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2022年08月18日 20:05
◆新日本プロレス「G1 CLIMAX 32」大会 ▽6人タッグマッチ20分1本勝負 〇ジェフ・コブ、アーロン・ヘナーレ、グレート―O―カーン(6分01秒 ツアー・オブ・ジ・アイランド→片エビ固め)バッドラック・ファレ、チェーズ・オーエンズ、ジュース・ロビンソン●(18日、東京・日本武道館) 真夏の最強決定戦「G1」ブロック戦で2勝4敗で敗退したグレート―O―カーンが第3試合の6人タッグマッチに出場。6月のAEWと新日の合同興行「FOBIDDEN DOOR」大会での3WAYマッチでダックス・ハーウッド、キャッシュ・ウィーラー組に奪われたIWGPタッグ王座の早期奪還を誓った。 2年連続出場となったG1クライマックスでは、2勝4敗でブロック戦敗退となったO―カーンだが、この日は抜群のパワーでファレ、オーエンズらを圧倒。特にG1で黒星を喫したオーエンズに怒り爆発。アイアンクローに一本背負いと散々、痛めつけて見せた。 試合はユナイテッド・エンパイアの盟友・ジェフ・コブがジュース・ロビンソンを必殺のツアー・オブ・ジ・アイランドでたたきつけ快勝。バックステージに「余裕じゃねえか!」と豪語しながら引き上げてきたO―カーン。 コブとともにタッグベルトを奪取したファレ組を「任せろ! 必ずブチ殺してやるよ、あのブタども」と挑発したところで、当のファレとオーエンズが会見場に乱入。「おまえたち、ふざけるな! あのベルトは俺たちのものだ」と怒りをぶちまけると、コブも正面からにらみ合い。 「勝った方があのベルトを獲ればいいじゃねえか。ベルトは俺たちの腰にこそあるべきだ」と米国にいるハーウッドらそっちのけでベルトの所有権を主張していた。(中村 健吾)
2024年05月07日 08:13
4回の攻防で起きたまさかの場面
ボクシングの世界スーパーバンタム級(55.3キロ以下)4団体タイトルマッチ12回戦が6日、東京ドームで行われ、王者・井上尚弥(大橋)がWBC1位の指名挑戦者ルイス・ネリ(メキシコ)に6回1分22秒TKO勝ちした。34年ぶりに開催された東京Dボクシング興行。過去にドーピング騒動や体重超過を起こし、日本と因縁深い悪童を成敗した。初回にまさかのプロ初ダウンを喫してからの完勝劇だったが、試合中にはネリに対して挑発に打って出るシーンで沸かせた。
初回、左フックを顎に食らい、まさかのプロ初ダウンを喫した井上。直後はロープに詰められたものの、すぐに冷静さを取り戻した。2回はネリの打ち終わりに狙いすました左フックでダウンを奪い返し、挑戦者を見下ろした。リズムを失ったネリは頭をつけ、井上の攻撃を封じようとした。4回、井上はガードを下ろしたと思いきや、フェイントでパンチを見舞う。さらに自らの顔を指さし、「打ってこいよ」と言わんばかりのジェスチャーでネリを挑発。不敵にニヤリと笑った。
米スポーツ専門局「ESPN」のストリーミングチャンネルで実況を務めたジョー・テシトーレ氏は「見てください! 派手に見せびらかして誘い込んでから強打を打ち込みました!」と驚きの声を上げ、解説の元世界2階級制覇王者ティモシー・ブラッドリー氏も「Hahahaha!」と思わず爆笑したほど。
ブラッドリー氏はさらに「イノウエと対戦したら、彼のスピード、パワー、正確さを相手にするのだからディフェンスがばっちりじゃないといけない。ネリはパンチに耐えているけど、これがいつまで続けられるかな。それが問題だ」と語っていたが、井上は5回終盤に左フックで2度目のダウンを奪取。6回には連打で3度目のダウンを奪い、レフェリーストップ。終わってみれば、4万人の観衆の前でモンスターの強さが際立つ完勝劇だった。
(THE ANSWER編集部)
2024年05月07日 07:00
「ボクシング・四大世界タイトルマッチ」(6日、東京ドーム)
