA』で解説を務めた江本孟紀氏は徳山について「素晴らしいストレートを持っているんだけど、結局コントロールなんですよ。そこが問題なんですよ」と指摘するように、今季15試合・15回2/3を投げて、与四球が10はやや多い。江本氏は「もうちょっと投げ込んだら、コントロールがつくし、ハイレベルなピッチングができると思います」と課題点を挙げながらも、徳山に期待寄せた。
徳山は今季ここまで15試合に登板し、0勝0敗4ホールド、防御率1.72の成績を残している。
(ニッポン放送ショウアップナイター)
2024年05月21日 09:00
阪神の石井大智投手(26)が“無双状態”に入っている。今季は5回2/3を投げて12奪三振。奪三振率は19・06(20日現在)と異次元の数字となっている。奪三振数が飛躍的に増えた理由を本人が語った。
15日の中日戦で同点の九回に登板した石井は三好、石川昂を三振に仕留めると、最後は低めに制球されたフォークで山本のバットに空を切らせた。圧巻の3者連続三振。「最後のフォークは本当に投げたいところに投げられた」と会心の1球を振り返り、分厚い胸を張った。
4日の1軍再昇格後は18日・ヤクルト戦(甲子園)の七回1死まで、奪った9個のアウト全てが三振だった。今季は計5回2/3を投げて12奪三振。奪三振率は19・06に達している。奪三振数の飛躍的な増加について「変化球を決めたいところに決められている。真っすぐも低めに強くいい球がいっているのでより変化球が生きたり、逆に(変化球がいいので)真っすぐが生きているという感覚はある」と、直球と変化球の相乗効果を強調した。
昨季は44試合に登板して1勝1敗19ホールド、防御率1・35と大きく飛躍。今季も勝ちパターンの一角を担う存在として期待されたが、オープン戦では8試合で防御率7・00と苦しんだ。初登板となった3月30日の巨人戦(東京ド)でも1回2失点と乱れ、4月3日に登録を抹消された。
「去年よりも少しバッターが嫌がるフォームを求めていた。フォームと(投げる)ボールのギャップを考え、少し足を上げる時に遅いところをつくってみたり」と春季キャンプから続けていた試行錯誤を明かし、「自分の得意じゃない動きをしていた。(体に)軸が通っていないみたいな、全部ふにゃふにゃに動いてる感じがあった」と不調の要因を分析した。
復調の決定的な契機となったのは3日のウエスタン・くふうハヤテ戦だったという。「試合前に前鋸筋(ぜんきょきん=脇の下の筋肉)に収縮を入れるエクササイズをやった瞬間に『変わったな』というのが分かった」。体に軸が通り、求めていた動きを手に入れた。九回に登板して3者連続三振の快投を演じ「真っすぐが差し込めていた」と手応えを得た。前鋸筋に刺激を入れる作業は、今も試合前のブルペンで続けている。
2軍では投球のメカニクスを見直しただけではなく、金言も授かった。現役時代に先発と中継ぎを経験した福原2軍投手コーチから「中継ぎだったら(登板時間の)一日5分頑張ればいい。長くても10分、15分くらい。一日そこだけの時間を頑張ればいいんだから」と中継ぎの心得を説かれた。「その言葉で少し楽になった」。生真面目な性格ゆえ、何事も考え過ぎだった石井の心を軽くしてくれた。
久保田1軍投手コーチも石井の心理面の変化を感じ取った。1軍復帰初戦となった8日の広島戦(甲子園)で九回を3者連続三振。ボールの力強さが増したことを認めつつ「上がってきてすぐに抑えて気持ちが楽になっている部分もある。低めを見逃されても、もう一回(低めに)投げられる自信がついている」と語った。現役時代に「JFK」の一角を担った剛腕は「気持ち」の重要さが身に染みている。
18日のヤクルト戦(甲子園)では1点リードの七回に登板し、クリーンアップ相手に1回無安打2奪三振。4番の村上からは三振こそ奪えなかったが、150キロ台の直球を連発し、最後は伸びのある152キロで二ゴロに。19日・同戦では2点差の七回を託されると、三振は一つも奪えなかったが無失点でゲラにつないだ。「(三振の数は)重要ではない」と結果にこだわり続ける。岡田監督の信頼を勝ち取り、石井が勝利の方程式に加わった。(デイリースポーツ・山本直弘)
◆驚異の奪三振率19・06 石井は今季ここまで6試合に登板している。投球イニングは5回2/3で12奪三振をマークしており、全17アウトのうち、約71%が三振によるアウト。奪三振率は三振数×9÷投球回で求められ、9・00を超えると1イニング1三振以上の計算。石井の19・06は1イニングに2三振以上を奪っていることとなる。奪三振の内訳は空振り=10、見逃し=1、スリーバント失敗=1。なお、ウイニングショットで目立つ球種はフォークで最も多い5奪三振。