スーパーバンタム級4団体タイトルマッチで、統一王者の井上尚弥(31)=大橋=が元世界王者で挑戦者のルイス・ネリ(29)=メキシコ=に6回1分22秒TKOで下し、ベルト4本の防衛に成功した。WBO世界バンタム級5位の武居由樹(27)=大橋=は王者ジェーソン・モロニー(オーストラリア)に3−0で判定勝ちし新王者に。WBAバンタム級王者の井上拓真(28)=大橋=は同級1位の石田匠(井岡)に3−0の判定勝ちで2度目の防衛。世界主要4団体のバンタム級王座は日本選手が独占した。歴史的な34年ぶりの東京ドーム興行を3階級制覇の元世界王者・長谷川穂積氏が、戦いを分析した。
◇ ◇
井上尚弥選手が、いきなり1回にネリの左フックをもらってダウンを喫したのはビックリした。ただ、普通はすぐに立ち上がったりするものだが、冷静にカウント8まで聞いていた。こんなピンチもあると想定して、しっかりシミュレーションをしていたのだろう。
落ち着きを取り戻した2回以降は回を重ねるごとにペースをつかみ、5回のダウンはショートの左フックを短くきっちり当ててみせた。これでネリは、かなりのダメージがたまった。最後のダウンも右アッパーから右ストレートのコンビネーション。東京ドームという大舞台で存分に魅せて勝ち切る。ネリとの力の差を見せつけたし、周囲の期待を上回る尚弥選手ならではの勝ち方だった。
武居由樹選手は2回にローブローで減点されたが、その後もひるまずに左ボディーを打ち続けて、メンタルの強さを発揮した。さらにモロニーがサウスポーが得意ではなく、優位に運ぶことができた。ただ、最終12回に急速にスタミナ切れしたのは今後の課題として残った。
井上拓真選手は前回の試合でKO勝ちしたことで、かなり自信をつけたようだ。こちらも1回にダウンに喫しながら、焦らず石田選手の後ろ重心のディフェンスの弱点をついて大差の判定勝ちにつなげた。武居選手が王者になったことで、バンタム級は4団体が全て日本選手が王者。すごい時代になった。これから本当に面白くなりそうだ。(デイリースポーツ評論家)
2024年05月07日 06:00
「ボクシング・4団体統一世界スーパーバンタム級タイトルマッチ」(6日、東京ドーム)
34年ぶりに東京ドームでボクシング興行が行われ、王者・井上尚弥(31)=大橋=がWBC同級1位の挑戦者ルイス・ネリ(29)=メキシコ=を6回1分22秒TKOで下し、防衛に成功した。初回にはまさかのプロ初ダウンを喫したが、そこから3度のダウンを奪い返しての完勝。「自分の中でも激闘という試合ができたんじゃないかなと。1ラウンド目にダウンを喫したが、最終的にはKOで勝つことができたので、自分の中でいいキャリアを積むことができた」と胸を張った。
1回には接近戦からネリの左フックをもろに浴びてリング上にはいつくばり、まさかのプロ初ダウンを喫した。ただ、2回にダウンを奪い返すと、5回にもダウンを奪い、6回には一気に攻勢に出て衝撃的な右ストレートで“悪童”をたたきのめした。
大橋秀行会長は「まず、(東京ドーム興行に向けた)この2カ月の準備で寿命が縮んだが、試合内容で2カ月寿命が縮みました」と“悲鳴”を上げ、笑いを誘った。「ただ、東京ドームでの試合内容はものすごいインパクトを与えられたと思うので。(陣営として)試合内容は満足してないが、一般のファンの方はボクシングってすごいものだと感じたと思う」と大きくうなずいた。
また、試合後の会見では、井上チャンピオンから「今日獲得したWBCのダイヤモンドベルトは大橋会長にプレゼントしたい」とサプライズ贈呈も。大橋会長は隣で「マジで…」とつぶやき、「34年前にタイソンを見て、僕も東京ドームやりたいと思っていたが、(自身が1990年10月のWBC世界王座防衛戦で敗れた)リカルド・ロペスに雪辱した気持ちです(笑)。ありがとう」と感慨を込めた。
2024年05月07日 06:00
「ボクシング・WBO世界バンタム級タイトルマッチ」(6日、東京ドーム)
元K−1王者で、同級5位の武居由樹(27)=大橋=が、王者ジェーソン・モロニー(33)=豪州=に判定3−0で勝利し、世界初挑戦で王座を獲得した。
2024年05月07日 06:00
お騒がせ女子プロレスラーことウナギ・サヤカが、今度は新団体「マリーゴールド」との対抗戦を勝手にぶち上げた。
6日の「エボリューション(エボ女)」(東京・新木場1stRIGN)に電撃登場し、改めて全日本プロレスの諏訪魔が務めるプロデューサー職を奪うと宣言。先日はエボ女の定期参戦を争うオーディションで落選したばかりだが、22日新木場大会でChiChiとの対戦が決定的となった。
そもそもプロデューサーとして、エボ女をどうしたいのか。取材に「エボ女を乗っ取って私がプロデューサーになって、マリゴ(マリーゴールド)と対抗戦をしたいと思います。やっぱね、一番倒すべきところはあそこじゃないですか。マリゴを倒したら、エボ女が一番になったと言っても過言ではない。そこにウナギ・サヤカがいないと」と明かす。
ウナギは20日に後楽園ホールで旗揚げする「マリーゴールド」に強い対抗意識を持つ。だが、同団体はジュリア、林下詩美のツートップをはじめ、13人の所属選手がいる。そこで「周りから『出るの? どうするの?』と言われているけど、私は1人なので団体を持った方がいい」という結論に至ったそうだ。
そのためにも、まずはプロデューサーの座を手にしなければならない。「諏訪魔とプロデュサーチェンジマッチをしたいなと。ChiChi、まずはお前を査定して、諏訪魔を引っ張り出してやるよ」と予告したウナギは本気だ…。
2024年05月07日 06:00
全日本プロレスの史上最年少3冠ヘビー級王者・安齊勇馬(24)が、みそぎの防衛ロードに挑む。
史上最年少優勝&デビュー最短優勝の記録がかかった春の祭典「チャンピオン・カーニバル(CC)」Bブロックでは開幕から2連勝を決め、中大レスリング部の先輩・諏訪魔からも勝利を奪った。
だが、4勝3敗の勝ち点8で全日程を終了。優勝決定戦(12日、横浜BUNTAI)への切符は、勝ち点10の斉藤ジュンに奪われた。「チャンピオンとして試されていると感じていた。チャンピオンだから負けも許されない。だからといって、勝つだけじゃ王者として認められない。勝ち方にもこだわりましたし、死に物狂いで戦いました」と振り返る祭典は安齊にとって、決して納得のいくものではなかった。
団体最高峰王座を持つ身として、公式戦で本田竜輝、斉藤レイ、鈴木秀樹の3人に敗れるふがいない結果だったからだ。早期の雪辱を狙う安齊は「タッグを組んでいる本田、キャリアの近い斉藤レイ、そして優勝決定戦につながるチャンスがあった中で負けた鈴木秀樹。全員に対して悔しさが残ってますし、下を向いている暇なんてないので、ベルトをかけて今すぐにでも戦いたいです」と拳を握る。
決して楽な防衛ロードではないが、王道マットを混乱に陥れた中嶋勝彦から至宝を取り返した安齊の、新時代を担う覚悟は大きい。「俺が全部受け止めますよ。もう王者として負けることはない。(CC)優勝者と負けた3人をまとめてポンポンポンポンと倒して、このベルトを防衛します」
6日の後楽園大会ではAブロック最終公式戦でデイビーボーイ・スミスJr.を下した宮原健斗の優勝決定戦進出が決定。12日は宮原とジュンが激突する。
2024年05月07日 05:00
「ボクシング・WBA世界バンタム級タイトルマッチ」(6日、東京ドーム)
WBA世界バンタム級王者の井上拓真(28)=大橋=が同級1位の石田匠(井岡)に3−0の判定勝ちで2度目の防衛を果たした。
拓真が執念でベルトを守り抜き、勝利のバトンをつないだ。1回、2分過ぎにカウンターの左ジャブが顎に入り、まさかのダウン。東京ドームがどよめきに包まれたが、すぐに反撃を開始した。鋭いアッパーで石田の顔面を血染めにすると、相手の代名詞でもある左ジャブに苦戦しながらも、12回まで集中力を切らさず前に出た。「唯一の収穫は勝てたことだけ」。反省が口をついたが、メイン兄尚弥の“露払い”を務めあげた。
19年11月以来となる兄弟での世界戦そろい踏み。前回は王座陥落の屈辱を味わったが、大差判定で2度目の防衛に成功し、役目を果たした。「これだけの大観衆の中で競り勝てた、それだけが今日の収穫」と繰り返した。
同級では4団体で日本人の世界王者が4人並び立つ活況となっている。セミでは同門の武居が初戴冠。また、リングサイドにはWBC王者の中谷潤人(M・T)も訪れた。拓真は試合前「このバンタム級で一番強いのは井上拓真なんだぞというところを見せていきたい」と期していたが、快勝とはいかなかっただけに「まずは今日は勝てたことが収穫。こんな内容じゃ統一戦とか言ってられない。課題をクリアして、もっと強いチャンピオンになりたい」と渋い表情。志の高さが渇望となってあふれ出た。
◇井上拓真(いのうえ・たくま)1995年12月26日、神奈川県座間市出身。アマチュア戦績57戦52勝(14KO)5敗。2013年12月にプロデビュー。15年に東洋太平洋スーパーフライ級王座、18年にWBC暫定世界バンタム級王座、21年にWBOアジアパシフィック王座、22年に日本スーパーバンタム級王座、23年にWBA世界バンタム級王座を獲得。身長164センチ。右ボクサーファイター。
2024年05月07日 05:00
「ボクシング・WBO世界バンタム級タイトルマッチ」(6日、東京ドーム)
格闘技K−1で活躍したWBO世界バンタム級5位の武居由樹(27)=大橋=は王者ジェーソン・モロニー(オーストラリア)に3−0で判定勝ちし、新王者となった。
2024年05月07日 05:00
「ボクシング・4団体統一世界スーパーバンタム級タイトルマッチ」(6日、東京ドーム)
モンスターの一撃が、34年ぶりの東京ドーム興行でさく裂した。スーパーバンタム級4団体タイトルマッチで、統一王者の井上尚弥(31)=大橋=が元世界王者で挑戦者のルイス・ネリ(29)=メキシコ=に6回TKO勝ちし、ベルト4本の防衛に成功。1回にダウンを喫しながらも、6回に仕留めた。井岡一翔(志成)に並ぶ歴代1位の世界戦22勝目。次戦として9月頃に、WBO、IBF同級1位サム・グッドマン(25)=オーストラリア=と対戦するプランを明らかにした。
◇ ◇
東京ドームのメインイベントで防衛戦を行った全勝の統一王者、といえば、これまではマイク・タイソン(米国)だった。それまで37戦全勝(33KO)と圧倒的な強さを誇ったWBA・WBC・IBF統一世界ヘビー級王者の鉄人だったが、1990年2月11日の東京ドームでジェームズ・ダグラス(米国)にKOされ、初黒星を喫した。
井上尚弥は3月6日の記者会見でそのことについて質問され「毎度そんな予想を立てられながら試合をしているので、会場は関係なく、いつも通りの試合に臨みます」と受け流した。なお、タイソンも東京ドーム初戦の88年3月21日、トニー・タッブス戦では2回TKO勝ちしている。
今回のあおり番組では「負ければ無敗の価値が一瞬にして崩れ落ちますからね。試合が決まってからずっと、そこの恐怖はつきまとうものだと思う」と胸中を明かした。
その恐怖を毎試合乗り越えて、井上は10年間にわたって頂点に立ち続けてきた。のみならず、1月29日のWOWOW番組収録では「来年再来年、もっと強い姿をお見せしたい」と、飽くなき向上心を見せていた。一つの敗戦の重みは、井上自身がよく理解しているのだろう。(デイリースポーツ・ボクシング担当・藤澤浩之)
2024年05月07日 05:00
「ボクシング・四大世界タイトルマッチ」(6日、東京ドーム)
34年ぶりとなるボクシングの東京ドーム興行が行われた。4団体統一スーパーバンタム級世界王者の井上尚弥を擁し、所属する4選手で国内初の4大世界戦をプロモートする大橋ジムの大橋秀行会長(59)に、今回のドーム興行にかける思いを聞いた。
◇ ◇
1988、90年の東京ドームがマイク・タイソンありきだったように、2024年の東京ドームは井上尚弥なしでは考えられなかっただろう。大橋秀行会長は「井上尚弥という夢の超特急に乗っている気分ですよ。連れてきてもらいましたよ」と率直に述べる。
尚弥との関係には運命を感じている。大橋のラストマッチは93年2月10日だが、2カ月後の93年4月10日に尚弥が生まれたこと、大橋が達成できなかった高校1年生でのインターハイ優勝、全日本優勝、当時のプロ最短記録だった7戦目での世界奪取(尚弥は6戦目)、3階級制覇(尚弥は4階級)といった目標を「ことごとくかなえて」くれたこと、そして東京ドーム。「本当にすごく縁を感じます」と言う。
井上尚弥のすごさは「試合内容、強さだけで」東京ドーム興行を実現させるまでに、ファンのみならず一般層をも引きつけてきたことだろう。
大橋自身は、観客に見てもらうための仕掛けやパフォーマンスには肯定的だ。その上で「ただ、井上尚弥に関しては試合内容、強さだけでいけると思っていたので。それをブレなくやってきたんで、結果、大きな人気になり、東京ドームでできるようになったと思いますね」と言う。
当初、観客動員は「実力だけじゃ苦戦して」いたが、18年から「一気に」増えた。尚弥はこの年、3階級制覇を達成し、ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)1回戦で1回KO勝ち。「あれから常に超満員」で、東京ドーム興行は「バンタム級で4団体統一したぐらい(22年12月13日)からはいつでもできると思っていました」と明かす。具体化したのは「去年の5月くらい」だった。
大橋ジムは今年で30周年。大橋は「30年前の自分に言いたい、30年後に東京ドームでやっているぞって。たぶん信じないだろうな。30年前にジムを始めた時って、初めて興行をやって、4回戦で5人続けて負けたんですよ。そこからスタートだったんで」と感慨を込めた。
東京ドーム興行の継続について「その可能性も高い」と話す。そのためには直近なら井上尚弥の存在、将来的には「井上尚弥に続くようなスター」の存在が不可欠だ。大橋は「この東京ドームから、また大橋ジムの始まりなんで。どんどん若手も、アマチュア選手も入ってきている。だから、またスタートラインに立てたっていう感じですかね」と常に未来を見据えている。
2024年05月07日 05:00
「ボクシング・4団体統一世界スーパーバンタム級タイトルマッチ」(6日、東京ドーム)
モンスターの一撃が、34年ぶりの東京ドーム興行でさく裂した。スーパーバンタム級4団体タイトルマッチで、統一王者の井上尚弥(31)=大橋=が元世界王者で挑戦者のルイス・ネリ(29)=メキシコ=に6回TKO勝ちし、ベルト4本の防衛に成功。1回にダウンを喫しながらも、6回に仕留めた。井岡一翔(志成)に並ぶ歴代1位の世界戦22勝目。次戦として9月頃に、WBO、IBF同級1位サム・グッドマン(25)=オーストラリア=と対戦するプランを明らかにした。
操り人形の糸が切れるように、ネリがロープに絡みつきながら倒れ込んだ。6回に強烈な右を受け、3度目のダウン。座りこんだままマウスピースを口から吐き出し、完全に戦意を喪失した。顔は赤く腫れ上がり、目はふさがった。試合後は大事を取ってインタビューを行わず、病院に直行した。
山中慎介との2度の対戦でドーピング陽性疑惑、体重超過と問題を重ねた“悪童”。今回も一挙手一投足に注目が集まったが、不祥事は一切なかった。計量は500グラムアンダーでパス。さらに5〜6度のドーピング検査も実施し、ファイターとして試合までの準備は怠らなかった。
“怪物”の相手は強者でないと務まらない。1回に左フックで尚弥から奪ったプロ初ダウンは会場を震え上がらせ、実力を証明した。入場時に起こった大ブーイングは、退場時には拍手に変わっていた。
2024年05月07日 05:00
「ボクシング・WBA世界フライ級タイトルマッチ」(6日、東京ドーム)
WBA世界フライ級王者のユーリ阿久井政悟(28)=倉敷守安=が同級3位の桑原拓(大橋)を3−0の判定で破り、初防衛に成功した。
2024年05月07日 05:00
「ボクシング・4団体統一世界スーパーバンタム級タイトルマッチ」(6日、東京ドーム)
モンスターの一撃が、34年ぶりの東京ドーム興行でさく裂した。スーパーバンタム級4団体タイトルマッチで、統一王者の井上尚弥(31)=大橋=が元世界王者で挑戦者のルイス・ネリ(29)=メキシコ=に6回TKO勝ちし、ベルト4本の防衛に成功。1回にダウンを喫しながらも、6回に仕留めた。井岡一翔(志成)に並ぶ歴代1位の世界戦22勝目。次戦として9月頃に、WBO、IBF同級1位サム・グッドマン(25)=オーストラリア=と対戦するプランを明らかにした。
1回から戦慄(せんりつ)が待っていた。尚弥はもつれたところから左アッパーをヒットさせたが、打ち終わりにネリの左フックを被弾し、回転して腹からダウンした。初めて倒され、思わず苦い笑みがもれた。
試合後「1ラウンド目のサプライズ、たまにはいかがでしょうか?」とちゃめっ気を見せたが、実際は「必死だった」。普段のイメージトレーニングの成果で「落ち着いて対処できた」といい、ダウンに「燃え上がるところもあるので、非常にハイテンションで試合をしていた」と、ギアを上げていった。
2回には左フックをかわすと、左フックでお返しのダウンを奪取。4回に入ると、ネリの動きを見切ったようなムーブを見せるようになった。
5回にはロープに詰められての接近戦で左フックを打ち抜き、2度目のダウンを奪取。6回に入ると打ち合いから右ストレートで吹き飛ばし、下半身から崩れたネリは立てなかった。“日本国民の敵”を鮮やかに逆転TKOした尚弥に、4万3000人の大観衆は総立ちで拍手喝采だ。
入場から度肝を抜いた。日本を代表するギタリストの布袋寅泰が、入場ゲートで代表曲「バトル・ウィズアウト・オナー」をかき鳴らし、ホワイトタイガーの新コスチュームに身を包んだ尚弥が大歓声の中、姿を見せた。チームが掲げる4本のベルトを背に場内を見渡し、口を引き結んでリングイン。長い花道の東京ドームならではの豪華な演出だった。
尚弥は日本ボクシング史上最大の興行に「すごいプレッシャーがあった」と告白し、大観衆の応援に感謝。「倒した瞬間はいつになく最高の気持ち」とフィニッシュを振り返った。ボクシング34年ぶりの東京ドーム興行を名勝負で締めくくり「本当に満足する試合だったと思う」と自負したが、王者に休息はない。
IBF・WBO1位のグッドマンがリングインし、尚弥は「次戦、9月ごろ、サム・グッドマンと防衛戦をしたい、これから交渉をしていきたい」と“1位指名”。18戦全勝(8KO)の戦績を誇るグッドマンも「絶対にやりましょう」と応じ、無敗対決が決定的になった。
◆ネリ−山中慎介のVTR ネリが山中のWBC世界バンタム級王座に挑戦したのは2017年8月15日。4回2分29秒、TKO勝ちで王座を奪取した。その後WBCは8月23日、ネリが試合前のドーピング検査で禁止薬物に陽性反応を示したと公式サイトで発表。10月31日、ネリ側に意図的摂取の証拠がないとして王座保持を認め、山中と即時再戦を交渉するよう命じる裁定を下した。再戦は18年3月1日に行われたが、ネリは最終的に1・3キロ超過で失格し王座をはく奪された。山中が勝てば王者、負けか引き分けなら王座は空位の条件下、山中は2回TKO負けで引退を表明した。
◇井上尚弥(いのうえ・なおや)1993年4月10日、神奈川県座間市出身。相模原青陵高時代にアマチュア7冠、12年10月にプロデビュー。14年4月にWBC世界ライトフライ級王座、同年12月にWBO世界スーパーフライ級王座、18年5月にWBA世界バンタム級王座を奪取し3階級制覇した。19年5月にはWBAに続きIBF王座を奪取し2団体統一を果たした。22年6月には日本人初の3団体王座統一。12月にバトラー(英国)に勝利し、アジア勢とバンタム級では初の4団体統一を果たした。165センチ。右ボクサーファイター。既婚。3児の父。
2024年05月07日 05:00
「ボクシング・4団体統一世界スーパーバンタム級タイトルマッチ」(6日、東京ドーム)
スーパーバンタム級4団体タイトルマッチでの大一番を制した統一王者の井上尚弥(31)=大橋=は、鮮やかなTKO勝利に高揚感を漂わせた。東京ドームでのボクシング世界戦興行は、ヘビー級王者のマイク・タイソン(米国)がプロ初黒星を喫した1990年2月以来34年ぶり。日本ボクシング界にとっての歴史的一日を、“怪物”がきっちりと締めくくった一問一答要旨。
◇ ◇
−試合を振り返って。
「自分の中でも激闘という試合ができたんじゃないか。1ラウンド目にダウンを喫したが、最終的にはKOで勝つことができたので、自分の中でいいキャリアを積むことができた」
−ダウンの影響は。
「ダメージはさほどなかった。パンチの軌道が読めなかったので、1ラウンド目とあってダウンはしたが、全然引きずることはなく、2回からポイントを計算しようかなと。冷静に戦うことができた。ちょっと出だし気負っていた部分があったので、ダウンして冷静に立て直せた。逆にあのダウンがあったからこその戦い方ができた」
−途中でトリッキーな動きもあった。パンチを見切ったのか。
「見切りもそうだが、やっぱり試合を通して主導権を握っていくと。気持ちの面で上回っていかないといけないこともあるので、駆け引きという意味でやりました」
−大観衆でのプレッシャーは。
「自分にとって東京ドームでやることにものすごいパワーももらったが、重圧やプレッシャーもあったと振り返って思う。入場で東京ドームの景色を見て、舞い上がってはないが、ちょっと浮足(だった)というか、(試合中に)そういうシーンはあった」
−花道で何度も見渡していた。
「東京ドームをかみしめながら、4万人のお客さんをしっかり見ながら入場することができた」
−最後に一言。
「また9月、グッドマンと交渉を進めていきたい。それと今日獲得したWBCの(歴史的な試合の勝者に贈られる)ダイヤモンドベルトは大橋会長にプレゼントしたい」
2024年05月07日 05:00
次の挑戦者候補が不敵予告だ。ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体王座戦(6日、東京ドーム)で、統一王者の井上尚弥(31=大橋)がWBC同級1位のルイス・ネリ(29=メキシコ)に6ラウンド(R)TKO勝ちで防衛に成功。試合後にリングに上がったIBF&WBO同級1位のサム・グッドマン(25=オーストラリア)を直撃した。
井上はスーパーバンタム級に転向した昨年、WBC&WBO王者スティーブン・フルトン(米国)、WBA&IBF王者マーロン・タパレス(フィリピン)を相次いで撃破し、4本のベルトを統一。この日はネリを下し、改めて「最強」であることを証明した。
試合後に井上はグッドマンをリングに招き入れ「次戦は9月ごろ、隣にいるグッドマンと防衛戦の交渉をしていきたいと思います」と宣言。グッドマンも「自分もベルトが欲しくて、ここまで戦ってきた。やりましょう」と応じた。
グッドマンの戦績は、ここまで18戦全勝(8KO)。この日はリングサイドから試合を見守った。井上は1Rでプロ初のダウンを喫したが、その後はペースを取り戻して3度のダウンを奪う完勝。グッドマンは試合を振り返り「とてもいい試合だったけど、両者いくつかのミスが見られた。弱点もたくさん見えたし、どうすれば(井上に)勝てるかもわかった。(試合を見て)興奮しているし、(自分も)試合を実現させたい」とモンスター攻略に自信をのぞかせた。
その上で「(井上は)とてもいいファイターだし、彼は世界でもトップクラスの選手。もう1年以上(井上と戦うのを)待っている。彼はベルトを返上するか、私と戦うかの2択。もちろん彼に勝つ自信はあるし、自信がなければ彼と戦おうとは思わない」と不敵な笑みを浮かべた。
リングから下りた後は、ファンからの写真撮影とサインにも応じた。「日本に来られて全部よかったし、非現実的な体験だった。また、ここのリングに戻ってくるのが楽しみだ」と今度は挑戦者として日本に乗り込むことに意欲を示した。